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メロディック・ハード/メタルが好き~♪

シンフォニックでメロディアスなのHM/HRのCDを中心に感想を書いていきます。サッカーやバレーのことも。

First Signal の First Signal

2010-11-07 14:49:22 | メロディック・ハード
ANGRAのあの名盤『Temple Of Shadows』をプロデュースしたDennis Wardが手掛けた
スタジオ・プロジェクト。
いや、本当はPINK CREAM69のベーシストなのだが、私にはその方がわかりやすい。

ボーカリストは、元HAREM SCAREMのHarry Hess。
そのため、HAREM SCAREMの1stである1993年発売の『Mood Swing』の感触を持つという。
私はちょうどその頃のヘア・メタルを聴き逃してしまっているので、比べようがない。
従って、聴いたままを書いてみる。


まず聴いてびっくりするのは、すべて爽やかなメロディック・ハードで、捨て曲がないことだ。
メロディラインの美しさ、キャッチーさ、感動的な度合い、どれを取っても素晴らしい。
サウンドがカラッとしてて、籠った感じがまるでなく、抜けている。
ハードでありながら、重低音がそれほどでもなく、ミドル・テンポが多い。
ヘア・メタルが出現する前のバンドとしては、REOスポードワゴンが近い。

時折入るギターソロは、テクニックはさて置き、華麗で派手めでよく合っている。

Harry Hessの甘さもあるハスキーな声がいい。
これにコーラスが合わさって、広がりと爽やかさが倍増している。
曲の展開は、胸がかきむしられるような切なさや懐かしさがたまらない。
HOUSE OF LORDSが楽曲提供しているのを知り、納得した。
1曲目の“This City”の華麗なギターで始まるオープニングからして、惹きつけられる。
一緒に歌いたくなる。
2曲目の“When You Believe”の高揚していく感は得難い。

明るめな曲もいいのだが、バラードが最高の出来だ。
3曲目の“Part Of Me”、4曲目の“Crazy”の、スローなマイナーコードから始まり、
途中からじわじわと盛り上がっていくのは、どう言われようと日本人好みだろう。

ダレそうな後半の10曲目に、ややヘヴィーな“Yesterday's Rain”を持ってくるのは、心憎い気配りだ。
さすがDennis Ward。

Tarja の What Lies Beneath

2010-10-31 13:21:05 | メロディック・ハード
ノルウェーの元Nightwishの歌姫、Tarja Turunenのセカンド。
相変わらずのぴんと張り詰めた美声を聴かせてくれる。

1曲目の“Anteroom of Death”は、オーケストラのチューニングから始まり、チェンバロの音色に導かれてヘヴィーなメタルサウンドが始まる。
クラシカルであり、ア・カペラ・バンドのVan Cantoのゲスト参加もあって、かなり変わっている。
ヘタするとキワモノ。
慣れると、独自のクラシックを基調としたメタルが心地いい。

2曲目の“Until My Last Breath”は、これまでのTarjaのサウンド。
3曲目の“Dark Star”は、Phill Labonteとデュエットしている。

私が気に入ったのは、4曲目のバラードナンバー、“Underneath”だ。
美声で高らかにフックのある歌メロを歌い切る。
わかりやすいし、キャッチーで感動的だ。

8曲目の“Falling Awake”は、その中でもとっつきやすい。
シンフォニックなオーケストレーションを土台に、重低音のリフを重ね、Tarjaの歌声が素直に響く。
ギターソロも中間部にあって、普通のシンフォニックなメタルになっている。
ちなみに、シングルカットされている。


曲によってはダークであり、美しいだけじゃない。
シンプルなリフも多くなっている。
重低音は、倍増されている。
しかも荘厳で神秘的で妖しい魅力はそのまま。
オペラのように、高音で押しまくるボーカルスタイルなのに、サウンドが暗黒だしクワイアを多用しているから、闇に堕ちるような迫力を感じさせる。
この孤高な気高さは、Tarjaだけが持ちうる魅力だ。
緊迫感がたまらない。

間違ってしまうと、狂気と裏表だろうが、私は好きだ。

Blackmore's Night の Autumn Sky

2010-10-16 14:41:42 | メロディック・ハード
中世的でトラッドな独自の世界観を具現化する、Blackmore's Nightの8作目。
前作の『Secret Voyage』も今までの集大成だと思ったが、こちらはさらにいい所だけを集めた集大成となっている。
今年の5月27日に、彼らの待望の長女が生まれている。
本作は、それを記念するアルバムだ。
ちなみに、彼女の名前は「Autumn」(初夏生まれなのに?)


