杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

静岡県ニュービジネスフォーラムin静岡新聞

2012-11-29 14:12:20 | ニュービジネス協議会

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 本日(11月29日)付け静岡新聞朝刊15面に、8日開催の静岡県ニュービジネスフォーラムIN浜松の特集記事を載せました。当日の様子はこちらの記事でも紹介済みですが、今日の紙面では新たに基調講演の山口徹さんのお話を紹介しています。

 

 

 

 

 

 

 山口さんは、千葉県の「柏の葉キャンパスシティのプロデュースを手がけたスマートシティのプロフェショナル。「エコ」やら「スマート」やらが持て囃される昨今、日本のトップ企業を取りまとめての街づくり大実験、というスケールの大きなお話でした。私自身は、ニュービジネス協議会の現地視察会に参加できず、聞き書き程度の理解しかないんですが、世界最先端のスマートシティづくりをオールジャパンで実現し、海外にまで売り込んでいくという、今まで聞いたこともない威勢のいい話に、胸沸き踊る心地がしました。

 

 

 

 

 

 利害の生じやすい民間企業を一つのベクトルに束ねていくのは至難の業だと思います。山口さんのようなプロデューサーの手腕に拠るところも大きいでしょう。今の政治もそうですね。日本人が本来持っていたはずの〈調整し、束ねていくチカラ〉が、今、本当に必要なんだと思います。

 

 

 

 山口さんの講演部分(抜粋)を再掲します。

 

 

 

 

 

 

 

 

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戦略としての企業連携が求められるスマートシティ構想

山口 徹氏(イーソリューションズ㈱スマートシティ事業特別顧問)

 

 

 

 

世界の人口は現在約70億人。30年後には90億人になると言われています。そして世界的な流れで地方から都市部へと人口は集中し、生活水準はどんどん向上しつつある。中国では人口100万人都市が毎年15ヶ所も誕生している。電力需要とCO2の排出量は増加の一途です。なんとかしなければなりません。

 

日本は今、エコ技術の先端を走っていますが、携帯電話、液晶パネル、DRAMメモリ、ソーラー発電装置等のように世界シェアを失う可能性は高い。企業がバラバラではだめで、国家戦略として取り組む必要があります。

 

当社が手がける千葉県柏の葉キャンパスシティでは25社のトップ企業がジョイントベンチャーを組んでいます。目指すは、世界市場で戦えるオールジャパンのスマートシティ。①不動産開発、②基礎インフラ、③スマートインフラ、④生活サービス、⑤生活スタイル・文化・芸術という5層のパッケージで街の魅力を醸成します。

 

世界の都市開発は①に力点を置いていますが、実は④や⑤が重要です。ここをしっかり見せないと街の魅力は発信できません。ディズニーランドのように不動産会社の開発ながら、世界から誘致されるようなソフトを持たなければならないのです。

 

現在、当社のチームは国のバックアップを得て、ロシアの第二の都市サントペテルブルクのスマートシティプロジェクトを受注しました。オールジャパンの力を蓄えるには海外に進出するのも一つの手だと思っています。

 

東日本大震災の被災地・宮城県気仙沼の赤岩港エコ水産加工団地プロジェクトにも取り組んでいます。被災地はいまだに割れたガラス窓が放置されたビルや、裏庭に軽自動車がひっくり返ったままの家もある。神戸の復興は10年かかり、10年遅れの街になってしまった。被災後、どういう街を創るのかを平時から考えておくのも肝要です。

 


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