Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

にっぽん女優列伝(203)十朱幸代

2020-08-21 00:10:00 | コラム
42年11月23日生まれ・77歳。
東京出身。

公式プロフィール

スクリーンで初めて十朱幸代(とあけ・ゆきよ)さんに触れたのは、たぶん85年の『櫂』だったと思います。



「けんど、耐えて忍ぶだけが女ですろうか。」―宮尾登美子の原作を五社英雄が映画化、共演に緒形拳と名取裕子。

地元の映画館に父親と行ったのですけど、脱ぎっぷりのいい十朱さんにくらくらきちゃいました。

いまの若い映画ファン、小中学生あたりって、こういった鮮烈な映画俳優との出会いってあるのでしょうか。
懐古趣味は好きではないのですけれど、こういう映画的記憶って大事なはずだと信じています―。




<経歴>

父親は、曲者の脇役俳優として有名な十朱久雄。

16歳で芸能界入り、
映画俳優デビュー作は、59年の『惜春鳥』。

『パイナップル部隊』(59)、『三人姉妹』(59)、
『流転』(60)、『次朗物語』(60)、『春の夢』(60)、『光る海』(63)、『関の弥太っぺ』(63)、『煙の王様』(63)、『伊豆の踊子』(63)、『雨の中に消えて』(63)、『黒い海峡』(64)、『敗れざるもの』(64)、『殺人者を消せ』(64)、『東京五輪音頭』(64)、『大喧嘩』(64)、『風と樹と空と』(64)、『猟人日記』(64)、『四つの恋の物語』(65)、『マカオの滝』(65)、『星と俺とできめたんだ』(65)、『青春とはなんだ』(65)、『意気に感ず』(65)、『可愛いあの娘』(65)、『拳銃野郎』(65)、『逃亡列車』(66)、『地獄の掟に明日はない』(66)、『かあちゃんと11人の子ども』(66)、『太陽に突っ走れ』(66)、『大空に乾杯』(66)、『育ちざかり』(67)などなど、主に娘役を演じてキャリアを築く。

67年には『でっかい太陽』で父親と共演、

『君が青春のとき』(67)、『燃える雲』(67)、『陽のあたる坂道』(67)、『北国の旅情』(67)、『花の恋人たち』(68)、『天狗党』(69)、『女の警察』(69)。

大きな役を掴み、全盛期へと突入するのは70年代なかば~80年代にかけて。

『日本侠客伝刃』(71)、『新座頭市物語 笠間の血祭り』(73)、マドンナを好演した『男はつらいよ 寅次郎子守唄』(74)、『青葉繁れる』(74)。

奇病に侵された少女と母親を捉える感動の物語のはずが、時代も影響してか、なんとなくエクソシストっぽくなってしまった怪作『震える舌』(80)、
緒形拳、夏目雅子と共演した相米慎二の力作『魚影の群れ』(83)、
『この子を残して』(83)、前述した『櫂』、痴ほう症をテーマとした『花いちもんめ。』(85)、『ウホッホ探険隊』(86)、『白い野望』(86)、二代目のヒロインを演じた『極道の妻たちII』(87)、『夜汽車』(87)。



『螢川』(87)、『ハラスのいた日々』(89)、『社葬』(89)、『桜の樹の下で』(89)、『女帝 春日局』(90)、『江戸城大乱』(91)、『首領になった男』(91)、しかし『日本一短い「母」への手紙』(95)を最後にスクリーンには登場していません。

テレビドラマのほうは、ぽつぽつと…ではありますが、顔を出してくれます。

やはり映画の現場は、年齢的にきついのでしょうか。。。

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明日のコラムは・・・

『にっぽん女優列伝(204)洞口依子』
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この星の一等賞になりたいの、俺はっ!!

2020-08-20 00:10:00 | コラム
先日の総合格闘技MMA興行『RIZIN』、youtube界でも有名な朝倉海が圧倒的な強さをみせて王者戴冠、バンダム級のベルトを腰に巻いた。

きらきら、ごてごて。
しているだけで、格闘技のチャンピオンベルトって格好いいか? みたいな意見も聞かれるが。

いや、やっぱり格好いいよ。

で、ふと思う。
そういや自分、ベルトはもちろん、盾やトロフィーをもらったことがないなぁって。


賞状はある。
作文コンクールなどで。

でも学校でいちばん止まりで、県や国で争ったものではないし、
それはシナリオコンクールでも同様。
よくて、最終予選止まりなのだった。

つまりは、ほんとうの意味における「一等賞」になったことがない。

いいなぁ、なりたいなぁ、ほしいなぁって純粋に思うよ。

ん?

分かっとるがな、「人一倍努力を重ねたものだけに許される特別なもの」だってことくらいは。

だから、そういうものを「都合よく」「どこかに置いておく」ことにして苦笑、凡人らしく、いいなぁ、なりたいなぁ、ほしいなぁ、、、と思う瞬間が「ちょっとくらい」なら、あってもいいでしょ?

