[2月3日13時00分 天候:晴 東京都墨田区菊川2丁目 愛原家3階リビング]
リサの事情聴取は2階の事務所ではなく、3階の居住区のリビングで行われた。
まずは昼食。
途中で購入したマクドナルドのハンバーガーを食べてからにする。
徹夜で眠気に勝てなかった愛原と高橋は、仮眠に入ることにした。
リサ「わたしも着替えてきていい?」
善場「どうぞ」
パール「粗茶でございますが……」
善場「お構いなく。……というか、何故にメイド服?」
パール「この後、午後からアキバのメイドカフェを手伝わないといけませんので」
善場「本当は?」
パール「カントクの趣味です」
雲羽「おい!」
善場「コホン。まあ、いいでしょう。いただきます」
パール「リサさん、着替えた服はいつもの所に入れておいてください」
当初は『リサ様』だったのだが、あくまでパールは斉藤家のメイドである為、リサを様付けで呼ぶのは違和感があるということで、さん付けに愛原が直させている。
我那覇(旧姓、斉藤)絵恋が一緒の時だけ、ということにした。
リサ「分かった。下着は先生の部屋の中に入れておけばいい?」
パール「どうぞ、ご随意に」
高橋「現役JKの使用済み下着ってことで、ネットで売りゃいいんじゃね?」
善場「いえ、ちゃんと汚れ物は洗いなさい」
リサ「……はーい」
善場「高橋助手も、リサに変なこと教えないように」
高橋「へーへー。早いとこインゴット……」
高橋は大きな欠伸をした。
高橋「夕飯前になったら起こしてくれ」
高橋はそう言うと、リビング隣の自室へ向かった。
リサ「メイドさんもいなくなったら、夕飯はどうすればいい?」
善場「リサが作れb……いえ、外食でも出前でもすればいいでしょう」
善場は一瞬、リサが作れば良いと言い掛けたが、愛原が食べる物に『何か』を投入する恐れがあったので、それは言い止めた。
リサ「じゃあ、着替えてくるね」
リサはそう言って、エレベーターに乗り込むと、自室のある4階に向かった。
リサの部屋は、エレベーターのすぐ横にある。
制服から私服に着替えた。
さすがの制服は洗濯機で洗えないが、消臭スプレーをしたりはした。
下着はスポーツタイプの物ではなく、普通のブラショーツにする。
真冬だというのに、半袖のTシャツとデニムのショーパンを穿いた。
そして、急いで3階に戻る。
脱衣カゴに、抜いだブラウスや下着、バッグに中に入れていたブルマを入れた。
それから、リビングに戻る。
リサ「お待たせ」
善場「それでは、事情聴取を開始致します。……隣、高橋助手が寝てますけど、大丈夫ですかね?防音になってませんよね?」
パール「まあ、マサは1度寝落ちすると、なかなか起きないので。それに、耳栓もあるから、それを使えばいいと思いますよ」
善場「そうですか」
パール「何でしたら、私が『極上のもみコース』でマサを眠らせてきます」
善場「どうぞご勝手に」
パールは高橋と共同で使用している隣の部屋に向かった。
善場「あの人、普通のメイド喫茶で働いてるの?」
リサ「うーん……。少なくとも、メイドコス風俗ではないらしいけど……。普通のメイド喫茶ではないらしい」
善場「やっぱり。『昼のお店』(メイド喫茶)と『夜のお店』(メイド風俗)の間のお店ってところかしら」
リサ「そうかも」
善場「まあ、いいわ。まず、攫われた時の状況なんだけど……」
リサ「もう、すぐ、そこ!家まであと数メートルの所で攫われたの!」
善場「直接、現場を教えてくれる?」
リサ「分かった。ちょっとパーカー持って来る」
リサは再び自室に戻って、パーカーを羽織ってきた。
さすがに家の外では、半袖のままでは寒いようだ。
1階までエレベーターで下りると、車の中で待機していた善場の部下も降りて来た。
リサ「ここで、黒いワンボックスが2台やってきて、わたしを挟み撃ちにしたの」
善場「やはりそうでしたか。ここはちょうど、住宅の塀と塀の間ですね。つまり、住宅の住人からも見えない位置にあります。よく下調べをしたものです」
リサ「黒い着物を着た男達に掴まれた後、首に麻酔注射みたいなものを打たれたり、“鬼ころし”を一気飲みさせられたりして、もう抵抗できなくなって……」
