[9月10日07:30.天候:晴 冥鉄汽船スターオーシャン号 サロメ中尉の部屋]
(②を選んだ場合)
稲生は昨夜の乱痴気騒ぎのことを思い出し、急いで部屋を出ようと思った。
だがその前にマリアを起こしてからだ。
さすがにこのまま置いては行けない。
稲生:「マリアさん、マリアさん」
稲生はマリアを揺り動かした。
マリア:「ん……」
稲生:「起きてください。もう朝ですよ」
マリア:「んあ……?」
稲生:「大丈夫ですか?酔いは醒めてますか?早く部屋に戻りましょう。ここは僕達の部屋じゃないです」
マリア:「頭痛い……」
稲生:「無理も無いです。昨夜、あれだけ飲みましたから。さ、早く。中尉達が寝ている間に」
マリアは稲生の手伝いもあって、やっと上半身を起こした。
だが、稲生の背後に立つ強い殺気に酔いが醒めた。
稲生:「ブボッ……!?」
稲生の胸を長剣が貫通し、マリアの胸にも突き刺さった。
サロメ:「死ね……!悪魔の手先め……!!」
稲生:「あ……?ああ……あぁあ゛……!」
稲生は自分の血しぶきがマリアの顔に吹き掛かるのと、マリアの胸から噴き出る血しぶきが自分に掛かるのを見たが、それで何か思いを抱く前に体中の力が失せて行くのを感じた。
直後、たたでさえ薄暗い部屋が真っ暗になっていった……。
完
[9月10日07:30.天候:晴 冥鉄汽船スターオーシャン号 サロメ中尉の部屋]
(③を選んだ場合)
稲生は昨夜の乱痴気騒ぎのことを思い出し、急いで部屋を出ようと思った。
だがドアの前に、全裸の女性が倒れていた。
確か、カジノでマリアと共に自分を連行した魔王軍のサロメ中尉だ。
普段は飛空艇の操縦士として活躍する凛とした軍人だろうに、酒を飲んだらアレな所は万国共通なのだろう。
航空自衛隊でも、戦闘機の操縦士は空尉が務めると聞く。
尚、飛空艇であって、飛空挺ではない。
アルカディア王国では公用語に日本語もあるが、漢字変換をミスるとそれだけでキレる飛空艇団員が多数。
何故なら魔王軍飛空艇団は、正にこっちの世界で言う空軍や航空自衛隊のような部隊であり、空挺団とは『空から地上に舞い降りる部隊』のことであるので、全く意味が違うからだ。
昨夜、これについて1時間はくだを巻いていた記憶がある。
アルカディアタイムス日本語版でも誤変換されたので、その新聞社に対し、人間界から取り寄せたというナパーム弾を飛空艇から投下したり、毎分6000発のバルカン砲を取り寄せて撃ち込む計画をしたとかいう話も聞かされた。
剣と魔法のファンタジーから全くズレた軍隊であるが、最後のファンタジーを謳いながら既に何十年もシリーズが続いている某RPGに出てくるその空飛ぶ軍艦の装備を見ると……。
稲生:「あの、中尉。すいません、サロメ中尉。あの……おはようございます」
サロメ:「んん……?」
稲生:「あの、朝ですよ」
サロメ:「起床ラッパ」
稲生:「えっ?」
サロメ:「起床ラッパが無いと起きれない……」
稲生:「え?でも、ここ宿営地じゃないですし……」
サロメ:「まあいいや。起きよう」
稲生:「あ、あの……服、持って来ましょうか?」
サロメ:「おおっ?あのコに脱がされたまんまじゃん」
稲生:「全く。マリアさん、一体どこに服を……」
サロメ:「その前に下着からだ。イノー、あそこから持ってきて」
稲生:「どこですか?」
サロメ:「そこのベッドに転がってるヤツ……」
稲生:「マリアさん?」
サロメ:「そう。あいつ、自分も脱いだくせに、私達はスッポンポンにして、しかも人の下着はいてやがる」
稲生:「ええっ!?」
サロメ:「稲生。あいつから下着脱がして持ってきて」
稲生:「僕が!?」
サロメ:「あんたは身内だろ?責任取って持ってこい」
稲生:「ええ〜」
サロメ:「5秒以内に行動開始しないと頭撃ち抜く」
サロメは稲生に床に落ちていたハンドガンを向けた。
稲生:「ここは本当に剣と魔法のファンタジーの世界なのか!?」
サロメ:「5、4、3……」
稲生:「わ、分かった!行く行く!」
稲生は急いでマリアの捲れたスカートの前に立った。
稲生:「マリアさん、ごめんなさい」
稲生はマリアのショーツの両脇に手を掛けた。
が!
