[2月22日15:00.天候:晴 東京中央学園上野高校1年5組]
坂上:「……それでは今夜、中等部3年生当時、1組から3組に所属していた人は気をつけて行ってください」
期末試験が終わった後、最後のホームルームで、担任の坂上がリサ達を前にして言った。
リサ:「最後のテストが終わった後、すぐ修学旅行なんて、なかなかハード」
絵恋:「ねー?」
もっとも、テスト前に行くよりはマシだろう。
春休み期間中に行くことも考えられたが、ただでさえ年度末は忙しいので難しいとされた。
期末試験終了後から春休みに入る前が良いということになった。
坂上:「あくまでも中等部時代、行けなかった修学旅行の代わりという形になりますので、引率は中等部の先生が行います」
なので、中等部の都合も考えなくてはならない。
中等部もまた、最後の期末試験が終了した現在においては、それ以降、事実上の春休みとなる為。
リサ:「沼沢先生が引率かぁ……」
絵恋:「あの先生も大変ねぇ」
坂上:「皆さんは中等部時代、コロナ禍の影響で、様々な行事が削られてしまいました。修学旅行まで中止になって、さぞかし悔しい思いをしたでしょうが、今回行き先を変更することにはなったものの、ようやく実行されることになりました」
中高一貫校だからできることだろう。
中高一貫校の場合、学校によっては、正式な修学旅行は高等部の1回のみという所もあるようだ(野外合宿などという形で、宿泊を伴う行事は別にある)。
東京中央学園では、あくまでも中等部や高等部の節目という意味合いを持たせるという形で、中等部に1回、高等部で1回の修学旅行が行われている(それとは別に、それぞれ1回ずつ野外合宿が行われる。中等部1年生の時のスキー合宿など)。
坂上:「というわけで、うちのクラスにはいませんが、あいにくと高等部から入学した人は対象外となります」
但し、中学時代に、その学校でも修学旅行が中止になって行けなかった場合は応相談。
坂上:「その人達にあっては、自宅または学校で自習です」
リサ:「リンは修学旅行、行けたのかなぁ……?」
絵恋:「リンさんって、上野凛さんのこと?」
リサ:「そう」
絵恋:「栃木の中学校は、修学旅行どこに行くんでしょうね?」
リサ:「東京か仙台?」
絵恋:「近くない?やっぱり一応、私達と同じで関西じゃないの?」
リサ:「そうかぁ……」
坂上:「えー……出発は23時55分ですか。で、集合は23時30分ですね。集合場所は東武浅草駅です。皆さん、遅れないように……」
ギャルA:「渋谷からザギン線で一本じゃね?」
ギャルB:「原宿からはどう行く?」
ギャルC:「表参道っしょー?」
ギャルD:「ググッてんじゃねーよw」
坂上:「何でしたら帰り際、浅草駅に行って、集合場所を確認しても構いません」
リサ:「浅草駅、前に行ったから大丈夫だよね」
絵恋:「そもそも私達、愛原先生と一緒だしね」
リサ:「あ、そうか」
[同日13:30.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原学探偵事務所]
リサと絵恋は学校から帰ると、愛原の事務所に立ち寄った。
リサ:「ただいまぁ」
絵恋:「お邪魔します」
善場:「あら?直接来たのね」
リサ:「と、善場さん!?な、何ですか?わたし、まだ人を食べてませんよ?」
絵恋:「でも、私は是非リサさんに食べられたいので、私を食べる分には、リサさんの罪は不問にしてくださーい」
善場:「違う違う。そういうことではありません。確かに、あなた達の旅行の件について、愛原所長に話があったのは事実ですが」
絵恋:「何の話ですか?」
善場:「そこは秘密です。でも、リサがどうのって話ではないので、御心配無く」
絵恋:「気になりますねぇ……」
愛原:「それより2人とも、期末テストはどうだったんだ?」
リサ:「わたしは大丈夫」
絵恋:「わ、私も何とかなるかとォ……」
愛原:「それならいいんだがな。お昼は食べたのか?」
リサ:「買ってきた」
リサはマクドナルドの袋を持っていた。
リサ:「そこで食べていい?」
そして、給湯室を指さす。
愛原:「ああ、いいよ」
リサ:「サイトー、行こう」
絵恋:「はーい」
給湯室でハンバーガーを食べてる間、愛原と善場は応接室で話をしていた。
人間形態でも、微かに話し声が聞こえるが、どうしても気になったリサは、第1形態に戻る。
これは見た目は鬼のような姿になるが、長くて尖った耳は聴力が格段に向上するのだ。
リサ:「ふーん……」
リサの耳がピクピク動く。
それを見た絵恋は……。
絵恋:「(か、カワイイ!!)萌えぇぇぇぇぇぇっ!!」
