Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

ガルワール・ヒマラヤ 7 ヘムクンドからガンガリア

2008-09-09 18:07:11 | インド
8月11日 続き

食事をいただいたところで12時前。霧が濃くなってきたのでそろそろ下山することにする。

下りは楽なので徒歩で、花の写真を撮りながらゆっくり下りる。
何しろこの湖の周りは2種類の花で有名なのだ。

標高4000メートル以上に咲いているこれはサウスレア・オブバラータ。
 
インドではブラハム・カンワルと呼ばれ、神様にお供えする花とされている。
まわりの花びらのように見えるのは苞葉で、中の花を寒さから守っている。
良い香りがすると言うことだったのでちょっと失礼して中を覗かせてもらうと、確かに濃厚な甘い香りがした。

そしてブルーポピー。
  
 
 これがまた見たくて苦労してここまで来た。
そしてヘムクンドは噂にたがわぬブルーポピーの宝庫だった。

サウスレアとブルーポピー以外にも小さな高山植物が一杯。標高が下がるにつれて花の種類が変わる。
 
 
  
 
忘れな草の水色も鮮やかだ。

 シーク教寺院の青い屋根が見えれば下界はもうすぐ。
 
はでな馬具屋さんやら床屋さんの前を通ってホテルに帰還。

ほっとしたらお腹が空いたのでインド名物、マギーを所望。
 
キッチンスタッフは写真を撮られるのが大好き。
 スパイスの効いたジャンクなインスタント・ラーメンがやけにおいしい。

もらったお湯で背中を流したらお尻の傷が飛び上がるほどしみた。


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ガルワール・ヒマラヤ 6 ヘムクンド

2008-09-08 02:12:23 | インド
8月11日

本日はシーク教の聖地ヘムクンド湖まで往復トレッキング。
しかし距離6キロの間に標高3100メートルから4300メートルまで、1200メートルも登らなければならないきつい道。ゴビンダガートからの道で懲りたので今日は早々に馬で行くことにする。

 ホテルの前では早朝から馬子や荷物持ちがお客を待ち構えている。彼らの多くはネパールからの出稼ぎだ。
 馬子達の元締めはガンガリア一のイケメン。

歩くのも馬に乗るのもいやで、お金があるなら他にも手はある。
 
輿に乗って運ばれるか
  
かごで担がれるか。
子どもはともかく、この手を使う大人はみんなでっぷり重そうで、仕事とは言え人足も大変だ。

7時にホテルを出発。
  
花の谷との分岐点を過ぎるとその先の石畳の道は九十九折。カーブが65あるのだそうだ。
 早朝は青空が見え、周りの山肌には低い雲がまとわりついている。
 
1時間たったところで一度休憩。目的地はまだはるか頭上だという。やっぱり馬にして良かった、お尻は痛いけど。

再び馬にまたがってさらに1時間、9時半前にヘムクンドに着いてしまった。
やっぱり馬は早い、やれやれ、と思っていると、同行のおば様が声をひそめて「あなた、ズボンの後ろが汚れているわよ」。

あわててトイレに駆け込み確かめると、なんと、下着が血染めで真っ赤、ベージュのズボンの表にまで染みている。馬の鞍で尾てい骨が擦れて皮がずる剥けていたのだ。確かに馬上でお尻が痛かったけど、まさかこんな大出血をしていようとは。出血は既に止まっていたのでシャツで腰を隠し、何食わぬ顔で表へ。しかしびっくりした。

 
さて、立派な短剣を腰に下げたシーク教のおじさんに迎えられて階段を少し登ると、その先には大勢の巡礼者とレストハウスのような建物。これが1967年に建てられたシーク教の寺院で、その前に聖なるヘムクンド湖がある。

ちょっと拍子抜けするほど小さな湖だが、緑色の水は澄んできれいだ。

ここはシーク教最後のグル、ゴーヴィント・シンが瞑想した聖地とされ、そのためシーク教徒はここで沐浴をする。
 
自分も足を漬けてみたが、気温はたぶん10度以下、水温は5度以下だったろう、長く漬けてはいられない。とてもシーク教徒のように全身浸かるわけには行かないが、ツアーの若いもんをけしかけたら勇敢にも裸になって水の中へ。心臓麻痺を起こしそうなほど冷たかったそうだ。

