救急一直線 特別ブログ Happy保存の法則 ー United in the World for Us ー

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2012年11月7日 南海トラフ巨大地震における減災医療と大学改革実行プランの報告

2012年11月07日 09時11分54秒 | 災害・減災医療
減災研究連携センターの建造物の設計が完成しています。さすがに設計や土木の教授陣が募っているため,かなり近代的な建物であり,驚きました。楽しみにしています。2012年10月10日には中央防災会議,防災対策推進検討会議として,中央合同庁舎で第9回南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループが行われています。翌日の10月11日(第26回)には過去地震の津波の痕跡高についての南海トラフ巨大地震モデル検討会,11月6日(第27回)には東北地方太平洋沖地震の長周期地震動の再現についての南海トラフ巨大地震モデル検討会が行われています。一方,本日の会議では,医学系研究科でもテーマになっている内容ですが,2012年6月に文部科学省より提出された「大学改革実行プラン~社会変革のエンジンとなる大学づくり~」の内容が,紹介されています。激しく変化する社会における大学の機能の再構築として,①大学教育の質的変換と大学入試改革,②グローバル化に適した人材育成,③地域再生の核となる大学作り(COC:center of community)の推進,④研究力強化:世界的な研究成果とイノベーションの創出の4項目が揚げられ,さらに大学機能の再構築のための4項目として,①国立大学改革,②大学改革を促すシステム・基盤形成,③財政基盤の確立とメリハリ有る資金配分,④大学の質保証の徹底推進が掲げられています。大学のCenter of Community,COC構想というのはとても大切であり,私の医局概念も,学術カフェ,診療カフェという,そのようなものです。いずれにしましても,当医局員の皆はもちろんのこと,文部科学省の「大学改革実行プラン」を御覧下さい。これを見ると,困ったものですが,「研究力を高めるんだ」という方向に偏りすぎる可能性があり,これはこれで大切ですが,10年後の診療基盤低下や,よき人材の大学離れが特に救急領域で加速することでしょう。地域の救急・集中治療を包括する大学としてのCOC構想が成立しなくなる可能性があります。大学病院で診療軽視の傾向が生じることは将来展望の上で危険であり,医学部の学生教育,医師教育,さらに減災医療の構築に向けて,救急医療なんてしなくていいという概念が生じることは望ましくないと考えています。「大学改革実行プラン」の提案内容に留まることなく,救急・集中治療医学領域としては,診療と研究と教育を三建させるという「三建一立」の精神と姿勢が大切と思ってます。



<お知らせ> 第2回防災人材交流セミナー

■日時:11 月 24 日(土)13:00~17:00 ※ 終了後交流会あり
■会場:名古屋大学豊田講堂 ※地下鉄名城線「名古屋大学」下車徒歩 3 分/開場 12:00
■参加料:無料
■定員:1200 名
医療とは直接には関係のない内容ですが,災害医療に関係するものです。

基調講演
「地域防災力をどう高めるか~東日本大震の 地域防災力をどう高めるか~東日本大震の 現場から 」
佐藤公治 氏(宮城県 南三陸町立歌津中学教諭 )

特別レクチャー
「南海トラフ巨大地震の被害予測と対策」
① 国・愛知県における被害想定の全体像 福和伸夫 教授
② 南海トラフ 巨大地震の新たな想定について 鷺谷 威 教授
③ 揺れについて 護 雅史 准教授
④ 津波被害について 川崎浩司 准教授
⑤ 液状化被害について 野田 利弘 教授
⑥ ライフライン被害について 北野 哲司 教授

ミニシンポジウム
「地域防災力をどう高めるか~南海トラフ巨大 地域防災力をどう高めるか~南海トラフ巨大 地震に向けて 」
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