[12月21日10:00.天候:曇 東京都江東区森下 ワンスターホテル1Fロビー]
鈴木:「……というわけで、俺の活躍でエレーナは無事だったんですよー」
鈴木はホテルのロビーで、得意げに稲生に電話で話していた。
ロビーと言っても、こぢんまりとしたビジネスホテル。
3人掛けのソファーが┐型に並んでいるだけに過ぎない。
そこに座って武勇伝を語っている。
稲生:「へえ。キミにしてはいい活躍をしたじゃないか」
鈴木:「俺の消火器バスターがヒットしていなかったら、エレーナの後輩も危ないところでしたよー。危うく処女喪失するところでしたね」(←本当はほとんど当たっていない)
稲生:「そ、そうだね」
鈴木:「これってアレですか?先輩の団体から、何か表彰案件になるって話ですか?」
稲生:「エレーナがどういう報告をしているかだね。少なくともキミがこうやって僕に連絡しているわけだから、この時点でイリーナ組にも事件が伝わったってわけだ。金一封もらえるんじゃない?」
鈴木:「金一封ですか。そんなものより、俺はエレーナとの婚姻届が……」
ゴッ!(鈴木の頭が殴られた)
鈴木:「ぎゃん!」(@_@;)〜☆
エレーナがホウキで殴った。
そして、パッと鈴木からスマホを引っ手繰る。
エレーナ:「オ掛ケニナッタ電話番号ハ、電波ガ届カナクナッタノデ、切リマス」
そんなことを言って電話を切る。
エレーナ:「全く。毎度毎度、調子のいいこと言ってるんじゃないよ!」
鈴木:「痛ってーな。どうせ叩くなら、直接叩いてくれよ」
エレーナ:「アホか!チェックアウトの時間なんだから、さっさと鍵返して」
鈴木:「はいはい」
鈴木はフロントに行った。
オーナー:「ありがとうございます。御連泊はよろしいですか?」
鈴木:「自分としては是非とも連泊したいところですが、背後の怖い魔女さんに別の意味で連泊させられそうなので、この辺にしておきます」
鈴木の背中を睨みつけるエレーナがいた。
オーナー:「かしこまりました。年末はどうなさいますか?」
鈴木:「ああ。サークルの仲間で地方出身のヤツが何人かいるんで、確保しておいてもらえますか?和室1部屋でいいんで」
オーナー:「和室1部屋ですね。鈴木様は?」
鈴木:「自分はいつものデラックスシングルでいいです」
エレーナ:「自分のマンションに帰れよ。ご利用ありがとうございます」
クロ:「前者は女としての声、後者はホテルスタッフとしての声だニャ」
オーナー:「それでは御予約ができましたので、ご利用お待ちしております」
鈴木:「よろしくです」
エレーナ:「また冬のコミケ?私は手伝えないよ。冬は魔道師も忙しいからね」
鈴木:「前回は売り子役が熱中症で倒れたからだよ。今度は大丈夫。特盛達は、また来るしね」
エレーナ:「ああ、あの『美女と野獣』コンビ……」
鈴木:「まあ、そうだな」
特盛は太った眼鏡のヲタク、鈴木は痩せた眼鏡のヲタクという風貌である。
鈴木:「奴が弁当屋で良かったよ。チェーン店は年末年始休みだからな。そのヒマをコミケに使える」
エレーナ:(夏は無理やり駆り出したんだろうなぁ……)
オーナー:「一応は赤字も黒字も出さないことにはなっているのでしょうが、実際は違うのでしょうね?」
鈴木:「大きな声では言えないんですが、実際はそうなんですよ。大手サークルになると、そりゃもう結構な売り上げで……」
エレーナ:「それだけの売り上げを上げている側なんだから、アンタもそういう所で働いたら?魔道師ですら、こうやって働いてるんだよ?」
鈴木:「う、うん……まあ……。夏コミの売り上げもあるし、特盛達にはいいバイト代を払えそうだ」
エレーナ:「バイト代!?」
鈴木:「ん?なに?どうした?」
エレーナ:「ま、まあ……いつもいつも忙しいってわけじゃないし、もしヒマだったら手伝ってやってもいいかなーっと……」
鈴木:「それはありがたい。ではオーナー、俺と同室でエレーナも予約しておいてください」
オーナー:「かしこまりました」
エレーナ:「コラ!アタシはここで住み込みで働いてんの!てか、オーナーもマジレスしないでください!」
オーナー:「おー、これは申し訳無い。つい、鈴木君の魔法に引っ掛かるところだった」
