Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

借金完済の日に観たい映画

2012-12-30 00:15:00 | コラム
38年と11ヶ月くらい、生きている。

とりあえず「まだ」死んでないが、仮に人生がまもなく終了するとして、後半生のなかで最も悔いが残るというか、馬鹿だったなぁと思うのは、やっぱり借金である。

家を買ったとかね、なにかを創るとか、その結果の借金であったならば、まだ周囲の理解は得られただろうけれども。

いや実際、最初はそうだった、、、はず。
映画小僧らしく、映画を創るのだと。

しかし途中からは脇道に逸れまくり、カード8枚で総額は500万前後。

少し考えれば分かることである、フリーターが返せる額ではないと。
しかもグレーゾーン問題で消費者金融が叩かれる「直前」の出来事であり、利息はムチャクチャ高かったのだった。

完済人になったいま、精神的に、随分と余裕のある生活を続けている。

未だクレジットカードを持てない、ローンを組めない身分だが、もうこのまま一生、そういうことが出来なくてもいいかな・・・と思っている。

だって自分の経済観念、信用出来ないのだもの。

そんな自分が、弁護士事務所から「返済完了通知」をもらった晩に「観たい!」と思った映画を中心にセレクトしてみた。


(1)『ノーカントリー』(2007)

極悪人ではない「フツーの男」が、200万ドルの現金を見つけたら・・・という物語。
しかも現金のそばには、死体の山と大量のヘロイン。

現金だけだとしたら、持って帰るひとのほうが多いかもしれない。
しかし死体とヘロインを見て怖気づくひとが6割くらいか、主人公(と、いえるのかどうか)は残りの4割に入るようで、迷うことなく200万ドルを持ち帰ってしまう。

そこから始まる、悪夢のような連鎖殺人。

『ファーゴ』(96)もそうだったが、コーエン兄弟は、この手の物語が抜群に巧い。

(2)『ウォール街』(87)

(自分には)縁遠い世界を、才気走ったころのオリバー・ストーンが分かり易く提示してくれた娯楽映画。

インサイダー取引のからくりも、この映画を観て理解した。

(3)『あなたに降る夢』(94)

チップを払えない警官が、ウエイトレスに宝くじが当たったら「折半しよう」と申し出て・・・というコメディ。

ありえないっちゃあ、ありえない話だが、善意を信じたくなる優しさに溢れている。

(4)『闇金ウシジマくん』(2012)…トップ画像

闇金に「甘んじて」騙されたことのある自分にとっては、ヒトゴトではない。

真鍋昌平の傑作漫画を映画化、テンポのよい描写で一気に見せるが、これ楽しめたのは自分が完済人になったから、、、なのだろうと思った。

大島優子も、まぁ…頑張っていたよ。

(5)『天国と地獄』(63)

黒澤の最高傑作。

運転手の息子を救い出すため、1千万を投げ出さなければならない権藤さん。
刑事に協力し、バッグに細工をする彼が「これで昔に逆戻りだ」と呟くシーンにジーンとくる。

(6)『カジノ』(95)

ニューヨークを描き続けたスコセッシが、ベガスを撮る。

金の流れをワンショットで捉えるシーンだけで、入場料のもとは取っているかと。

(7)『狼たちの午後』(75)

金がないなら、奪ってやるぜ。
数ある銀行強盗映画のなかで、自分が最も愛する作品。

パチーノもいいが、この映画のジョン・カザール、真の狂人に見えるほど怖い。

(8)『のるかそるか』(89)

競馬狂の中年男を案内人に、この世界の醍醐味を分かり易く見せてくれる。

ギャンブルはやらないが、はまる理由、なんとなく分かる。

(9)『レインマン』(88)

ピンチは兄の能力と、ベガスが救ってくれた。

カジノが認められている国だと、こういう展開もありなのか―と感心した。

(10)『シンプル・プラン』(88)

構図としては『ノーカントリー』と似ていなくもないが、もっと小規模な人間関係のなかで、しかしやっぱり「金」によって狂わされていく男女がリアルで興味深い。

いちばん怖いのは、ブリジッド・フォンダだった。


※ウシジマくん




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コメント (3)
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