[8月22日09:00.天候:曇 東京都千代田区丸の内 JR東京駅]
私達を乗せたタクシーは東京駅の八重洲口に停車した。
高橋:「先生、ここは俺が払っておきますんで」
助手席に座っていた高橋がそう言ってくれる。
愛原:「ああ、すまない」
リアシートに乗っていた私とリサは先に降りて、トランクから荷物を取り出した。
高橋:「お待たせしました」
愛原:「領収書はもらったか?」
高橋:「もちっス!」
どうやら高橋、Pasmoで払ったらしい。
最近のタクシーは色々な支払方法があるから便利だ。
愛原:「タクシー代は後で支給するから」
高橋:「あざっす!」
タクシーを降りて、私達はすぐに駅構内に入った。
高橋:「どの列車にしますか?」
愛原:「なるべく早く出発して、且つ早く仙台駅に着く奴だ。なるべく停車駅の少ない……」
コロナ禍のせいなのか、ヘタすれば普通に歩くのも難しいくらい賑わう東京駅が、普通に歩けるくらいの閑散ぶりだった。
いや、在来線乗り場は普通の旅客数だと思うが。
取りあえず私達は自動券売機で自由席のキップを買うと、その足で改札口に向かった。
愛原:「多分混んでないだろう」
高橋:「ていうか多分、ガラ空きだと思います」
愛原:「だな!」
改札口を通過し、在来線コンコースに入る。
そして今度は新幹線改札口を通った。
愛原:「しまった!一番速い“はやぶさ”は全席指定だった!」
高橋:「どうします?どこか窓口で……」
リサ:「ねぇ、先生。あれは?」
リサが発車標を指さした。
すると何ということか、停車駅が“はやぶさ”並みに少ない“やまびこ”を発見した。
あれなら自由席でも乗れる。
愛原:「あれだ!でかした、リサ!」
リサ:(*´σー`)エヘヘ
高橋:「よくあんな遠い看板見えるなぁ……」
リサは第0形態でも身体能力は人外並みに優れている。
視力だって、2.0以上は絶対にあるはずだ。
斉藤絵恋:「リサさん!」
と、そこへ斉藤さんの声がした。
リサ:「サイトー!?」
斉藤秀樹:「やあ、どうも、愛原さん」
斉藤秀子:「おはようございます。愛原さん」
愛原:「斉藤社長に、奥様……」
てか奥様、初登場じゃね?
絵恋:「もしかしてリサさんも、那須の別荘に!?」
リサ:「違う。仙台まで行くの」
秀樹:「帰省ですか?」
愛原:「そうなんです。本当はコロナ禍で控えるつもりだったんですが、例のガス爆発事件、実家の近所なんです」
秀樹:「それは大変だ!何でも地中にガスボンベが埋まっていて、それが爆発したらしいですよ」
愛原:「ニュースでやってたんですか?」
秀樹:「いえ。うちの会社の仙台支社の人間があの辺に住んでいますので、そこからの報告です」
愛原:「なので、ちょっと心配なので駆け付けに行くところです」
秀樹:「それは緊急ですね。誰がどう見ても不要不急の帰省ではない。これなら小池都知事も、自粛警察も文句は無いでしょう」
斉藤社長に自粛警察と同等の扱いされる小池都知事w
愛原:「というわけで、私達は9時24分発の“やまびこ”で行きます」
秀樹:「ちょうど仙台行きですね。私達はその1つ前の“なすの”です」
愛原:「向こうで何か分かったら、教えてください。もし見舞金が必要でしたら、すぐに御用意致します」
ビジネスライクにさらりと不謹慎なことを言う斉藤社長。
これくらいでないと、大企業の経営者にはなれないのだろうか。
絵恋:「じゃあね、リサさん」
リサ:「うん。お土産は甘い物でよろしく」
絵恋:「わ、分かったわ!」
リサもリサで食欲に勝てないのだった。
〔21番線の電車は、9時24分発、“やまびこ”131号、仙台行きと“つばさ”131号、山形・新庄行きです。……〕
ホームに上がると既に列車は停車していて、折り返し車内清掃が行われていた。
確かにホームには、あまり人がいなかった。
明らかに在来線よりも人がいない。
高橋:「先生。御実家にお土産買って行ったらどうっスか?」
愛原:「ん?そうだな……」
私は売店に寄った。
愛原:「ああ、“やまびこ”には車内販売が無いから、飲み物やら何やら今のうちに買っておけよ」
高橋:「了解っス」
リサ:「了解っス」
私は取りあえず、オーソドックスに“ひよこサブレー”でも買って行くことにした。
〔「21番線、お待たせ致しました。まもなくドアが開きます。乗車口までお進みください。……」〕
買い物をしている間に車内清掃が終わり、ドアが開いた。
愛原:「おっ、もう乗れるみたいだ。早いとこ行こう」
高橋:「はいっ!……おいリサ、早いとこ決めろ!」
リサ:「はーい」
買い物を済ませて、私達は列車に乗ろうとした。
高橋:「先生、まだ一服する時間はありますか?」
愛原:「ん?そうだな……」
新幹線ホームには喫煙所がある。
しょうがないので、1番後ろの車両まで行った。
近い所がホームの一番南側だったからだ。
愛原:「俺達は先に乗ってるから、乗れ遅れないように来いよ」
高橋:「了解です。ちょっぱやで吸ってきます」
私とリサは1号車に乗り込んだ。
そして、まるまる空いている3人席に座る。
愛原:「リサ、窓側でいいよ」
リサ:「はーい!」
リサはホイホイと窓側に座った。
私は荷物を網棚に上げた。
そして真ん中席に座ると、スマホでニュースをチェックする。
ニュースでは斉藤社長の言ってた通り、地中に埋められていたガスボンベが何本も爆発したという。
そのボンベが爆発した所というのは、もう何十年も前から空き家になっていた所らしい。
えー?空き家なんてあったかなぁ……?