思うだけならバチも当たらんっていうね笑


※…いやほんとうに、圧倒的だった



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明日のコラムは・・・

『にっぽん女優列伝(203)十朱幸代』
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worst、ということばの強さ

2020-08-19 00:10:00 | コラム
Twitterで「#オールタイム・ワースト5」というタグが作られたので自分も参加、

本ブログでも取り上げた・・・

『プリティ・ウーマン』(90)
『レオン』(94)
『おもひでぽろぽろ』(91)
『トゥルーライズ』(94)
『Shall we ダンス?』(96)

・・・を選出、仲間内できゃっきゃやっていたら、案の定「一部で」反発を抱かれた。

一部だよ一部、炎上なんてオオゴトなんか起こってない。

想定の範囲内ということ。


まずは上の投稿に対して、ふだんから仲良くされているユーザーさんからのコメントと、それに対する自分の返信をコピー。


Aさん「この映画達のノリが好きじゃないんですか? なんか独特のノリがある映画ばかりだなと思って。私もあまりノレなかった映画ばかりです」

自分「共通点を挙げるとするならば、無神経ですかね。きのこ雲と閃光をバックにキスするトゥルーライズなんかフィクションと分かっていても気分よくないですし、レオンは方々で文句言っちゃっているんですが笑、結局はロリコン映画なんですね。だったら、感動で誤魔化しちゃダメだと思ったんです」

Bさん「『プリティウーマン』は私も嫌いです。わりと気が合うと思っていた人が「花束持って迎えにくるリチャードギアに惚れた」と言っていて、こんなに気が合わなかったかと思った。
何の捻りもなく、娼婦が玉の輿にのるだけ…」

自分「おほほ! 同じジュリアならブロコヴィッチは大好きなんですけどね、契約書のサインもらうためにフェラしてやったわ♪ というヒロインが痛快で楽しかった。同じ女を武器にしていても、男によっかかっているのと、利用しているのと、ぜんぜんちがいますもんね!!」

Cさん「レオンを上げるのは勇者ですね。役者は良かったと思いますよwロリコン監督のヤバい脚本を強引に演技の力で見せ切りましたからw
トゥルー・ライズ。
キノコ雲も相当でしたがw嫁を国家権力の力で脅かすというのも笑えないし、アラブ人は最新機器など分からんという描写もなかなか酷かったです」

自分「そうそうそう、トゥルーライズはそういうところなんですよ。踊る大捜査線で中国の刑事が出てきましたが、まるで頭の弱い子、、、みたいな描きかたをしていたじゃないですか、アラブ人の描写はそれにちかい感じなんですよね」


次に、このタグに対する反論をコピー。


(1)挙げたくなる気持ちは分からなくはないですが、「参考にしたために手に取る、足を運ぶことをためらう」ことになれば、産業的には悪影響につながる。真っ当な批判もあって当然とは思いますが、このタグや「自分とは合わない」を広めてしまうのはどうかと思います。

(2)そんなの一個もない!!!!!! ただただ映画大好き

(3)最悪だった映画のことをネチネチと覚えているうえに、twitterで時間かけてあげつらう余裕があるのだから、皆さんホント記憶力良くて暇そうで羨ましい限りです。

(4)こんなタグに言葉を発したくない。

発してんじゃねーか! などと突っ込んではいけない。

もともと喧嘩を売っている「風」なのは、こっちなのだし。

反論を投稿したひとたちに反感は抱かない。
きっとよいひとなのだろうし、映画が心底好きなのだろう。

好きだからこそ、ワーストなんかで盛り上がりたくないと。

でもじつは、自分たちも「好きだからこそ」ワーストで盛り上がりたいのだけれどもね。


だから自分は、タグに共鳴したひとのページに、こんな風にコメントを残しました。

「多少の否定的意見は出るかと思っていましたが、こんな感じになっていたんですね汗

あのコ、美人だよな。ぜんぜん。お前、目が悪いんじゃ? 
率直にいって、これと変わりません。日常会話とエンタメはちがう? いやいや映画好きにとっては日常会話レベルにまで映画が降りてきているんですよね~」

もうね、これに尽きるから、これ以上のことはいえないし、いうつもりはないのだけれども。

ただ、カタカナではあるものの「ワースト」ということばが「それなりに強いもの」であることを改めて痛感した。

「ツマンネ」「駄作」のほうが直截的、ただ受けるほうの衝撃としては、ひょっとしたら「ワースト」のほうが強いのかもしれない。

そういうことも含めて、世の中ってことばって、映画って、面白いなぁと思います。。。




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明日のコラムは・・・

『この星の一等賞になりたいの、俺はっ!!』
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外国女優別キャリア10傑(32)シャロン・ストーン

2020-08-18 00:10:00 | コラム
~シャロン・ストーンのキャリア10傑~

危険で、不遜で、妖しくて、挑発的で、それでいて抗い難く。
魔性の女を演じたのはシャロン・ストーンが初めてというわけじゃない、それどころか数多くの女優が挑戦し、その時代に生きる男たちを虜にしてきた。