稲生:「ん゛っ……!?」
突然、稲生の胸から剣が突き出てきた。
違う。
背中から突き刺されて貫通し、胸から剣が出て来たのだ。
稲生:「な゛っ……!?」
稲生は振り向く力も無くなっていた。
サロメ:「死ね。王国軍人を辱めた変態め……!」
稲生:「ち、ちが……!」
サロメは稲生から剣を引き抜くと、血糊を振り払い、今度はマリアの体に剣を突き立てる所を見た。
だが、成す術も無く目の前が暗くなっていった……。
完
[9月10日07:30.天候:晴 冥鉄汽船スターオーシャン号 サロメ中尉の部屋]
(④も同じバッドエンドです。サロメの台詞が部下の軍人と置き換わるだけです。⑤を選んだ場合)
稲生は部屋の照明を点灯した。
稲生:「皆さん、起きてください!朝ですよ!」
稲生は二日酔いで頭が痛むのを堪えながら、大きな声を出した。
サロメ:「う……」
女性兵士A:「ん……」
女性兵士B:「ぅあ……!」
最初に起き出したのは女性軍人達。
サロメ:「うるさいな……。って!わああっ!?」
女性軍人達は自分達が何故か全裸になっているのに驚いた。
稲生:「早く服を着て……」
サロメ:「何しやがるんだ、変態!」
女性兵士A:「中尉!こいつ殺しましょう!」
女性兵士B:「中尉!ご指示を!」
サロメ:「王国軍人を侮辱した罪、重いぞ!」
稲生:「わああっ!?何でそうなるんだ!?」
その後、稲生を見た者は誰もいない。
展望台の上に括りつけられていた横田の証言によると、客室の窓から海に放り込まれたとのことだ。
完
はい、というわけで①以外全部バッドエンドでした。
難しい選択で、すいません。
ま、要は女達の乱痴気騒ぎに巻き込まれたら、速やかに逃げましょうということ。
後で、「この人、痴漢です!」とか言われたくないでしょう?
(②を選んだ場合)
稲生は昨夜の乱痴気騒ぎのことを思い出し、急いで部屋を出ようと思った。
だがその前にマリアを起こしてからだ。
さすがにこのまま置いては行けない。
稲生:「マリアさん、マリアさん」
稲生はマリアを揺り動かした。
マリア:「ん……」
稲生:「起きてください。もう朝ですよ」
マリア:「んあ……?」
稲生:「大丈夫ですか?酔いは醒めてますか?早く部屋に戻りましょう。ここは僕達の部屋じゃないです」
マリア:「頭痛い……」
稲生:「無理も無いです。昨夜、あれだけ飲みましたから。さ、早く。中尉達が寝ている間に」
マリアは稲生の手伝いもあって、やっと上半身を起こした。
だが、稲生の背後に立つ強い殺気に酔いが醒めた。
稲生:「ブボッ……!?」
稲生の胸を長剣が貫通し、マリアの胸にも突き刺さった。
サロメ:「死ね……!悪魔の手先め……!!」
稲生:「あ……?ああ……あぁあ゛……!」
稲生は自分の血しぶきがマリアの顔に吹き掛かるのと、マリアの胸から噴き出る血しぶきが自分に掛かるのを見たが、それで何か思いを抱く前に体中の力が失せて行くのを感じた。
直後、たたでさえ薄暗い部屋が真っ暗になっていった……。
完
[9月10日07:30.天候:晴 冥鉄汽船スターオーシャン号 サロメ中尉の部屋]
(③を選んだ場合)
稲生は昨夜の乱痴気騒ぎのことを思い出し、急いで部屋を出ようと思った。
だがドアの前に、全裸の女性が倒れていた。
確か、カジノでマリアと共に自分を連行した魔王軍のサロメ中尉だ。
普段は飛空艇の操縦士として活躍する凛とした軍人だろうに、酒を飲んだらアレな所は万国共通なのだろう。
航空自衛隊でも、戦闘機の操縦士は空尉が務めると聞く。
尚、飛空艇であって、飛空挺ではない。
アルカディア王国では公用語に日本語もあるが、漢字変換をミスるとそれだけでキレる飛空艇団員が多数。
何故なら魔王軍飛空艇団は、正にこっちの世界で言う空軍や航空自衛隊のような部隊であり、空挺団とは『空から地上に舞い降りる部隊』のことであるので、全く意味が違うからだ。
