BR 栽培日記 2024

バーズレストランの栽培日記です

丸さんの千日回峯行

2008-09-12 20:40:41 | 農業

日曜日の収穫感謝祭の模様が昨日の農業新聞で記事になったようです。農業新聞に掲載されるのはこれで二度目です。今回はNHKの撮影も入ってコネクションができましたし、これでマスコミ対策は万全です。(笑) 新聞やテレビに出たからといって特にどうという事はないのですが、世間的な認知度は上がってきます。 北海道の地方紙は北海道新聞なのですが、皆購読しています。道新に掲載された時は、「道新見たよー」 と色んな人に言われました。 「無農薬で雑穀栽培」 何やってんだかバッカじゃないの! と言われていたのが、新聞やテレビに出るとなると「イヤーたいしたもんだねぇ」という話になってくる。(笑) 私自身は昔と何も変わらず雑穀を作り続けているだけなのだが、世間の見方はだんだん変わってくるというわけで、ここらへんが面白いところだ。

生まれ故郷にUターンして8年目だが、脱サラして10年が経過した。まだまだ研修中の身であるが、そろそろ農業者として一人立ちできる時期が来たかもしれない。永い闘いだったがやっと修行の年季があけたように思う。やっとスタートラインに立つ事ができたと言えるかもしれない。

相次ぐ離農者、跡継ぎはいない、食料自給率は下がる一方、暮らしていけない苦しい経営、農業というと暗い厳しいニュースばかりだが、私は農業ほど素敵な職業は他にないと思う。駄目なのは農業そのものではなくて、農業を取り巻く経済システムや社会システムだろう。農家に生まれた人は、地盤・看板・算盤が揃った二代目議員の様なものだ。全て揃っているのだから後は経営を頑張れば良いだけの話なのだからラクチンである。少なくても脱サラ農民の様な無駄な努力をする必要はない。 それなのに何故農業を嫌って離農してしまうのだろう?私には良く解らない。農業ほど、工夫のし甲斐のある面白い職業は滅多ヤタラとあるものではない。創意工夫でやっていけるチャンスはまだまだいくらでもあるだろう。

「ゲームを変えるべし」 これが私からのアドバイスだ。

皆と一緒にババ抜きゲームをしていては、農家が必ずババを引く。最後にババを引くのは農家だと決まっているからだ。だから皆と一緒にゲームをしていたら借金背負って倒産する。必ずそうなると断言しても良い。農業をポーカーゲームに変えることだ。農家にババがやってくるのは変わらないが、ここでジョーカーに変身する。つまり必ずジョーカーがやってくる、するとどうなる?、連戦連勝だ。ポーカーゲームなら農業者は必ず勝つ。

ちなみに私の本業はネットを使った小売業である。売る商品が、自身で栽培した雑穀だというだけの話であって、農家ではない。 私が小売を本業としているのはこのゲームを変える為の一つの方法だ。詳しくは又冬になったらUPしようと思う。人生とは面白いものだ。


麻の製品

2008-08-30 09:37:00 | 農業

先日テレビのNHKニュースで見た産業用大麻について記事をUPしましたが、夕方6時半のニュースでしたので、考えてみたら道内放送だったかもしれません。内地の方は見れなかったかもしれませんね。ウェブで検索して怪しげなサイトに行かれては困るので、麻から出来る製品についてちょっとだけUPしておきます。

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保温材(グラスウール) 最初からこれを使っていたらアスベストによる中皮腫で死亡する人はいなかったかもしれません。

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麻の茎、めくれている皮が麻の繊維です。

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麻の繊維はこんな感じです。

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麻の繊維(ヘンプ)50%含有のタオル。繊維から布製品はなんでも作れます。

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エコパッグ。

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種を絞って取れるヘンプオイル。今は海外からの輸入品ですが、大麻油・シードナッツ等の食品も購入する事ができます。

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大麻紙から作られた葉書。 以上、製品の提供はヘンプレボです。

紙の原料は木材チップですね。熱帯雨林の木を切りまくって環境破壊するよりも、毎年生産可能な植物資源である麻を栽培したほうが良いんじゃないかなぁ。美しい地球を子供達に、と美しいスローガンだけ叫んでいてもしょうがないですわ。ゴミの山を残さないように再生可能な自然資源に切り替えていく(脱石油)ライフスタイルを目指したいものです。

写真の麻の茎は繊維用に栽培された物ですので細いですが、やや間隔をとって普通の農産物の様に栽培すると、茎の直径は6cm、高さ4mほどにわずか4カ月ほどで生育します。植物資源の中でも特に麻に注目が集まる理由はここにあります。普通の木なら10年はかかるであろう大きさにわずか数ヶ月で達してしまう、それぐらい麻の生命力には桁違いのパワーがあります。


