Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(103)

2015-01-08 00:10:00 | コラム
まーだーけーすぶっ「く」→「く」ーくらっくすくらん(クー・クラックス・クラン)

映画の世界では―いや、現実世界でも悪名高いクー・クラックス・クラン(Ku Klux Klan)とは、米国の秘密結社のこと。

KKKと略されることが多く、日本語で簡単にいえば「白人至上主義」を標榜する過激な団体であると。
もっといえば、人種差別を「よりどころ」にしちゃっているひとたち。

ホラー映画に出てくるゾンビよりおぞましい、三角白頭巾の連中を映像で観たことあるでしょう。

あの格好、一歩間違えればギャグだが、やっていることが鬼畜なので笑えない。
ナチス同様、映画では同情の余地なき悪役として登場するが、じゃあ日本人はKKKサイテー! といっているだけでいいのかというと、少し前にはヘイトスピーチなるものが話題になったじゃないか。

映画の話をしていても、韓国産だから観ないとかいうのが出てくる。
中身は関係ないんだと。
連中が創ったものを観たくない、評価したくないと。

そういう話には付き合わないようにしているが、向こうは勝手にいろいろとまくし立ててくる。

「先に因縁吹っかけてきたのは、向こうだし」

知らんがな。

だとしても、だ。

映画にそれを持ち込むかね。
真の映画好きではないよ、それは。

どこの国の、どんなヤツが創っても、よいものはよい。
たとえ同級生や恋人が創ったものだとしても、ダメなものはダメ。

当たり前のこと過ぎて恥ずかしいが、そういう風に映画を捉えてくれよバカヤロウ。


さて、KKK設立の人物は、日本でも多くのひとが知っている。
みんな思い出さないだけ、、、だと思う。

『フォレスト・ガンプ』(94)を観たひとは、フォレストの名前の由来を思い出そう。

ガンプ・ママは、「人間はバカなことをする生き物だ」という教訓をこめて、息子にフォレストと名づけた。
そう、KKK設立者の名前である。

ネイサン・ベッドフォード・フォレストが、1865年に「ある組織」を設立する。
まだKKKと名乗ってはいなかったが、その思想は同じだったようである。


ナチスほどではないが、KKKを描いた映画は多い。

入門篇として強く薦めたいのが、アラン・パーカーの『ミシシッピー・バーニング』(88)。

64年、ミシシッピー州。
人種差別が色濃く残るこの地で、3人の公民権運動家が消息を絶った。

彼らは「あいつら」によって殺されたにちがいない―そう考えたふたりのFBIが、懸命に「死体探し」をする物語である。

パーカーの個性を抑えた正攻法の演出、
ジーン・ハックマンをはじめとする俳優陣が「全員」好演していて、見応え充分。





以下はKKKを描いた代表作だが、ちゃんとエンタメに昇華させているところが、さすがハリウッドというべきか。
でも、最初の作品だけは「時代」とはいえ、なかなかの問題作かもしれない。

KKKを、ヒーローとして描いているから。
劇映画の父として知られるD・W・グリフィスは、映画史的に重要な人物なのだけれど、このことも関係してか、一部では「おおいなる」嫌われもの、なんだそうだ。

『国民の創生』(15)
『風と共に去りぬ』(39)
『プレイス・イン・ザ・ハート』(84)
『背信の日々』(88)
『フライド・グリーン・トマト』(91)
『マルコムX』(92)
『評決のとき』(96)
『フォー・リトル・ガールズ』(97)
『アメリカン・ヒストリーX』(98)
『ボウリング・フォー・コロンバイン』(2002)


あすのしりとりは・・・
くーくらっくすく「らん」→「らん」ぼー。

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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』

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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(104)』

コメント (2)
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