あ……いや、何かあったような気がする。
小学生の頃、友達と何人かで肝試しに行ったことがあったが、あそこだろうか。
てか、まだ空き家だったのか。
〔「9時24分発、東北新幹線“やまびこ”131号、仙台行きと山形新幹線“つばさ”131号、山形・新庄行きです。途中、上野、福島に止まります。“やまびこ”号は福島を出ますと、終点仙台に止まります。“つばさ”号は福島を出ますと、米沢、山形、天童、さくらんぼ東根、村山、大石田、終点新庄の順に止まります。停車駅の少ない列車です。停車駅にご注意ください。まもなくの発車となります。ご乗車になりまして、お待ちください」〕
発車の時間が刻々と迫る。
高橋:「お待たせしました、先生」
そこへ高橋が戻って来た。
愛原:「おっ、ギリギリだったな」
高橋:「サーセン。吸い溜めしてたもんで……」
愛原:「まあいいさ。通路側でいいだろ?」
高橋:「どこでもOKっス」
そう言って、高橋は通路側の私の隣の席に座った。
しばらくして、私達の列車は定刻に発車した。
果たして、現場は一体どういう状況なのだろうか?
そして、私の両親は無事なのだろうか?
私達を乗せたタクシーは東京駅の八重洲口に停車した。
高橋:「先生、ここは俺が払っておきますんで」
助手席に座っていた高橋がそう言ってくれる。
愛原:「ああ、すまない」
リアシートに乗っていた私とリサは先に降りて、トランクから荷物を取り出した。
高橋:「お待たせしました」
愛原:「領収書はもらったか?」
高橋:「もちっス!」
どうやら高橋、Pasmoで払ったらしい。
最近のタクシーは色々な支払方法があるから便利だ。
愛原:「タクシー代は後で支給するから」
高橋:「あざっす!」
タクシーを降りて、私達はすぐに駅構内に入った。
高橋:「どの列車にしますか?」
愛原:「なるべく早く出発して、且つ早く仙台駅に着く奴だ。なるべく停車駅の少ない……」
コロナ禍のせいなのか、ヘタすれば普通に歩くのも難しいくらい賑わう東京駅が、普通に歩けるくらいの閑散ぶりだった。
いや、在来線乗り場は普通の旅客数だと思うが。
取りあえず私達は自動券売機で自由席のキップを買うと、その足で改札口に向かった。
愛原:「多分混んでないだろう」
高橋:「ていうか多分、ガラ空きだと思います」
愛原:「だな!」
改札口を通過し、在来線コンコースに入る。
そして今度は新幹線改札口を通った。
愛原:「しまった!一番速い“はやぶさ”は全席指定だった!」
高橋:「どうします?どこか窓口で……」
リサ:「ねぇ、先生。あれは?」
リサが発車標を指さした。
すると何ということか、停車駅が“はやぶさ”並みに少ない“やまびこ”を発見した。
あれなら自由席でも乗れる。
愛原:「あれだ!でかした、リサ!」
リサ:(*´σー`)エヘヘ
高橋:「よくあんな遠い看板見えるなぁ……」
リサは第0形態でも身体能力は人外並みに優れている。
視力だって、2.0以上は絶対にあるはずだ。
斉藤絵恋:「リサさん!」
と、そこへ斉藤さんの声がした。
リサ:「サイトー!?」
斉藤秀樹:「やあ、どうも、愛原さん」
斉藤秀子:「おはようございます。愛原さん」
愛原:「斉藤社長に、奥様……」
てか奥様、初登場じゃね?