1曲目の“Highland”は、スウェーデンのOne More Timeのカバー。
彼らにしては珍しく、シンフォニックでゆったりとして明るめ。アイリッシュも感じる。
むしろルネッサンスのアニー・ハズラムに歌わせたい。絶対似合うはずだ。
この曲のせいか、『Autumn Sky』は、全体的に優しく、ゆったりしていて、リラックスして聴ける。
キャンディスの表情豊かなボーカルもいい。

3曲目の“Journey Man”で、リッチーはストラトを弾いている。
相変わらずの、低音が続くと思ったらぱっと高音を弾いたり、タメのある弾き方でうれしい。
これも、スウェーデンのNordmanというバンドのカバー。

4曲目の“Believe In Me”もシンフォニックなナンバー。バラード仕立てだ。
素直な作品で、感動できる。

7曲目の“Celluloide Heroes”は、Kinksのカバー。
原曲は知らないが、キャンディスが切々と歌っているのに好感が持てる。
キャッチーで聴きやすく、ノスタルジックな雰囲気が優しい。
1曲目の“Highland”と並んで好きな曲だ。

8曲目の“Keeper Of The Flame”は、HRとトラッド音楽の融合のような曲。
それも、よくある重低音リフやドラムスを利かすのではなく、トラッド音楽にストラトのリフを加えたり、ちょっとリズムを増強したりと、あくまでもブラナイ流の範囲内に収まっている。

13曲目の“Dance Of The Darkness”は、12曲目の“Darkness”の2倍速。
同じ曲をリズムを変え、アレンジを変えて聴かせる趣向はおもしろい。
祭りで使われる演奏方法というが、同じフレーズの繰り返しは、日本のお祭りである「お会式」をも思い起こさせる。
あれだって、演奏と踊りの一種だろう。掛け合いだってあるし。


アコースティックなナンバーや、古楽器、民族楽器を多用しているのは、これまでと同じ。
感想も今までと同じで、彼らがいいのならいい。いや、彼らがいいものはいい。
何ら変わることはない。
この変わらなさが、Blackmore's NightのBlackmore's Nightたる所以だ。

Blind Guardian のAt the Edge of Time

2010-09-25 14:40:44 | メロディック・ハード
ジャーマン・メタル・バンドの9作目。
オーケストラとの共演がなされている。

シンフォニックで荘厳な世界観にまず圧倒される。
ならばロックオペラかと思いきや、決してそんなことはない。
オーケストラに負けることなく、これまでのBlind Guardianと呼べるツインギターと甲高いハンズィのボーカルが中心に据えられ、堂々たる楽曲に仕上がっている。
シンフォニックな中から聴こえてくるリフは、まさにブラガ節である。

ただガンガン押しまくるだけがメタルの真髄なのではない。
まずメロディありきなのだ。
コーラスが美しく、ハンズィの声が苦手な私には歓迎だ。
基本はシンフォニックなメタルだが、時に中世的に、特にトラッド的にサウンドに味付けがされてて心地いい。
この手が苦手な人には、あまりオススメできないが。

Blind Guardianの中では、トラディショナルで叙情的で可憐な“The Bard's Song - In The Forest”が好きなので、5曲目の“Curse My Name”はとても好きだ。
スローなアコギで始まり、民族楽器や古楽器使用で、おまけに3拍子!
もうこれだけで十分。

もちろん、4曲目の“Ride Into Obsession”のような疾走曲もある。
7曲目の“Control The Divine”のギターソロは、泣きがあって聴かせる。
9曲目の“A Voice In The Dark”も疾走曲。荒々しくて、ライブでは盛り上がりそうだ。

一番の聴きどころは、やっぱり1曲目の9分を超す大曲“Sacred Worlds”だろう。
壮大で崇高さに埋没することなく、ブラガならではの個性を見事に打ちだしている。
そして、対と成すような8曲目のエンディングである“Wheel Of Time”
こちらは、幽玄でアラビアンな異国情緒をも感じさせる。

この2曲によって、作品としての格調を高く押し上げた。
よく練られたアルバムだと思う。

Kamelot の Poetry For The Poisoned

2010-09-12 20:44:31 | メロディック・ハード
アメリカのメロディック・パワー・メタル・バンドの9作目。

今回もものすごくクオリティが高い。
暗く暴力的で邪悪でシンフォニックで、何よりも美しい。
ひとつの楽曲の中に、まるでドラマがあるようにシアトリカルだ。
変リズム、場面の変化、静と動の対比、メロディ自体が持つ魅力、どれを取っても素晴らしい。
いつもよりヘヴィーで、うねるようなサウンドが多いし、シンフォニックだ。

ロイ・カーンのボーカルは、以前はは声が美しいとか官能的・情緒的と思っていたが、殺人鬼を扱った4曲目の“The Zodiac”では、邪悪さと冷徹さを見事に表現している。
確実に歌の幅が広がっている。