産業用大麻

2008-08-28 19:38:07 | 農業

今日テレビを見ていたら、夕方6:30からのNHKニュースで大麻畑の映像が放映されていたのでビックリしました。地域活性化を目的として産業用大麻を栽培する「栽培特区」として認められた様です。画像では、生育中の麻(大麻)と、それから作られた保温材・建材パネル・プラスチックに代わるCDケースなどが紹介されていました。

一般的に大麻(たいま)と言うと「それは麻薬だ」というイメージがまだまだ強いでしょうね。最近もお相撲さんが協会を解雇されましたね。特に北海道は戦前に国策として大麻栽培が行われていたと言う経緯から野生大麻が豊富にあり、大麻取締法違反で検挙される事件のニュースがしょっちゅうあるので、特に北海道人にとっては、大麻というとイメージは悪いでしょうね。

この産業用大麻というのは、幻覚成分をほとんど含まない麻の品種です。大麻=麻と一口に言ってもお米と同じ様に沢山の種類があります。そこで無毒の品種の麻を栽培して産業利用しようというのがこの栽培特区の目的ですね。 今でこそ大麻と言うと麻薬と言うイメージが強いですが、日本においてははるか縄文時代の昔から連綿として栽培されてきた麻という植物です。そしてその植物の利用範囲ははるかに広いというのが真実です。終戦後の占領政策の中で意味なく禁止され、以後見直される事なく今に至ってしまっているのです。

大麻(たいま) 日本で「たいま」というと、これは伊勢神宮の神宮大麻の事を言います。お伊勢参りにやってきた人たちに道中の安全祈願として渡されたのが麻糸のこよりであり、ありがたいお守りです。これがたいまというものの本質です。 麻が恐ろしい麻薬のたいまであるとして禁止されることによって、日本人は日本人としての精神的な支柱を失ってしまいました。歴史を否定し、何よりも大事な精神性を否定して、一体何を拠り所として生きて行く事になるのでしょうか?  金さえあればそれで良いのでしょうか? 物事で大事なことはその本質です。麻という植物を正しく認識し産業利用して行く事はとても意味のある試みです。資源のない国は、再生可能な植物資源に注目していくのが一番の方法でしょう。北見の取り組みが成功し、それと同時に麻に関する正しい認識が広まるようにと祈ります。 


そばのプランター栽培

2008-07-07 20:22:28 | 農業

そばのプランター栽培についてはサイトでもお勧めしていますので補足説明しておきます。先日竹姫さんから「そばの芽に虫がつく」とコメントを頂きましたが、これは「種子を蒔く時期が合わない」という事が原因だと思います。私はつい先日北早生そばの種をまきましたが、これは北海道だからです。北早生そばは寒冷地のそばですから30度を越える気温を体験する事はありません。(最近は温暖化の影響で北海道でも30度を越える日がありますが、それでもほんの数日の事です) 最適温度は10-25度位の間です。九州は既に30度を超える真夏でしょう? 北早生そばには余りにも酷な環境です。だから丈夫に育たない、虫がつくと言う事になるのだろうと思います。

例えて言えば、エスキモー人を真夏の東京に連れてきて、クーラーもなしで「ここで暮らせ」と言う様なものです。熱中症ですぐにダウンしてしまうでしょう。そんな事を言うのがそもそも無理な事なんです。虫がつくというのは、「今の時期に北早生そばは合いませんよ」と教えてくれていると理解するのが自然だと思います。

適地適作を守ろう 作物は何でも蒔けば取れるというものではありません。 特に寒冷地系と暖地系のものでは全く違う品種と考えなければなりません。何処の土地にも昔から作り続けられてきたその土地特有の在来種というものがあります。ベランダのプランター栽培であっても「その土地の在来種を適期に蒔く」 これが基本です。北海道ではそばは一年に一回ですが、温かい府県では、春そば・秋そばと二回とるのが普通です。大分県にも在来のそばが有ると思いますので、その種子を使って、作型に合わせて、春と秋に蒔くというのが失敗しない方法だと思います。時期については地元のじっちゃん・ばっちゃんに聞いてください。適地適作が栽培の基本です。

寒冷地シードの利用法 バーズレストランでは殻付のシードを販売しています。小鳥の食餌として利用してもらっているものですが、種子として利用する場合には北海道の気候に合わせてください。温かい府県では秋から冬・春にかけて利用すべきもの、という事になります。春から秋にかけては地元の在来種、秋から春にかけては逆に地元の在来種では芽が出ないと思うので、寒冷地系の種子を使うという使い分けをするのが無難です。

たとえばそばを通年利用したいと言う事であれば、種子を数種確保して、それぞれの最適な栽培時期を探してください。 虫がつかずに無事にすくすくと生育するのが適期と判断すれば良いでしょう。

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これは畑の北早生そば、去年の実が落ちて自然に生えてきたものです。5月の中旬頃に生えてきますが、この時の日中最低温度は10度程度です。