書斎の仕掛けを解いて、天井裏に潜り込んだユタ。
屋根裏部屋もまた書庫になっていたが、こちらはそんなに大量の本が置いてあるわけではなかった。
そりゃそうだろう。
一冊何キロもあるような厚くて大きな本が大量に置かれていたら、すぐに2階の天井をぶち抜いてしまう。
そんな本に隠されるようにしてあったのは、1台の耐火金庫。
耐火金庫だってそれなりの重量だと思うが、どうやら梁の上に置かれているらしく、そこにある分には大丈夫らしい。
その金庫には、暗証番号を入力するダイヤルが付いていた。
『□□□‐□□□□ □□□□』
「これは……?」
イリーナの手記にあった、ユタが元信徒なら分かる数字だというのがヒントのようだが……。
「えー?何だろう?最初のハイフン付の7桁の数字って……電話番号かなぁ……?でも正証寺の電話番号、都内だから03の次は8桁だぞ?残りの4桁はそのうちの4つかなぁ……。えーと……」
【ユタ、謎解きに時間が掛かり、30分経過したので、この間はカット致します<m(__)m>】
で……。
「あー、最初の7桁は418-0116か。大石寺の郵便番号じゃん。で、次の4桁は……2057……と」
ピーン♪
ガチャ。
「……開いた」
イリーナがあえて、『大石寺の元信徒』というのがヒントだった。
日蓮正宗とか法華講とかは言っていない。
開けてみると、中にあったのは2冊の本。
1冊はA4サイズの本で、厚さは3センチほど。
もう1冊はB5サイズで、冊子といっていいほどの厚さしか無い。
厚い方は英語で書かれていて、著者の名前がジョエル・R・セイカーとなっていた。
聞いたことも無いが、開いてみるとこれもまた日記だというのが分かった。
「!?」
所々に出て来るのはマリアの名前。
読み進めてみると、マリアを『かわいい孫』と呼んでいるので、どうやらマリアの祖父らしい?
「……?」
最初のうちは、どうしてこれが重要なものなのか分からなかった。
ジョエルという名の男は、普通に祖父として孫を愛しむ内容の日記を書いているだけだったからだ。
どこにも怪しい所は無い。
まあ、そもそも一祖父の日記がどうしてこんな所にあるのかという疑問符は消えないが。
マリアと名字が違うが、そういうことも珍しくはない。
ユタだって、母方の実家は稲生という姓ではないからだ。
実際、マリアの母親を『娘』と呼んでいるので、そうなのだろう。
……ってことで、やっぱり怪しい所は無い。
ただ、中盤くらいになって、やっとユタの興味を引く内容が現れた。
どうやらきっかけは、セイカー氏が教会を訪れた際、そこの牧師に言われたことだという。
『牧師は私の娘や孫に、何か特別な力が宿っていると言っていた。娘の方はもう弱くなっているが、まだ幼い孫の方はとてつもない大きな力を持っているのだと』
(まあ、魔道師ができるくらいだからなぁ……。僕もクリスチャンだったら、同じことを言われてたのかな?)
仏教ではそんな力を全く信用しないのか、1度も言われたことがない。
しかしその力で威吹を復活させ、何年も生活や行動を共にしたのは事実だ。
更にユタはもっと興味を引く内容を目にする。
そもそもマリア達は移民なのだという。
ただ、そんなに政情不安な所に住んでいたわけでもないのに、何ゆえと思っていたのだが……。
『ある時、私の元に1人の女が訪ねてきた。そして、私に突拍子も無いことを言い出したのだ。「成長したらあなたのお孫さんを魔道師にしたい」と。そして私に、セイカー家の歴史について教えて来た。私の祖先はもっと東の、帝国時代のロシアの一貴族であり、姓はヤノフといったそうだ。……』
更に少し日付は飛んで、セイカー氏が自分の祖先について調べ、女性訪問者の言っていることが全て正しいことを知った。
女を信用できなかったセイカー氏は、半ば逃げるようにしてイギリスに移住したとか書いてあった。
随分、いきなり突拍子も無い国外逃亡だが、よほど危険を感じたのだろうか。
結局それが、マリアに悲劇をもたらすことになるとは……。
(この女って、誰なんだろう?まさか、イリーナ……先生じゃないだろうなぁ?)
更に読み進めて行くと、マリアの両親の死について書かれていた。
どちらも事故死だという。
(セイカー氏はセイカー氏で、祖先の古城を探しに旅行中だった?)
