Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(481)

2023-11-14 00:10:00 | コラム
かんけつ「へん」→「へん」しん

変身モノといっても、望まないのに変身してしまうものと、運命宿命と捉え変身することに自覚的なもの、、、のちがいがあって。
さらにいえば、いちど変身してしまったら「元へは戻れない」ものも居て。

元へは戻れない変身―自分が蒔いた種とはいえ、『ザ・フライ』(86)の主人公は悲劇よね。

世界的な大発明だったはずなのに、一匹の蝿が紛れ込んだために、あんなことに・・・。




ちなみにオリジナル作品、『ハエ男の恐怖』(58)は特撮的にいま観ると微笑ましいところがある、、、ものの、よく出来たホンでこれが当時「劇場未公開」なんてひどいな!と思います。



いちおうの理屈・理由はつけられているものの「もっと不条理感」のある変身は、塚本晋也の大傑作『鉄男』(89)。

平凡なサラリーマンが、突如「鉄」と化していく恐怖。

『ザ・フライ』のクローネンバーグと塚本は互いに尊敬し合っている関係にあり、なんかよく分かるよね^^

おそらく両者とも変身モノの金字塔、フランツ・カフカの『変身』を意識していることでしょう。

誰もがいうことだけれど、あんな芋虫みたいになったことを理解しても主人公は「なんとかして出社」しようとするのよね、そこがオモシロ怖かった。


変身モノの映画はビジュアルの効果がキモとなり、映画のテクノロジー史と密接な関係にあります。

狼男の映画史を見つめていくと、それがよく分かる。

『ウルフ』(94)におけるジャック・ニコルソンの変身メイクとか感心したもの、大袈裟でなく、とてもリアルで。
(メイクアップ担当は、この業界の巨匠リック・ベイカー)



葛藤はあったろうが、変身することに自覚的であるもの―その筆頭は、やはり『スーパーマン』(78~)でしょう。



日本産からひとつ。
ヒトではなくアンドロイドの設定ではあるが、如月ハニーの活躍を描いた『キューティーハニー』(2004)も変身モノといえばそうなるかな。

監督は鬼才アンノ。

サトエリは「大」好演ではあったものの、失敗作とされており。


今年公開の『シン・仮面ライダー』は、その失敗を踏まえた作品なのではないか―というのは多くの識者やファンから言及されているのですが、
先にいっちゃいましょうか、数日後の総括「今年のワースト映画」で『シン』を入れています。
それは、そのときに述べましょう(^^;)(^^;)


あすのしりとりは・・・
へん「しん」→「しん」ぱしー。

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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(482)』
コメント (2)
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