杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

清々しいニュース

2011-01-08 10:39:40 | 吟醸王国しずおか

 新年第1週目は、2~4日まで原稿執筆、5日に東京取材、6日に原稿執筆、7日は打ち合わせ・・・と、ふだんとまったく変わらないワークローテーションで、なんとも味気ないお正月でした。「屠蘇酒」についてあれこれウンチクを紹介しても(こちらをご参照を)、この1週間で酒を飲めたのは1日だけ。しかも半分お仕事がらみの新年会だったので、名刺交換やら賀詞交歓やら酒についての素人解説やらで、飲んだ気がしませんでした(苦笑)。

 

 

 そんな中でも、親しい人から明るいニュースをもらって、清々しい新年出足となりました。

 

 まず尊敬する山本起也監督が、いよいよ初の劇映画のメガホンをとることになり、2月からクランクインというお知らせ!『カミハテ商店』というタイトルで、1年がかりで創り上げたシナリオだそうです。

 

 『朝鮮通信使』の制作時、一緒に飲んで酔って「絶対に巨匠になってねっ いや、あなたは絶対なるっ そのときは私、アノ監督と飲んだことあるんだ~って自慢するから」とクダをまいたことを思い出しました。酒席での戯言ではなく、ホントにそうなるかも、と思うと、ゾクゾクします。映画ファンのみなさま、山本起也の名前を映画メディアの中で見つけたら、ぜひ“先物買い”するつもりで注目してくださいねっ

 

 

 

 その山本監督と、吟醸王国しずおか制作の相談をしていた頃、引き合わせたことのある『喜久醉』の青島孝さん出演の、WOWOWドキュメンタリー『銘酒誕生物語 岐阜・静岡杜氏秘伝の技を訪ねて』。1月2日のオンエアをご覧になりましたか?

 私は昨日(7日)にやっと録画を観まして、提供した前杜氏の富山初雄さんや河村傳兵衛先生の写真がたくさん使われていて、『喜久醉』の価値を世に伝える一助になれたことを嬉しく思いました。時間にしたら30分弱ぐらいでしたが、青島さんの人となりをこれだけしっかり伝えたテレビ番組は初めてじゃないでしょうか。

 カメラに向かってまっすぐに、自分の酒造りの志を語る青島さんの姿はキラキラしていました。久しぶりに画面で拝見したナマ河村先生の泰然自若としたお姿も印象的でした。

  

 単なる銘柄宣伝ではなく、造り手の技や精神にスポットを当てたという意味で『吟醸王国しずおか』に似た構成だったので、青島さんは私にさかんに気を遣ってくださいましたが、それなりに時間をかけて丁寧に作った番組だったし、酒にこうして真摯に向き合うテレビ制作者がいたことを、心強くも思いました。

 

 「・・・それにひきかえ、地元静岡のテレビ局にこういう制作者はいないし、素人の私が苦労して作っているのに手を差し伸べてくれる局もない」と、ついつい愚痴ってしまいたくもなります。

 

 自分が企画した映画や番組が作れる環境にいる人は、妥協することなく、後世に残す価値あるものを作ってほしいと切に願います。これだけメディアが多様化してくると、真に価値あるものしか残らないって痛感します。映像のプロが作るコンテンツはこうだっ!ってものをぜひ残してください。

 なお、同番組は14日(金)18時から再放送されるようですから、ぜひチェックしてくださいね。

 

 

 

 もうひとつ嬉しいニュース。私のライターとしての成長をずっと見守ってくれた静岡新聞社の平野斗紀子さんが昨年退職されてフリーになられたことは、当ブログでも紹介しましたが、その平野さんが、吟醸王国HPに楽しいコラムを書いてくださいました。フリーエディター平野斗紀子として外に発信した原稿は初めてじゃないかな。

 

 しかも今年は自費で情報誌『Tamara Press』を発刊するというお知らせつき! 平野さんに誌名の意味を訊いたら、タマラ・プレスは東京五輪の女子砲丸投げ選手の名前で、昔、新聞社の上司にあだ名にされたとか。“最後はチカラわざでねじ伏せる”と解釈してください、とのことです。・・・なんだか怪力大女になってガッツポーズをとる平野さんが夢で出てきそうですが(笑)。

 

 平野さんのコラムは、なんというのか、プロの書き手らしいリズム感があって、さすが「地酒をもう一杯」の編集者らしい「もう一杯」に満ち溢れた、落語話のような楽しい体験談です。これを読んで、すっかりお正月のお屠蘇気分に浸ることができました。平野さん、ありがとうございました

 

 

 吟醸王国会員メッセージ『しずおか吟醸伝』、今月は私が“姉さん”と慕うパワフルな女傑が続々登場しますので、乞うご期待を


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