報恩坊の怪しい偽作家!

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 実際のものとは異なります。

“大魔道師の弟子” 「帰省3日目」 2

2018-09-12 10:18:20 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[8月28日10:30.天候:晴 東京都千代田区外神田→神田花岡町 JR秋葉原駅→ヨドバシカメラ]

 稲生達を乗せた京浜東北線快速電車が秋葉原駅のホームに滑り込む。
 並行する山手線と違い、まるでポイントで副線に入るかのように前後がカーブしている為、ホーム出入の際は大きく揺れる。

〔あきはばら〜、秋葉原〜。ご乗車、ありがとうございます。次は、神田に止まります〕

 ドアが開くと大勢の乗客達がホームに降りて行く。
 稲生とマリアもそれに続いた。

 稲生:「ヨドバシなら、さいたま新都心にもあるだろうというツッコミが来そうですが……」
 マリア:「作者の都合だろ、どうせ」

 そうそう。……って、おい!
 かくいう作者は横着して、大宮ビックカメラに……おや、会社から電話?何だろう?

 稲生:「取りあえず、買う候補は決まっているので、そこへ直行しましょう」
 マリア:「ああ、分かった」

〔まあるい緑の山手線♪真ん中通るは中央線♪新宿西口駅前と〜♪アキバのヨドバシカ・メ・ラ♪〕

 多摩:「カットカット!雲羽、上の歌詞間違うとる!」
 雲羽:「え?どこですか?」
 多摩:「ここ、ここ!点が抜けてる!」
 雲羽:「ああ、なるほど。顕正会版と日蓮正宗版の御経本で、1ヶ所マルの位置が違うのと同じですね」
 多摩:「そんなの知らん!」
 雲羽:「正解は、こう↓」

〔まあるい緑の山手線♪真ん中通るは中央線♪新宿西口、駅前と〜♪アキバのヨドバシカ・メ・ラ♪〕

 多分これ、意味を知らない人には思いっ切り些事だと思う。
 顕正会版と日蓮正宗版の御経本、『止舎利弗』と『止。舎利弗』の違いの意味を知らないと些事に見えるのと同じ。

 稲生:「それじゃ4階に行きましょう」
 マリア:「4階ね」

 稲生とマリアはエスカレーターで上に上がり……。

 警備隊長:「おい、雲羽!」
 雲羽:「あれ、隊長!?」
 警備隊長:「オメ何やってんだ、ここで!?」
 雲羽:「いや、ちょっと映画の撮影を……」
 警備隊長:「撮影!?オマエ、なに無断で撮影してんだ!ちょっとこっちへ来い!」
 雲羽:「いや、カンベンしてくださいよ、こっちは休み……!」

 ガシッとかつての同僚に両腕を掴まれる作者。

 警備隊長:「ヨドバシ警備隊が今デスマーチ中と知っての嫌味か、あぁっ!?」
 班長A:「ヒマヒマ部隊の隊長さんには分からないでしょうけどね、こっちは1週間休みナシなんスよ?」
 雲羽:「いや、それは知ってる!」
 班長B:「取りあえず、防災センターまで来てもらいまひょーか」

 店内無断撮影の廉でズールズールと地下の防災センターに連行される作者の図。

 マリア:「? 何か下の階が騒がしいな」
 稲生:「だから、無理して都内に出ること無かったのに……」

[同日11:00.天候:晴 ヨドバシAkiba4F AV売り場]

 店員:「このホームシアターでしたら、割とお安く……」
 稲生:「ホントだ。確かに安い。これならイリーナ先生も御納得して頂けるでしょう。どうですか、マリアさん?」
 マリア:「うーん……。正直、どれも大差無いなぁ……」
 店員:「因みにこちらの商品ですと、更にこういった機能が……」
 稲生:「あ、それは凄いですね。それじゃあ、つまり……こういうことで?」
 店員:「そうなんです。あと、こちらの方になりますと……こういったこともできます」
 稲生:「ほおほお。すると、こっちは……」
 店員:「こちらはですね……」

 段々とマリアには付いていけない話に進んで行く。

 マリア:(師匠の講義より難しい……)

 稲生と店員の間で専門用語が飛び交う。

 マリア:(段々とこの説明書が呪文の羅列に見えてきた……)

 マリアが蚊帳の外に立たされていると、どうやら商談が纏まったようだ。

 稲生:「それじゃ、これでお願いします」
 店員:「よろしいですか?ありがとうございます。それでは、レジまでご案内させて頂きます」
 稲生:「あ、マリアさん、大丈夫ですか?」
 マリア:「あ、ああ」
 稲生:「多分あれでいいと思います」
 マリア:「う、うん。そこは勇太に任せる」

 マリアはダンテやイリーナが言っていた、『男手も必要だ』の意味が少し分かったような気がした。

 マリア:「欲しいと言い出した私が言うのも何だが、設置とか大丈夫なのか?」
 稲生:「今の話を聞いていて、何とかなりそうです。ただ、1つ問題が……」
 マリア:「輸送ならエレーナにやらせるよ」
 稲生:「いえ、そういうことじゃなく、ポイントを全部使用して、ギリギリ予算内かどうかの瀬戸際なんです。もし予算オーバーしたら……」
 マリア:「そこは私から師匠に言っておくよ。勇太は設置と設定お願い」
 稲生:「分かりました。助かります」

 これが男性と女性の役割分担だと思われますが、皆さん如何でしょう?

 横田:「クフフフフフ……最近のカメラの性能の向上は、顕正会の弘通並みでありますなぁ……」
 別の店員:「この超小型レンズでしたら……あの、お客様、あくまでも防犯用ですからね?悪用はいけませんよ?」
 横田:「クフフフフフ……。靴の中に仕掛ける時代は終わりました。今はこの眼鏡に仕掛け……店舗前で『風のいたずら』を狙うのです」←店員の話を全く聞いていない。

 レジ店員:「ありがとうございまーす!」
 稲生:「どうも」
 マリア:「それじゃ、次に行こうか」
 稲生:「はい」

 もちろん稲生が持つ。
 そして、戻りはエレベーターに乗った。

 稲生:「さっき、横田理事みたいな人がいたような気がしたんですが……」
 マリア:「気のせいだろう」
 稲生:「最近の女子制服のスカートは、強風でも簡単に捲れない構造になっているとのことです」
 マリア:「それは素晴らしい。それじゃ『風のいたずら』を待ったところで……って、何で勇太が知ってるんだ!?」
 稲生:「あ、いや、その……。この前、エレーナがそんなこと言ってたもんで……」
 マリア:「あいつ、また余計なことを……。他に何か言ってた?」
 稲生:「『マリアンナのスカートは学校制服の規格じゃないから安心しな』だそうです」
 マリア:「あのバカ……!」

 こうして魔道師の買い物は終了した。
 尚、作者は警備隊の皆に一杯奢るという保釈金を確約して保釈された。
 因みに店舗側には内緒である。
 当たり前だ。

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1 コメント

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あとがき (雲羽百三)
2018-09-12 11:23:43
「あえて言おう!フィクションであると!」

 ええ、言うまでも無く、この作品は全てフィクションです。
 真に受けて店舗側にお問い合わせなど、なさらぬように……。
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