AKira Manabe ブンブン日記

enjoy eating fun to cooking

理念と経営通信4月号No2

2007-04-04 23:05:31 | Weblog
◆◆企業事例研究

今週は、『カバヤ食品株式会社』『オハヨー乳業株式会社』をご紹介します。

ドリンクヨーグルトのトップブランドとして、業界に君臨する同社。

代表取締役社長の野津喬(のづたかし)氏は、「商品開発力をなくしたメーカーに存在価値はない」と言い切ります。
 
いい商品、美味しい商品の追求にチャレンジし続け、『OHAYO』ブランドを日本中に轟かせてきました。

その独自の経営哲学と食文化に対する思いを野津氏に伺いました。


◆いかに『いい商品』を提供できるか?

オハヨー乳業の創業は、1953年。

『カバヤキャラメル』で一世を風靡したカバヤ食品へ練乳を供給するために、岡山で産声をあげました。

やがて練乳だけではなく、家庭に届ける牛乳の製造を決意し、1956年に1億円をかけて最新鋭のオートメーション工場を建設。

その工場でつくられる『オハヨー牛乳』は衛生的だと評判になり、その名は岡山県全域に広まりました。

野津氏が最も力を注いだのが『商品開発力』です。

「私は、商品開発力をなくしたメーカーの存在価値はない、と思っています。

販売力も、サービス力も大事ですが、メーカーは商品開発力がいのちです。

いい商品、美味しい商品をつくれば、お客さまは絶対に買ってくれます」


◆人材育成について

野津氏が考える人材育成のポイントは、『任せる』ということ。

仕事を任せたら、3年は口を出さないといいます。
 
ある若手社員さんは、このように話しています。

「自分で考えて、課題を設定し、能動的に動いていく。
そういう仕事に対する自発的な姿勢が、わが社には企業文化として定着しています。」
  
 
このような自発的な企業文化をつくったものは、野津氏の経営哲学によるところが大きくあります。 

「私は、企業というのは資本家のためでも、経営者のためでも、社員のためでもなく、企業継続の概念に基づき『企業は企業のために存在する』と考えているんです。

平たく言えば『会社はみんなのためにある』ということです。

みんなで企業を大きくし、内容を充実させ、儲かればみんなで分けましょう、ということです。

これは父から教わったことですが、わが社の人づくりのポイントと言えるかもしれませんね」(野津氏)


◆行動指針について

同社には、行動指針として2種類の『5つのS』があります。

一つは仕事をする上で、基本中の基本の5S(整理・整とん・清掃・清潔・躾)。
もう一つの5Sは…

●Safety(安全性)
企業の核。HACCP認証も取得している。

●Speciality(独自性)
商品開発部隊が毎年、ヨーロッパ視察に行く。

●Service(顧客満足)
安心、安全の先にある『感動』を提供する。

●Speed(スピード)
毎月のように新製品を発売している。

●Slim(スリム化)
コスト削減は永遠のテーマ。

これらの行動指針は、同社の核となる部分で、繰り返し繰り返し徹底されている。


◆逆境にたっても、絶対に諦めない

以下、野津氏の言葉です。
「もし本当に(逆境に)強いとするなら、『ネバー・ギブアップ』という思いをいつももっているからかも知れません。

逆境に立っても、絶対に諦めない。そのとき必ず希望は見えるんです。

本当に最大のピンチは最大のチャンスです。

心からそう思うことが希望を生むんです。

それには、どんな状況になっても諦めないということしかありません。」


野津氏の経営哲学の一番の根底をなすものかもしれません。
この凄まじい思いがあるからこそ、一歩一歩と歩み続けられたのです。

野津氏が最後におっしゃった言葉も印象的でした。

「創業の精神。言い換えれば、チャレンジ精神を忘れるとダメだと思います。
それは企業だけではなく、国家も、人の人生だって
同じだと思うんです。」

★関連記事は、月刊「理念と経営」4月号に掲載されています。
(14~21ページ「企業事例研究1」)


◆◆事務局だより 

今回は、理念と経営・社内勉強会を開催されている
札幌市の林直人様のご感想を紹介します。

『スタッフが本来もっていた向上心』

株式会社ノースライフ 林 直人

当社は、動物園に例えられるほど、野生的で個性の強いスタッフが揃っており、当初は、勉強会を実施していくことに若干の不安がありました。

しかし、日創研に関わって、社内に学ぶ姿勢が浸透し、スタッフが本来もっていた向上心が素直に出るようになったお陰で、わりと順調に定着しました。
勉強会は、毎月第3月曜日の夜に開催しています。

「管理力」「現場力」を輪読し、ディスカッションする形で進め、社長を除く購読者が集まり、部門を超えて意見交換する場になっています。

進め方は試行錯誤の連続で、せっかく集まっているにもかかわらず、ときには、十分な意見交換ができないこともありました。

それでもやり続けていることで、自然に参加者の熱い思いや考えが出るようになり、経営についての意見交換が楽しくできるようになりました。

今では、記事に絡めて研修で習ったことを発表するなど、より深い学びの場となっています。

今後も楽しみながらやり続けます。

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