『魔の者の圧力が高まってきた。ついに奴らは娘夫婦を殺し、私や孫の命まで狙ってきておる。その前に、ヤノフ家が使用していた城の場所を突き止めなければ……。このままでは、孫の命も危ない』
セイカー氏はまだ存命中なのか。
『魔の者とは悪魔の一種であると言えるが、どうも牧師に聞いても的を得ない。何とかそれに抗しうる力、方法を手に入れなければ……』
『またあの女が私の元へやってきた。マリアンナが15歳を迎えたので、魔道師にするかどうかを決断せよという。魔道師になれば、魔の者もおいそれとは手出しができまい、と』
(何かこれ、イリーナ先生の気がするなぁ……)
『広大なロシアを探すには時間が掛かる。何とかしてヤノフ城を見つける方法は無いものか』
「ん?ヤノフ?あれ?どこかで聞いたような……?」
ユタは長野へ行く途中、埼京線内で藤谷と会ったことを思い出した。
北海道に新しく作るテーマパークの目玉アトラクションとして、ヨーロッパの古城を移築すると言っていたような……?
「いや、まさかね……。いくら何でもそんな偶然……」
藤谷から1枚の資料を渡された記憶が蘇る。
あそこにヨーロッパのどこから、何て名前の城を移築するのか書いてあったはずだ。
「カバンの中に入っているはず……。戻ってみよう」
因みに薄い方の本には、どういうわけだか、イリーナの手記の要点部分とセイカー氏の手記の要点部分が書いてあった。
最後のページには、『マリアにはこれを渡すように』と、イリーナのサインが入った付箋が貼られていた。
「うーむ……」
ユタがマリアの部屋(本来はイリーナの部屋)に戻ると、マリアがベッドの上でうつ伏せになっていた。
(寝てるのか。静かに、そーっと……)
しかし、
「ユウタ……」
「あっ、すいません!起こしちゃいました?」
「ユウタ君……」
起き上がったマリアは、複雑な顔をしていた。
泣き笑いというのか?目からは涙が溢れているのに、顔は笑っている。……正確に言えば、笑いを堪えて……堪え切れずに漏れているような顔?といった感じだ。
「ま、マリアさん?どうしたんですか!?」
「どうしよう……?私……どうしたらいいのォ……!」
「ですから、ここで休んでてください。だいぶ、奥で資料を見つけましたから。ただ、まだ肝心のイリーナ先生の足取りは……」
「違うの!私……わたし……に、妊娠しちゃったみたいなの!」
「はあ!?」
「…………」
「……お相手は誰ですか?僕でないことは確かですよね???」
「……分からない」
「えーっと……あっ、そうだ!実際そうなのか、確かめてみましょう!」
ユタは書斎で妊娠検査薬を見つけたことを思い出した。
(しっかし、これで陽性だったら、どういうことなんだ???)
で、結果は陰性。
「良かったですねぇ!」
「でも、魔法を使い過ぎた後の症状にしてはおかしいことばかりが続いて……」
「それまでもお疲れだったから、風邪の症状とかも出たんじゃないですか?」
「んー?」
「じゃあ僕、まだ調べることがあるんで」
「ああ……うん」
ユタは自分が荷物を置いていた部屋に向かった。
(あー、良かった良かった……)
マリアもそうだが、ユタも心からホッとしていた。
「ん?」
すると、食堂に何か気配を感じる。
「ま、まさか……!?」
あの謎の老紳士だろうか?イリーナだと……いうわけがないか。
「よ、よし」
ユタは一応、用心の為のハンドガンを手に食堂へ向かった。
屋根裏部屋もまた書庫になっていたが、こちらはそんなに大量の本が置いてあるわけではなかった。
そりゃそうだろう。
一冊何キロもあるような厚くて大きな本が大量に置かれていたら、すぐに2階の天井をぶち抜いてしまう。
そんな本に隠されるようにしてあったのは、1台の耐火金庫。
耐火金庫だってそれなりの重量だと思うが、どうやら梁の上に置かれているらしく、そこにある分には大丈夫らしい。
その金庫には、暗証番号を入力するダイヤルが付いていた。
『□□□‐□□□□ □□□□』
「これは……?」
イリーナの手記にあった、ユタが元信徒なら分かる数字だというのがヒントのようだが……。
「えー?何だろう?最初のハイフン付の7桁の数字って……電話番号かなぁ……?でも正証寺の電話番号、都内だから03の次は8桁だぞ?残りの4桁はそのうちの4つかなぁ……。えーと……」
【ユタ、謎解きに時間が掛かり、30分経過したので、この間はカット致します<m(__)m>】
で……。
「あー、最初の7桁は418-0116か。大石寺の郵便番号じゃん。で、次の4桁は……2057……と」
ピーン♪
ガチャ。
「……開いた」
イリーナがあえて、『大石寺の元信徒』というのがヒントだった。
日蓮正宗とか法華講とかは言っていない。
開けてみると、中にあったのは2冊の本。
1冊はA4サイズの本で、厚さは3センチほど。
もう1冊はB5サイズで、冊子といっていいほどの厚さしか無い。
厚い方は英語で書かれていて、著者の名前がジョエル・R・セイカーとなっていた。
聞いたことも無いが、開いてみるとこれもまた日記だというのが分かった。
「!?」
所々に出て来るのはマリアの名前。
読み進めてみると、マリアを『かわいい孫』と呼んでいるので、どうやらマリアの祖父らしい?
