ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

iPad対抗のタブレット端末が続々発表され、分からないことが増えています

2011年01月08日 | イノベーション
 iPad対抗のタブレット端末が最近、続々発表され、理解できないことが増えています。1月6日から米国ラスベガス市で開催された、世界最大の家電見本市のCES(the Consumer Electronics Association)では、日本のNECやパナソニック、中国のレノボグループ(Lenovo Group、聯想集団)などがタブレット端末の試作品をそれぞれ発表しました。

 日本国内では既に日本のシャープと韓国のサムソン電子がタブレット端末を日本国内で発売中です。逆に、ソニーは今回は試作品を発表していませんが、いずれこうしたタブレット端末を発売すると説明しています。これは国内でのタブレット端末の競演の話です。

 日本や韓国、中国の各電機メーカーがタブレット端末の製品化に力を入れる理由は、米国のアップルが発売したタブレット端末のiPadが世界中で745万台(2010年9月までの合計)も売れて、同社は高収益を上げているからです。ノート型パソコンとスマートフォンと呼ばれる高機能型携帯電話機の中間に“タブレット端末”という新市場を開拓し、ヒットさせたからです。

 分からないのは、iPadのユーザーはノート型パソコンを持って歩くのは重くて不便と考えて、タブレット端末を支持しているのかどうかの点です。おそらく、ノート型パソコンとスマートフォン(あるいは携帯電話機)の二つを持ち歩くことができれば、タブレット端末を持ち歩くことは不要な気がします。こうした疑問が浮かび上がってきます。

 iPadなどのタブレット端末は、基本となるOS(基本ソフト)がiPadはiOS、その他のタブレット端末は米国グーグル社のAndroid(アンドロイド)です(大部分がです)。端末画面の表示や切り替えなどの動きが速くて簡単という特徴を持っています。このため、販売店などではiPadを説明用資料などを表示するディスプレーとして利用しています。iPad以外のタブレッド端末が、グーグル社のOSのAndroidを採用する理由はOS開発コストが不要になり、ソフトウエアの開発費が1/10にもなると推定されているからです。ほぼ無料で高性能OSを使えるため、研究開発コストも開発開発時間も少なくて済みます。しかも、日本国内以外の海外市場でも販売しやすくなるという大きな利点が手に入ります。この結果、各タブレット端末製品を事業化する電機メーカー(あるいはその他のメーカーも)は、国内市場だけではなく国際市場でも販売することができます。

 各社が発表したタブレット端末を具体的にみてみましょう。NECの試作品は2画面両開きのタブレット端末「Cloud Communicator LT-W」です。


 本のように開いて使えるので「単行本や雑誌、マンガなどの電子書籍に、簡単なメモ書き用途、教育向けのアプリケーションなどに適している」そうです。例えば、英語教育アプリケーションでは、片側の画面で教える講師が話す映像を再生する一方、別の画面では、そのテキスト原稿を表示するなどの応用を、NECは考えているとのことです。

 実は、OSのAndroidはマルチ画面表示には対応していません。NECはマルチ画面への対応や左右の画面の連携機能などを独自に付け加えているそうです。部分的に、日本独自の仕様になっている点が日本国内向け製品開発での日本の大手電機メーカーらしい発想です。この功罪はその内に評価されることです。今回の展示は技術デモであり、製品化は現在未定とのことです。

 パナソニックが発表したタブレット端末の試作品「VIERA Tablet」は画面のサイズが4型、7型、10型と3種類もあります。タブレット端末で可能となる今後の用途によって、画面サイズを最適化するようです。まだ構想段階の試作品だからだそうです。


 もちろん、採用しているOSはAndroidです。

 パナソニックは今回発表したタブレット端末とテレビとの連携を模索しています。


 例えば、タブレット端末をリモコンとして使って、テレビのチャンネルを切り替えたり、テレビ画面の映像とは違う視点の映像をタブレット端末に表示して見せたりするなどの新サービスを検討しているもようです。日本が得意とするテレビの差異化のツールとして、タブレット端末を製品化するようです。