悶絶するのだった。
リサ:「サイトー、大丈夫か!?」
絵恋:「萌えへへへへへ!!」
高橋:「オメェらうるせぇっ!電話中だ!」
事務室にいた高橋は、電話機片手に給湯室にいるリサ達を怒鳴りつけた。
リサ:「兄ちゃん、ゴメン。サイトー、落ち着け!」
絵恋:「……はっ!ご、ごめんなさい!」
リサ:「いきなり悶絶するなよ」
絵恋:「ゴメンなさーい……」
リサ:「おかげで愛原先生達の話を聞き洩らした」
絵恋:「先生達の話が聞こえるの?」
リサ:「うん。何か、聖クラリス女学院がどうのこうのって聞こえた」
絵恋:「聖クラリス女学院は、六本木にある私立校ね。うちと違って女子校の」
リサ:「サイトーはそっちに行けば良かったんじゃないの?男は嫌いなんでしょ?」
絵恋:「うーん……リサさんと出会えたから、私は東京中央学園で良かったわぁ~!」
リサ:「『1番』に可愛がってもらえたのに。『1番』はわたしと違ってアホ小心者のクソ臆病だから、サイトーの方がマウント取れたかもよ?」
絵恋:「でも、ゾンビにされちゃうんでしょ?」
リサ:「いやいや、『リサさんになら、ゾンビにされても本望ですぅ!』とか言ってたの、どこのどいつだ?」
絵恋:「はーい!私でーす!」
リサ:「『1番』もわたしと同じ、リサ・トレヴァーなんだけどね?臆病者で卑怯者だけど」
絵恋:「私は正々堂々とした強いリサさんが好きだから」
リサ:「そりゃどうも」
絵恋:「その聖クラリス女学院がどうしたの?」
リサ:「……どうも、わたし達と一緒の電車らしいな」
絵恋:「ええっ!?東京中央学園の貸切じゃないの?」
リサ:「どうやら違うみたいだ」
絵恋:「嫌だわ!ゾンビ達と一緒だなんて……」
リサ:「いや、一応ワクチンは打って、全員ゾンビから人間に戻れたらしいぞ?今はそういうワクチンがあるんだな」
絵恋:「不潔だわ!リサさんのきれいなウィルスを汚いワクチンで排除するなんてっ!」
リサ:「いや、わたしはばら撒いてないって!あそこにウィルスばら撒いたのは『1番』!」
絵恋:「東京中央学園にはリサさんがばら撒いてくれる?」
リサ:「やろうと思えばできるけど、そんなことしたら、わたしはBSAAに蜂の巣にされる」
絵恋:「美味しいハチミツが取れそうね!」
リサ:「そういうことじゃねぇ!」
坂上:「……それでは今夜、中等部3年生当時、1組から3組に所属していた人は気をつけて行ってください」
期末試験が終わった後、最後のホームルームで、担任の坂上がリサ達を前にして言った。
リサ:「最後のテストが終わった後、すぐ修学旅行なんて、なかなかハード」
絵恋:「ねー?」
もっとも、テスト前に行くよりはマシだろう。
春休み期間中に行くことも考えられたが、ただでさえ年度末は忙しいので難しいとされた。
期末試験終了後から春休みに入る前が良いということになった。
坂上:「あくまでも中等部時代、行けなかった修学旅行の代わりという形になりますので、引率は中等部の先生が行います」
なので、中等部の都合も考えなくてはならない。
中等部もまた、最後の期末試験が終了した現在においては、それ以降、事実上の春休みとなる為。
リサ:「沼沢先生が引率かぁ……」
絵恋:「あの先生も大変ねぇ」
坂上:「皆さんは中等部時代、コロナ禍の影響で、様々な行事が削られてしまいました。修学旅行まで中止になって、さぞかし悔しい思いをしたでしょうが、今回行き先を変更することにはなったものの、ようやく実行されることになりました」
中高一貫校だからできることだろう。
中高一貫校の場合、学校によっては、正式な修学旅行は高等部の1回のみという所もあるようだ(野外合宿などという形で、宿泊を伴う行事は別にある)。
東京中央学園では、あくまでも中等部や高等部の節目という意味合いを持たせるという形で、中等部に1回、高等部で1回の修学旅行が行われている(それとは別に、それぞれ1回ずつ野外合宿が行われる。中等部1年生の時のスキー合宿など)。
坂上:「というわけで、うちのクラスにはいませんが、あいにくと高等部から入学した人は対象外となります」
但し、中学時代に、その学校でも修学旅行が中止になって行けなかった場合は応相談。
坂上:「その人達にあっては、自宅または学校で自習です」
リサ:「リンは修学旅行、行けたのかなぁ……?」
絵恋:「リンさんって、上野凛さんのこと?」
リサ:「そう」
絵恋:「栃木の中学校は、修学旅行どこに行くんでしょうね?」
リサ:「東京か仙台?」
絵恋:「近くない?やっぱり一応、私達と同じで関西じゃないの?」
リサ:「そうかぁ……」