「……?」
最初のうちは、どうしてこれが重要なものなのか分からなかった。
ジョエルという名の男は、普通に祖父として孫を愛しむ内容の日記を書いているだけだったからだ。
どこにも怪しい所は無い。
まあ、そもそも一祖父の日記がどうしてこんな所にあるのかという疑問符は消えないが。
マリアと名字が違うが、そういうことも珍しくはない。
ユタだって、母方の実家は稲生という姓ではないからだ。
実際、マリアの母親を『娘』と呼んでいるので、そうなのだろう。
……ってことで、やっぱり怪しい所は無い。
ただ、中盤くらいになって、やっとユタの興味を引く内容が現れた。
どうやらきっかけは、セイカー氏が教会を訪れた際、そこの牧師に言われたことだという。
『牧師は私の娘や孫に、何か特別な力が宿っていると言っていた。娘の方はもう弱くなっているが、まだ幼い孫の方はとてつもない大きな力を持っているのだと』
(まあ、魔道師ができるくらいだからなぁ……。僕もクリスチャンだったら、同じことを言われてたのかな?)
仏教ではそんな力を全く信用しないのか、1度も言われたことがない。
しかしその力で威吹を復活させ、何年も生活や行動を共にしたのは事実だ。
更にユタはもっと興味を引く内容を目にする。
そもそもマリア達は移民なのだという。
ただ、そんなに政情不安な所に住んでいたわけでもないのに、何ゆえと思っていたのだが……。
『ある時、私の元に1人の女が訪ねてきた。そして、私に突拍子も無いことを言い出したのだ。「成長したらあなたのお孫さんを魔道師にしたい」と。そして私に、セイカー家の歴史について教えて来た。私の祖先はもっと東の、帝国時代のロシアの一貴族であり、姓はヤノフといったそうだ。……』
更に少し日付は飛んで、セイカー氏が自分の祖先について調べ、女性訪問者の言っていることが全て正しいことを知った。
女を信用できなかったセイカー氏は、半ば逃げるようにしてイギリスに移住したとか書いてあった。
随分、いきなり突拍子も無い国外逃亡だが、よほど危険を感じたのだろうか。
結局それが、マリアに悲劇をもたらすことになるとは……。
(この女って、誰なんだろう?まさか、イリーナ……先生じゃないだろうなぁ?)
更に読み進めて行くと、マリアの両親の死について書かれていた。
どちらも事故死だという。
(セイカー氏はセイカー氏で、祖先の古城を探しに旅行中だった?)
『魔の者の圧力が高まってきた。ついに奴らは娘夫婦を殺し、私や孫の命まで狙ってきておる。その前に、ヤノフ家が使用していた城の場所を突き止めなければ……。このままでは、孫の命も危ない』
セイカー氏はまだ存命中なのか。
『魔の者とは悪魔の一種であると言えるが、どうも牧師に聞いても的を得ない。何とかそれに抗しうる力、方法を手に入れなければ……』
『またあの女が私の元へやってきた。マリアンナが15歳を迎えたので、魔道師にするかどうかを決断せよという。魔道師になれば、魔の者もおいそれとは手出しができまい、と』
(何かこれ、イリーナ先生の気がするなぁ……)
『広大なロシアを探すには時間が掛かる。何とかしてヤノフ城を見つける方法は無いものか』
「ん?ヤノフ?あれ?どこかで聞いたような……?」
ユタは長野へ行く途中、埼京線内で藤谷と会ったことを思い出した。
北海道に新しく作るテーマパークの目玉アトラクションとして、ヨーロッパの古城を移築すると言っていたような……?
