[同日19:30.天候:雪 東京都八王子市三崎町 ホテル東横イン八王子北口]
八王子ラーメンを堪能したリサ達は、今だに雪の舞う中をホテルに戻って来た。
愛原:「明日は8時11分発の電車に乗るから、寝坊しないように」
リサ:「うん、分かった!因みに朝食は何時から?」
愛原:「6時半からだそうだ」
リサ:「リン、6時半だって!」
凛:「分かりました」
先ほど八王子ラーメンを食べたばかりだが、リサの食欲は明日の朝食に向けられた。
凛:「朝食があるんですか?」
愛原:「あるよ。東横インの場合、このロビーが朝食会場になるから」
リサ:「バイキング、食べ放題だよね?」
愛原:「……多分な」
コロナ禍の影響で、同じ東横インであっても、ビュッフェ形式を継続したり、或いは定食形式にしたり、弁当形式にしたりと対応は様々である。
恐らく、店舗ごとの支配人の判断に任されているのだろう。
愛原:「それじゃ、おやすみ」
リサ:「おやすみなさー」
凛:「おやすみなさい」
部屋に戻るリサと凛。
凛:「先輩、ちょっと洗濯してきていいですか?」
リサ:「コインランドリーか」
凛:「はい。1階の奥にあったみたいなんで」
リサ:「わたしも行く。ジュース買い忘れた」
凛:「一緒に行きましょう」
再び部屋を出るリサ達。
凛:「先輩、カードキー忘れてます!」
リサ:「おっと。……『リサ・トレヴァーのカードキー』で開かないかな?」
リサは日本アンブレラの研究所で入手済みのカードキーを取り出した。
金色に輝くゴールドカードは、日本アンブレラに関係した施設で、カードキーで開けられる物は何でも開けられるグランドマスターカードだ。
凛:「多分、ムリだと思います」
試しにリサ、そのカードキーを当ててみたが、エラー音が鳴って開錠されることはなかった。
凛:「……一応、反応はするんですね」
リサ:「でも開かない。このホテルは、アンブレラとは関係無い」
凛:「……でしょうね」
リサ:「あ、でもリンのホテルは?天長会って、結局アンブレラと繋がってるし」
凛:「白井伝三郎を介しての間接的繋がり、ですけどね。うちのホテルはカードキー形式じゃないですから、そもそもムリです」
リサ:「なんだ」
エレベーターに乗って1階に下りる。
凛:「都会にあるホテルなのに、随分と寂しいですね」
リサ:「確かに。他の宿泊客と会わない」
外観から見た時、いくつかの客室には照明が点いていたから、他にも宿泊客はいるのだろう。
しかし、週末の割には利用者が少ないように見えた。
元々流行っていないのではなく、それだけオミクロン株の脅威が蔓延してきたということだろう。
東京駅に行っても、先ほど新宿駅から電車に乗っても、明らかに団体客や外国人旅行客の姿は殆ど無かった(個人客や家族連れなら、それなりに見かけた)。
つまり、週末の行楽客がまた自粛するようになったということだ。
リサ:「1つ空いてる」
コインランドリーに行くと、2つある洗濯機のうち、1つが既に使用されていた。
当然これは宿泊客専用。
やはり、他にも宿泊客はいるのだ。
凛:「ここを使わせてもらいます」
凛は自分の下着やTシャツなどを洗濯機に入れた。
洗剤もここで買える。
リサ:「終わるのに40分近く掛かるんだ。しょうがない。また来よう」
凛:「はい」
リサ:「もう換えの下着は無いとか?」
凛:「いえ、まだ一着あります。けど、その一着しか無いので……」
リサ:「なるほど」
リサはロビーの自販機でジュースを買った。
凛:「そういえば、愛原先生達に黙って部屋から出ちゃいましたけど、いいんでしょうか?」
リサ:「ホテルから出なければ大丈夫だろう。実際、マンションでも、たまにわたし、単独で部屋から出て、郵便物取りに行くから」
凛:「行動が制限されてる割には、学校へは単独で行っていいんですね」
