杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

志太平野美酒物語2010の奇跡

2010-06-06 23:54:38 | 吟醸王国しずおか

 3日(木)は恒例の志太平野美酒物語2010が焼津松風閣で開かれました。今年は美酒物語実行委員会(初亀、磯自慢、杉錦、志太泉、喜久醉、若竹の各蔵元)と松風閣のご厚意で、1~2階の階段の踊り場と、3階宴会場入り口Imgp2514 の2か所にテレビモニターを置いて、『吟醸王国しずおかパイロット版』を随時上映していただきました。

 

 これだけでも準備が面倒なのに、宴会場入り口に募金を呼び掛けるテーブルまで用意してくださったのです。もともとの上映のオファーも、「せっかくなら募金をしたら?」と言ってくださったのも、すべて実行委員会のみなさん。

 しかも、会場にいた人に後から聞いた話では、実行委員長の初亀・橋本社長と、招待者代表で挨拶に立った國本良博さんが、挨拶の中で映画制作のことや募金のお願いをしてくださったとのこと。・・・もうビImgp2516 ックリ&感激で、映像製作委員会ボランティアスタッフの斗瓶会員の面々は「便乗させてもらっている上に、こんな厚待遇、信じられない!」と面喰っていました。

 

 

 

 『吟醸王国しずおか』のプロジェクトは、2007年5月に『朝鮮通信使』の制作が終わった直後、志太平野美酒物語実行委員会で、「こんなことを企画しているんですが・・・」とおそるおそる提案してみたのが最初でした。

 なにも当初から志太の蔵元をターゲットにしていたわけではなく、私のような素人が考えた映画制作プロジェクトを蔵元サイドが本気で聞く耳を持ってくれるのかどうか、たまたま偶然、実行委員会におじゃまする予定があったので、ものの試しに話してみたのです。しかもプレゼンをする前の会議で、偶然にも蔵元の一人が「お客さんが開宴を待つ間、楽しめる映像みたいなものがあるといいよねぇ」とポツンと言ったそのひとことで、プレゼンが実にスムーズにできました!

 

 

 今となっては当然かもしれませんが、最初にこの話をキャッチしてくれた志太の蔵元衆が真っ先に支援の手を差し伸べてくれて、翌2008年の志太美酒物語では撮影をし、2008年夏に編集したパイロット版第1弾にその映像を入れ込みました。1~2階の踊り場で上映したのはこの映像です。

 

 

 2009年の志太美酒物語では、実行委員会が、宴会終了後にパイロット版の特別試写会をやろうと言ってくださって、宴会場で飲食しながら楽しめるよう、映像と音楽を中心にしたイメージ映像的なパイロット版第2弾を急きょ編集し、上映させていただきました。現在、各地で試写を行っているパイロット版は、この第2弾の映像です。

 

 

Imgp2520  そんなこんなで、志太美酒の常連客の方々には、『吟醸王国しずおか』のことが記憶にあったせいか、今回の募金活動も大変スムーズに行うことができました。

 集まった募金総額は97,503円。・・・この数字には、斗瓶会員が興奮し、志太美酒終了後ファミレスに場所を移して行った斗瓶会議も大いに熱が入りました。

 

 一晩で10万円近い寄付・・・斗瓶会員のみなさんは本当に手弁当で準備をしてくれて、当日も会場内へは一歩も入らず、外で懸命に募金を呼び掛けてくれました。その功績が大きかったのは当然ですが、ベースにあったのは志太平野美酒物語というイベントを長く続けてこられた蔵元衆と、全国から集まる志太酒ファンの方々の絆そのもの。限定された地域でありながら、これほどハイレベルの酒が何銘柄もそろい、同時に飲み比べできる価値をちゃんとわかる飲み手がいる・・・一朝一夕には築かれない絆でしょう。帰り際に「いいお酒を飲ませてもらったお礼に」と募金をしてくださった方が何人もいらしたのが、その証拠です。

 『吟醸王国しずおか』という映画も、そういう絆の延長線上に産み落とされた偶然の産物です。

 

 

Imgp2522  この、奇跡とも思える幸せな偶然を引き寄せるには、「こうありたい」「これを成し遂げたい」と強く念じることしかありませんが、これまで一人で念じていたことが、斗瓶仲間の念が何重にも加わって強烈なパワーになったんですね。

 当日の様子は斗瓶会員の神田えり子さんが吟醸王国しずおかHPで、私の思いを代弁するかたちで綴ってくれましたので、ぜひご覧ください。

 

 

 志太平野美酒物語実行委員会のみなさま、松風閣関係者のみなさま、当日ご参加のお客さま、募金にご協力くださったみなさま、そしてパワーの源となった斗瓶会員のみなさま、本当にありがとうございました。


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