Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

「写本」展@国立西洋美術館

2024-07-31 12:01:20 | 機内食・映画・美術展

毎日暑い、と引きこもってばかりも何なので、意を決して(笑)上野へおでかけ。

 いつもは前を素通りする国立西洋美術館だけれど、今回は趣味にドストライクの展覧会を見つけたのでやってきた。
 
「写本 いとも優雅なる中世の小宇宙」と題されたこの展覧会は医師である内藤裕史氏の個人コレクション。今はすべて国立西洋美術館に寄贈されている。

 
地下の展示室は9部屋に分かれていて、個人コレクションとはいえ154品と予想よりはるかに多い作品数。
しかも精密な装飾のミニアチュールばかりなので、鼻をくっつけんばかりに接近して見なければならない。老眼の人間には厳しいが、近視の眼鏡をはずしてがんばった。

 こんもりと金泥を盛り上げた写本からスタートするこのコレクション、12世紀から16世紀まで、イギリス、フランス、イタリアを中心に、ネーデルランドやスペインのものもある。

ヨーロッパの写本はもちろん聖書など教会関係のものがほとんどだけれど
   
 
わずかの隙間までも埋めるかのように、必ずしも内容に関係のない鳥や動物まで描き込まれているのが面白くて仕方ない。

  ものすごく細い線でイニシャルを飾る模様も超好み。

 これに顔が書き加えられたものは特に人気が高く、この部分だけが切り取られてオークションにかけられることもあるとか。

聖歌の楽譜もたくさんあるけれど
 中でも一番気に入ったのはこちら。
  
周りの絵がかわいすぎる。

法令集にまで装飾やミニアチュールが施され
 これは留守中に浮気した奥さんを訴えるの図。わかりやすい。

この展覧会では思いがけず写真撮影もOKで、気に入ったものを撮りまくり。
さらに所々にコレクションの背景説明があったのに興味がわいて
 ショップで内藤氏の著書まで買ってしまった。これは読むのが楽しみ。

ところで国立西洋美術館、実はこれまで記憶している限り常設展をちゃんと見たことがなかった。
そこでコルビュジエの建築を見学がてら
  
 
常設展示室を一巡りしてみると、ルネサンス時代から一通り有名画家を網羅しているのに今更ながら感心。

 このフェルメールの模作とされている作品はもしかしたら真筆かも、って本当だろうか。

一番作品が多いのは日本人が大好きな印象派、特にモネが多かったが、驚いたのはそこここで聞こえるのが中国語だったこと。中国人も印象派が好きなのだろうか。
わざわざ日本で西洋美術館に来るほどの人たちなので、みなさんお行儀が良くて安心。

常設の中で自分が一番気に入ったのはこちら。
 フジタはフランス人だからね。

 暑い午後を涼しく過ごさせていただいた。


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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ライラック様 (Lunta)
2024-08-12 09:34:36
ハングルの文字はとてもシステマティックなので覚えるのは割と簡単です。
キリル文字もローマ字との関連がわかると意外にわかりやすいですが、ロシア語は語形変化がとんでもなく複雑だと聞きました。
モリスやラファエル前派は装飾的でかなり好きです。
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Unknown (ライラック)
2024-08-11 21:07:27
私はブロークン普通話は話せますが、四声が聞き取れないです。ハングルを見分けるのは難しくないですか?ロシア語は大文字と小文字のアルファベットを覚える段階で挫折しました。The Voiceという歌番組をyoutubeで見るのですが、東欧はロシア語だから、上手な歌手と思っても人名と曲名がわからないので、アルファベットだけ読めたらいいんですが。

