完璧主義について再びまとめている。
(以前の記事:「完璧主義な子のサポート、完璧でない世界を駆け抜けるために」)
「落ちこぼれ」の原因のひとつともされる完璧主義、
我が家やこれまで関わってきた子供達についてもだけれど、
自分の子供時代の思い出も蘇る。
子供やティーンの完璧主義の特徴:
・失敗したりミスすることを著しく心配し、怒り、動揺する。
・慢性的にタスクをぐずぐずと後回しにしてしまい、終えるのが困難。
・簡単にフラストレートし、簡単にギブアップする。
・恥をかくことや辱められることへの慢性的な恐れ。
・タスクに対し過度に注意深く完璧であろうとする(例えば、20分かかるはずの宿題に3時間かけるなど)。
・書き直すことで改善しようとする。
・完璧に思うように物事がいかないと、頻繁に破滅的な反応やメルトダウンする。
・新しいことに挑戦することや間違いを犯すリスクのあることを拒否する。
(Anxiety BCより)
完璧主義は、より高いレベルの成果をあげるなどよい面もあるけれど、自らを追い詰めネガティブな影響をもたらしもする。
こんな問題点:
・メンタルヘルス面
未来の失敗の恐れ、失敗してしまったことを引きずる、不安症、うつ、こだわり、潔癖
・成長が止まる
失敗を恐れ、確実にできることしか手を付けない。成長の好機である冒険や挑戦を避ける。失敗して立ち上がる体験がますますできなくなるという悪循環。
・周りとの関係がぎくしゃく
自分や相手の至らなさや欠点を受け入れられない。
などなど。
完璧主義の原因は、
・成長への強い欲望
・社会的なプレッシャー (成果重視の社会!)
・自信のなさ、自己評価の低さ
などが考えられる。
対処法は以前の記事にもまとめたのだけれど:
・「成果」より「努力」を認め、成果とその子自身とを引き離してとらえる。
・スケジュールの再考
現実的に実現できる小さなステップに区切り、時間的にも可能な計画を立てる。
・全体像を眺める
その目の前の細密なことにそれほどの時間をかける意味を全体像と照らし合わせ再考してみる。
・完璧主義について話し合う。
より小さな子とは「完璧主義」というラベルを用いずこんな話し方をするといいという提案も。
「心の中の小さな声がね、『完璧であれ』と話しかけてくることがある。『完璧でないなら自分は失敗者だ』、『他者を残念がらせるのはひどい人間だ』、こんな心の声が間違いを恐れさせ、新しいことを学ばせるのを難しくすることがある。でもね、うまくなるには、たくさんの練習と時間が必要なものなのよ。失敗することでうまくなっていくの、初めからできるなんてことはない。完璧であろうとすることは、多くの活動や達成から喜びを打ちのめしてまうね」
(Anxiety BChttp://www.anxietybc.com/sites/default/files/Perfectionism.pdfより)
などなど。
完璧主義の弊害、我が家や周りの子供達、そして私自身を振り返り、まさしく、と思う。
まとめていきます。
を完璧主義について、言語化し、整理していくことは、これから先、複雑な世の中になるほど必要になってくることだと思っています。子どもを導く側に、完璧主義についての洞察力や深い理解が必要とされているでしょうから。
「うまく適応できる完璧主義(adaptive perfectionism)」ならば、劇的に成長していくことができる。それでも、多くの場合、「完璧主義」は自らをがんじがらめに縛り、成長を止めてしまう。「完璧主義」は、ギフテッド教育について語られるとき、必ず取り上げられる課題でもあるのですが、周りでも、例を見てきました。
「オールオアナッシング」や「ぐずぐずと後回しにする」といった、一見「怠け者」にも見える様子が、「完璧主義」との繋がりを分かりにくくしているというの、本当ですね。
完璧主義は遺伝的に親から子供へと受け継がれると示唆する研究もあるようです。生まれ持った性質と後天的な環境が絡み合う中で、環境を整えていくことの大切さを思います。私自身の子育てを振り返り、反省点もたくさんあります。
「完璧主義の子は、常に成長への強い要望と成果を出すことへの焦燥感に駆られながら、現代社会のあらゆる場面に仕掛けられているトラップに自分から突入してかかってしまいがち」、奈緒美先生のこの言葉、胸に突き刺さります! 溢れる成長力や好奇心が、「絵に描いたような小奇麗な完成品」に押しつぶされていく。「過程の不格好さや不完全さに秘める可能性」と戯れる力、突き抜ける好奇心、そういったことを心に留めていこうと思っています。完璧主義のネガティブ面から解き放たれ、羽ばたいていく子供達が一人でも増えること、願っています。