 このテレビとの連携は、ソニーも当然、狙っているようです。ソニーは米国グーグル社と世界初の「Google TV」を製品化しました。Webサイトの動画サイトなどを見ることできるものです。こうなると、近未来のテレビとの関係も重要かつ複雑になり、国際的な製品開発競争が激しくなることが予想されます。

 一方、中国のレノボグループが開発したのは、OSにWindows 7(米マイクロソフト製)を搭載したパソコンとAndroid OSベースのタブレット端末を合体した「IdeaPad U1 hybrid with LePad Slate」です。 ディスプレー部分はタブレット端末として取り外して使えます。

 実は、米国ではデルなどいくつかの有力電機メーカー(広義で)がそれぞれAndroid OSベースのタブレット端末を発売しています。米国では、iPadとAndroid OSベースのタブレット端末が情報端末としての市場を築いています。つまり、タブレット端末は多様な用途向けに製品化され、ノート型パソコン、簡易型ノートパソコンの“ネットパソコン”、スマートフォン、携帯電話機との使い分けが始まっています。しかし、それぞれの製品用途が今後も同じように続くとは限りません。今後、どの製品がどんな市場で優勢になっていくのか予想もできません。そして、日本の電機メーカーが勝ち残れるのか、特に近未来のテレビを韓国や台湾、中国の電機メーカーとどう競合していくのか、読めません。かなり、不安定な状況になっていると思います。一歩先は闇のままのような気がします。当面、タブレット端末から目が離せません。

 米国企業がつくった製品モデルを、日本企業が追いかけて製品化し、品質面で凌駕し事業では勝者になる1980年代パターンに似ています。しかし、今回は当時はライバルではなかった韓国、台湾、中国などの企業が製品開発競争に参加しています。また、米国企業の製品モデルの発案もまだ途上です。こうした厳しい情況で、日本企業の真の開発力が問われています。当面、タブレット端末から目が離せません。電子書籍の実用化にも大きな影響を与えます。

寒の入りが過ぎたので、春の七草の日になりました

2011年01月07日 | 季節の移ろい
 1月6日の小寒(寒の入り)を迎えたためか、今日は強い寒風が吹いて、かなり寒いです。快晴できれいな青空ですが、寒さを感じる冬空です。

 今日1月7日は春の七草が入った“七草がゆ”を食べる節句だそうです。正確には「春の七種」と書いて「ななくさ」と呼ぶのだそうです。飽食の時代の現在は、お節料理で疲れた胃を休めるなどの目的になっていると思います。昔は、冬の時期に、新鮮な野菜を摘んで食べることで新春を体感する節句ではなかったかと勝手に想像しています。

 春の七種は、以下の7種類の草(野菜)です。芹(せり)のセリ、薺(なずな)のナズナ(ぺんぺん草)、御形(ごぎょう)のハハコグサ(母子草)、繁縷(はこべら)のハコベ、仏の座(ほとけのざ)のコオニタビラコ(小鬼田平子)、菘(すずな)のカブ(蕪)、蘿蔔(すずしろ)のダイコン(大根)です。昔はカブもダイコンも野生種があったのでしょうか。「すずな」「すずしろ」という呼び名も古き良き時代を感じさせます。

 新春の生命力あふれる野菜・野草を食べることで、邪気を払い万病を払う目的で野菜かゆを食べたようです。最近は、この春の七種を商品として販売しています。


 なかなかの商魂です。このおかげで、“春の七草がゆ”を手軽に食べられます。


 実際に、近くの岸辺の陽当たりのいい場所には、生命力あふれる感じで野草が生えています。その中には、ホトケノザもあります。


 このホトケノザは、春の七種の「ホトケノザ」とは種類が異なるそうです。 現在、ホトケノザと呼ばれている野草はシソ科のものです。でも、見た目は食べられそうな感じがするほど、新鮮な野草です。冬の寒さはこれからですが、野草は春に向けてたくましく着実に生きています。

