話は一ヶ月ほど前にさかのぼる。11/23日の夜、夕飯を済ませた後に何故か腹痛が始まった。しばらく我慢したものの、夜11時になってもなかなか治まらない。今までに経験した事の無い痛みでとにかくジッとしていられない。夜も更けてきたし連休の日曜日の晩だ。どうにもならないので消防に電話してみると救急車で来てくれる事になった。病院について診察が終る頃には痛みは治まって来たのだが、診断は「尿管結石」、CTスキャンの写真を見せてもらったが腎臓に白い石が2個写っていた。
さて、この尿管結石だが、治療法は特に無いらしい。自然に尿と一緒に排泄されるものなので、そのまま痛み止めを飲んで様子をみるのが一般的らしい。まぁ、原因が解ってホッとした。特に心配する必要は無いらしい。 こんな感じで無事に診療は終ったのだが、診察が終ったのだからとっとと帰れと言う。緊急病院はそんなシステムになっているらしい。時計を見ると夜中の1時10分だった。田舎の事だからタクシーなんて呼んでも来ない。誰かに電話して来てもらうような時間でもない。朝まで居られると困るからとにかく帰れと言う。冬の夜中に帰れは無いだろうと思うが、診察はしてもらえたので文句は言えない。とりあえず国道に出てみる事にした。車は時々通るのであるが誰も止まってはくれない。あたりまえだ。街灯もない暗い国道を冬の最中に一人でトボトボと歩いている、時間は夜中の2時である。私が運転していても止まらないだろう、ちょっと怖すぎる。
仕方ないのでそのまま歩いて帰る事にした。家まで多分30Km位だろう・・。朝家に着いて時計を見てみると7時だった。雪も降らず比較的暖かい夜だったので何とか凍死する前に家に辿り着く事ができた。結構しんどいおもいをしたが、この程度の事は農作業に比べるとたいしたことではない。定植作業や草取り作業の方がはるかにハードである。
その後一ヶ月ほど経過したが痛みは来ないので無事に排泄されたらしい。「腎臓結石」というのは良く聞いていたがまさか自分がなるとは思わなかったが、考えてみると就農後のいろんな気苦労が溜まってしまった結果なのだろうと思う。いろんな意味で極めてハードな九年間であった。でも、尿管結石程度で終ってくれたのはラッキーだった。栽培も販売も軌道に乗りつつあるので、修行のような厳しい農業生活は今年で終わりである。もう苦労する要素は何も無いからだ。来年からはいよいよのんびりとお気楽農民生活だな。十年かかってしまったがやっとここまで辿り着く事ができた。心の縛りが取れると同時に結石も融けてなくなってしまった様です。
でも、のんびりとお気楽農民生活だけでは芸が無いので、来年からは「自給的農の実践農場作り」を目標にして行きたい。まずは農地の購入である。省エネを取り入れたエコ住宅も建てたい。ハウスや納屋、作業場などの設備も整えたい。こんな感じの農場を作る。五年以内が目標であるが、一度方向が定まると事は成って行くものなので、なんとか達成できるのではないかと思っている。
今年も残すところあと十日あまり。暗い話題ばかりが目に付くこの頃ですが、皆さん良い年をお迎えくださいね。私も来年からは新たな目標に向って前進します。