[12月30日02:00.天候:曇 東京中央学園上野高校・旧校舎(教育資料館)]
稲生:「魔界の連中は年末年始とか関係無いのかなぁ?」
キノ:「下等な連中は、そんな概念なんざ無ェんだよ。あるのは、如何に人間の血肉を食らうかだ」
マリア:「動物以下だな」
1階への階段を下りる3人。
そんなことを話し合う。
稲生:「キノは年末年始、何かやることあるの?」
キノ:「江蓮が実家に帰ってるっつーからよー、オレも一緒に過ごそうかと思ってよー……。したらこのザマだ、この野郎!」
たまたま階段を下りた先にいたザコ妖怪に八つ当たりするキノ。
稲生:「栗原さん家、熱心な日蓮正宗法華講の家だから、元旦はお寺に行くと思うよ」
キノ:「それでもいい。試しに寺ん中入ってみたけど、何とも無かったぜ?」
稲生:「そりゃ何も無いでしょうよ」
キノ:「不浄な妖怪は境内に入れぬと、昔どこかの寺のクソ坊主に言われたんだが、デマだったみたいだ」
稲生:「どこの宗派なんだい、そこは?真言宗辺りが怪しいけど」
キノ:「覚えてねーよ、んなもん」
稲生:「だろうねぇ……。鬼子母神とか鬼関係の神社だったら、堂々と入って行けそうだけどね、キミは」
キノ:「どういう意味だ、こら」
マリア:「ついでに御神体代わりになったらどうだ」
キノ:「うるせーなぁ」
1階の廊下を突き進む。
確かに途中には、色々な魑魅魍魎の類が横スクロールのアクションゲームばりに登場した。
稲生:「捨てられた赤ん坊の幽霊に、闇の中に潜む目のお化けに、うねる闇のお化け、無限廊下に閉じ込められた男子生徒の魍魎化したものと……」
キノ:「何つー学校だ!」
マリア:「うーん……」
おどろおどろしい状態なのだが、中にはコミカルな動きをして襲って来るものまであり、ここでBGMを掛けるとしたら、むしろ軽快なものになるかもしれない。
そうして、ようやく魔界の穴に辿り着いた。
キノ:「ここはさっきオレがクソガキを殺った所だぜ?」
稲生:「この壁、壊されてる。そうか。この壁の向こうに魔界の穴があったんだ。それなのに、壊されたりしたもんだからダダ漏れしたんだな」
マリア:「よし。早いとこ、塞ぐぞ」
マリアは穴の前に魔法陣を描いた。
キノ:「おい、急げ!まだ倒し切ってねぇ奴らがこっちに向かってやがる。ユタ、手伝え!」
稲生:「ええっ!?」
キノ:「オレ1人にやらせんなっ!向こうから来るヤツをやれ!」
稲生:「う、うん!パペ、サタン、パペ、サタン、アレッペ!」
マリア:「パペ、サタン、パペ、サタン、アレッペ!醜く開いた魔界の穴よ!マリアンナ・ベルフェ・スカーレットの名において、その口を再び閉ざさんことを命ずる。パペ、サタン、パペ、サタン、アレッペ!」
稲生の魔法の杖(というか3段式の棒)からは、火の弾がボンボン飛んで行き、それでザコ妖怪達を包み込む。
木造校舎で火の弾はマズいのではと思うかもしれないが、火に包まれるのは妖怪達だけで、不思議と木材に燃え移ることはない。
稲生:「……メラ!……ギラ!……イオ!」
キノ:「あいつ、ドラクエ派か?FFの魔法も使ってみろってんだ」
見習なので、初歩的な攻撃魔法しか使えない。
キノ:「てか、まだ塞がんねーのか!?」
マリア:「うるさい!気が散る!黙れ!……パペ、サタン、パペ、サタン、アレッペ!パペ、サタン、パペ、サタン、アレッペ!」
キノ:「しゃらくせぇっ!」
キノは最後の一匹を斬り伏せた。
キノ:「ユタ!オメェ、こいつの手伝いやれ!あとはオレが食い止める!」
稲生:「う、うん!」
稲生はマリアの隣に立つと、一緒に呪文の詠唱を行った。
魍魎A:「魔界の穴が塞がれるぞ!」
魍魎B:「止めろ!」
魍魎C:「せっかく人間の血肉を好きなだけ食らえるのに!」
キノ:「誰に断って出入りしとるんじゃ、ボケェ!!」
キノはまだ残っている魍魎達に刀を振るう。
時には体術を使うこともあった
キノ:「まだなのか、お前ら!?いい加減キツいぜ!」
稲生:「もうすぐ!もうすぐだ!」
すると、見る見るうちに壁が修復されてきた。
マリア:「うっ……くっ……!」
稲生:「マリアさん!?」
マリアがふらついた。
そういう稲生も、目まいがした。
2人とも、MPが無くなり掛けているのだ。
何とか壁が塞がった。
つまり、魔界の穴が塞がったのである。