カワウが飛んできて川面に着水ました

2011年01月06日 | 季節の移ろい
 埼玉県南部を流れる柳瀬川でカワウをみました。柳瀬川の土手を散歩していると、上空から黒い鳥が舞い降りてきて、弧を描きながら、羽根を広げてブレーキをかけ川面に見事に着水しました。川の下流に向かって着水抵抗を小さくする方向で着水しました。飛行機の着陸と同じような原理です。川面を泳ぐ姿を見ると、カワウ(川鵜)でした。




 見事に着水しましたが、あまり熱心に水中に潜らず、ゆったりと川面を泳いでいます。ウ(鵜)であることは間違いないと思いましたが、カワウとウミウ(海鵜)の区別は、後で写真で確認しました。


 以前に訪れた国営武蔵丘陵森林公園(埼玉県比企郡滑川町)の中にある池の周りの木々に、たぶん100羽ぐらいのカワウがコロニーをつくっていました。カワウが留まっている木々は、枝のあちこちがフンで真っ白になっていました。数が多過ぎると、問題になりそうな様子でした。

 冬期に柳瀬川を訪れる水鳥はカモ類が主役です。飛来数は、それほど多くはないと思います。一時、シロサギが小さなコロニーをつくるぐらい多く来た年もあったのですが、最近はパラパラと見かける程度です(土手を散歩する程度での観察の印象ですが)。時々、アオサギが飛んできます。土手や木の上などで、じっとしているアオサギをたまに見かけます。野鳥としてはかなり大きい方なので目立ちます。

 川面の水辺部分にはセキレイがよくいます。尾羽を振って愛嬌を振りまきます。ほとんどがセグロセキレイですが、たまにキセキレイがいることもあります。たぶん、冬期にはキセキレイが飛来するのではないかと想像しています(春になると、キセキレイは朗々と美声で歌います。かなりの美声です)。

 セグロセキレイは上から見ると、真っ黒な背中がみえます。

 
 セグロセキレイのすぐ側に、小さなシギらしき野鳥がいましたが、種類は分かりませんでした。期待したアオサギには出会えませんでした。この辺が野鳥観察の面白い所です。見たい野鳥に会えず、思いがけない野鳥に会う。野鳥とも一期一会(いちごいちえ)です。

 埼玉県南部や東京の中心部では、昼間は気温が10度(摂氏)程度はあり、風がないために暖かく穏やかな過ごしやすい日々です。ぽかぽかとした日だまりにいると、関東は過ごしやすい場所だなとつくづく思います。日本海側や北海道などは厳しい寒波によって降雪し、ここに住む方が雪かきなどで苦労していることを思うと複雑な気持ちです。

 お正月気分を切り替えるための散歩の最中に、こんなことを感じました。1月6日は小寒で“寒の入り”です。これからしばらくは寒くなります。

上野公園の東照宮に咲く冬ボタンは豪華絢爛でした

2011年01月05日 | 季節の移ろい
 上野の東照宮にあるぼたん苑では、冬ボタン(寒牡丹)が見事に咲いていました。ボタンには元々、初冬と早春に咲く二期咲きの品種があり、このうちで低温で開花した冬咲きのものを「寒牡丹」と呼んでいるそうです。

 1月1日から開園している東照宮ぼたん苑には、冬ボタンを撮影する愛好家が何人も来ていました。冬ボタンは約40種類・600本が植えられているそうです。見た感じでは冬ボタンは数10本程度でした(“600本”の意味が良く理解できませんでした。たぶん春のボタンの株がすぐ側で芽を吹いていました)。






