海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「輸出や輸入が落ち込んでいるので、世界的危機は中国に損害を与える」

2009年02月12日 | 中国の政治・経済・社会
1月に中国の輸出額は一年前の一月より17.5%減少し、輸入は43%落ち込んだ。そのかっては白熱していた経済がどれほど急速に低下し、更なる失業や社会不安の脅威が増大しているかを明白にしている。
エコノミストたちは政府の関税局によって公表された数字は今年の一週間かかった旧正月が一月に始まったという事実によって非常にゆがめられているということを指摘している。にもかかわらず、下落の程度は、多くのエコノミストたちによって予想された12%から14%よりも上回っており、12月の2.8%の落ち込みよりもはるかに増加している。
「基礎にある貿易額は、海外と国内の需要の最悪の状態がまだ終わっていないことを示唆している」とUBS証券の経済研究所所長であるタオ・ワンは昨日の報告書に書いた。
悪化しつつある世界経済は、中国の輸出業者にとっては、壊滅的である。中国南部の工業地帯にある何万もの工場は個々数ヶ月の間に閉鎖され、中国政府の推定によると、2千万人の新たな失業者を生み出した。
昨日公表されたデータによると、世界最大の経済の輸出額は、EU向けが17%、米国向けが10%、日本向けが9%落ち込んだが、中国の隣人への輸出額はもっと大きく落ち込んでいる。東南アジアの諸国連合を構成している国々への輸出は、22%落ち込んだ。
モルガン・スタンレーのデニーズ・ヤムとチン・ワンとは研究報告において、アジアの生産者間の貿易の多くは、部品であるか半製品であるので、「今後数ヶ月間にアジアの輸出国からの取引は、さらに低下するかもしれない」と述べている。
北京の清華大学の経済学教授であるリ・ダオクイは、数週間後に2月の統計が公表され、1月の数字といっしょに分析されれば、状況はひどくは見えないだろうと予測した。「自分は輸入額の落ち込みも、国内需要の後退よりは、むしろ原料価格の下落によるものであるがゆえに、誤解を招くものであると信じている」と述べた。
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「崖っぷち」と題する『ニューヨーク・タイムズ』に書かれたクルーグマンの論説

2009年02月12日 | アメリカの政治・経済・社会
それほどおかしくないことが、経済回復の途中で起こった。過去二週間、絶望的な難局にある経済をどうやって救うかについての非常に真剣な議論であるべきだったものは、陳腐な政治劇になった。共和党は、無駄な政府支出と減税の奇跡という古臭い決り文句を叫んでいた。
それは、まるで過去8年間の惨憺たる経済上の失敗が起こらなかったかのようだ。けれども、民主党は信じがたいことだが、守勢に立っている。主要な刺激策が上院を通過したとしても、原案の重要な部分、つまり、国家と地方政府との援助は、骨抜きにされたという現実のリスクが存在する。
いずれにしても、ワシントンは、われわれが経済的深淵に落ちかけているという現実についての感覚を失った。もし、そうなれば、そこから抜け出すことは非常に困難だろう。
どれほど多くの経済的困難の中にわれわれがいるかを誇張しすぎることはない。この危機は、住宅から始まったが、ブッシュ時代の住宅バブルの破裂は、米国だけでなく、世界中に経済的ドミノ倒しを始めた。
その資産が激減し、住宅価格の下落で楽天主義を打ち砕かれ、株式市場が急降下した消費者は、彼らの支出を切りつめ、貯蓄を殖やした。これは長期的には良いことだが、現在の経済に対する大きな打撃だ。家賃が下落し、融資コストが急上昇している商業的不動産のデベロッパーは、投資計画を削減している。ビジネスは、彼らが持っている生産能力を十分に使用するほどは販売することができないので、生産能力を拡大する計画を削減している。過去数年間、米国経済の強い領域であった輸出は、現在、われわれの貿易取引相手が金融危機で打撃を受けているので、急落している。
景気後退に対するわれわれの主要な防御線、--金利を下げて、経済を救うFRBの通常の能力は、既に突破されてしまった。「連邦準備制度理事会」は、それがコントロールしている金利を事実上ゼロにしたけれども、経済はなお自由落下を続けている。
政府の行動がない場合には、われわれは深く長期的な不況に向かって突き進むと大抵の経済予測が警告しているのは不思議ではない。数名の私的なアナリストは、二桁の失業率を予言している。議会の予算局は、もう少し、楽天的だが、その局長は、最近、「財政政策における変化がない場合には、潜在的レベルに相関的な国民支出の減少は、1930年代の大恐慌以来、最大になるだろう」と警告した。(以下省略)
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