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ウォーリーを探せ、リーマンはどこだ(笑)

2016年05月27日 | ニュース・コメント

  ウォーリーは時間をかけてよく見れば探せますが、リーマンはどこを探してもいません(笑)。

(注)「ウォーリーを探せ」というのはアメリカの子供たちみんなが知っている絵本で、1ページの中に非常に細かい人を何百人、何千人と書いてあり、そのなかから米粒のようなウォーリーを探すという単純な遊びです。

  

  「リーマン級のショックや東日本大震災級のことがない限り、消費税は必ず上げる」。これぞアベちゃんの政権公約の要です。

   サミットで「今の世界経済の状況はリーマン前に似ている」と言った首相の発言、さすがのお抱え新聞日経もあきれたようです。

引用

タイトル;首相「リーマン前に似る」 危機認識、首脳間にズレも

 安倍晋三首相は26日の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で、世界経済について「危機に陥るリスクがある」と訴えた。政策対応を誤ればリーマン・ショック級の経済危機が発生しかねないとして各国に財政出動を促したが、認識は必ずしも一致しなかった。首相の強い訴えには、2017年4月に予定する消費増税を再延期する地ならしの思惑が透ける。

引用終わり

  「危機認識、首脳間にもずれが」とタイトルで遠慮がちに言っています。他の首脳も「リーマン前」発言にはあきれてものが言えない状態でしょうが、そこは主催者を立てなければいけない義理があるので、正面切って「アベちゃん、あんたは間違ってるよ」とまでは言えないのです。そこで、他の首脳から「そうでもない」くらいの発言があり、「首脳間にずれ」なのでしょう。

  日本、アメリカは雇用が絶好調で欧州ですら失業率は目覚ましく改善しています。いったいどこにリーマンはいるのでしょうか。新興国経済がうんぬんと言いますが、マイナス成長で苦しんでいる主要新興国はブラジル以外に見当たりません。

  ではロイター日本語版はどう伝えているか。

引用

安倍晋三首相が26日の討議で、コモディティ価格の下落などがリーマン・ショック級とする資料を各国首脳に提示したが「クライシスとまで言うのはいかがなものか」との異論もあり、世界経済の現状認識に注目が集まっていた。

首脳宣言は、世界経済の回復は続いているが「下方リスクが高まっている」とする一方、「新たな危機に陥ることを回避するため、経済の強じん性を強化してきている」とし、現在の状況が危機に当たるとの認識では一致しなかった

引用終わり

ロイターははっきりと現在の状況が危機に当たるとの認識では一致しなかった。」と書いています。

  さらにブルームバーグ英語版では、「日本はG7で、世界は危機的状況に向かっているという合意を取り付けるのに失敗した」とまではっきりと書いています。

  これで果たして消費税を上げられるでしょうか。にもかかわらず今日の日経夕刊は、首相「増税先送り、来週表明」の見出しになっています。首相の意向を汲みすぎるほど汲んじゃったのでしょう(笑)。

  これら一連の状況を見ると、やはりトチ狂っているのは成果を上げられないアベちゃんとクロちゃんであることが明らかになったようです。

 

  それとは直接関係ないのですが、今朝のTV東京のモーニング・サテライトでは三菱UFJモルガンスタンレーのアナリスト藤戸氏が鋭い指摘をしていました。モーニング・サテライトは見ていない方、見られない方も多いとおもいますので、内容をかいつまんで書きます。彼はもちろん私が忌み嫌う証券系アナリストの代表選手ですが、歯に衣着せぬ物言いの中で、今回含め時々参考になる鋭い分析を出してくれます。その内容とは、

「中国の住宅価格が完全にバブル症状を呈している」というものです。

  昨年中国では株価暴騰のあと大暴落して株バブルが崩壊しました。それを見た政府が住宅投資への締め付けを緩めて見事に住宅バブル形成に成功し、主要都市の住宅価格が昨年末以降ここまでで5〜6割も上昇していることをグラフで示してくれました。半年でここまで上昇するのは異常ですし、バブルそのものです。藤戸氏はその崩壊が夏以降にも迫っているという指摘をしていました。

