ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

桜草が佐久荒船高原でも咲き始めました

2010年05月26日 | 佐久荒船高原便り
 桜草が、標高1100メートルぐらいの佐久荒船高原でも咲き始めました。このブログ(2010年4月9日分)でもお伝えしましたように、桜草は元々は深山で咲く野草です。佐久荒船高原では、5月中旬から桜草が陽当たりの良い所では咲き始めました。



 今は、林間のやや木漏れ日の中で健気(けなげ)に咲いています。いくつかの群が競うように咲いています。陽光の当たり方で、様々な印象を与えます。新緑の草の絨毯(じゅうたん)の中で、ピングがきれいなアクセントを与えています。日が陰ると憂(うれ)いを感じます。



 20年ほど前に聞いた話ですが、桜草は以前は高原のあちこちに咲いていたそうです。昔は春になると、どこにでも咲くありふれた野草だったそうです。このため、人が入りやすい場所では、乱獲されて消えていったそうです。運が悪いことに、ちょうど春の山菜採りの時期に咲きます。タラの芽を採る時期に重なったため、桜草の群生地はかなり消えていったとのことです。

 それでも、現在もあまり人気が無い林間では多くの桜草が群生しています。最初に林間の中で桜草が多数咲いている場所に出会った時は、そのお花畑の美しさに驚きました。実は、一番広範囲に咲く場所では、桜草はまだ地面から先の尖った感じの葉が出たばかりで、ほとんど咲いていませんでした。

 ここに桜草の開花期にたたずむと、とても幸せな感じを味わえます。ここは、かなりの山奥で人にはめったに出会いません。頭上で野鳥がさえずる、秘密の花園です。ここは、桜草以外の小さなかわいい野草も多数咲いています。高山のお花畑とは、一味違うお花畑です。

 林間では、桜草の仲間で、一番大きい九輪草(クリンソウ)もどんどん成長していました。いずれ、クリンソウの豪華な花をご紹介します。もうすぐです。春から夏は、自然の主役が次々と現れるため、リポーターは結構忙しいです。

 この時期、林間で鮮やかな朱色の花を咲かせるのは、草ボケです。日本のボケだそうです。地面から10から30センチメートルぐらいの低い所に、花を咲かせます。普段見る、木のボケは中国の園芸種のボケだそうです。



 こんなに美しい草ボケの花は、草むらの中でひっそりと咲いて他の草に紛れていきます。所々にしか咲いていません。人間に見せるために咲く訳ではないので、淡々と咲いています。アブなどが盛んに蜜(みつ)を吸っています。森羅万象(しんらばんしょう)の営みは、我々の想像を簡単に超えていきます。