リサ:「制限されてるわけじゃないよ。ただ、監視されてるだけ。学校の行き帰りは、多分、サイトーが一緒にいることで『監視』ってことにしてるんだろう。あと、スマホのアプリがある」
スマホには元々GPSが付いているが、デイライトが開発したGPSは更にBOWの変化を読み取る優れ物だ。
もしもリサが無断で第3形態以降に変化したら、デイライトとBSAAに緊急信号が発信されるというもの。
リサ:「ホテルから出たら警報が鳴ると思うけど、今は鳴ってないから大丈夫」
アプリを立ち上げると、『リサ・トレヴァー(2番)は、安全に制御されています』『現在の状態:第0形態』『現在地:東京都八王子市三崎町……』という表示が出て来た。
凛:「なるほど。……私も、こういうスマホを持たされるんでしょうか?」
リサ:「と、思うよ。ただ、リンはわたしと違うから、そこまで監視しないかもしれない」
またエレベーターに乗る。
凛:「違いますか?」
リサ:「リンは半分人間だから。そこまで厳しく監視はしないかもしれない」
凛:「そういうものですか」
部屋に戻ってテレビを点ける。
凛:「さすが東京はチャンネル多いですね」
リサ:「テレ東くらい、栃木でも見れるでしょ?」
那須塩原市にもテレ東の送信所がある。
凛:「でも、Tokyo MXは観れないです」
リサ:「そうなのか」
凛はライティングデスクの椅子に座って、テレビを観ている。
リサはベッドに寝転がって、スマホをイジっていた。
リサ:「このホテル、Wi-Fi入る」
凛:「パケット制限されてるんですか?」
リサ:「高校生のプランじゃね……」
凛:「ああ、そうですね」
なので、ギガ数を節約しながら使わないと、すぐに上限に達してしまうのだ。
先ほどの“京王ライナー”もそうだが、このホテルのようにWi-Fiが入る所は有り難いと思っている。
因みにマンションでも、愛原はWi-Fiのルーターを導入して、Wi-Fiでネットができるようにしていた。
なので、マンションではギガを気にしないで使用できる。
リサ:「あと、意外なのが、藤野の研修センター。あそこもWi-Fi使える」
凛:「そうなんですね」
表向きは国家公務員の研修センターとして使用されているからだろう。
リサ:「サイトーからLINEがガンガン来て大変だ」
凛:「斉藤……先輩は、普通の人間なんですね?」
リサ:「うん、今はね」
凛:「今は?」
リサ:「一時期、BOWになりかけた」
凛:「ホントですか!?」
リサ:「うん。あれにはわたしもビックリした」
凛:「普通に人間の匂いしかしなかったので、意外でした」
リサ:「うん、だろうな」
リサは窓側のベッドに横になっている。
今はカーテンを閉めているが、少し開けてその隙間から外を覗いて見た。
上階の部屋にいるので、八王子市の夜景がよく見える。
だが、どうも雪が強くなってきたようだ。
リサ:「マズいな。あまり雪が強いと、電車が止まるかもしれない」
凛:「ええっ!?」
リサは自分のスマホで、天気予報を見た。
リサ:「『山沿いは積雪、交通機関の乱れに注意』だって」
凛:「八王子とか、藤野とかって山沿いですよね?」
リサ:「うん。藤野とか、普通に山に囲まれた場所」
一応、鉄道運行情報とか見たが、中央本線については何も無かった。
上越線とか、もっと雪深い所を走る路線は、さすがに雪で遅れているようだが……。
リサ:「まあ、何とかなるだろう」
凛:「で、ですよね」
リサ:(それよりも……)
リサはカーテンを閉め直しながら思った。
リサ:(近くのビルの屋上に、スナイパーみたいなのがいたぞ。本当に監視してるみたいだな……)
カーテンを閉めていれば、外から見えないはずだが、それでも狙い撃ちできる何かがあるのだろう。
リサ:(まさか試しに外に出て、本当に警報を鳴らしたら、撃ってきた?)
