10月28日に、八千草薫さんが亡くなりました。
その件に関して29日にブログを書きましたが、28日に亡くなったことを知った時、
去年本を出版された事を知りました。
早速ネットでその日に去年出版された本を注文しました。
昨日の午後 本が届きました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/60/fa2fd12855a79438f84865c29ef35dd9.png)
本のタイトルは亡くなったご主人がよく言われた「まあまあふうふう」という言葉を表題にされていました。
本の中身をちらっと見ましたが、ご自宅の様子を写した写真が、とてもほのぼのとしていい感じです。
とりあえず、一節を紹介します。
「馬が合う」から上手くいく。
というタイトルの章です。
主人は、とにかく嘘がつけない、正直な人でした。
はしご酒をして明け方帰ってきたようなときでも、嘘がつけないんです。
普通だったら、誤魔化したり、ちょっと言い訳したりするものなのでしょうけれど、一切しません。
普段、私が主人に問いたいと思っていることを溜めておいて、
こういう時に聞くと、みんな正直に一つずつ丁寧に話してくれて(笑)。
仕事も正直で真っ直ぐ。
特に男性の俳優さんにはとても厳しくて容赦がありませんでした。
スタジオ中に響くような大声で若い俳優さんやスタッフの方を叱り飛ばすのは、撮影所では日常の光景でした。
映画の撮影では、監督を筆頭に撮影チームのことをよく「〇〇組」ーー「黒澤組」とか「小津組」というふうに呼びます。
撮影現場のスタッフルームの入り口にも「〇〇組」と書いた看板がかかっています。
主人の場合は「谷口組」になるのですが、あまりに厳しくて口が悪いものだから、
谷口組ならぬ、「悪口組」なんて呼ばれたりして。
でも、そうやってずけずけと口は悪いのですけれど、その言葉にはどこかユーモアと愛情があったんですね。
主人は、その俳優さんが好きだから遠慮なく叱るんですね。
好きだから怒る。
だから見ていると、
「あぁ、この俳優さんが好きなんだ」と、わかるんです。
そういう気持ちがわかるから、「ワハハ」と笑って許せるのですね。
私は宝塚から始まって、芸能界という大変なところに
何もわからないまま飛び込んでしまったわけですけれど、
昔も今も、女性がそういう厳しい世界にいるというのは、やっぱりなかなか大変なことなのです。
それでも、思い詰めないでやってこられたのは、こんな主人のおかげかなぁと思います。
撮影現場ではあれほど厳しく演技に注文をつける主人が、私の仕事については何も言いませんでした。
「あのドラマは面白かったね」と作品の感想を言ってくれるくらいで、
直接アドバイスされることは一切ありませんでしたが、私には、それが逆に良かったのですね。
「作品を楽しめた」ということは、「私も及第点だった」と思うことにしました。
そんな人だからこそ、家では緊張しないでいられたな、と今になって思います。
主人も気を遣ってくれていたのだとも思うのです。
これは、”おのろけ”になるのですけれど、もう本当に安心して生きてこられた、という感じです。
好きなものだったり、面白いなと思うものだったり、ふたり一緒の部分があって。
「馬が合った」とでも言うのかな。
だから、私という女優も、結局は、主人に育てられたんじゃないかと、そう思うのです。
以上です。
夫婦が「好きなものだったり、面白いなと思うものだったり、ふたり一緒の部分がある」なんて最高ですね。
馬が合う夫婦が一番です。(笑)
私はそうはいかないですが。(苦笑)
虹と雪のバラード トワ・エ・モワ
その件に関して29日にブログを書きましたが、28日に亡くなったことを知った時、
去年本を出版された事を知りました。
早速ネットでその日に去年出版された本を注文しました。
昨日の午後 本が届きました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/60/fa2fd12855a79438f84865c29ef35dd9.png)
本のタイトルは亡くなったご主人がよく言われた「まあまあふうふう」という言葉を表題にされていました。
本の中身をちらっと見ましたが、ご自宅の様子を写した写真が、とてもほのぼのとしていい感じです。
とりあえず、一節を紹介します。
「馬が合う」から上手くいく。
というタイトルの章です。
主人は、とにかく嘘がつけない、正直な人でした。
はしご酒をして明け方帰ってきたようなときでも、嘘がつけないんです。
普通だったら、誤魔化したり、ちょっと言い訳したりするものなのでしょうけれど、一切しません。
普段、私が主人に問いたいと思っていることを溜めておいて、
こういう時に聞くと、みんな正直に一つずつ丁寧に話してくれて(笑)。
仕事も正直で真っ直ぐ。
特に男性の俳優さんにはとても厳しくて容赦がありませんでした。
スタジオ中に響くような大声で若い俳優さんやスタッフの方を叱り飛ばすのは、撮影所では日常の光景でした。
映画の撮影では、監督を筆頭に撮影チームのことをよく「〇〇組」ーー「黒澤組」とか「小津組」というふうに呼びます。
撮影現場のスタッフルームの入り口にも「〇〇組」と書いた看板がかかっています。
主人の場合は「谷口組」になるのですが、あまりに厳しくて口が悪いものだから、
谷口組ならぬ、「悪口組」なんて呼ばれたりして。
でも、そうやってずけずけと口は悪いのですけれど、その言葉にはどこかユーモアと愛情があったんですね。
主人は、その俳優さんが好きだから遠慮なく叱るんですね。
好きだから怒る。
だから見ていると、
「あぁ、この俳優さんが好きなんだ」と、わかるんです。
そういう気持ちがわかるから、「ワハハ」と笑って許せるのですね。
私は宝塚から始まって、芸能界という大変なところに
何もわからないまま飛び込んでしまったわけですけれど、
昔も今も、女性がそういう厳しい世界にいるというのは、やっぱりなかなか大変なことなのです。
それでも、思い詰めないでやってこられたのは、こんな主人のおかげかなぁと思います。
撮影現場ではあれほど厳しく演技に注文をつける主人が、私の仕事については何も言いませんでした。
「あのドラマは面白かったね」と作品の感想を言ってくれるくらいで、
直接アドバイスされることは一切ありませんでしたが、私には、それが逆に良かったのですね。
「作品を楽しめた」ということは、「私も及第点だった」と思うことにしました。
そんな人だからこそ、家では緊張しないでいられたな、と今になって思います。
主人も気を遣ってくれていたのだとも思うのです。
これは、”おのろけ”になるのですけれど、もう本当に安心して生きてこられた、という感じです。
好きなものだったり、面白いなと思うものだったり、ふたり一緒の部分があって。
「馬が合った」とでも言うのかな。
だから、私という女優も、結局は、主人に育てられたんじゃないかと、そう思うのです。
以上です。
夫婦が「好きなものだったり、面白いなと思うものだったり、ふたり一緒の部分がある」なんて最高ですね。
馬が合う夫婦が一番です。(笑)
私はそうはいかないですが。(苦笑)
虹と雪のバラード トワ・エ・モワ