Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

積読ばかり、、、~2023回顧(4)~

2023-11-10 00:10:00 | コラム
2023年度の回顧特集、第4弾は「書籍」でいってみましょう。

ここ数年は毎年「紙の時代は終わったのか」という命題で書かせてもらっているけれど、これに関する結論は「自分は、やっぱり紙」ということにして先に進みます。

こんな似非モノカキにも、世話になっている出版社からサンプルという形で新刊が送られてくることが多く。

とってもありがたいこと。
ただ申し訳ないことに、興味のあるものだけを手にして積読が増えるばかり。

あんまりこういうこと書くと送られてこなくなるかもしれないので、がんばらないと(^^;)(^^;)


①ノンフィクション…日本AV全史(安田理央)

たいへんな労作。
歴史としては浅いほうだが、多岐にわたるジャンルを展開している世界だからね。

この装丁も、グッドデザイン賞を受賞してもよいくらいの凝りよう。



②小説…腹を空かせた勇者ども(金原ひとみ)

リズミカルな文体で、一気に読ませる青春劇。
綿矢りさと金原さんが、これほどまでに長続きする作家になるとは想像もしていなかった。


③エッセイ…激ヤバ(ランジャタイ伊藤幸司)

芸人さんの伝記エッセイのなかでは、最高レベルに達しているんじゃないか。

笑えて泣けて、元気をもらえる。


④社会学…射精責任(ガブリエル・ブレア著、村井理子・訳)

インパクトあるタイトルに負けぬ内容で、ぐいぐい読ませる。
現代のセックス論として、学校教材にしてもいいくらい、、、といったら褒め過ぎか。


⑤小説…フリアとシナリオライター(マリオ・バルガス=リョサ著、野谷文昭・訳)

完璧なストーリーテリング。
ラテンアメリカ文学を読むのは、ガルシア=マルケス以来だと思う。


⑥小説…成瀬は天下を取りに行く(宮島未奈)

愉快痛快、新世代の青春小説といったらよいのか。
学生さん。来年の読書感想文、これで書いたらきっと賞を取れますよ。もちろん書く内容次第ですが(^^;)


⑦小説…口訳古事記(町田康)

抱腹絶倒、古事記の新解釈。



⑧漫画…僕の心のヤバイやつ(桜井のりお)

ウェブで展開している漫画。
初期は危うい青春物語だったが、現在はラブコメの様相を呈してきている。


そんな展開でひねくれた49歳を夢中にさせるのだから、たいしたものだと思います。


⑨ノンフィクション…戦前日本の私娼・性風俗産業と大衆社会(寺澤優)

新宿で「たちんぼ」が話題になっている「いま。」こそ読むべきかと。
ただ5000円超するので、図書館で借りるのをおすすめします(^^;)



⑩小説…笑って人類!(爆笑問題・太田光)

あれだけ忙しいひとが、こんな大長編をいつ書いているというのか。
ただ、タイトルだけはべつのもののほうがよかった気がする。


(ずっといいつづけているけれど)いつか、長編の映画監督をやると思うよ…街の灯を、「いま観てきた」かのように語る感じなんて、淀川さんのソレに通ずるところがあります。すばらしい^^



(次点)小説…黄色い家(川上未映子)

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明日のコラムは・・・

『放送も配信で。~2023回顧(5)~』
コメント (2)
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