Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

「ホワイト・クロウ 伝説のダンサー」@TOHOシネマズシャンテ

2019-05-23 11:47:24 | 機内食・映画・美術展

ウラジオストクの宿でテレビを見ていたら、どこかで見たことのあるような顔のおじさんがバレエの映画の話をしている。
レイフ・ファインズに似ているがこんなに剥げてたっけ?と思ったけれどやはりご本人。
映画の方はどうもヌレーエフの話っぽいが、なにしろすべてロシア語なのでよくわからない。
早速検索してみると思った通り、しかもGW明けの日本公開とは、これは見に行かねば、と有楽町におでかけ。

 「ホワイト・クロウ 伝説のダンサー」 The White Crow

ヌレーエフ本人のバレエはテレビで見たことがあっただろうか、いずれにしても全盛期の姿は知らず、一番印象に残っているのは変態ケンちゃんことケン・ラッセル監督の「バレンチノ」の主演。
友人たちにはボロクソに言われたこの変な映画を結構気に入ったのだが、監督の癖が強すぎてヌレーエフの印象はほとんどない。

さて、この映画のストーリーはヌレーエフが23歳の時にキーロフ・バレエ団の公演でパリへ行き亡命するまでの顛末に子供の頃や若い頃のエピソードをカットバックしてその性格を浮き彫りにしようというもの。

テレビでこの映画を紹介していたレイフ・ファインズはヌレーエフの恩師であるバレエ教師の役と共に監督もしていて、この人が監督もするとは知らなかった。

主役のヌレーエフを演じているのはロシア人の現役バレエ・ダンサー。なのでダンスのシーンでも吹き替えの必要がなく、体つきも本物なので説得力があり、役者としては素人のはずだが大きな目に力があって演技もなかなかうまい。

レイフ・ファインズの方は吹き替えなしでロシア語を話しているのにびっくり。
この映画、ロシア人同士はロシア語で通していて、ハリウッド映画だとよく外国の話なのにセリフはすべて英語、それは娯楽映画なので便宜上許せるとしても、例えばロシア人の話だとロシア訛りの英語にしたりするのが変だと思っていたのでこれには好感。

しかし彼の演じるバレエ教師役はどういう役回りなのだろうか、いささか理解がしにくい。
おそらくはヌレーエフの徹底した自己中心主義を見せるための役回りなのだろうが、ほかの同じような場面や、あるいは子供時代の回想場面も、ヌレーエフの複雑な性格の説明としてはあまりうまくいっていないように思う。

バレエのシーンも学校での練習場面はいいのだが本番の舞台の方がどうも盛り上がらないのが非常に残念。
これは演出の問題とともに、あるいは主役の力量不足?
というのもヌレーエフのルームメイト役の方が明らかにうまくて、彼が躍るシーンはほんの少ししかないのに「おお」と思ってしまう。
それもそのはず、演じているセルゲイ・ポルーニンはヌレーエフの再来と言われるほどのダンサーだそうで、彼に主役をやらせるわけにはいかなかったのだろうか。

そんなわけで映画のハイライトはパリの空港での亡命シーン。
しかしここも含めて全体に冗長な感じで、ほぼ2時間の映画がかなり長く感じてしまった。

と文句をたれつつ、まあまあ満足したのはサンクトペテルブルクやロシアっぽい場面(実際はセルビアで撮ったらしい)がいっぱいあったから。
自分の中では明らかにロシアが来ている。


映画の後は日比谷シャンテ地下の「ひつじや」で
 マトンアサドと野菜カレーのセット、うまし!
このお店、来るたびに薬膳カレーに挑戦しようと思いつつ、つい羊に転んでしまう。


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