  その指摘を見た私はこう考えたのです。

  常に株価上昇至上主義の藤戸氏はまことに鋭くウォーリーを見つけたのだ。いや、リーマンを見つけたのです。彼自身はサミットの話と中国の住宅バブルを結びつけてはいないし、全く別の話をしていたのですが、私が勝手に彼とアベチャンのために、リーマンが中国にいたのを見つけてあげました(笑)。

  これでアベチャンも頭っからバカにされないで済みますし、消費税先送りを言い出すことができるようになるかもしれません。そうすれば藤戸氏も万々歳です。

  どなたかアベチャンに私のブログを教えてあげてください(笑)。

  今回はアベちゃんのトンデモ発言があったので、講演会内容については次回に延期です。

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1位三菱商事、2位伊藤忠、3位三井物産・・・

2016年05月25日 | ニュース・コメント

1位三菱商事、2位伊藤忠、3位三井物産・・・

  なんの並びかわかりますか?

資源に入れ込み過ぎて前期に大赤字を計上した商社ランキング?

一部正解ですが、一部不正解。

  ランキングをさらに続けると、4位東京海上、5位住友商事、6位丸紅、7位三菱UFJ銀行・・・これでわからなければ、・・・11位サントリー。

  これくらいまで行くとわかりますよね。

  2016年、文系男子大学生が選んだ就職人気ランキングです。ダイヤモンド社調査です。女子も理系もほぼ同じようなものです。

  このまま200位までいってもグーグル、アップル、アマゾン、フェースブックなど、世界でときめく企業は一切見当たりません。たしかおととしくらいまでは、ゴールドマンサックスだけ入っていましたが、今はいません。

  日本の学生の内向き志向は救いようのない段階に入っているようです。日本の現状や将来に不安を抱いているくせに、いったい何故、おっちょこちょいのななしさんが言うように、外に飛び出さないのでしょうか。

   日本が不安なら、アメリカでもヨーロッパでも東南アジアでも目指せばいいのに。日本の年金に不安を感じたら、アメリカの年金に積み立てたらいいのに。

   ちなみに私は66歳になったのでアメリカの年金の申請をしました。たった四年弱の積み立てですが、毎月300ドル程度いただけるようになりました。手続きは簡単。世田谷区の年金事務所でお願いするだけです。源泉徴収はありますが、毎月の為替レートで円換算するため変動利付債のクーポン収入のようにいただけるのです。

  しかも本人には積み立てた認識はありません。JALの駐在員はネット・ギャランティーだったからです。税金や社会保険料はすべて会社持ち。ですのでニューヨーク郊外でも飛び切り税金が高く、すなわち子供たちのため公立学校ランキングがトップの校区を選んで住みました。教育費はただですが、住宅費はとても高く、会社支給分では間に合わず持ち出しでした。でも子供たちはよい環境で育ち、英語力を身に付けることができました。JALに感謝!

  この年金、私流の自己資産評価をしてみましょう。やり方は私の著書に出ています。

300ドルX 12か月 = 3,600ドル  

あと20年生きるとすると米国債20年物を保有して金利をもらうのと同じです。20年物金利は現在2.2%程度なので簡便な計算をすると、

3,600ドル ÷ 2.2% = 163,600ドル

  つまり私は米国債20年物を163,600ドル分持っていて、2.2%の金利を12回に分けてもらっていることになります。

  年金の安全性は国の安全性と同格ですから、アメリカがつぶれない限り大丈夫です。しかももっと長生きしても、いつまでももらえるのは日本の年金と同じです。月々にすればわずかな小遣いですが、ゴルフに3回くらい正々堂々と行けるのはとても嬉しいのです(笑)。