鈴木:「別の意味で、『魔法使い』」
エレーナ:「やかましいわ!」
オーナー:「今度はどういうジャンルで行くんですか?」
鈴木:「魔法使いをプレイヤーキャラにしたシューティングゲームですね。魔法使いのモデルはエレーナで」
エレーナ:「お、言ったな。私は何も聞いてないぞ。勝手に私をモデルにした罪、金で払ってもらおうか?」
鈴木:「モデル代はコミケでどれだけ売れるか、その売り上げに応じてマージンを払うということでどうかな?もちろん、売れれば売れるほどマージンは上がる。モデル本人が来てくれれば、更に盛り上がるだろうなぁ……」
エレーナ:「よっし!そういうことなら行ってやる!しっかり売れよ!」
鈴木:「よろしくね」( ̄ー ̄)
オーナー:(鈴木さんはエレーナの心が分かっていらっしゃる。で、エレーナは金で男に騙されるタイプだったか……)
[12月22日10:00.天候:曇 東京都豊島区 日蓮正宗・正証寺]
鈴木:「南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経。(……よっし。1時間唱題終わり)」
藤谷:「唱題終わったかい?」
鈴木:「班長。顕正会じゃ、そこまでやりませんでしたね」
藤谷:「そりゃ、あそこは『唱題しているヒマがあったら、1人でも多く勧誘しろ』って所だろ。うちは違うからな」
鈴木:「はい。コミケにも行かせてもらえて、顕正会より素晴らしいです」
藤谷:「俺も明日は有馬記念があるからな、ザギンのいつもの場所に行ってるから、講頭とかには『藤谷班長は銀座に街頭折伏に行っております』と言っておけよ?」
鈴木:「分かりました。自分も年末は『有明に街頭折伏に行っている』ということでお願いしますよ?」
藤谷:「分かってるって」
藤谷は競馬ファン、鈴木はコミケ戦士という個性豊かな信徒の集まる正証寺から中継でお送りしました。
鈴木:「……というわけで、俺の活躍でエレーナは無事だったんですよー」
鈴木はホテルのロビーで、得意げに稲生に電話で話していた。
ロビーと言っても、こぢんまりとしたビジネスホテル。
3人掛けのソファーが┐型に並んでいるだけに過ぎない。
そこに座って武勇伝を語っている。
稲生:「へえ。キミにしてはいい活躍をしたじゃないか」
鈴木:「俺の消火器バスターがヒットしていなかったら、エレーナの後輩も危ないところでしたよー。危うく処女喪失するところでしたね」(←本当はほとんど当たっていない)
稲生:「そ、そうだね」
鈴木:「これってアレですか?先輩の団体から、何か表彰案件になるって話ですか?」
稲生:「エレーナがどういう報告をしているかだね。少なくともキミがこうやって僕に連絡しているわけだから、この時点でイリーナ組にも事件が伝わったってわけだ。金一封もらえるんじゃない?」
鈴木:「金一封ですか。そんなものより、俺はエレーナとの婚姻届が……」
ゴッ!(鈴木の頭が殴られた)
鈴木:「ぎゃん!」(@_@;)〜☆
エレーナがホウキで殴った。
そして、パッと鈴木からスマホを引っ手繰る。
エレーナ:「オ掛ケニナッタ電話番号ハ、電波ガ届カナクナッタノデ、切リマス」
そんなことを言って電話を切る。
エレーナ:「全く。毎度毎度、調子のいいこと言ってるんじゃないよ!」
鈴木:「痛ってーな。どうせ叩くなら、直接叩いてくれよ」
エレーナ:「アホか!チェックアウトの時間なんだから、さっさと鍵返して」
鈴木:「はいはい」
鈴木はフロントに行った。
オーナー:「ありがとうございます。御連泊はよろしいですか?」
鈴木:「自分としては是非とも連泊したいところですが、背後の怖い魔女さんに別の意味で連泊させられそうなので、この辺にしておきます」
鈴木の背中を睨みつけるエレーナがいた。
オーナー:「かしこまりました。年末はどうなさいますか?」
鈴木:「ああ。サークルの仲間で地方出身のヤツが何人かいるんで、確保しておいてもらえますか?和室1部屋でいいんで」
オーナー:「和室1部屋ですね。鈴木様は?」
鈴木:「自分はいつものデラックスシングルでいいです」
エレーナ:「自分のマンションに帰れよ。ご利用ありがとうございます」