あれほどまでに漂っていた妖気が嘘みたいに無くなっていた。
強いて言うなら、キノの妖気だけである。
キノ:「……あっ!?」
その時、1階のトイレに照明が灯った。
この旧校舎にいるのは、この3人だけのはずだ。
まだ妖怪か魍魎が残っているのか。
キノ:「……ちっ。オメェら、そこで待ってろ。オレが見に行く」
稲生:「うん……」
キノは刀を右手に持ちながら、トイレの前に向かった。
それは女子トイレだった。
改築前は停電していた旧校舎だったが、教育資料館として再生した時に通電するようになっている。
とはいえ、トイレ関係に関しては手つかずであったようだ。
トイレからは微かに妖気が漂って来た。
ただそれが、未だに残っている妖怪の放つものなのか、それともただ単に残留していたものなのかはキノでも判断できなかった。
キノ:「……おい、誰かいるのか?隠れても無駄だぜ」
恐怖ではないのだが、キノは言い知れぬ焦燥に駆られていた。
何か、この先の展開にマズいことがあるような……。
そんな感じだった。
女子トイレには蛍光灯が灯っていたが、お世辞にも安心できる明るさではなかった。
個室に入ったら、明かりが届かずに真っ暗であることは想像できた。
そのトイレの壁に血文字で、『3階へ行け』という文字が書かれていた。
キノ:「……ッ!まだ何かいやがるのか?」
キノはウザそうに不快な顔をした。
稲生:「キノ!」
キノ:「あぁ?待ってろと言っただろう!」
稲生:「もう大丈夫だよ」
キノ:「なに?」
稲生:「こんなこともあろうかと、魔法の回復アイテムを持ってきたからね」
キノ:「ああ。薬草とか聖水とか、そんなヤツか。飲めばHPとかMPとか回復するヤツ」
稲生:「まあね。キノにもあげる」
キノ:「俺は魔法なんか使えねーぜ」
稲生:「体力回復薬だよ。キノもだいぶ疲れたでしょ?」
キノ:「疲れてねーよ」
稲生:「要らないならいいけど……」
キノ:「まあ、せっかくの好意だ。頂いておくぜ」
稲生:「ふふっ……。それより、何かあった?」
キノ:「あれを見ろ」
稲生:「うわ……!」
キノ:「この展開、どう予想する?魔道師様よ?」
稲生:「まるで、この学校に伝わる“トイレの花子さん”みたいだ」
キノ:「確か、かなり昔、イジメで自殺した女子生徒の幽霊の話だな?」
稲生:「そう。だけどもう、この学校にはいないはすだけど……」
キノ:「で、どうする?行った方がいいのか?伝わる話としては、どうなってる?」
稲生:「誘われるがまま3階に行ったはいいけど、その時点では誰もいないし、何も起こらないんだ」
キノ:「はあ?何だそりゃ?」
稲生:「また、戦いになると思うけどいいかい?」
キノ:「江蓮が助かるんならな。くそっ!情報が入ると思ってボランティアしてやったのに、未だに江連の情報が入って来ねぇ!」
マリア:「3階に行った方が良さそうだな」
稲生:「マリアさん」
マリア:「あくまでもユウタの聞いた話に似ているというだけで、その通りになるとは限らないだろう?それに、ユウタの話では、張本人はもういないというじゃないか。別の展開になるかもしれないぞ」
キノ:「それもそうだな。少なくとも、ここで議論してる場合じゃねぇ。一応、何が何だか言ってみる価値はあるな。もし3階で何か情報を知っているヤツがいたとしたら、そいつから聞き出せばいい」
稲生:「うん、そうだね。3階へ行こう」
稲生達は1階の女子トイレをあとにすると、3階のトイレに向かった。
魔界の穴は塞ぎ、魍魎の類は全て倒した。
妖気と言えばキノの妖気くらいしか無いはずなのに、何故かまだこの旧校舎にはそのような類がいるような気がしてしょうがない稲生だった。
稲生:「魔界の連中は年末年始とか関係無いのかなぁ?」
キノ:「下等な連中は、そんな概念なんざ無ェんだよ。あるのは、如何に人間の血肉を食らうかだ」
マリア:「動物以下だな」
1階への階段を下りる3人。
そんなことを話し合う。
稲生:「キノは年末年始、何かやることあるの?」
キノ:「江蓮が実家に帰ってるっつーからよー、オレも一緒に過ごそうかと思ってよー……。したらこのザマだ、この野郎!」
たまたま階段を下りた先にいたザコ妖怪に八つ当たりするキノ。
稲生:「栗原さん家、熱心な日蓮正宗法華講の家だから、元旦はお寺に行くと思うよ」