  日本の学生がかわいそうだと思うのは、せっかく大学生のうちに世界を旅行しているのに、それは旅行でしかない。日本という狭い範囲の視野しか持たないように育てられ、社会人になると会社しか見えない、もっと狭い範囲の社畜として育てられてしまう。会社の明文化されたルールと、暗黙の反社会的ルールを守らされ、遂には社命で犯罪行為まで犯してしまうほどになる。このところの自動車会社や建設関連会社などの不正行為は本当に目に余ります。以前不正行為は食品関係の専売特許だと思っていたらとんでもない(失礼!)。

   こうした日本の風土病は、海外投資家から見れば大きなバッテンです。当然海外にもある程度はあるでしょうが、日本の場合は会社ぐるみだと思いきや業界ぐるみ、果ては日本全体ぐるみと見られかねないほど、芋づる式に出てきてしまいます。

  最初に上げた商社のランキングを赤字ランキングとしておきかえると、商社がいかに横並びで同じ間違いを同時に犯しているかを表しています。それでも学生さんたちはめげずにみんなが横並で商社を目指す。

  我々の就職時代はリクルートの就職情報誌しかなく、横並びはしかたないかもしれません。しかし今は世界の情報をスマホで毎日、毎時手に入れることができ、中小企業の情報もとりたいほうだい。海外企業もいくらでも手に入る時代です。

  たまに電車に乗って周りのサラリーマンや学生のスマホを遠目に見ても、ゲームしか見えません。内容が見なくても目の集中具合、指の押し具合ですぐゲームとわかります。なんともなさけない。

  この議論を息子とすると、「ゲームだって勉強になるさ。ゲーム業界を目指すかもしれないし、ゲーム・プロデューサーを目指せるかも」などと多少は弁護するのですが、自分がスーパー・マリオに入れ込んだことを指摘すると、「うーん、役には立ってないな」と正直に答えます。(笑)


   大前研一・柳井正流に言えば、若者よ

   「この国を出よ」

   でないと、老人のエジキだぞ!

 

  次回は6月4日に予定されているサイバーサロンでの講演会の内容に関してです。

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日本の「衰弱死」に対する感想へのコメント

2016年05月21日 | マイナス金利導入をどうみるか

  「マイナス金の行方」の記事に、私からみなさんに感想をお願いしました。感想をお寄せいただき、ありがとうございました。

   では、お寄せいただいた感想に、私からのコメントを付けさせていただきます。


救われた投資家さんへ

冬眠、ですか。

なるほどおもしろいたとえですね。

そのまま死んだら、老衰死と同じで意外と幸せかも(笑)。

 

Owlsさんへ

>私も衰弱死じゃなくて、劇的な死に方の可能性が高いかなと思ってます

いずれにしろここまで死ななかった奇跡の国ニッポン、みんなでほめてあげましょうか(笑)。

でも、特攻隊でぶつかっても、神風は吹きませんね。

 

ななしさんへ

>円安になるってたって一筋縄ではいかなかった。ローソクって消える前に一瞬ぼっと火が大きくなるでしょ?あれに該当するのが今の時期のまさかの円高?とかイメージしてますが・・・

ななしさんの鋭い第六感、よくあたりますからね。

「巨大投資銀行」の本、投資銀行内部を鋭くえぐっているし、ソロモン内の多くのエピソードは事実を基にしているので、おもしろいです。

それも、内部者でもかなり事情通でないと知りえないような裏の裏のことまで書いてあります。数十人以上にインタビューしていることは間違いないですね。元ソロモンの友人何人かが、「インタビューを受けたよ」と言っていました。

私のように、地味なデット・キャピタル・マーケッツの地味な人間は出演していないので、面白おかしく読むことができます。でも主人公的な人物は、「誰が漏らしやがった」、とカッカしながら読んだことでしょう(笑)。

「沈まぬ太陽」といい、「巨大投資銀行」といい、私はなにかと小説ネタになりやすい会社にいたんだなーとしみじみ思いました。

Jake Jackさんへ

 >特に気になるのが日本国債の外国人投資家の保有比率が高まっていることです。今は10%以上あるそうですが、この数字はかなり高いように思えます。

 そうですね。そして最近の国債の買い手口はそれどころではなく、27%もが海外投資家による買いだと17日に日経新聞が報道していました。

>今から全力で、ドル転&米国債の爆買いをしたほうが、いいのかな〜?