 ワラ囲いの中で、厳寒に耐えて咲いていました。

 ボタンは可憐、鮮やか、豪華、華麗などの言葉がふさわしい花です。バラやジャーマンアイリスにも似た華やかさを感じました。そのボタンの花が4月ではなく、1月に楽しめるのです。

 冬ボタンは、「花の少ない冬に、特にお正月の縁起花として抑制栽培の技術を駆使して開花させたもの」だそうです。つまり、ハイテクノロジーと熟練のスキルの賜物だそうです。冬ボタンは冬の気象に大きく左右され、着花率は20%以下なのだそうです。春と夏に、寒冷地で開花を抑制し、秋に温度調整して、冬の開花に備えるという作業に、丸2年を費やすそうです。


 上野の東照宮の冬ぼたん苑では、2月中旬まで冬ボタンを観賞できるそうです。天候が乱れなければそうですが。花が少ない冬期に咲く貴重な花です。厳しい環境でも、工夫を重ねれば華麗に花を咲かせる好例です。

 上野公園はいろいろな老若男女が楽しそうに通って行きます。上野公園内に寛永寺や清水堂などがあり、初詣の方も多いようです。もちろん、国立博物館や西洋美術館に行った方もいるようです。さらに、仕事始めに一杯飲んだサラリーマン集団が楽しそうに話ながら歩いてきます。この雰囲気をみる限りは、日本はかなり幸せな国のように感じました。

河原近くの田んぼでカワラヒワの群れに出会いました

2011年01月04日 | 季節の移ろい
 埼玉県南部を流れる柳瀬川近くで野鳥のカワラヒワの群れに出会いました。柳瀬川の近くに田んぼが広がっている場所があり、冬には野鳥が集まります。休耕田のためか、背の高い野草の枯れ草(いわゆるカヤ類)が増えて、野鳥の絶好の隠れ家になっています。

 毎年冬になると、ツグミやシラサギなどの野鳥が河原近くの田んぼ地帯に飛来し、田んぼの畔などをゆっくりと歩きます。今日は、スズメぐらいの大きさの濃い褐色の野鳥が20から30羽ぐらいの群れをなし、稲穂を刈り取った跡の田んぼに降りたちました。落ち穂を盛んに食べているようにみえます。落ち穂かどうかは分からないのですが、盛んに田んぼの地面をつっついています。


 田んぼの畦に群れが並んで留まっています。畔付近に降りたった群れまでは数10メートル離れていて、双眼鏡を忘れたので野鳥の種類を確認できませんでした。そっと近づくのですが、気づかれて飛び立たれ、遠くに逃げられます。飛び立つ時に黄色い羽根が見えたので、カワラヒワやマヒワではないかと思いました。 
 
 群れから離れた数羽が柳瀬川の両岸に並ぶ桜並木の枝先に留まりました。静かに近寄ると、カワラヒワでした。




 カワラヒワは春や夏などに各地の川岸近くでよく見かけます。黄色い羽根がもっと目立ち、きれいな羽根の野鳥だった気がします。冬羽根と夏羽根が違うのかもしれません。秋にコスモス畑で見かけた時も、羽根の色がもう少しきれいに見えた記憶があります。

 柳瀬川は埼玉県入間市の狭山湖を経由して流れ出し、志木市で新河岸川に合流し、さいたま市の旧浦和市付近で荒川に流れ込みます。以前は、かなり汚れた川だった時代もあるとのことですが、最近は見た目は清流です。コイなどの川魚が多数泳いでいるため、多くの釣り人が腕を競い合っています(でも、釣っても食べないそうです)。もちろん冬には、シラサギやアオサギが小魚を狙っています。たまにコハクチョウも数羽が飛来するそうです。

 お正月三が日の飽食で増えたと予想される体重を減らすために、冬の河原周りをせっせっと歩きました。お正月気分を切り替えるためにも、軽い運動は重要です。

 1月4日は風もなく、暖かい日でした。河原近くのよく陽が当たる場所では、白梅がもう咲き始めていました。驚きました。新春です。