Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

罪深きタイトル

2016-07-10 00:10:00 | コラム
少し前に『神様メール』(2015)という映画が公開され、すんごく素敵な物語なのに、的外れで安っぽい邦題が恥ずかしく、あまりひとに薦められなかった。

ベルギー産の映画。
映画小僧でもこの国の映画をきっちり観ているものは少なく、だからこそ、もっと広めたかったのになぁ。

原題は『THE BRAND NEW TESTAMENT』で、後半部分は「新約聖書」だし、しかもタイトルのどこにも「メール」なんてないし!!





邦題で観る気になる場合もあれば、逆に観る気にならない場合もある。

タイトルは顔だから、そのくらい重要だし、細心の注意を払わなければいけないもの。

もちろん「技あり!」の邦題も多いが、なかには罪に問われてもおかしくないものもある。

きっと、誰も逆らえないようなひとが付けてしまったんだろう、みんなおかしいと思っても、それをいえなかったんだろう、怖いな配給会社は・・・なんて勝手に想像してしまうことも、しばしばである。

そこできょうは、自分が考える罪深き邦題の10選を展開してみた。

では、どんなタイトルにすればよかったのか―という解決策を出すことをしていないので、無責任な批判といえばそうなんだけれどね!!


(1)『おつむてんてんクリニック』(90)

原題は『What About Bob?』。

確実に客を減らしている、最悪邦題のチャンピオン。

良質なコメディなのになぁ、まだ90年公開でよかったよ。
これがシネコン時代であれば、カウンターで、この恐るべきタイトルを口にしなければならなかったのだから。

(2)『原始のマン』(92)

原題は『ENCINO MAN』。

直訳すれば無問題、、、ではないことが、この一例でよ~~~く分かるはず。

(3)『バス男』(2004)

流行中の『電車男』にあやかって付けてしまったが、バスなんてドラマと一切関係がなかった。



原題は『Napoleon Dynamite』で、
あまりの評判の悪さから、DVD再発売の際、『ナポレオン・ダイナマイト』に改題されたのである。

(4)『カリートの道』(93)

原題は『Carlito’s Way』で、(2)と同じ直訳ケース。

なんかちがうんだよなぁ・・・という気持ち、分かってもらえます?

(5)『死霊の盆踊り』(65)

「死者の乱痴気騒ぎ」みたいな意味の原題『Orgy of the Dead』だが、本作に関してはみんな「作品が驚くほどつまらないので、この邦題でいい」みたいなスタンスを取っている。

あきらめている、、、みたいな感じなのか?

(6)『ゼログラビティ』(2013)

これは問題だと思う、だって『Gravity』は「重力」という意味なのに、「ゼロ」をつけ「無重力」にしてしまっているから。

原題の、ほんとうの意味が分かるラストシーンに触れて、余計に腹立たしくなってしまった。

(7)『バタリアン』(85)

監督のダン・オバノンに「バタリアンのクリーチャー造形がいい」と褒めたとしても、なんのことだか理解しないと思う。

原題は『The Return of the Living Dead』であり、このタイトルだけで映画好きはニヤリとしてしまうはずなのに、、、な。

ただ日本文化を考察する際、「オバタリアン」という造語も生まれており、それはそれでよかったのでは? という声も多かったりする。




(8)『続・激突!カージャック』(74)

続編じゃないのに!!



原題は『The Sugarland Express』、これじゃあスピルバーグもゴールディ・ホーンも怒るでしょうよ。

(9)『ビートルズがやってくる ヤァ! ヤァ! ヤァ!』(64)

よく「現代の感覚で、当時のあれやこれやを批判するのはやめたほうがいい」という注意の仕方がある。

それは分かるが、でも、『A Hard Day’s Night』のほうが、いつの時代だってクールだと思うんだ。

(10)『神様メール』

この新作も、堂々のランクイン。

そのくらいヤバいということ―配給会社さん、よろしくお願いしますよ!!

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明日のコラムは・・・

『惹句ってことば、なんか格好いい』
コメント (1)
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