そればかりは私も的確な答えを持っていません。


チョコグラさんへ

「日本の没落」ですか。

たしかに、すでに始まっているような気がします。

 >主人の気になる一言「円安になるとは思うけどアメリカが許してくれるのかな?」

本当に没落が始まったら、円安を許すもゆるさないもないでしょうね。

どうしたら日本を救済できるのか、それには円安しかないのだ、が結論でしょう。

 そして英会話のことですが、もちろん英会話は一日にしてならず。

それはチョコグラさんもよくおわかりだと思います。

日本の英語教育は根本的に間違っていますよね。中学から大学まで行っているとしたら、10年を無駄にしています。最低半分は会話に時間を使うべきです。

最近は小学校からだそうですが、それこそ教科書はやめて、会話に徹すべきです。英語が母国語の外人はいくらでもいます。ワーキングビザを若い人たちにバンバン出せば、安い先生が雇えます。

 私は大学でESSに入ってから自分の周りをなるべく英語でいっぱいにしていました。クラブ活動では毎日英語で話すし、AFN米軍放送を毎日聞き、合宿では日本語が口をつくと罰金まで科されました。

 それでもホンマモンの日常会話は、アメリカ暮らしを数年するまでは学習できませんでした。今はメンテのためにテレビの多重放送は必ず英語で聞きます。特にBS世界のニュースは世界を知る上でも英語のヒアリング力維持のためにも毎日見ています。

 これからの方法としては、最近宣伝をよく耳にする聞き流しの会話学習法は有力な手段だと思います。英会話学習に限り、「百見は一聞にしかず」。いくら英語を見ても読んでも、話すことはできません。聞くことだと思います。本当の英語を話す先生のいない小学校でもこれなら簡単にできます。

 いや、もっと厳しく言えば、会話のヘタな先生などいないほうがまし。日本語英語の発音を身に着けてしまうのが最悪です。

うちでは子供達が小さいころからセサミストリートを聞き流し、見流しさせていました。実は親も勉強になったのだと思います。

 

救われた投資家さんへ

私の読後の感想も救われた投資家さんと同じで、衰弱死という新たな可能性を示唆してもらった思いです。

 

ぺぃさんへ

 >海外の過去の事例では、ハイパーインフレになる前に穏やかなインフレ期があったそうなので、そんなインフレ期に過剰なインフレにならないよう金融引き締めなどの対策をすれば良いそうです。

 どこの国の、いつの経験でしょうか。その国は日本のようにGDPの2倍を超える累積赤字があったのでしょうか。せっかくなので、聞かせてください。

きっと日銀も政府も、いざとなれば引き締めができると思っているので、金融財政政策に緊張感などなく、緩みっぱなしなのでしょう。

特に衰弱死しつつある中で、引き締めは不可能です。まだそれほど悪くない今でも、もしクロちゃんがひとこと「引き締め」について言及したらイチコロだと私は思っています。

いやそれどころか、クロちゃんが「これ以上国債を買のはやめる」とテーパリングに言及しただけで、イチコロでしょう。本当の薬中毒の禁断症状は、死んだ方がましだと思うほど激烈だそうです。

クロちゃんがお気の毒なほどに強気な発言を繰り返す本当の理由はここ、つまり「やめられない」にあります。

  

  以上、「衰弱死」についてみなさんからいただいた感想に私からコメントを返させていただきました。みなさん、ありがとうございました。

  最後にあらためて、新たな視点を提示してくれた元同僚の徳勝礼子氏に感謝いたします。

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アクセルとブレーキの踏み間違い防止策の提案

2016年05月19日 | ニュース・コメント

  「マイナス金利の行きつく先」の記事に、コメントをいただき、ありがとうございます。いましばらくコメントをお待ちして、私からの返答コメントをさせていただきます。しばしお待ちを。

   本日の話題は、私のいつもの「突飛なアイデア」です。実は「米国債を買え」自体が、突飛なアイデアだと言われることがあります。私にとっては全く論理的かつ知っておくべき、ごく普通のアイデアなんですが、どうも一般的には突飛さを感じる方が多いようです。

    「車が空を飛んだ」というニュースが先週ありました。原因は83歳になる高齢者のアクセルとブレーキの踏み間違いです。大通りに面した地下駐車場から出るときに踏み間違え、車線を越え中央分離帯を越え、その時に植え込みをあたかもジャンプするようにして反対車線を横切り、反対側にあるビルまで突っ込んだのです。

   最近このような踏み間違い事故が頻発していますが、私はこの問題の有力な解決策を持っています。それをだいぶ以前自動車教習所の関係者にお知らせしたのですが、どうも相手にしてもらえなかったようです。

    私に言わせれば、アクセルとブレーキの踏み間違いの原因は、教習所での指導が間違っているからです。教習所では右足でアクセルを踏み、ブレーキが必要だとアクセルを踏んでいた足をブレーキに移して踏む。右足でアクセルもブレーキも踏むという超時代遅れの運転方法を、いまだに後生大事に繰り返しています。左足はクラッチを踏むために取っておいたのですが、クラッチのついた車など一般車には見かけないし、ほとんどの人がオートマチック専用の免許を持つ時代にふさわしくありません

    私は初めて自分の車をマニュアルからオートマチックに変えた40年ほど前に、オートマチック車で信号待ちなどの停止しているときに、ブレーキを右足で軽く踏んでいても動き出すクリーピング現象を防ぐため、左足も乗せるようにしました。右足一本だと結構力を使います。渋滞時などは疲れますが、両足で踏むと足の重み以上に力を入れる必要がなくなり、とてもらくちんです。

    それを繰り返すうちに、いつの間にかブレーキを左足で踏むように変えていました。無意識になっていたのです。それは安全性にも大いに貢献します。例えばある程度スピードが出ているとき、わき道から人や自転車が出てきそうなところでは、左足をブレーキの上で構え、即座に踏めるよう待機するのです。右足はアクセルを踏み続け、左足はブレーキを踏む即応態勢を取っています。それに慣れてくると、急ブレーキが必要な場合でも、左足がとっさに出るのです。

  今回の事故のように地下駐車場から歩道を経て車道に出るときでも、私の場合は、もちろん左足がブレーキの上にありますから、右足でブレーキを踏んだつもりが、実はアクセルを踏んでいたなどということは絶対にありません。

   教習所や自動車免許試験場で試験官をしているお年寄りたちにこれを伝えると、たぶんあることないこと10くらいは専門家らしい反論が返って来るでしょう。例えば、「世の中にはマニュアル車もあるし、オートマからマニュアルに変える人がいるかも、それに何十年も慣れている人に教えたらかえって混乱する」とか・・・。

   ある方がこれを知って実験したが、「ブレーキを強めに踏んでしまい、危険を感じた」との反応が返ってきました。「昔クラッチを踏んでいた残滓と思われる」とのこと。そうした反応はもちろん予想しています。その方はこれには習熟が必要と言われていましたが、2・3回ですぐ会得できますし、今から変更しても大丈夫です。その理由を説明します。

   踏み間違った人のほとんどは、何としても止めなくてはと思い、アクセルを何度も思いっきり踏んでしまい、車が暴走してしまったのです。

   それは右足でブレーキを踏み慣れているからです。しかし私は「アッ危ない」と思って思い切り踏み込むのは右足ではなく左足なのです。私の場合、右足はアクセルにしか使用しないため、常にゆっくりと静かに踏むクセがついているのです。絶対に右足で思い切り踏む動作はしないのです。事故は右足で思い切って踏む反射神経のなせる業です。