キノ:「それでもいい。試しに寺ん中入ってみたけど、何とも無かったぜ?」
稲生:「そりゃ何も無いでしょうよ」
キノ:「不浄な妖怪は境内に入れぬと、昔どこかの寺のクソ坊主に言われたんだが、デマだったみたいだ」
稲生:「どこの宗派なんだい、そこは?真言宗辺りが怪しいけど」
キノ:「覚えてねーよ、んなもん」
稲生:「だろうねぇ……。鬼子母神とか鬼関係の神社だったら、堂々と入って行けそうだけどね、キミは」
キノ:「どういう意味だ、こら」
マリア:「ついでに御神体代わりになったらどうだ」
キノ:「うるせーなぁ」
1階の廊下を突き進む。
確かに途中には、色々な魑魅魍魎の類が横スクロールのアクションゲームばりに登場した。
稲生:「捨てられた赤ん坊の幽霊に、闇の中に潜む目のお化けに、うねる闇のお化け、無限廊下に閉じ込められた男子生徒の魍魎化したものと……」
キノ:「何つー学校だ!」
マリア:「うーん……」
おどろおどろしい状態なのだが、中にはコミカルな動きをして襲って来るものまであり、ここでBGMを掛けるとしたら、むしろ軽快なものになるかもしれない。
そうして、ようやく魔界の穴に辿り着いた。
キノ:「ここはさっきオレがクソガキを殺った所だぜ?」
稲生:「この壁、壊されてる。そうか。この壁の向こうに魔界の穴があったんだ。それなのに、壊されたりしたもんだからダダ漏れしたんだな」
マリア:「よし。早いとこ、塞ぐぞ」
マリアは穴の前に魔法陣を描いた。
キノ:「おい、急げ!まだ倒し切ってねぇ奴らがこっちに向かってやがる。ユタ、手伝え!」
稲生:「ええっ!?」
キノ:「オレ1人にやらせんなっ!向こうから来るヤツをやれ!」
稲生:「う、うん!パペ、サタン、パペ、サタン、アレッペ!」
マリア:「パペ、サタン、パペ、サタン、アレッペ!醜く開いた魔界の穴よ!マリアンナ・ベルフェ・スカーレットの名において、その口を再び閉ざさんことを命ずる。パペ、サタン、パペ、サタン、アレッペ!」
稲生の魔法の杖(というか3段式の棒)からは、火の弾がボンボン飛んで行き、それでザコ妖怪達を包み込む。
木造校舎で火の弾はマズいのではと思うかもしれないが、火に包まれるのは妖怪達だけで、不思議と木材に燃え移ることはない。
稲生:「……メラ!……ギラ!……イオ!」
キノ:「あいつ、ドラクエ派か?FFの魔法も使ってみろってんだ」
見習なので、初歩的な攻撃魔法しか使えない。
キノ:「てか、まだ塞がんねーのか!?」
マリア:「うるさい!気が散る!黙れ!……パペ、サタン、パペ、サタン、アレッペ!パペ、サタン、パペ、サタン、アレッペ!」
キノ:「しゃらくせぇっ!」
キノは最後の一匹を斬り伏せた。
キノ:「ユタ!オメェ、こいつの手伝いやれ!あとはオレが食い止める!」
稲生:「う、うん!」
稲生はマリアの隣に立つと、一緒に呪文の詠唱を行った。
魍魎A:「魔界の穴が塞がれるぞ!」
魍魎B:「止めろ!」
魍魎C:「せっかく人間の血肉を好きなだけ食らえるのに!」
キノ:「誰に断って出入りしとるんじゃ、ボケェ!!」
キノはまだ残っている魍魎達に刀を振るう。
時には体術を使うこともあった
キノ:「まだなのか、お前ら!?いい加減キツいぜ!」
稲生:「もうすぐ!もうすぐだ!」
すると、見る見るうちに壁が修復されてきた。
マリア:「うっ……くっ……!」
稲生:「マリアさん!?」
マリアがふらついた。
そういう稲生も、目まいがした。
2人とも、MPが無くなり掛けているのだ。
何とか壁が塞がった。
つまり、魔界の穴が塞がったのである。
あれほどまでに漂っていた妖気が嘘みたいに無くなっていた。
強いて言うなら、キノの妖気だけである。
キノ:「……あっ!?」
その時、1階のトイレに照明が灯った。
この旧校舎にいるのは、この3人だけのはずだ。
まだ妖怪か魍魎が残っているのか。
キノ:「……ちっ。オメェら、そこで待ってろ。オレが見に行く」
稲生:「うん……」
キノは刀を右手に持ちながら、トイレの前に向かった。
それは女子トイレだった。
改築前は停電していた旧校舎だったが、教育資料館として再生した時に通電するようになっている。
とはいえ、トイレ関係に関しては手つかずであったようだ。
トイレからは微かに妖気が漂って来た。
