ヒトリシズカのつぶやき特論

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東京大学生産技術研究所などはユニークな血糖値センサーを開発したそうです

2011年08月04日 | イノベーション
 2011年7月30日土曜日に、東京大学生産技術研究所と技術研究組合BEANS研究所は、糖尿病を治療する基本情報となる血糖値のユニークな計測手法の開発にメドをつけたと記者会見を開きました。土曜日に記者会見を開くのは、かなり珍しいことです。国際会議での学会発表以外ではあまりないことです。
 
 最近、大学・大学院の研究成果の一つとして糖尿病治療につながる血糖値測定法のシーズ技術の公表が増えています。今回、生産技術研究所と技術研究組合BEANS研究所は、接している血管内の血糖値に比例して光の強度を変えるハイドロゲルをファイバー形状に加工し、「マウスの耳に4カ月以上埋め込み、血糖値を持続的に計測することに成功した」と発表しました。





 マウスの耳の線状に光っている所に、ハイドロゲル製のファイバーが埋め込まれています。血糖値に応じて光強度(蛍光強度)を変えるハイドロゲルは、これまではビーズ形状の粒状だったため、マウスの体内に埋め込むと、ビーズが動いてしまう問題があったのだそうです。このため、同研究グループはハイドロゲルをファイバー形状に加工し、埋め込んでみたのだそうです。

 ハイドロゲルの内部に生体適合性ポリマーを混ぜることによって、マウスの耳に埋め込んだ時の皮膚周囲の炎症を低減させ、皮膚の外からの光計測を長期間行うことが可能になったのだそうです。

 今回開発のメドが立った微小直径のファイバー型センサーを将来、人間に適応できれば、糖尿病患者の体内に“低侵襲”で組織をあまり傷つけずに埋め込むことが可能になり、睡眠中など、血糖値を計測することができない場合でも、長期間にわたってセンサーを取り替えることなく、血糖値を計測できるシステムの実用化が期待できそうと説明します。

 この開発は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「異分野融合型次世代デバイス製造技術開発プロジェクト」(BEANSプロジェクト)の一環として行われたものだそうです。

 東京理科大学などの大学連合も赤外線レーザーを利用する小型の血糖値計測器の開発を進めています。こちらは、千葉大学の赤外線分光法による血清成分の測定法、信州大学の血糖値測定法、東京理科大学の赤外線域レーザー光源の要素技術の組み合わせに、千葉大学の検査・診断法を組み合わせて、小型の血糖値計測器を研究開発するプロジェクトを進めています。

 各大学が糖尿病患者を減らすために、優れた血糖値センサーなどを開発してくれることを期待しています。早めにお願いしたいです。