善場「“鬼ころし”が『鬼封じの酒』ということも知っていることから、やはり栗原家の犯行で間違いないようですね。分かりました。家に戻りましょう」
善場の部下は、デジカメを持って現場の撮影をしたり、チョークで印を付けたりしていた。
家の中に戻ると、善場の部下は再び車の中で待機する。
リサと善場は、エレベーターで3階に戻った。
リサ「気が付いたら、狭い空間に閉じ込められてて……」
外が暴走族達の怒号で騒がしかったこと、例の関連施設に連れ込まれた話をした。
善場「分かりました。人間だった栗原蓮華を最後に見たのは、地下の大広間ということですね?」
リサ「そう。全身包帯だらけだったけど、匂いですぐに分かった。左足は義足だったし」
善場「分かりました。栗原家は、それまでの間にも、何か『薬』を作っていたのですね?」
リサ「そんな感じなこと言ってた。それをわたしの血に混ぜると、元に戻るんだって。実際は違ったけど」
確かに、イチカこと日本版リサ・トレヴァー『1番』に食い千切られた左足は再生し、火傷の痕やケロイドなんかもきれいさっぱり無くなった。
しかし、代わりに人間であることを辞めてしまった。
善場「その薬の出所が気になりますね。まあ、だいたい想像つきますけど」
善場は自分のスマホを取り出すと……。
善場「善場です。大至急、富士宮を押さえて」
とだけ言った。
それを聞いたリサ、ピンと来るものがあった。
リサ「富士宮って、もしかして、愛原先生の伯父さん?」
善場「ええ」
リサ「で、でも、伯父さんの薬は回収したはずじゃ?」
善場「造った本人ですからね、材料と機材さえあれば、また造れるでしょう。おおかた、どこかで情報を仕入れた栗原家が、大金を積んで愛原公一『容疑者』に、例の薬を造らせたのでしょう」
リサ「既に容疑者!?」
善場「逮捕状は後から請求します。取り急ぎ、まずは地元県警に依頼して、任意同行という形で身柄の確保を……」
リサ(どういう法律でタイーホするんだろう?)
リサは気になったが、難しい法律の話をされて頭痛を起こすのはカンベンと思い、それは黙ってておいた。
リサの事情聴取は2階の事務所ではなく、3階の居住区のリビングで行われた。
まずは昼食。
途中で購入したマクドナルドのハンバーガーを食べてからにする。
徹夜で眠気に勝てなかった愛原と高橋は、仮眠に入ることにした。
リサ「わたしも着替えてきていい?」
善場「どうぞ」
パール「粗茶でございますが……」
善場「お構いなく。……というか、何故にメイド服?」
パール「この後、午後からアキバのメイドカフェを手伝わないといけませんので」
善場「本当は?」
パール「カントクの趣味です」
雲羽「おい!」
善場「コホン。まあ、いいでしょう。いただきます」
パール「リサさん、着替えた服はいつもの所に入れておいてください」
当初は『リサ様』だったのだが、あくまでパールは斉藤家のメイドである為、リサを様付けで呼ぶのは違和感があるということで、さん付けに愛原が直させている。
我那覇(旧姓、斉藤)絵恋が一緒の時だけ、ということにした。
リサ「分かった。下着は先生の部屋の中に入れておけばいい?」
パール「どうぞ、ご随意に」
高橋「現役JKの使用済み下着ってことで、ネットで売りゃいいんじゃね?」
善場「いえ、ちゃんと汚れ物は洗いなさい」
リサ「……はーい」
善場「高橋助手も、リサに変なこと教えないように」
高橋「へーへー。早いとこインゴット……」
高橋は大きな欠伸をした。
高橋「夕飯前になったら起こしてくれ」
高橋はそう言うと、リビング隣の自室へ向かった。
リサ「メイドさんもいなくなったら、夕飯はどうすればいい?」
善場「リサが作れb……いえ、外食でも出前でもすればいいでしょう」
善場は一瞬、リサが作れば良いと言い掛けたが、愛原が食べる物に『何か』を投入する恐れがあったので、それは言い止めた。
リサ「じゃあ、着替えてくるね」
リサはそう言って、エレベーターに乗り込むと、自室のある4階に向かった。
リサの部屋は、エレベーターのすぐ横にある。
制服から私服に着替えた。
さすがの制服は洗濯機で洗えないが、消臭スプレーをしたりはした。
下着はスポーツタイプの物ではなく、普通のブラショーツにする。
