Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

観客が求めるもの、その変化~2021映画回顧④~

2021-12-05 00:10:00 | コラム
タイトルに冠したとおり、観客たちが求めているものが変わった―そんなことを痛感する1年だった。

エヴァとかMCU系などの、一部ビッグバジェットは除いての話ではあるけれども。
背景にはあるのは、やはりコロナであり、その余波も含まれる。

入場数が制限された時期はもちろん、解除となった現在においても「この映画なら、この程度は…」と予測される動員数を大幅に下回っている。



平時であれば劇場に足を運んだかもしれないひとが、劇場に戻ってきていない。
極端ないいかたをすれば映画館が、映画狂いの「ためだけ」の場と化している。



感染するリスクがゼロでないならば、ムリして映画館に行く必要もないしなぁ、すぐ配信されるし、…いいか!! というような。

映画だけでなく、それが「現象」と呼ばれるようになるには、ふだんそのことに対し「あまり興味を抱いていないひと」つまり一般層を巻き込む必要があって。

レオ人気も手伝ったタイタニック現象、
なんか面白い映像らしいという噂だけで観たひとも多かったマトリックス現象、
アナ雪現象、君の名は。現象、そして去年の鬼滅の刃現象……。

その現象をいくつ作ることが出来るのか―もちろん映画の内容ありき。だが、それによってその年の映画の活況具合が分かるっていう。

そういう意味では、今年は「エヴァ現象」くらいなものだと思う。
(「それ以前をすべて観ているひと」限定のものではあったのだが!)

カンヌで『ドライブ・マイ・カー』が賞に輝いたことはたいへん喜ばしいし誇らしい、
口コミにより『ベイビーわるきゅーれ』が拡大上映に至ったのもうれしい、

けれども『ドライブ・マイ・カー』は(ある程度予想はしていたが)不入り、
数年前であればロングランも確定だった『空白』は、公開3週目にして上映回数が激減したのであった!!

哀しい、とっても哀しい。

なんでだ!? と憤ったが、入りが悪いのだからしかたない。


上に挙げた映画はまちがいなく映画史に名を残す傑作である、、、と断言しつつ、敢えていうが、有事の余波をものともしない、一般層を巻き込むパワーを宿した映画ではなかった、、、のかもしれない。


劇場を埋める映画とは、どんな形をして、なにを物語るものなのか。
映画が時代を映す鏡であるならば、そんなことも考えてみる必要があるのかもしれない。



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~2021映画ベスト15~

第01位『聖なる犯罪者』
第02位『空白』
第03位『アメリカン・ユートピア』
第04位『プロミシング・ヤング・ウーマン』
第05位『ヤクザと家族 The Family』
第06位『SNS 少女たちの10日間』
第07位『アナザーラウンド』
第08位『ベイビーわるきゅーれ』
第09位『ドライブ・マイ・カー』
第10位『すばらしき世界』
第11位『シン・エヴァンゲリオン劇場版』
第12位『ノマドランド』
第13位『サマーフィルムにのって』
第14位『最後の決闘裁判』
第15位『14歳の栞』

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明日のコラムは・・・

『その怖さが醍醐味、、、ではあるけれどつД`)・゚・。・ ゚゚・*:.。.. 。. :*・゚』
コメント (2)
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