「いや、まさかね……。いくら何でもそんな偶然……」
藤谷から1枚の資料を渡された記憶が蘇る。
あそこにヨーロッパのどこから、何て名前の城を移築するのか書いてあったはずだ。
「カバンの中に入っているはず……。戻ってみよう」
因みに薄い方の本には、どういうわけだか、イリーナの手記の要点部分とセイカー氏の手記の要点部分が書いてあった。
最後のページには、『マリアにはこれを渡すように』と、イリーナのサインが入った付箋が貼られていた。
「うーむ……」
ユタがマリアの部屋(本来はイリーナの部屋)に戻ると、マリアがベッドの上でうつ伏せになっていた。
(寝てるのか。静かに、そーっと……)
しかし、
「ユウタ……」
「あっ、すいません!起こしちゃいました?」
「ユウタ君……」
起き上がったマリアは、複雑な顔をしていた。
泣き笑いというのか?目からは涙が溢れているのに、顔は笑っている。……正確に言えば、笑いを堪えて……堪え切れずに漏れているような顔?といった感じだ。
「ま、マリアさん?どうしたんですか!?」
「どうしよう……?私……どうしたらいいのォ……!」
「ですから、ここで休んでてください。だいぶ、奥で資料を見つけましたから。ただ、まだ肝心のイリーナ先生の足取りは……」
「違うの!私……わたし……に、妊娠しちゃったみたいなの!」
「はあ!?」
「…………」
「……お相手は誰ですか?僕でないことは確かですよね???」
「……分からない」
「えーっと……あっ、そうだ!実際そうなのか、確かめてみましょう!」
ユタは書斎で妊娠検査薬を見つけたことを思い出した。
(しっかし、これで陽性だったら、どういうことなんだ???)
で、結果は陰性。
「良かったですねぇ!」
「でも、魔法を使い過ぎた後の症状にしてはおかしいことばかりが続いて……」
「それまでもお疲れだったから、風邪の症状とかも出たんじゃないですか?」
「んー?」
「じゃあ僕、まだ調べることがあるんで」
「ああ……うん」
ユタは自分が荷物を置いていた部屋に向かった。
(あー、良かった良かった……)
マリアもそうだが、ユタも心からホッとしていた。
「ん?」
すると、食堂に何か気配を感じる。
「ま、まさか……!?」
あの謎の老紳士だろうか?イリーナだと……いうわけがないか。
「よ、よし」
ユタは一応、用心の為のハンドガンを手に食堂へ向かった。
フィルム巻くときの自動の音とか。
ユタさんはフィルムカメラ使ったことありますよね?
……おっと、失礼。
私はスマホを買うまで、旅行の時は使い捨てカメラを使ってました。
自動巻きではなく、巻く際のジーコジーコが何ともウザかったですw
乗客を冷静に避難誘導すべきCAがテンパってたってンだから。
これで少しは韓流オバハン共の目が覚めればいいが、たぶん懲りないだろうな。
https://www.google.co.jp/search?q=%E3%82%B3%E3%83%8B%E3%82%AB+c35&lr=lang_ja&hl=ja&biw=1280&bih=589&tbs=lr:lang_1ja&tbm=isch&imgil=QCfWbybpMUeA5M%253A%253BFeOl6HPv0wQR4M%253Bhttp%25253A%25252F%25252Fhomepage2.nifty.com%25252Fkunisaki%25252Fphoto-club%25252Fcolumn%25252Fshasinkihyou_11.htm&source=iu&pf=m&fir=QCfWbybpMUeA5M%253A%252CFeOl6HPv0wQR4M%252C_&usg=__mqHK9WYZ7oZohP5gdLir0N7GOro%3D&ved=0CCUQyjc&ei=kmsuVeinAYji8gXln4HoAg#imgrc=_
金持ちですねーwww
写ルンですの方ですよw
そうそう。
ユタさんのお宝画像を公開してください。
美人駅員&車掌&運転手なんかがいいな。
アシアナ航空といい、あの半島に関わると本当ロクなことが無いですな~。
あいにくと、人を被写体とすることはありませんので……。
仮ラスボス用にダウンロードした茜オバハンの写真なら、【お察しください】。
ところでチョンガーという言葉もありますがこれは朝鮮語からの借用語なんですねー。
例浅井センセー「お前はチョンガーだのうwwwワシと違ってチョンガーだのうwwwさみしくないのかのぉwww」