石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

日本は世界121位、前回よりさらにダウン-世界と中東主要国の「男女格差指数」(5完)

2020-01-21 | 今日のニュース

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

mylibrary.maeda1.jp/0493WorldRank5.pdf 

 

(世界ランクシリーズ その5 2020年版)

(凋落はなはだしい日本!)
5.2015~2020年の総合ランクの推移
(図http://rank.maeda1.jp/5-G01.pdf 参照)
 ここでは中東4カ国(UAE、エジプト、サウジアラビア及びイラン)に日本、中国を加えた6カ国の過去5回の世界ランクの推移を検証する。
 この6カ国の中で過去5回にわたり順位がほとんど変わらなかったのはUAEとエジプトの2カ国であり、他の4カ国はいずれもランクの下落傾向が止まらない。中でも特に凋落の激しいのが日本であり2015年に世界101位であったが、その後2018年にわずかに復調の兆しを見せたものの、今回再び121位に転落、2015年に比べランクが20位も落ちている。中国も2015年の91位から今回は106位と15ランク下落しており、サウジアラビア(134位→146位)、イラン(141位→148位)も2917年以降3回連続でランクを下げている。
 UAEは119位→124位→120位→121位→120位とほぼ一定している。同国は今回日本を1ランク上回る結果となっている。エジプトも136位→132位→134位→135位→135位であり、130位台に固定している。


追記:各分野のスコアとその配分に若干の問題?
 WEFの男女格差指数では日本のランクが極めて低く、特に先進国の中で最低のランクとスコアであることはかなりショッキングな内容と言えよう。日本の政治分野の男女格差が諸外国に比べて際立って大きく、また経済分野でも格差の是正が遅れていることはWEFが指摘するまでもなく明らかであり、その点ではWEFの評価に異論を唱えるつもりはない。

 しかしながら4分野のスコアの配分及び各分野で一部開発途上の国がかなり高いスコアを出していることには若干問題があるように見える(筆者の独断と偏見と言われればそれまでであるが)。

 まず各分野のスコアの偏差値がかなり片寄っていることが指摘できる。例えば政治分野は0.701(アイスランド)が最も高く、0.000(パプアニューギニア)が最も低い。その格差は0.701である。経済分野も政治分野同様スコアの格差が大きい。これに対して健康分野では最高スコア0.980(ニカラグア他39カ国)に対し最低スコアは0.926(中国)であり、格差は0.054に過ぎず、教育分野では格差指数最大の1.000が35カ国にのぼっている。総合順位は各比較項目を加重平均したものであるため偏差値の高い教育及び健康分野が全体のスコアと順位に影響を及ぼしていると考えられる。

 次に各分野の国別スコアも問題含みと言えそうである。例えば健康分野の最高スコア0.980を与えられた39カ国の中にはアンゴラ、ボツアナなどアフリカ大陸の国々、あるいはニカラグア(因みに同国は総合世界4位)、ドミニカ、エルサルバドルなどの中米諸国が上がっている。また経済分野では北欧諸国とともにアフリカのベナン、ザンビアなど多くの開発途上国がトップグループに入っており、これらの国の中には独裁政権も混じっている。

 スコア算定のデータは国際機関が発表したものも少なくないが、元データはいずれも各国政府が提供したものである。各国政府が意図的に脚色したデータを提出してもそれを検証することは困難であり、このような意図的改ざんは独裁政権では極めてありがちである点を指摘しておきたい。(以上はあくまでも筆者個人の私見であることをお断りしておく。)

以上

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 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
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