 シーク教の寺院の脇には小さな水色のヒンドゥー寺院も建てられているが、我々はシーク寺院の中へ。シーク教の寺院は髪さえ隠せば異教徒も入れてくれるのだそうだ。
 
中では丁度祈祷の最中で、大勢の人が毛布にくるまって聞き入っている。

ところでこのシーク教、ガイドと添乗員によるとヒンドゥー教とイスラム教の融合したものというのだが、それでは信仰の対象はどの神様なのかといくら聞いても分からない。ヒンディーのインド人はシーク教のことは何も知らないのだ。

そこでゴビンダガートで買った本とネットの検索で調べてみた所、シーク教は絶対神を信仰する一神教。偶像崇拝とカーストを否定し、グルと呼ばれる指導者に従うというところはイスラム教に近い。
 しかし代々のグルが創始者のグル・ナーナクの生まれ変わりであったというところはヒンディー的。そのグルも10代目のグル・ゴーヴィント・シンで途絶え、以降は10代目が編纂した聖典を「グル」として崇めているのだそうだ。上の写真の青い布に包まれているのがその聖典。

シーク教のもう一つの特徴は身分を否定する意味で皆で食事を共にすることだという。そこで寺院を出た後は隣のランガルと呼ばれる食堂へ。
 入り口で食器をとり
 
チャイと豆のおかゆをもらう。
 どちらも熱々でおいしかった。


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うれしいお誘い

2008-09-06 00:47:27 | ブータン
朝一番の電話。
お仕事の催促かな~、と思いながら出るといつもの旅行会社の担当さん。

「Luntaさん、取れないと思っていた飛行機の座席が押さえられたんです。突然ですけど、11月のブータン国王の戴冠式、行きませんか。」

うわー、起き抜けにいきなりすごいお誘い、と思っているとたたみ掛けるように
「こんな機会ってもう二度とないかもしれませんよ」って、そりゃそうだ、新国王はまだ20代半ばだもの。

その勢いにこちらまで興奮してきて、つい「わかった、行く!席おさえといて」と言ってしまった。ああ、高いのに。

ブータン国王の戴冠式ははじめ6月に予定されていたはずなのに、どうも何も聞こえて来ないなあ、と思っていたらいつのまにか11月になっていた(11月6日~8日)。きっともろもろ準備が間に合わなかったんだろう、万事のんびりしたブータンのことだから。
Kuensel Newspaper - The Coronation

でもまあ、おかげで戴冠式が見られることになった。
またブータンに行けると思うと嬉しくて、つい1人でニヤニヤしてしまう。
2ヶ月も先のことだし、仕事はどうにかなるだろう。

あ、その前に旅費を稼がなくちゃ。こういうことのためなら勤労意欲も湧くというもの。

というわけで皆さん、お仕事ください。
今なら一生懸命仕事しますよ、たぶん。


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ガルワール・ヒマラヤ 5 ガンガリア

2008-09-05 00:06:56 | インド
8月10日 続き

花の谷から宿に戻ったのが2時半。
ホテルの部屋は薄暗いので街の探索に出る。
  
と言っても巡礼者目当ての宿と食堂、雑貨屋が並ぶだけの一本道。端から端まで歩いても5分で終わってしまう。

宿のお向かいにはシーク教の寺院。
 ここでは毎朝4時からお祈りの歌が聞こえてきて、巡礼者の出発の雄たけびも聞こえ、夜早く寝ている(電気が10時前に消える)ので目が覚める。
 お寺の隣には宿坊。
ここでは誰でも(シーク教徒でなくても)無料で食事と寝場所が提供されるのだそうだ。
 お寺の前にはお守りなどを売る屋台。オレンジのバンダナは巡礼者の目印らしい。

街には花の写真を売る店が3軒。
 この人はNHKの世界遺産番組でガイドを務めたらしい。昨日も今日もあちこちで行き会ったが、親切な人だ。
 こちらは我々の花ガイドの店。
ただし写真の腕は・・・。

小腹が空いたので食堂でおやつを食べることにする。
 お芋のコロッケのようなものが鉄板に乗っていたのでそれを注文すると
 こんなになって出てきた。
くずしたコロッケにひよこ豆の入った辛いソースがかかって、ジャンクだけどおいしい。
通りかかったツアーの若いもんも引きずり込んでもう一皿注文。
 玉ねぎのパコラ
これがまたパリパリにあがっていておいしい。