今回もゲスト陣が充実している。
Epicaのシモーネ・シモンズは、6曲目のバラード“House On A Hill”と組曲Poetry For The Poisoned Pt.2“So Long”で美声を聴かせてくれる。
ロイ・カーンとの掛け合いは、いつもに増して切なく儚く美しい。

Firewindのガス・Gは、5曲目の“Hunter's Season”で、骨太でワイルドなギターソロを聴かせてくれる。
他に、Soilworkのビョーン・ストリッド、Savatageのジョン・オリヴァなど。
Avantasiaでおなじみの、アマンダ・ソマーヴィルとクラウディ・ヤングもバック・コーラスで参加している。サシャ・ピート繋がりだろう。

『Poetry For The Poisoned』を特徴づけているのは、何と言っても4曲の小曲からなるタイトルナンバーの組曲“Poetry For The Poisoned”だ。
シンフォニックで、プログレ的。ロック・オペラ的。
シンプルなパートや、美しいパート、緊迫感があり、変化し続ける楽曲をそのまま受け入れ、音の世界にどっぷり浸れる幸せを感じる。


ところで、私が一番好きなのは1曲目“The Great Pandemonium”だ。
『The Black Halo』の“March of Mephisto”にも似て、邪悪で圧倒的で楽曲としてすごく練られていて素晴らしい。
これ1曲で早くも満足してしまった。

聴けば聴くほど発見があって好きになる。
内容凝縮でシンフォニックなメタルがお好きな人に、オススメである。

Heart の Red Velvet Car

2010-09-05 16:21:25 | メロディック・ハード
アメリカのハードロック・バンドの6年ぶりの新作。
13作目になるのだろうか?
RushのSignalsの“Losing It”でエレクトリック・ヴァイオリンを弾いたBen Minkが、ギター、フィドル、ビオラなどで参加し、さらにはプロデュースまでしている。

Dreamboat AnnieやLittle Queenなどの初期の匂いがぷんぷん。
80年代に大ヒットした、きらびやかでメロディアスで感動的な作品を期待してはいけない。
外部ソングライター作品を使わずに、彼女達の作品のみでまとめてある。
そのせいか、原点に立ち返ったような作品ばかりだ。

1曲目の“There You Go”は、アコーステッィ・ギター使用で、懐かしさが溢れる。
2曲目の“W.T.F”は、リフがまるでZeppelinで、ブルース感覚が泣かせる。
7曲目の“Saffronia's Mark”のアコーステック・ギターは、民族調で、Little Queenの頃みたいだ。

最初聴いた時は、つまらなかったが、80年代ではなく70年代を意識して聴くと、それなりにいい。
ボーカルのうまさと、確かな演奏力のおかげだろう。

Annの声は、さらに渋くなっていた。
だけど声が出ないわけじゃなく、その渋さで高音も歌いきるからたいしたものだ。
Nancyの声は、全く変わらなくて、びっくりする。
声質が軽いから、Annとの相性はすごくいい。
昔はNancyの声の方が渋かったものだが。。

私個人としては、ブルースはあまり得意でないので、続くとキツい。

Angra の Aqua

2010-08-15 20:50:49 | メロディック・ハード
ブラジルのメロディック・ハード・メタルバンドの7作目。

間延びしてAngraにしては物足りない。
全体的に感情の起伏が足りなく、他のバンドにはない叙情性が薄れている。
数曲だけ聴くのはいいけれど、全体を通して聴くと飽きてきてしまって、愕然としている。
期待していただけに、余計そう思うのだろう。

気を取り直して、書いてみよう。

2曲目の“Arising Thunder”は、出だしのツインギターはAngraそのもの。
シンフォニックなオーケストレーション(控えめ)、うねるベース、スピーディなドラミングと、交互にリードを取るギターがとてもいい。
でも、Dragonforceのように低音が少なめで惜しい。
もっと重低音を利かせてくれないと。
ドラムスの音が不明瞭なのも今イチ気に入らない。

3曲目の“Awake From Darkness”は、何だか『背信の門』の頃のJudas Priestみたいなヌケの軽さが惜しい。
リフはDream Theaterっぽいし。
ギターソロは素晴らしいのにな。

エディのボーカルもロブ・ハルフォードのように聴こえてしまうから不思議だ。
声に艶がなくなったように思える。
とはいえ、高音はよく出ている。平均は遥かに超える。

私がいいと思ったのは、
4曲目の“Lease Of Life”。バラードだ。エドゥの作品。
ピアノに洒落た感じがあって、ようやく求めるAngraに出会えて落ち着いた。
エディの低音は思いの外よく似合っている。

