メロディック・ハード/メタルが好き~♪

シンフォニックでメロディアスなのHM/HRのCDを中心に感想を書いていきます。サッカーやバレーのことも。

Rush の Snakes & Arrows

2007-05-07 22:16:54 | メロディック・ハード
カナダのメロディック・ハード・バンド、Rushの実に18枚目のスタジオアルバムになろうか。
5年ぶりのアルバムである。
1974年にデビューアルバムをリリースして以来、33年の月日が流れている。

前作「Vapor Trails」では、マンネリを感じ、さすがのRushも寄る年波には敵わないかと寂しい思いをしたものだが、どうして、今作「Sanakes & Arrows」では、いかにもRushを感じさせつつ、新鮮さを送り込んでいる。
いつになくアコギが多いように感じるのは、気のせいじゃないだろう。

アレックス・ライフソンのリフの土台に、ゲディ・リーのリード・ベースが乗るさまは、今までと同じ。
だけど、メロディがカッコいいんだ!キレがあるんだ!

Rushは段々とシンセによる空間の広がりを排除し、シンプルになっていった。
それを寂しく感じていたが、この「Snakes & Arrows」では、2曲目の“Amor and Sword”に中期の傑作である「Grace Under Puressure」の感触を感じ、うれしくなった。

6曲目の“The Main Monkey Business”は、テクニカルでありながらキャッチーだ。
5曲目の“Spindrift”も含め、かつての大好きだった頃のRushのフレーズが、聴いてて次々と浮かんでくる。
当の流れてくる作品は、それらよりもHeavy。ノリもいい。
Rushは、過去の作品を引き上げ、取り込み、さらに巨大化したようだ。
新しい方向を探し当てながら進もうというんじゃなく、良さは良さ、古さは古さとして残しつつ、進化しているかのようだ。
こういう場面によく使われる“昇華”という言葉が、陳腐で、使うのが恥ずかしくなるくらい。

Rushの底力を示した作品だ。
ゲディ・リーのボーカルは、衰えなんて全然ない。
甘くかすれた高音を維持しているのは、奇跡だ。
ニール・パートのドラムスも変わらずテクニカル。
今回は低音がよく響き、地に足がついている。
好きなバンドなので、ここでも欲を言うと、叙情性があればもっと良かった。

ニールの詩を読めば、深くRushの世界に浸れる。
別の楽しみもあるのがRushの本分だ。
「Snakes & Arrows」は、久しぶりに詩をじっくり読みたくなった。
聴き込めばまた感想が変わると思うが、とりあえず。