スナックは一皿20ルピー、チャイは5ルピー。
これだから買い食いはやめられない。


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ガルワール・ヒマラヤ 4 花の谷

2008-09-03 01:49:42 | インド
8月10日

インドのガルワール地方はヒマラヤ山脈の南側にある。だから北側のチベットやラダックとは違って夏には雨が多い。ガンガリア滞在中も夜中は毎晩、大雨。
 でも心がけが良いせいか、朝にはちゃんとあがってくれる。

今日はそんな雨が作り出した花の谷へトレッキング。

村を出て谷道をしばらく行くとヘムクンド湖へ登る道との分岐点。
 
左に折れるとすぐに門があり
 
チケット売り場がある。
 入場料、インド人40ルピー、外国人350ルピーの格差はいつものこと。

  
ここも道はよく整備されていて、川を渡ると登りになるが、花の写真を撮ったりのんびり行くので、前日のきつさに比べればなんでもない。
 門から2キロほど歩くとようやく視界が開けてきて、いよいよ花の谷。
  
人の背丈ほどもあるツリフネソウが道の両脇に密生していたり
 足元に可憐な高山植物、と言う感じではなく、もっとワイルドな景観。

この谷には花のガイドとやらもついてきたが、花の名前を聞いても覚えられないし、勝手に歩いていいと言うのでグループを離れて勝手に歩く。
 たまにインド人観光客と行き交うだけの一面の花畑。この孤独感がたまらなくいい。

そんなわけで、名前も知らない花の数々。
  
  
  
  
 
  
 
  
  
  
  
 
  
小さな花も大きな花も、その色、形の多彩さに圧倒される。
 この青い実は食べられるが、「メンソレータムの味」

谷はまだまだ続くが、きりがないので適当に引き返す。
この先2キロに「夢のようにきれいな谷がある」とは後で聞いた話。

ここまででも十分、苦労して来た甲斐があった。


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ゴッホのひまわり@川村記念美術館

2008-09-02 00:55:30 | 国内旅行
夏の名残にひまわりを見に行った。

場所は佐倉の川村記念美術館。
川村記念美術館
JRからも京成の駅からもバスで30分かかる辺鄙なところだが、DIC(旧大日本インキ)の研究所の広大な敷地に会社の創業者一族のコレクションを集めた美術館があるのだ。

美術館の周りはまた広々とした自然散策路が無料開放されていて、ここに画家の名を冠したひまわりが植えられているという。

入り口から坂を下り、うっそうとした緑の中を歩くことしばし

真ん中にヘンリー・ムーアの彫刻の立つ芝生の周りにぐるっとひまわりが植えられている。

 ゴッホのひまわり
 マティスのひまわり
 ゴーギャンのひまわり
 モネのひまわり
それぞれの画家が描いたひまわりの種類らしいが、わかるようなわからないような。ひまわりにもいろいろ品種があることだけはわかってなかなか楽しい。

ただし残念ながら見ごろを10日ほど逃してしまい、連日の大雨のせいもあって枯れかけた花がみな首をたれてしまっていたのは残念。
 ひまわりはやっぱりお日様に顔を向けてもらわないと。

さらに歩くと蓮池に大賀蓮が一輪、その隣の池にはヒツジグサという睡蓮。
  
まわりにはもう萩や桔梗も咲いているし、せみの声にも夏の終わり、秋の訪れを感じる。

 一回り歩いたらお腹が空いた。
敷地内のレストランで夏のスペシャル・ランチをいただく。
 オードブルに
 イベリコ豚のグリル
 デザートのキーウィ・アイスクリームがおいしくて大満足。

そしてやっと美術館へ。
 ここのコレクションも大方の例に漏れず、最初は印象派から始まり、目玉にレンブラントの肖像画も一点所有しているが、3代目オーナーがアメリカ現代美術に興味を持ったおかげで2階展示室はニューヨークのMOMAのよう。フランク・ステラやマーク・ロスコの巨大な作品など、インク屋さんのコレクションにふさわしい、と言ったら皮肉が過ぎる?
 正直、現代美術はあまり趣味ではないが、2流、3流の印象派を集めるよりも意志のあるコレクションの方がずっといい。
 
ゆったりした館内には座り心地の椅子があちらこちらにあってのんびりできるし、
いい休日になりました、ありがとう、Cちゃん。


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