ただそれが、未だに残っている妖怪の放つものなのか、それともただ単に残留していたものなのかはキノでも判断できなかった。
キノ:「……おい、誰かいるのか?隠れても無駄だぜ」
恐怖ではないのだが、キノは言い知れぬ焦燥に駆られていた。
何か、この先の展開にマズいことがあるような……。
そんな感じだった。
女子トイレには蛍光灯が灯っていたが、お世辞にも安心できる明るさではなかった。
個室に入ったら、明かりが届かずに真っ暗であることは想像できた。
そのトイレの壁に血文字で、『3階へ行け』という文字が書かれていた。
キノ:「……ッ!まだ何かいやがるのか?」
キノはウザそうに不快な顔をした。
稲生:「キノ!」
キノ:「あぁ?待ってろと言っただろう!」
稲生:「もう大丈夫だよ」
キノ:「なに?」
稲生:「こんなこともあろうかと、魔法の回復アイテムを持ってきたからね」
キノ:「ああ。薬草とか聖水とか、そんなヤツか。飲めばHPとかMPとか回復するヤツ」
稲生:「まあね。キノにもあげる」
キノ:「俺は魔法なんか使えねーぜ」
稲生:「体力回復薬だよ。キノもだいぶ疲れたでしょ?」
キノ:「疲れてねーよ」
稲生:「要らないならいいけど……」
キノ:「まあ、せっかくの好意だ。頂いておくぜ」
稲生:「ふふっ……。それより、何かあった?」
キノ:「あれを見ろ」
稲生:「うわ……!」
キノ:「この展開、どう予想する?魔道師様よ?」
稲生:「まるで、この学校に伝わる“トイレの花子さん”みたいだ」
キノ:「確か、かなり昔、イジメで自殺した女子生徒の幽霊の話だな?」
稲生:「そう。だけどもう、この学校にはいないはすだけど……」
キノ:「で、どうする?行った方がいいのか?伝わる話としては、どうなってる?」
稲生:「誘われるがまま3階に行ったはいいけど、その時点では誰もいないし、何も起こらないんだ」
キノ:「はあ?何だそりゃ?」
稲生:「また、戦いになると思うけどいいかい?」
キノ:「江蓮が助かるんならな。くそっ!情報が入ると思ってボランティアしてやったのに、未だに江連の情報が入って来ねぇ!」
マリア:「3階に行った方が良さそうだな」
稲生:「マリアさん」
マリア:「あくまでもユウタの聞いた話に似ているというだけで、その通りになるとは限らないだろう?それに、ユウタの話では、張本人はもういないというじゃないか。別の展開になるかもしれないぞ」
キノ:「それもそうだな。少なくとも、ここで議論してる場合じゃねぇ。一応、何が何だか言ってみる価値はあるな。もし3階で何か情報を知っているヤツがいたとしたら、そいつから聞き出せばいい」
稲生:「うん、そうだね。3階へ行こう」
稲生達は1階の女子トイレをあとにすると、3階のトイレに向かった。
魔界の穴は塞ぎ、魍魎の類は全て倒した。
妖気と言えばキノの妖気くらいしか無いはずなのに、何故かまだこの旧校舎にはそのような類がいるような気がしてしょうがない稲生だった。
個人情報が漏れない範囲でお教え頂きたい
んですけど、百三さんって浦和区に住まわれた
経験っておありですか?
もしくは浦和区に行った事ってありますか?
独身の人間でも、住み易いエリアなんですかね
さいたま市って。
私はさいたま市在住ですが、浦和区に住んだことはありません。
私の現住所は作品内に大きなヒントを入れてありますので、【お察しください】。
浦和区には乗りバスで行ったことがあります。
東武バスと国際興業バスの乗り継ぎで、北浦和駅周辺に何度かと、上司が浦和区に住んでいるので、浦和駅周辺の焼肉屋で一昨年の忘年会をやった記憶があります。
住む所には困らないようなので、独身者でも大丈夫なのでしょう。
ただ、浦和駅東口から出ている路線バスの沿線はオススメできないかもです。
上司の話ですと、平日朝はバスが満員で乗れないことも多く、また年末年始は正月ダイヤで減便されるからです。
天候が悪い日は時刻表が有ってないような状態だということです。
もし私のように通勤には都営バスを利用されておられるようなら、その定時性の格差に愕然とするでしょう。
さいたま市在住をご希望でしたら、私のように駅から歩いても、バスに乗っても、タクシーに乗っても良いようなエリアを選ばれることをお勧めします。