杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

2011年の心構え

2011-01-12 15:58:55 | ニュービジネス協議会

 11日(火)は沼津で(社)静岡県ニュービジネス協議会東部部会の講演会&新年会。(財)企業経営研究所常務理事の中山勝さんに、2011年への心構えを説いていただきました。

 

 

 

 沼津へ向かう電車の中で週刊ダイヤモンドの特集記事『新聞・テレビ勝者なき消耗戦』を読みながら、新聞・テレビの2大メディアとも、人口減によって広告収入の減少が避けられない時代、肥大化した企業体質を転換させられるかどうかが生命線であると実感しました。

 

 

 

 

 人口の推移って本当に大事な指標ですね。中山さんのお話で、今、世界経済を動かしているのは先進国の8億人だといわれていますが、中国やインドが先進国の仲間入りを果たせば8億から25億になる。労働人口も消費人口も3倍以上になるわけです。

 

 

 それがいつごろかといえば、中国の人口のピークは2010年~20年、インドは2040年あたり。GDPの数値を合わせてみると、中国の場合、このまま年率15%成長が続けば2017年に一人あたりのGDPが(先進国の条件とされる)1万ドルを突破し、インドは年率10%成長で計算すると2035年に突破=先進国の仲間入りとなるそうです。

 

 

 あと数年後に迫った中国の先進国入りは、日本の社会を激変させるだろうし、すでに観光地や商業施設が中国人客に依存しているように、国内消費をもジワジワ変容させています。

 

 

 

 

 日本の企業はこれまで、強い産業(二次産業)は同業他社がやることを“me too”で何でも真似てシェアをかせぎ、そのためには品質を上げて価格を下げて、そのためにカイゼンをして量産する。

 弱い産業(一次・三次産業)は規制に守られ、護送船団方式できた。強さも弱さをひっくるめてここまで発展した日本は、ある意味、注目すべきビジネスモデルの国だったのかもしれませんが、その陰で進行していった日本病ともいうべき弊害―「敗者復活しにくい社会」「成功体験への依存」「横並び・先送り主義」は、中国・アジアの台頭と人口減少という大きな時代のうねりには通用しないし、「景気はいずれ上向いてくる」「新しいことをやるには、誰かがトライして見通しが立ちそうなら、me too」なんて甘い考えも通用しないと中山さん。

 

 

 その言葉は、ダイヤモンド誌面にあった「収益ダウンに加えて新たなプレーヤー(通信、IT)の参入というダブルパンチに見舞われつつも、新しい血を入れることをかたくなに拒否する新聞社やテレビ局」の姿に痛くふりかかるようでした。

 

 

 

 

 中山講話を取材しながら、漫然とですが、自分は地方の小さなメディアの隅っこに巣を作って必死に生きながらえるアリンコみたいな存在ながら、自分が属する業界と、自分が暮らす国の行く末に対する危機意識を、不感症にならず、ちゃんと痛みを持って感じていよう・・・と思いました。

 

 2011年、なかなか厳しい船出です。

 

 

 

 


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