ではなぜシャロンだけが突出して、魔性の女のイメージをまとったのか。

そのくらい、「あの映画」のキャラクター性が強烈だった、、、ということでしょう。


※もちろん好きだけど、このCMの、いたずらっこみたいな笑顔のほうが好きなんだな



(1)『氷の微笑』(92)

「あの映画」とは、もちろんこのこと。

ヘア見せたからって、どうなん? みたいな冷ややかな意見もあったが、悪意と愛嬌がごちゃ混ぜになっているキャラクターって、なかなかだったと思う。


(2)『イヤー・オブ・ザ・ガン』(91)



イタリアの極左テロ組織「赤い旅団」をモチーフにした、サスペンス・アクション。

共演にアンドリュー・マッカーシー、なかなかに骨太な創りで、終始楽しめた。


(3)『ロマンシング・アドベンチャー/キング・ソロモンの秘宝』(85)

リチャード・チェンバレンと共演したアドベンチャー。

インディや『ロマンシング・ストーン』(84)などに比べると見劣りするが、創り手たちも「そのあたりを割り切って」制作しているため、あんまり気にならない。


(4)『カジノ』(95)

スコセッシ組に参戦。
デ・ニーロの妻を演じつつ、ジョー・ペシやジェームズ・ウッズとも寝る尻軽女を好演している。




(5)『トータル・リコール』(90)

シュワ氏主演のSF超大作。

仮の姿で生きるシュワ氏の、仮の妻を演じる。

「わたしを殺すの? あなたの妻なのよ」



(6)『スペシャリスト』(94)

スライと共演したアクション。

鍛え上げられたふたりのラブシーンは、エロスをまったく感じることがなく、なんというか、スポーツを観ているかのよう。


(7)『ブロークン・フラワーズ』(2005)

ジム・ジャームッシュ組に参戦。

ビル・マーレイの元カノを好演していて、随分と役の幅が広がったなぁと感心した。


(8)『ポリスアカデミー4 市民パトロール』(87)

ぽっちゃりしていて、これはこれでキュートですわな。



(9)『ラヴレース』(2013)

ポルノ女優、リンダ・ラヴレースの半生を描いた伝記映画。

主演はアマンダ・セイフライド、
シャロンは彼女の母親を演じているけれど、30年前の制作であれば、まちがいなく主演を勝ち取っていたろうね。


(10)『硝子の塔』(93)

完全に『氷の微笑』の二番煎じを狙った失敗作だが、セクシーはセクシーなので苦笑

『ラマン』(92)のジェーン・マーチにも同じことがいえるけれど、「これっきり」っていうわけにはいかないのだよね…。

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『worst、ということばの強さ』
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シネマしりとり「薀蓄篇」(342)

2020-08-17 00:10:00 | コラム
ぶ「き」→「き」いろ

ガキのころ、好きな色は? と問われると「青」と答えていた。

18~20歳のころは紫、20~30代は緑。

そしていまは、黄色と赤。

変わるものなんだね。
(自分だけかな)

それは服の趣味にもダイレクトに反映されるものだから、年々派手になっていく。

おっさんがTシャツだけでなく「真っ黄色」「真っ赤」なハーフパンツやスニーカーだぜ。

そりゃ目立つわな、去年の忘年会でも「真っ黄色!」と大声で指摘されたもの。


タイトルに「赤」や「青」「黒」「白」を持ってくる映画は多い。
物語を象徴する色として、それらを用いる映画も多い。


『赤い殺意』(64)に『レッドブル』(88)、『赤い風車』(52)、
『ブルーベルベッド』(86)に『青い春』(2001)、『ブルークリスマス』(78)、
『黒い雨』(89)に『黒い罠』(58)、『黒いジャガー』(71)、
『白い刻印』(98)に『白と黒のナイフ』(85)、『ホワイト・クリスマス』(54)などなどなどなど。

それらに比べれば少ない気がするけれど、黄色って蛍光色で目立つというのもあって、そこそこ多用されているのです。


『黄色いリボン』(49)

タイトル以上に、このテーマ曲で有名。

というか。
いってしまうと、テーマ曲はきっちり覚えているのに、どんな内容だったかは思い出せなかったりする。




『キル・ビル』シリーズ(2003~2004)

ユマ・サーマンの衣装はブルース・リーへのオマージュだが、バイクやヘルメットなども統一されていてスーパークール。



『幸福の黄色いハンカチ』(77)

原作者ピート・ハミルが、鬼籍に入りましたね合掌。

ただ・・・。
最後は映像に力があるので感動してしまうが、清貧主義の山田演出に、どうにも乗り切れなかったところがあるのだよなぁ・・・。


『タクシードライバー』(76)

イエローキャブは、トラビスの歪んだ妄想を乗せて疾走する。



『バクダッド・カフェ』(87)

誰もがやさしい気持ちになれる、「西」ドイツ産のインディーズ。

テーマ曲とともに印象に残るのは、監督が細心の注意を払ったであろう色の設計だった。




次回のしりとりは・・・
きい「ろ」→「ろ」っく。

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明日のコラムは・・・

『外国女優別キャリア10傑(32)シャロン・ストーン』
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