今日は、
「子どもの行為の背景」について、
アドラー心理学を基にした「しつけ」についてのロングセラー本の著者、
そして教育心理学博士でもあるジェーン・ネルセン氏らの解釈を紹介しますね。(*)
私自身、試し、省み、また試しとしてきたなかで、
「確かに、使える場合も多い」と思っています。
こちらにも書きましたが、
・『It Mama』寄稿:ママの「~しなさい!」はNG?子が自ら考え行動できるようになる方法&子どもが欲するのは「自分は大切な一員」と感じられること?
アドラー心理学では、
子どもが根本的に欲しているのは、
「自分は大切な一員(belonging and significance)」と感じられること、
とします。
これって、私自身、
家庭であっても、教室であっても、
そうだよなあと感じてるんですが、
みなさんも、そう思いませんか?
それほど問題を起こすこともなくハッピーにその場にいる子たちは、
「自分はこの場で大切な一員」と満たされていて、
問題を起こす手のかかる子は、
この「自分はこの場の大切な一員」という気持ちが、
何らかの理由で満たされていない、
子どもたちを見てきて、確かに、そんな面があるよなあと思います。
自分はこの場に属せない、
自分はこの場で必要とされていない、
自分はこの場で邪魔にさえ思われている、
子どもたちは、そう感じる時、
何とかして、
「自分は大切な一員」という気持ちを満たそうと、
「誤った目標」に向かって突き進んでいきます。
それが、「困った行動」となって表れるんですね。
その仕組みを、ネルセン氏は、
大人が抱く感情を基に、
こんなように解説していきます。
1. 子どもの「誤った目標」:過度のアテンション
大人が抱く感情:
子どもの行動にイライラする、不安になる、罪悪感を感じる
そこで、
・細かく注意する。
・子どもができることもしてあげる。
と繰り返すとします。
そして、子どもが、
一旦困った行動を止めても、何度も繰り返す
一対一で向き合うと困った行動を止める
と反応するとします。
すると、子どもは、
「特別なアテンションを受ける時だけ自分は大切」。
「あなたが僕(私)のことで忙しくしている時だけ自分は大切」
と信じるようになります。
そして、ますますその「誤った目標:過度のアテンション」に向かって行動をするようになる、
というわけです。
そして、大人の次のような思いや気持ちが、
この「誤った目標:過度のアテンション」を達成しようという子どもの行動を
ますます助長します:
・あなたが困った様子を見るより、私がしてあげた方が楽。
・子どもがハッピーでないと罪悪感を感じる。
・失敗は学びの最高の好機なんて実践できない。
・あなたが残念な気持ちを乗りこえていけるとは思えない。
子どもがこうした「困った行動」から暗に示していることとは、
僕(私)に気づいて。
僕(私)を有効に巻き込んで。
といいます。
2.誤った目標:パワーゲームに勝つ
大人が抱く感情:
子どもの行動にムカッとする、挑戦されてる、なめられてる、負かされると感じる
そこで、
・争う
・子どもの言うとおりにする
・このままではすまないわよ、正しくありたいと思わせてやる、
と繰り返すとします。
そして子供が、
・より強烈な行動をとる
・反抗して従わない
・親や先生が動揺し困ると、勝ったと感じる
と反応するとします。
すると、子どもは、
・自分がボスでコントロールできて誰も自分のボスにはならないときだけ、自分はこの場に属している。
・あなたは私に「~させる」ことはできない。
と信じるようになります。
そして、ますますその「誤った目標:パワーゲームに勝つ」に向かって行動をするようになる、
というわけです。
そして、大人の次のような思いや気持ちが、
この「誤った目標:パワーゲームに勝つ」を達成しようという子どもの行動を
ますます助長します:
・私がコントロールするのであって、お前は私の言うことをするんだ。
・お前にどうするべきか教え、説教し、お前がしないときは罰をあたえることが、
お前がよりよくなろうとする意欲を高めるために最高の方法。
・お前の力を、より役に立つ形で貢献することを教えるのは大切じゃない。
子どもがこうした「困った行動」から暗に示していることとは、
僕(私)に手伝わせて。
僕(私)に選択肢をちょうだい。
といいます。
「誤った目標に突き進む 」からの方向転換の鍵
こうして、大人自らの、
イライラ、不安、罪悪感、怒り、なめられるといった感情から、
子どもの行動の心理を紐解いていくんですね。
私自身も、初めのころは、「えっ?」と思ったんですが、
繰り返してみる内に、へ~、ふ~ん、なるほどね~、
と何度も何度も思いましたよ。
そして、家庭でも、教室でも、
子どもたちへの対応を考える上で、
役に立っています。
一回、目を通して身につけられものでもないですから、
何度か、読み、省み、試しとしてみてくださいね。
自分は今、
子どもに対し、どんな感情を持っているのでしょう?
そして、どう行動しようとしているのでしょう?
すると、
こうした「誤った目標」への連なりに気づき、
方向を変えていくことができるかもしれません。
方向を変える鍵は、
上にあげたような、
「困った行動」を通して子どもが暗に示していることを念頭に、
その子が、より有意義に「自分は大切な一員と感じられる」接し方をすること。
それには、まず、自分の感情に気づき、
自分がどんな行動をとっているのかに気づくことです。
例えば、
イライラから、こまごま注意し続けている。
不安感から、先回りをして手を出している。
怒りやなめられては困るという気持ちから、何としてでも従わせようとしている。
といった行動に気づきます。
そして、大人自らの行動を変えていきます。
また詳しく、書きますね。
そして、あともう2つ「誤った目標」が提示されてるんですが、
今日は時間切れです。
ひとまず上の2つについて、
是非、試してみてくださいね。
さて、明日は勤務先の学校で、
簡単ディベートをします。授業準備完了。楽しみです。
家庭でも楽しいですから、また報告しますね。
今日は夕方から、
長男たちロボティックスティームが泊まりで他州です。
昨夜は、長男、友人宅にてその準備で、夜中に帰宅したんですが、
朝、「どうやって戻ってきたの?」と聞いたら(←ごめんね、ママ寝落ち)
「We walked」とだけ答えて、またスヤスヤ。
「We?」と思いながらも、朝ごはんや弁当作ったりとバタバタし、
ふと階下の部屋にいくと、
昨夜は使わず空のはずのベッドに「とても長い人」が横たわっていて、
思わず、「う、うわああっ!」と叫んで、起してしまいましたよ。
真夜中、お友達と2人で歩いて戻ってきたようです。
昨日はそのお友達、誕生日だったんですよね。
ロボット三昧、そして真夜中の散歩(氷点下40分)で18歳。
ああ、青春ですね。
10歳離れの兄弟。
みなさん、温もり溢れる週末を!
(*)参考資料:『Positive Discipline』by Jane Nelsen