6曲目の“Spirit Of The Air”は、最初の叙情的なヴァイオリンがいい。
中間部のアコギやクワイアは幽玄で、どこか別の世界に連れて行ってくれるかのようだ。
こうした民族音楽を取り入れたAngraは魅力的だ。

1番気に入ったのが、10曲目の“Ashes”キコの作品だ。
壮大でスローで暗く、美しい。
じわじわと盛り上がってくるさまは、次第に潮が満ちていく不気味さも持ち合わせている。
エドゥのボーカルは感動的。


こうして書いてみると、私は感動的で美しさを持つ曲を好んでるのがわかる。
もうちょっと聴きこなしていくと、ヘヴィーなラファエルの作品も好きになるだろう。
悪くはないのだから。
それまでが良かったから、ハードルが高くなってしまっている。

Mastedon with Jhon Elefante の 3

2010-07-24 22:22:11 | メロディック・ハード
元KansasのJhon Elefanteが参加しているMastedonの3作目。

サウンドは、Kansasによく似ている。
Kansasほどヘヴィーじゃなく、初期のKansasにも通じるプログレっぽさがある。
さらに、Jhon Elefanteの特性なのか、Kansasよりも音圧は低めで、ミディアムナンバーが多い。
さらに、変リズムはあるものの、Kansasのような緩急をつけまくった、衝撃的な変リズムはない。

平たく言えば、聴きやすくなった。
でも、Kansasを求めてしまうと、物足りない。
2番煎じのような気がしてしまうからだ。
が、2010年のこの時代に、Kansasのような大曲がリリースされるのはうれしい。

4曲目の“One Day Down By The Lake (See Your Real Soon)”は、10分を超える。
このギターの音色、Monolithの“Angels Have Fallen”に似ていると思ったら、それもそのはず、Kerry LivgrenがMastedonには加入しているのだ。

私が好きなのは、Bostonっぽいコーラスが魅力的な3曲目の“Nowhere Without Your Love”
キャッチーでありながら哀愁ある歌メロがいい。


ピアノバージョンの“Dust In The Wind”がボーナストラックでついている。
AORっぽい。
エモーショナルで感動的なSteve Walshのボーカルと比べると、Jhonはクールだが、これはこれでいい。


Rhapsody Of Fire の The frozen Tears Of Angels

2010-06-12 19:45:57 | メロディック・ハード
イタリアのシンフォニックなメロディック・パワー・メタル・バンドの8作目。

この作品はすごい!!
正直、Rhapsody Of Fireになってからは、今までの焼き直しが感じられて今イチだったが、『The frozen Tears Of Angels』は、内容が凝縮された上に、さらなる高みに昇ったような高揚感がある。

確実にUPしたのが、スケールの大きいドラマティック感だ。
アレックス・スタロポリのオーケストレーションは、ファンタジー系のサウンドトラックにもってこいの、画像が浮かぶ壮大で崇高な造りだ。
広がりと高さ、奥行きまである。
それに絡む男女のクワイアの見事なことったら。背筋がゾクゾクして凍りつくようだ。
現世から、一瞬で天使と悪魔の棲む世界へと連れて行かれる。
クリストファー・リーのナレーションは相変わらずだが。。

そこにルカ・トゥリッリの攻撃的な早弾きリフが、闇を切り裂き緊迫感を伴って、2曲目の“Sea Of Fate”が始まる。
リフが実にカッコいい。パトリースのベースもカッコいい。
さらにファビオ・リローネの感情を込めた歌のうまさと説得感はどうだろう。
声が美しいこともあって、思わず聴き入ってしまう。
歌メロがキャッチーで最高!

教会音楽のように崇高なのに、邪悪なデス声で歌う4曲目の“Reign Of Terror”もいい。
対比によって、デス声と疾走感が増幅されている。

バラードもいい。
5曲目のイタリア語で歌う“不滅の炎 {Danza Di Fuoco E Ghiaccio}”は、リコーダーを使ったトラッド&バロック調で哀愁が漂う。
7曲目の“Lost In Cold Dreams”は、アコギをベースに、クサいほど情感的に高らかに歌い上げる。
間にこれらのバラードが挟まれるから、聴きやすいのかも知れない。


いつにも増して疾走曲が多いように思う。
ルカのエッジの利いたリフが冴え渡る。
が、どの曲も単純ではなく、リズムや曲調の変化があって静と動の対比がなされている。
これにより、作品に深みを与えることになった。

バロック調のクラシックと教会音楽、トラッドとヘヴィー・メタル。
これらが自然に共存している奇跡。
Rhapsodyでしか成し得ない。
この唯一であることの“凄味”こそがRhapsodyの魅力なのだ。