クロ:「前者は女としての声、後者はホテルスタッフとしての声だニャ」
オーナー:「それでは御予約ができましたので、ご利用お待ちしております」
鈴木:「よろしくです」
エレーナ:「また冬のコミケ?私は手伝えないよ。冬は魔道師も忙しいからね」
鈴木:「前回は売り子役が熱中症で倒れたからだよ。今度は大丈夫。特盛達は、また来るしね」
エレーナ:「ああ、あの『美女と野獣』コンビ……」
鈴木:「まあ、そうだな」
特盛は太った眼鏡のヲタク、鈴木は痩せた眼鏡のヲタクという風貌である。
鈴木:「奴が弁当屋で良かったよ。チェーン店は年末年始休みだからな。そのヒマをコミケに使える」
エレーナ:(夏は無理やり駆り出したんだろうなぁ……)
オーナー:「一応は赤字も黒字も出さないことにはなっているのでしょうが、実際は違うのでしょうね?」
鈴木:「大きな声では言えないんですが、実際はそうなんですよ。大手サークルになると、そりゃもう結構な売り上げで……」
エレーナ:「それだけの売り上げを上げている側なんだから、アンタもそういう所で働いたら?魔道師ですら、こうやって働いてるんだよ?」
鈴木:「う、うん……まあ……。夏コミの売り上げもあるし、特盛達にはいいバイト代を払えそうだ」
エレーナ:「バイト代!?」
鈴木:「ん?なに?どうした?」
エレーナ:「ま、まあ……いつもいつも忙しいってわけじゃないし、もしヒマだったら手伝ってやってもいいかなーっと……」
鈴木:「それはありがたい。ではオーナー、俺と同室でエレーナも予約しておいてください」
オーナー:「かしこまりました」
エレーナ:「コラ!アタシはここで住み込みで働いてんの!てか、オーナーもマジレスしないでください!」
オーナー:「おー、これは申し訳無い。つい、鈴木君の魔法に引っ掛かるところだった」
鈴木:「別の意味で、『魔法使い』」
エレーナ:「やかましいわ!」
オーナー:「今度はどういうジャンルで行くんですか?」
鈴木:「魔法使いをプレイヤーキャラにしたシューティングゲームですね。魔法使いのモデルはエレーナで」
エレーナ:「お、言ったな。私は何も聞いてないぞ。勝手に私をモデルにした罪、金で払ってもらおうか?」
鈴木:「モデル代はコミケでどれだけ売れるか、その売り上げに応じてマージンを払うということでどうかな?もちろん、売れれば売れるほどマージンは上がる。モデル本人が来てくれれば、更に盛り上がるだろうなぁ……」
エレーナ:「よっし!そういうことなら行ってやる!しっかり売れよ!」
鈴木:「よろしくね」( ̄ー ̄)
オーナー:(鈴木さんはエレーナの心が分かっていらっしゃる。で、エレーナは金で男に騙されるタイプだったか……)
[12月22日10:00.天候:曇 東京都豊島区 日蓮正宗・正証寺]
鈴木:「南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経。(……よっし。1時間唱題終わり)」
藤谷:「唱題終わったかい?」
鈴木:「班長。顕正会じゃ、そこまでやりませんでしたね」
藤谷:「そりゃ、あそこは『唱題しているヒマがあったら、1人でも多く勧誘しろ』って所だろ。うちは違うからな」
鈴木:「はい。コミケにも行かせてもらえて、顕正会より素晴らしいです」
藤谷:「俺も明日は有馬記念があるからな、ザギンのいつもの場所に行ってるから、講頭とかには『藤谷班長は銀座に街頭折伏に行っております』と言っておけよ?」
鈴木:「分かりました。自分も年末は『有明に街頭折伏に行っている』ということでお願いしますよ?」
藤谷:「分かってるって」
藤谷は競馬ファン、鈴木はコミケ戦士という個性豊かな信徒の集まる正証寺から中継でお送りしました。
あれだけ宗門末寺に迷惑を掛けておきながら、しれっと御受誡(するとは思えないけど、もしも万が一のこと)して、「よろしくー」は無いと思う。
仏法的には、「必ずその分積んだ罪障の代償を払わされる」ので、「静観しろ」となるわけだが、いやいや、これはボコされて全治1ヶ月の流血はしてもらわないと、誹謗された側は浮かばれないよ。
ま、私は傍観勢なんでね。
こういう楽しい支部があってもいいじゃないかと思うのが私の見解です。