fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ)

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『たかく とびたて、女の子』ラケル・ディアス・レゲーラ作/星野由美訳(汐文社)

2020年03月18日 | 本の紹介
           
 
 この絵本には3人の女の子が出てきます。
 大きくなったら、パイロットになるのが夢の アナ。
 バイオリンひきになるのが夢の マリー。
 作家になるのが夢の ヒメナ。

 彼女達の夢をかなえるため、ヤルキさんは、せっせとつばさを作ります。
 ところが、一方、あれこれ邪魔をする悪の軍団もいます。
 ソレハムリ、カガミニウツセ、カタハメ、ガイケンビジン、フカンゼン。

 彼らは、三人に、ささやくのです。「もっとすらりと、ほっそりと」「女の子は男の子より、足がおそい。力がたりない、勇気がない、たりないたりない」などといいながら、彼女達のポケットや靴に小石を入れます。
 彼女たちは、どんどん自信がなくなって、夢をあきらめかけてしまうのです。
 そして、女の子らしく なろうとします。

 ああ~、私もまた、ポケットや靴に、こんな小石が入っていました。子どもの頃からずっと。
 そして、ちょうどまた、あることをやろうとしていながら、「自分の器じゃないかな」「無理かな」「みんな、何て思うかな」と思っていました。小石を入れていたのです。
 自分の内に潜んでいる悪の軍団は、追い出さなくてはいけません。
 
 さて、絵本では、三人が、自信をとりもどせるか? ぜひ、読んでいただきたいです。
 
 女の子を型にはめようとすることに反発するっていうと、いわゆるフェミニズムの絵本かと思うかもしれません。でも、これは女の子だけではないのでは? 女の子に焦点を当てたからわかりやすいものになっているのです。
 高く飛び立つための翼を失わないように、私はこの頃「自信を持って」「大丈夫」と自分に言い聞かせています。時には声に出して。言霊と言いますが、本当ですね。こうして言い聞かせることで、何かが違ってくる気がします。
 子どもの頃の自分にも、教えてあげたい。まあ、それは言ってもしかたのないこと。今、気づいたからよかったです。
 
 友人の菜の花さんが、ブログで「過去と他人は変えられないけど、未来と自分は変えられる」という言葉を紹介してもいました。あー、本当ですね! このブログの左側のブックマークからいける「あじさい物語」です。

 それでも長年のくせというか、自信のなさがすぐに頭をもたげてきます。そんなとき、この絵本に力づけてもらいましょう。
 一生大事にしたい本が、一冊増えました。

  余談ですが、汐文社さんは、『ぼくたちのだんご山会議』の版元さんです。この『たかく とびたて 女の子』という絵本、本当によかったと、編集者さんにお伝えしたところ、担当されたのは若い女性の編集者さんとのこと。ありがとうございました。
  


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