絵恋:「もしかしてリサさんも、那須の別荘に!?」
リサ:「違う。仙台まで行くの」
秀樹:「帰省ですか?」
愛原:「そうなんです。本当はコロナ禍で控えるつもりだったんですが、例のガス爆発事件、実家の近所なんです」
秀樹:「それは大変だ!何でも地中にガスボンベが埋まっていて、それが爆発したらしいですよ」
愛原:「ニュースでやってたんですか?」
秀樹:「いえ。うちの会社の仙台支社の人間があの辺に住んでいますので、そこからの報告です」
愛原:「なので、ちょっと心配なので駆け付けに行くところです」
秀樹:「それは緊急ですね。誰がどう見ても不要不急の帰省ではない。これなら小池都知事も、自粛警察も文句は無いでしょう」
斉藤社長に自粛警察と同等の扱いされる小池都知事w
愛原:「というわけで、私達は9時24分発の“やまびこ”で行きます」
秀樹:「ちょうど仙台行きですね。私達はその1つ前の“なすの”です」
愛原:「向こうで何か分かったら、教えてください。もし見舞金が必要でしたら、すぐに御用意致します」
ビジネスライクにさらりと不謹慎なことを言う斉藤社長。
これくらいでないと、大企業の経営者にはなれないのだろうか。
絵恋:「じゃあね、リサさん」
リサ:「うん。お土産は甘い物でよろしく」
絵恋:「わ、分かったわ!」
リサもリサで食欲に勝てないのだった。
〔21番線の電車は、9時24分発、“やまびこ”131号、仙台行きと“つばさ”131号、山形・新庄行きです。……〕
ホームに上がると既に列車は停車していて、折り返し車内清掃が行われていた。
確かにホームには、あまり人がいなかった。
明らかに在来線よりも人がいない。
高橋:「先生。御実家にお土産買って行ったらどうっスか?」
愛原:「ん?そうだな……」
私は売店に寄った。
愛原:「ああ、“やまびこ”には車内販売が無いから、飲み物やら何やら今のうちに買っておけよ」
高橋:「了解っス」
リサ:「了解っス」
私は取りあえず、オーソドックスに“ひよこサブレー”でも買って行くことにした。
〔「21番線、お待たせ致しました。まもなくドアが開きます。乗車口までお進みください。……」〕
買い物をしている間に車内清掃が終わり、ドアが開いた。
愛原:「おっ、もう乗れるみたいだ。早いとこ行こう」
高橋:「はいっ!……おいリサ、早いとこ決めろ!」
リサ:「はーい」
買い物を済ませて、私達は列車に乗ろうとした。
高橋:「先生、まだ一服する時間はありますか?」
愛原:「ん?そうだな……」
新幹線ホームには喫煙所がある。
しょうがないので、1番後ろの車両まで行った。
近い所がホームの一番南側だったからだ。
愛原:「俺達は先に乗ってるから、乗れ遅れないように来いよ」
高橋:「了解です。ちょっぱやで吸ってきます」
私とリサは1号車に乗り込んだ。
そして、まるまる空いている3人席に座る。
愛原:「リサ、窓側でいいよ」
リサ:「はーい!」
リサはホイホイと窓側に座った。
私は荷物を網棚に上げた。
そして真ん中席に座ると、スマホでニュースをチェックする。
ニュースでは斉藤社長の言ってた通り、地中に埋められていたガスボンベが何本も爆発したという。
そのボンベが爆発した所というのは、もう何十年も前から空き家になっていた所らしい。
えー?空き家なんてあったかなぁ……?
あ……いや、何かあったような気がする。
小学生の頃、友達と何人かで肝試しに行ったことがあったが、あそこだろうか。
てか、まだ空き家だったのか。
〔「9時24分発、東北新幹線“やまびこ”131号、仙台行きと山形新幹線“つばさ”131号、山形・新庄行きです。途中、上野、福島に止まります。“やまびこ”号は福島を出ますと、終点仙台に止まります。“つばさ”号は福島を出ますと、米沢、山形、天童、さくらんぼ東根、村山、大石田、終点新庄の順に止まります。停車駅の少ない列車です。停車駅にご注意ください。まもなくの発車となります。ご乗車になりまして、お待ちください」〕
発車の時間が刻々と迫る。
高橋:「お待たせしました、先生」
そこへ高橋が戻って来た。
愛原:「おっ、ギリギリだったな」
高橋:「サーセン。吸い溜めしてたもんで……」
愛原:「まあいいさ。通路側でいいだろ?」
高橋:「どこでもOKっス」
そう言って、高橋は通路側の私の隣の席に座った。
しばらくして、私達の列車は定刻に発車した。
果たして、現場は一体どういう状況なのだろうか?
そして、私の両親は無事なのだろうか?
コメ欄を読む限り、特定の信仰をしているだけでアウトだということが露呈された。
だから私は折伏相手には、「入信すると結婚できなくなるけど大丈夫?」と聞くようにしている。
もちろん私服はそれぞれ別に持って来ているのだが、これは愛原の両親に挨拶する為らしい。
服装に気を使うのはけして悪いことではないのだが、愛原はどうしても穿った見方をしてしまうのだった。