昨夜、これについて1時間はくだを巻いていた記憶がある。
アルカディアタイムス日本語版でも誤変換されたので、その新聞社に対し、人間界から取り寄せたというナパーム弾を飛空艇から投下したり、毎分6000発のバルカン砲を取り寄せて撃ち込む計画をしたとかいう話も聞かされた。
剣と魔法のファンタジーから全くズレた軍隊である
稲生:「あの、中尉。すいません、サロメ中尉。あの……おはようございます」
サロメ:「んん……?」
稲生:「あの、朝ですよ」
サロメ:「起床ラッパ」
稲生:「えっ?」
サロメ:「起床ラッパが無いと起きれない……」
稲生:「え?でも、ここ宿営地じゃないですし……」
サロメ:「まあいいや。起きよう」
稲生:「あ、あの……服、持って来ましょうか?」
サロメ:「おおっ?あのコに脱がされたまんまじゃん」
稲生:「全く。マリアさん、一体どこに服を……」
サロメ:「その前に下着からだ。イノー、あそこから持ってきて」
稲生:「どこですか?」
サロメ:「そこのベッドに転がってるヤツ……」
稲生:「マリアさん?」
サロメ:「そう。あいつ、自分も脱いだくせに、私達はスッポンポンにして、しかも人の下着はいてやがる」
稲生:「ええっ!?」
サロメ:「稲生。あいつから下着脱がして持ってきて」
稲生:「僕が!?」
サロメ:「あんたは身内だろ?責任取って持ってこい」
稲生:「ええ〜」
サロメ:「5秒以内に行動開始しないと頭撃ち抜く」
サロメは稲生に床に落ちていたハンドガンを向けた。
稲生:「ここは本当に剣と魔法のファンタジーの世界なのか!?」
サロメ:「5、4、3……」
稲生:「わ、分かった!行く行く!」
稲生は急いでマリアの捲れたスカートの前に立った。
稲生:「マリアさん、ごめんなさい」
稲生はマリアのショーツの両脇に手を掛けた。
が!
稲生:「ん゛っ……!?」
突然、稲生の胸から剣が突き出てきた。
違う。
背中から突き刺されて貫通し、胸から剣が出て来たのだ。
稲生:「な゛っ……!?」
稲生は振り向く力も無くなっていた。
サロメ:「死ね。王国軍人を辱めた変態め……!」
稲生:「ち、ちが……!」
サロメは稲生から剣を引き抜くと、血糊を振り払い、今度はマリアの体に剣を突き立てる所を見た。
だが、成す術も無く目の前が暗くなっていった……。
完
[9月10日07:30.天候:晴 冥鉄汽船スターオーシャン号 サロメ中尉の部屋]
(④も同じバッドエンドです。サロメの台詞が部下の軍人と置き換わるだけです。⑤を選んだ場合)
稲生は部屋の照明を点灯した。
稲生:「皆さん、起きてください!朝ですよ!」
稲生は二日酔いで頭が痛むのを堪えながら、大きな声を出した。
サロメ:「う……」
女性兵士A:「ん……」
女性兵士B:「ぅあ……!」
最初に起き出したのは女性軍人達。
サロメ:「うるさいな……。って!わああっ!?」
女性軍人達は自分達が何故か全裸になっているのに驚いた。
稲生:「早く服を着て……」
サロメ:「何しやがるんだ、変態!」
女性兵士A:「中尉!こいつ殺しましょう!」
女性兵士B:「中尉!ご指示を!」
サロメ:「王国軍人を侮辱した罪、重いぞ!」
稲生:「わああっ!?何でそうなるんだ!?」
その後、稲生を見た者は誰もいない。
展望台の上に括りつけられていた横田の証言によると、客室の窓から海に放り込まれたとのことだ。
完
はい、というわけで①以外全部バッドエンドでした。
難しい選択で、すいません。
ま、要は女達の乱痴気騒ぎに巻き込まれたら、速やかに逃げましょうということ。
後で、「この人、痴漢です!」とか言われたくないでしょう?
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