一昨日画展をちょっと見たら、ウィリアム・モリスの版画がありました。ステンドグラスになったモリスの作品もカタログで見ました。細密画も描いたことがあるんですね。壁紙などはずっと後の仕事だったことを知りました。
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ライラック様、 (Lunta)
2024-08-07 09:59:51
動画のご紹介、ありがとうございます。
語順の話、確かにこれが同じだと習得は楽ですね。
最近、テレビの韓国語講座を見ているのですが、語順が同じなので単語を入れ替えるだけ。
漢語は英語と語順が同じなので、高校の漢語の成績は良かったです(笑)
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Unknown (ライラック)
2024-08-07 09:06:59
内藤さんの本は図書館でとりよせてもらって見るのが良さそうですね。
日本語ペーラぺーラの中国人の方々の動画を見ています。チベットのゲサンワンジュさんが、チベットの長いお香と、更にその上に振りかける粉を動画で紹介されていて、ぜひこの香を嗅いでみたいなあと思いました。Lunta様も興味おありかもと思ってURLを貼りますね。
https://www.youtube.com/watch?v=9T_TMsZgDaA&list=PLbA1XyKUUEEZ16uTm_1CSkwNynz8xc6lC&t=1s
朝鮮族とモンゴル族の女性がゲストの回では、モンゴル語も朝鮮語も語順が日本語と同じで、日本語習得は楽だったと話されていました。モンゴル語の縦書きのモニョモニョと発音も不思議です。キルギス語と古代突厥語も日本語と似ているという本を以前読みました。
https://www.youtube.com/watch?v=ZD3kbpy38xE&t=179s
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ライラック様 (Lunta)
2024-08-05 09:57:02
今回の展覧会、グッズがなかなか充実していて絵葉書もいっぱい。自分で写真をいっぱい撮ったのでよく見ませんでしたが、天使の絵なども絵葉書になっているかもしれません。
内藤さんの本もたくさん積んであったので購入しましたが、アマゾンでみたら古本がなんと1万円以上で出ていてびっくりしました。
松岡美術館、涼しくなったらまた行ってみようかと思います。
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Unknown (ライラック)
2024-08-04 15:33:19
私もこのタイプの好きで、フランスで中世の絵葉書を購入した際に、アルファベットのを何枚も買いました。天使の絵、可愛らしい。こういうのを絵葉書で売って欲しいです。内藤裕史さんの本、面白そうですね。可能ならd読後感をブログにアップしていただきたいです。
松岡美術館は、5年前くらいに1回行っただけですが、ガンダーラ仏も1階にたくさん展示がありました。菩薩半跏思惟像は、王子様ぽいし、お顔も目を閉じているせいか少し違っていました。
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trintrin 様 (Lunta)
2024-08-02 18:19:38
松岡美術館は中国陶磁が充実してるんですよ。
朝香宮邸からも近いので、涼しくなってからはしごもいいかもです。
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Unknown (trintrin)
2024-08-02 15:43:12
白金の松岡美術館!
初めて知りました♪
ありがとうございます。
避暑で(いや涼みですね)近い内に行ってきます!
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trintrin 様、 (Lunta)
2024-08-01 14:57:55
駅前の西美、ホント、助かりますよね。
トーハクか都美術館にはしごしようかとも考えましたが、暑くて歩く気にならん、と常設展で涼みました。
ところで西美は松方コレクション、松岡コレクションは白金の松岡美術館。
私もごっちゃになって、松方さん、そんなにいっぱい美術品買ったのかと思っちゃいました。
一度しか行ったことありませんが、松岡美術館も趣味が良くて楽しめました。
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Unknown (trintrin)
2024-08-01 09:31:58
酷暑の中、美術館等は冷えていて涼みがてら
好きなものを身近で見物は一石二鳥的な。
しかも西美は駅前だし。
常設ではルーベンスやエルグレコなど
松岡コレクションでしたっけ?
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すねこすり様、 (Lunta)
2024-08-01 09:26:50
好み、ばれてましたか(笑)。
私は平日の暑いお昼頃に行ったおかげか、写真でお分かりの通り空いていました。なにしろ細かい装飾ですので顔をくっつけられるぐらい空いていないと楽しめないと思います。
でもすごく楽しいコレクションです。ぜひ空いていそうな時に行ってくださいね。
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やはり行かれましたか、、、! (すねこすり)
2024-08-01 00:09:53
Luntaさん、行かれるのではないかと思っていました~。
私も何とか会期中に行きたいと思っています。
画像、目に楽しくありがとうございます。
混んでいましたか?
せっかくだからじっくり見たいです♪
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