Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

初体験 リッジモント・ハイ(186)

2016-07-28 00:10:00 | コラム
ちかくに中学・高校のある店は、万引きの被害によって潰れる可能性がある―というのは、よく聞く話。

ある一面では真実であり、なんだかやり切れない思いもするが、

死角は作らない、沢山の防犯カメラを設置する、見つけたら即通報―などなど、性悪説の視点から商売を展開する必要があるのだろう。

…………………………………………

死角(しかく)

(1)銃砲の射程距離中にありながら、障害物や銃砲の構造上の理由などのため、射撃できない範囲
(2)ある角度からはどうしても見えない範囲
(3)身近にありながら、気がつかない事柄

※デジタル大辞泉より

…………………………………………

この死角の問題があったから・・・かどうか分からないが、いろんな事案を担当し、よほどのことでないかぎり驚かなくなった自分でも、ギョッとしたのが「同時間帯に、別々の窃盗犯による犯罪がおこなわれた」件である。

それほど大きいわけではないスーパーで、初老の男Aが醤油と梅干を、少し離れたところでは主婦Bが「カニ缶」を万引きしていた。

もちろん共犯ではなく、赤の他人である。

自分はAとBの中間くらいに居て、「たまたま」ふたりの犯行を現認することが出来たが、

二兎を追う者は一兎をも得ず

っていうじゃない?

ほんとうはふたりとも捕まえて、レジ打ちを担当している可愛い子に格好いい姿を見せたかった。

自意識過剰ということばが聞こえてきそうだが、そうともいえないデータが残されている。

保安員の恋人・配偶者の3割くらいが、現場における関係者なのである。

いちばん多いのが、盗撮の被害者と恋仲になるケース。

じつはこれ、自分も経験している。

被害者の女子は「このひとに、守ってもらった」という認識を持つので、恋に発展し易いというわけだ。

大傑作映画『愛のむきだし』(2009…トップ画像)の主人公は「懺悔をするため」に「盗撮」を繰り返していたわけで、真正のヘンタイとはいい難いが、現実に盗撮をするものは「気狂い」と「キチガイ」のあいだくらいに居る、そーとーヤバい奴なのだろう。

けれども自分なんかからすると、奴のおかげで彼女が出来たともいえて、感謝の念を抱かないでもない。

まぁサイテーは、サイテーなんだけれども。

パンツ見たければ、彼女作って好きなだけ見ればいいじゃないか。
(たぶん、同意のもとでは興奮出来ない病人なのだろうが)


それはともかく。
自分は器用ではないので、二兎を追ったら間違いなく「一兎をも得ず」になりそうだ。

だからひとりに絞ろうと思った。

さて、どちらにする?

よく考えたら・・・いや、よく考えなくても、妙な話だ。

どっちを挙げれば店長に「より」褒められるか、レジ打ちの子に「より」好かれるか、会社のボスに「より」褒められるか・・・そんな計算を働かせているわけだから。

たぶん正解は、被害額の大きいほうを挙げることだろう。

オーバーな話をすれば、あれに似ている。
米国で、大悪党を捕まえるために、証言する小悪党を無罪放免にするスタイルに。

今回のケースでは、カニ缶の3個パックを盗った主婦Bがそれにあたる。

しかし自分は、醤油と梅干を盗った初老の男Aに照準を絞った。

なぜかって?

自分でも分からない。

なんとなく、なんとなくだが、Aのほうが常習性が高いように感じられたから、、、かもしれない。

しかしこの男を捕まえたことによって、コトは思いもよらない展開を見せ始めるのだった・・・。


つづく。


※『愛のむきだし』テーマ曲、『空洞です』(ゆらゆら帝国)




…………………………………………

明日のコラムは・・・

『初体験 リッジモント・ハイ(187)』
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする