♪ 泣きなさい 笑いなさい ♪
と歌うのは、『花』。
♪ ぜんぜん泣けなくて 苦しいのは誰ですか
ぜんぜん今なら 泣いてもいいんだよ ♪
と歌うのは、『泣いてもいいんだよ』。
どっちも、よい曲である。
あるし、歌詞としてならなんとも思わないが、これが物語の世界となると、感動の押し売りというか感情の強制というか、それに気づいた途端に冷めてしまい、泣くことが出来なくなる。
(関係ないが・・・それでも、ももクロはヒャダインと組んでキャッチーな歌を展開していたほうが、「ぜんぜん」魅力的だと思うんだ。布袋さんや中島みゆきも悪くないんだけどね~)
業田良家の傑作漫画、『自虐の詩』。
四コマで大河ドラマをやってのける革新性にやられて大好きになったが、文庫化された際の帯には「泣ける漫画!!」とあって、まぁそのほうが売れるのだろうが、なんだかイヤな気分になった。
大傑作であると認めつつも、自分のなかで微妙な線を行ったり来たりしているのが、スピルバーグの『シンドラーのリスト』(93)。
多くのひとが言及したが、最後に泣き崩れるシンドラーの姿と重なって見えてくるのは、「感動しなさい、泣きなさい」というスピルバーグ演出であったりする。
たしかに「泣きたいから、これに触れる」ということはある。
自分だって、あると思う。(たぶん)
だから煽り宣伝はいつも、
「全米が泣いた!」
みたいな感じになる。
でも。
構えず、泣きの準備をせずに涙してしまう、そういう自然な感情の発露を大事にしていきたい、、、というか、そっちの涙のほうがホンモノっぽいと思うんだ。ちゃんと、しょっぱい味がすると思うんだ。
「怖くて泣いた」を除く、自分が生まれて初めて映画館で泣いた映画は、85年の香港産『ファースト・ミッション』(トップ画像)。
わがヒーロー、成龍ジャッキーのアクション映画である。
成龍が刑事、盟友のサモ・ハン・キンポーは知的障害のある兄を演じる。
成龍による初めての「本格的な」キスシーンがあることで有名な作品だが、コミカルな味つけがされているのに、これで泣く?
うん、大泣きであった。
世話ばかりかける兄に嫌気が差し、弟が兄を何度も何度も本気で(泣きながら)引っぱたく。
兄は(やっぱり泣きながら)それを受け、「しっかりしなきゃ。しっかり生きなきゃ」と改心しようとする、、、というシーン。
涙ボロボロ。
鼻水ダラダラ。
成龍好きの姉と観に行った映画である。
隣りに座る姉に気づかれたくない、だから必死に両手で涙をぬぐったが、ぜんぜん止まらなかった。
同時上映は、早見優の『キッズ』(85)。
ちょっとしたお色気シーンもあって、トシゴロだからこっちのほうが印象に残ってもよさそうなものだが、この涙の思い出のために、『キッズ』がどんな物語だったかも「ぜんぜん」思い出せないのであった。
おわり。
※主題歌は日本語だ!
成龍のサービスではあると思うが、この時代の香港映画が、いかに日本の市場を大事にしていたかが分かる。
…………………………………………
本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『罰ゲームでもレリゴーなんて歌えない』
と歌うのは、『花』。
♪ ぜんぜん泣けなくて 苦しいのは誰ですか
ぜんぜん今なら 泣いてもいいんだよ ♪
と歌うのは、『泣いてもいいんだよ』。
どっちも、よい曲である。
あるし、歌詞としてならなんとも思わないが、これが物語の世界となると、感動の押し売りというか感情の強制というか、それに気づいた途端に冷めてしまい、泣くことが出来なくなる。
(関係ないが・・・それでも、ももクロはヒャダインと組んでキャッチーな歌を展開していたほうが、「ぜんぜん」魅力的だと思うんだ。布袋さんや中島みゆきも悪くないんだけどね~)
業田良家の傑作漫画、『自虐の詩』。
四コマで大河ドラマをやってのける革新性にやられて大好きになったが、文庫化された際の帯には「泣ける漫画!!」とあって、まぁそのほうが売れるのだろうが、なんだかイヤな気分になった。
大傑作であると認めつつも、自分のなかで微妙な線を行ったり来たりしているのが、スピルバーグの『シンドラーのリスト』(93)。
多くのひとが言及したが、最後に泣き崩れるシンドラーの姿と重なって見えてくるのは、「感動しなさい、泣きなさい」というスピルバーグ演出であったりする。
たしかに「泣きたいから、これに触れる」ということはある。
自分だって、あると思う。(たぶん)
だから煽り宣伝はいつも、
「全米が泣いた!」
みたいな感じになる。
でも。
構えず、泣きの準備をせずに涙してしまう、そういう自然な感情の発露を大事にしていきたい、、、というか、そっちの涙のほうがホンモノっぽいと思うんだ。ちゃんと、しょっぱい味がすると思うんだ。
「怖くて泣いた」を除く、自分が生まれて初めて映画館で泣いた映画は、85年の香港産『ファースト・ミッション』(トップ画像)。
わがヒーロー、成龍ジャッキーのアクション映画である。
成龍が刑事、盟友のサモ・ハン・キンポーは知的障害のある兄を演じる。
成龍による初めての「本格的な」キスシーンがあることで有名な作品だが、コミカルな味つけがされているのに、これで泣く?
うん、大泣きであった。
世話ばかりかける兄に嫌気が差し、弟が兄を何度も何度も本気で(泣きながら)引っぱたく。
兄は(やっぱり泣きながら)それを受け、「しっかりしなきゃ。しっかり生きなきゃ」と改心しようとする、、、というシーン。
涙ボロボロ。
鼻水ダラダラ。
成龍好きの姉と観に行った映画である。
隣りに座る姉に気づかれたくない、だから必死に両手で涙をぬぐったが、ぜんぜん止まらなかった。
同時上映は、早見優の『キッズ』(85)。
ちょっとしたお色気シーンもあって、トシゴロだからこっちのほうが印象に残ってもよさそうなものだが、この涙の思い出のために、『キッズ』がどんな物語だったかも「ぜんぜん」思い出せないのであった。
おわり。
※主題歌は日本語だ!
成龍のサービスではあると思うが、この時代の香港映画が、いかに日本の市場を大事にしていたかが分かる。
…………………………………………
本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『罰ゲームでもレリゴーなんて歌えない』
読みながら そんなことを思い出しました
あの頃の香港映画 楽しかったですね
観ていて
自然に{わざとらしくなく}泣いて笑えました