真冬だというのに、半袖のTシャツとデニムのショーパンを穿いた。
そして、急いで3階に戻る。
脱衣カゴに、抜いだブラウスや下着、バッグに中に入れていたブルマを入れた。
それから、リビングに戻る。
リサ「お待たせ」
善場「それでは、事情聴取を開始致します。……隣、高橋助手が寝てますけど、大丈夫ですかね?防音になってませんよね?」
パール「まあ、マサは1度寝落ちすると、なかなか起きないので。それに、耳栓もあるから、それを使えばいいと思いますよ」
善場「そうですか」
パール「何でしたら、私が『極上のもみコース』でマサを眠らせてきます」
善場「どうぞご勝手に」
パールは高橋と共同で使用している隣の部屋に向かった。
善場「あの人、普通のメイド喫茶で働いてるの?」
リサ「うーん……。少なくとも、メイドコス風俗ではないらしいけど……。普通のメイド喫茶ではないらしい」
善場「やっぱり。『昼のお店』(メイド喫茶)と『夜のお店』(メイド風俗)の間のお店ってところかしら」
リサ「そうかも」
善場「まあ、いいわ。まず、攫われた時の状況なんだけど……」
リサ「もう、すぐ、そこ!家まであと数メートルの所で攫われたの!」
善場「直接、現場を教えてくれる?」
リサ「分かった。ちょっとパーカー持って来る」
リサは再び自室に戻って、パーカーを羽織ってきた。
さすがに家の外では、半袖のままでは寒いようだ。
1階までエレベーターで下りると、車の中で待機していた善場の部下も降りて来た。
リサ「ここで、黒いワンボックスが2台やってきて、わたしを挟み撃ちにしたの」
善場「やはりそうでしたか。ここはちょうど、住宅の塀と塀の間ですね。つまり、住宅の住人からも見えない位置にあります。よく下調べをしたものです」
リサ「黒い着物を着た男達に掴まれた後、首に麻酔注射みたいなものを打たれたり、“鬼ころし”を一気飲みさせられたりして、もう抵抗できなくなって……」
善場「“鬼ころし”が『鬼封じの酒』ということも知っていることから、やはり栗原家の犯行で間違いないようですね。分かりました。家に戻りましょう」
善場の部下は、デジカメを持って現場の撮影をしたり、チョークで印を付けたりしていた。
家の中に戻ると、善場の部下は再び車の中で待機する。
リサと善場は、エレベーターで3階に戻った。
リサ「気が付いたら、狭い空間に閉じ込められてて……」
外が暴走族達の怒号で騒がしかったこと、例の関連施設に連れ込まれた話をした。
善場「分かりました。人間だった栗原蓮華を最後に見たのは、地下の大広間ということですね?」
リサ「そう。全身包帯だらけだったけど、匂いですぐに分かった。左足は義足だったし」
善場「分かりました。栗原家は、それまでの間にも、何か『薬』を作っていたのですね?」
リサ「そんな感じなこと言ってた。それをわたしの血に混ぜると、元に戻るんだって。実際は違ったけど」
確かに、イチカこと日本版リサ・トレヴァー『1番』に食い千切られた左足は再生し、火傷の痕やケロイドなんかもきれいさっぱり無くなった。
しかし、代わりに人間であることを辞めてしまった。
善場「その薬の出所が気になりますね。まあ、だいたい想像つきますけど」
善場は自分のスマホを取り出すと……。
善場「善場です。大至急、富士宮を押さえて」
とだけ言った。
それを聞いたリサ、ピンと来るものがあった。
リサ「富士宮って、もしかして、愛原先生の伯父さん?」
善場「ええ」
リサ「で、でも、伯父さんの薬は回収したはずじゃ?」
善場「造った本人ですからね、材料と機材さえあれば、また造れるでしょう。おおかた、どこかで情報を仕入れた栗原家が、大金を積んで愛原公一『容疑者』に、例の薬を造らせたのでしょう」
リサ「既に容疑者!?」
善場「逮捕状は後から請求します。取り急ぎ、まずは地元県警に依頼して、任意同行という形で身柄の確保を……」
リサ(どういう法律でタイーホするんだろう?)
リサは気になったが、難しい法律の話をされて頭痛を起こすのはカンベンと思い、それは黙ってておいた。
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