   左足でブレーキを踏み続ければ、反射神経でのとっさのブレーキングは左足しか反応しません。

   両足を使えるみなさん、是非両足運転を試してみてください。まずはクリーピングを防ぐとき左足もブレーキにかけましょう。右足が疲れないで済むようになるというメリットもありますので。

  次に危ない道で徐行運転をするとき、右足でアクセルを踏みながら、左足はブレーキにかけておく。ブレーキランプはつけないように。たぶん初めのうちはとっさのブレーキが必要な場合、つい右足が反射神経的に出てしまうでしょう。問題はないし、時間が経てば両足運転に慣れます。

   そして新たに免許を取る場合、左右の足を使わせてより安全な運転技術を学ばせるべきです。もし警察や教習所関係の方がこれをお読みでしたら、実験だけでもやってみてください。この1年で、踏み間違いで何十人の方が死んだか、あるいは何十台がコンビニに突っ込んだか。そうした事故をなくす決定打はこの両足運転です。

   たとえ高齢の方であっても、間違えて人を死傷させるリスクに比べれば、ブレーキを強めに踏んでしまうリスクなどたいしたことではありません。

   これって突飛ですか?

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マイナス金利の行きつく先

2016年05月16日 | マイナス金利導入をどうみるか

  友あり、遠方より来たる。

  先週末、遠方からの友人が東京で展覧会に行くために上京。私も2日間にわたり、彼にお付き合いしました。本命は他でもない生誕300年記念の伊藤若冲展です。今回はめったに公開されないシリーズ絵画が一気に30点、たった1か月だけ展示されているのです。宮内庁三の丸尚蔵館の「動植綵絵」です。

  江戸中期に活躍した伊藤若冲のことはご存じない方もいるかもしれませんが、優れた作品を残している割には日本での評価は低く、アメリカ人のジョー・プライス氏が戦後に見出し、大きなコレクションを持っています。それが日本でも遅ればせながら近年になって非常に注目されるようになりました。

  めったに見ることができない宮内庁の所有する動植物を精密に描いた「動植綵絵」30点を含む展覧会が開かれるためか、この2か月余りで若冲に関する多くのテレビ番組が放映されました。そのおかげで展覧会は近年まれに見る混在でした。私は列に並ぶのが嫌いなのですが、このときばかりはあきらめて並びました。開場前から前売り券を持っていて並んだのに、待ち時間はなんと2時間。開場まもなく当日券は売り切れとのアナウンスがありました。連休や土日はもっとひどかったようです。

  しかし30幅もの動植綵絵の見事さは、並んだ時間を忘れさせてくれるほどの素晴らしさでした。かなり大きな掛け軸の絵で、彼は40歳代の油の乗り切った時代に10年もの歳月をこの30点に注いだと言われています。当時は非常に高価だった絵の具をふんだんに用いたため、彩色は今でもみずみずしく、並んだ疲れも吹き飛んだほどでした。


  さて今回の本題は、マイナス金利に関する追加情報です。

  私はGWに何冊かの本をまとめ読みしたのですが、その中の一冊、タイトル「マイナス金利」、副題「ハイパーインフレより怖い日本経済の末路」についてです。2・3か月前にどなたかがコメント欄で取り上げていたと記憶します。

    著者については買ってから気が付いたのですが、なんとソロモン時代の同僚でした。名前は徳勝礼子。私よりかなり若く、あとの入社で、ソロモン内のヘッジファンドであるアービトラージ(裁定取引)部隊に入社してきました。部門のヘッドは伝説的トレーダーの明神茂氏で、彼が朝礼で紹介したのをよく覚えています。「今度採った「とくかつ」です、よろしくね。なんで採ったかって言うと、名前がよかったから。なんたって得して勝つだからね(爆笑)」