坂上:「えー……出発は23時55分ですか。で、集合は23時30分ですね。集合場所は東武浅草駅です。皆さん、遅れないように……」
ギャルA:「渋谷からザギン線で一本じゃね?」
ギャルB:「原宿からはどう行く?」
ギャルC:「表参道っしょー?」
ギャルD:「ググッてんじゃねーよw」
坂上:「何でしたら帰り際、浅草駅に行って、集合場所を確認しても構いません」
リサ:「浅草駅、前に行ったから大丈夫だよね」
絵恋:「そもそも私達、愛原先生と一緒だしね」
リサ:「あ、そうか」
[同日13:30.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原学探偵事務所]
リサと絵恋は学校から帰ると、愛原の事務所に立ち寄った。
リサ:「ただいまぁ」
絵恋:「お邪魔します」
善場:「あら?直接来たのね」
リサ:「と、善場さん!?な、何ですか?わたし、まだ人を食べてませんよ?」
絵恋:「でも、私は是非リサさんに食べられたいので、私を食べる分には、リサさんの罪は不問にしてくださーい」
善場:「違う違う。そういうことではありません。確かに、あなた達の旅行の件について、愛原所長に話があったのは事実ですが」
絵恋:「何の話ですか?」
善場:「そこは秘密です。でも、リサがどうのって話ではないので、御心配無く」
絵恋:「気になりますねぇ……」
愛原:「それより2人とも、期末テストはどうだったんだ?」
リサ:「わたしは大丈夫」
絵恋:「わ、私も何とかなるかとォ……」
愛原:「それならいいんだがな。お昼は食べたのか?」
リサ:「買ってきた」
リサはマクドナルドの袋を持っていた。
リサ:「そこで食べていい?」
そして、給湯室を指さす。
愛原:「ああ、いいよ」
リサ:「サイトー、行こう」
絵恋:「はーい」
給湯室でハンバーガーを食べてる間、愛原と善場は応接室で話をしていた。
人間形態でも、微かに話し声が聞こえるが、どうしても気になったリサは、第1形態に戻る。
これは見た目は鬼のような姿になるが、長くて尖った耳は聴力が格段に向上するのだ。
リサ:「ふーん……」
リサの耳がピクピク動く。
それを見た絵恋は……。
絵恋:「(か、カワイイ!!)萌えぇぇぇぇぇぇっ!!」
悶絶するのだった。
リサ:「サイトー、大丈夫か!?」
絵恋:「萌えへへへへへ!!」
高橋:「オメェらうるせぇっ!電話中だ!」
事務室にいた高橋は、電話機片手に給湯室にいるリサ達を怒鳴りつけた。
リサ:「兄ちゃん、ゴメン。サイトー、落ち着け!」
絵恋:「……はっ!ご、ごめんなさい!」
リサ:「いきなり悶絶するなよ」
絵恋:「ゴメンなさーい……」
リサ:「おかげで愛原先生達の話を聞き洩らした」
絵恋:「先生達の話が聞こえるの?」
リサ:「うん。何か、聖クラリス女学院がどうのこうのって聞こえた」
絵恋:「聖クラリス女学院は、六本木にある私立校ね。うちと違って女子校の」
リサ:「サイトーはそっちに行けば良かったんじゃないの?男は嫌いなんでしょ?」
絵恋:「うーん……リサさんと出会えたから、私は東京中央学園で良かったわぁ~!」
リサ:「『1番』に可愛がってもらえたのに。『1番』はわたしと違ってアホ小心者のクソ臆病だから、サイトーの方がマウント取れたかもよ?」
絵恋:「でも、ゾンビにされちゃうんでしょ?」
リサ:「いやいや、『リサさんになら、ゾンビにされても本望ですぅ!』とか言ってたの、どこのどいつだ?」
絵恋:「はーい!私でーす!」
リサ:「『1番』もわたしと同じ、リサ・トレヴァーなんだけどね?臆病者で卑怯者だけど」
絵恋:「私は正々堂々とした強いリサさんが好きだから」
リサ:「そりゃどうも」
絵恋:「その聖クラリス女学院がどうしたの?」
リサ:「……どうも、わたし達と一緒の電車らしいな」
絵恋:「ええっ!?東京中央学園の貸切じゃないの?」
リサ:「どうやら違うみたいだ」
絵恋:「嫌だわ!ゾンビ達と一緒だなんて……」
リサ:「いや、一応ワクチンは打って、全員ゾンビから人間に戻れたらしいぞ?今はそういうワクチンがあるんだな」
絵恋:「不潔だわ!リサさんのきれいなウィルスを汚いワクチンで排除するなんてっ!」
リサ:「いや、わたしはばら撒いてないって!あそこにウィルスばら撒いたのは『1番』!」
絵恋:「東京中央学園にはリサさんがばら撒いてくれる?」
リサ:「やろうと思えばできるけど、そんなことしたら、わたしはBSAAに蜂の巣にされる」
絵恋:「美味しいハチミツが取れそうね!」
リサ:「そういうことじゃねぇ!」
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