    この部隊は社内でもピカイチの頭脳を有する人たちの集まりで、彼女も東大経済学部からシカゴ大でMBAを取り入社してきました。著者である彼女の名前に何故早く気が付かなかったかと申しますと、実は明神氏が「得して勝つ」と言ったため、私は「得勝」だと思っていたからです。社内ではネームリストなどが全部英語だったため本の著者名を見ても全く気が付かず、略歴を見てやっと元同僚だと気が付きました。彼女は明神チームの中で「クォンツ」と呼ばれるアナリストの一人として活躍していました。

    本のサブタイトルは「ハイパーインフレより怖い日本経済の末路」と、かなり刺激的です。きっと出版社が付けたのでしょう。内容は相当に高度なことが多く含まれているため、一般の方にお薦めするのはかなりはばかられます。でも挑戦したい方はぜひお読みください。

    サブタイトルと書いてある内容が重なる部分はさほど多くはありませんが、私はその部分をみなさんに紹介させていただきます。

  概略は以下のとおりです。

    彼女はあとがきで、「短期国債金利がマイナスで取引された理由を解明しようと筆をとったが、よりおおきなテーマになっていった」とのこと。

    そのことの解明自体は、2−3か月前にこのブログでも解説した、「マイナス金利でも運用益、何故」と同じ理由です。つまり海外勢がドル円のベーシス・スワップで日本勢からプレミアムを得るという有利な立場にある。それがために運用をマイナス金利で行っても、自分たちのファンディング・コストがより大きなマイナスのため、十分にペイするという理由です。

    そして彼女は「邦銀が負担しているそのジャパン・プレミアムは、裏を返せば日本の信認低下のコストを払っているのだ」、と続けます。そしてさらに、

    「現在国債の破たんを防いでいるのは海外保有が低いのと経常黒字というのが一般論だが、それが終わりつつある。海外投資家の保有比率上昇し、経常利益も趨勢的に低下している。それでも低金利なのは日銀による財政赤字ファイナンスによるものだ。」

    重要なことは、「こうした金融抑圧=マイナス金利のツケは、ドルの調達コスト上昇を通じて日本全体が払わされている。海外投資家にとってマイナス金利での円調達が可能なため、かれらの利回りは米国債利回りをしのぎ、社債並みになっている美味しい投資だ」。そして、

    「日銀によるこうした抑圧によりハイパーインフレや国際暴落は起こらずとも、衰弱死が起こる可能性がある」。という結論を導いています。邦銀の調達コスト上昇は一般の人の目には見えないため目立たず、しかししっかりと日本をむしばんでいる。そして目立たないことをいいことに、政府は財政を弛緩させたままに放置し、一般の論調も最近は財政から目を逸らしてしまった。」

   以上が私の読み取った概要です。みなさんの関心を引く一番の点はたぶん「日銀によるこうした抑圧によりハイパーインフレや国際暴落は起こらずとも、衰弱死が起こる可能性がある」という部分でしょう。

   ではこの「金融抑圧による衰弱死」ということに関して、私のコメントを書きます。

   これは死に至る新たな視点を追加してくれたように思われます。決して大胆な分析ではありませんし、実際の文章は慎重な彼女らしい言い回しが多いのですが、最後の衰弱死に至るプロセスは詳しく説明されていないため、若干の不満が残ります。

    どういうことかと申しますと、財政が弛緩したままで推移すると、まず格付け会社は黙っていないでしょうし、マイナス金利がまかりとおるような低成長あるいはマイナス成長だと、円安は着実に進行すると思われます。その場合、海外への資本逃避が劇的でなくともじわじわ進行し、インフレもじわじわ進行する可能性があると思われます。それがコントロールの効く程度のペースならよいのですが、いつしかかなり劇的になる可能性が大いにあるように私には思えるのです。

   大きな視点から見れば、私と徳勝氏の考えには、ことが起こるスピード感以外にさほどの差はないように思えます。みなさんはどう思われますでしょうか。彼女の本をお読みになっていなくとも、みなさんの感想を聞かせてください。

                                            以上

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