そう思うと、リサはヘタな悪戯はできないと思うのである。
八王子ラーメンを堪能したリサ達は、今だに雪の舞う中をホテルに戻って来た。
愛原:「明日は8時11分発の電車に乗るから、寝坊しないように」
リサ:「うん、分かった!因みに朝食は何時から?」
愛原:「6時半からだそうだ」
リサ:「リン、6時半だって!」
凛:「分かりました」
先ほど八王子ラーメンを食べたばかりだが、リサの食欲は明日の朝食に向けられた。
凛:「朝食があるんですか?」
愛原:「あるよ。東横インの場合、このロビーが朝食会場になるから」
リサ:「バイキング、食べ放題だよね?」
愛原:「……多分な」
コロナ禍の影響で、同じ東横インであっても、ビュッフェ形式を継続したり、或いは定食形式にしたり、弁当形式にしたりと対応は様々である。
恐らく、店舗ごとの支配人の判断に任されているのだろう。
愛原:「それじゃ、おやすみ」
リサ:「おやすみなさー」
凛:「おやすみなさい」
部屋に戻るリサと凛。
凛:「先輩、ちょっと洗濯してきていいですか?」
リサ:「コインランドリーか」
凛:「はい。1階の奥にあったみたいなんで」
リサ:「わたしも行く。ジュース買い忘れた」
凛:「一緒に行きましょう」
再び部屋を出るリサ達。
凛:「先輩、カードキー忘れてます!」
リサ:「おっと。……『リサ・トレヴァーのカードキー』で開かないかな?」
リサは日本アンブレラの研究所で入手済みのカードキーを取り出した。
金色に輝くゴールドカードは、日本アンブレラに関係した施設で、カードキーで開けられる物は何でも開けられるグランドマスターカードだ。
凛:「多分、ムリだと思います」
試しにリサ、そのカードキーを当ててみたが、エラー音が鳴って開錠されることはなかった。
凛:「……一応、反応はするんですね」
リサ:「でも開かない。このホテルは、アンブレラとは関係無い」
凛:「……でしょうね」
リサ:「あ、でもリンのホテルは?天長会って、結局アンブレラと繋がってるし」
凛:「白井伝三郎を介しての間接的繋がり、ですけどね。うちのホテルはカードキー形式じゃないですから、そもそもムリです」
リサ:「なんだ」
エレベーターに乗って1階に下りる。
凛:「都会にあるホテルなのに、随分と寂しいですね」
リサ:「確かに。他の宿泊客と会わない」
外観から見た時、いくつかの客室には照明が点いていたから、他にも宿泊客はいるのだろう。
しかし、週末の割には利用者が少ないように見えた。
元々流行っていないのではなく、それだけオミクロン株の脅威が蔓延してきたということだろう。
東京駅に行っても、先ほど新宿駅から電車に乗っても、明らかに団体客や外国人旅行客の姿は殆ど無かった(個人客や家族連れなら、それなりに見かけた)。
つまり、週末の行楽客がまた自粛するようになったということだ。
リサ:「1つ空いてる」
コインランドリーに行くと、2つある洗濯機のうち、1つが既に使用されていた。
当然これは宿泊客専用。
やはり、他にも宿泊客はいるのだ。
凛:「ここを使わせてもらいます」
凛は自分の下着やTシャツなどを洗濯機に入れた。
洗剤もここで買える。
リサ:「終わるのに40分近く掛かるんだ。しょうがない。また来よう」
凛:「はい」
リサ:「もう換えの下着は無いとか?」
凛:「いえ、まだ一着あります。けど、その一着しか無いので……」
リサ:「なるほど」
リサはロビーの自販機でジュースを買った。
凛:「そういえば、愛原先生達に黙って部屋から出ちゃいましたけど、いいんでしょうか?」
リサ:「ホテルから出なければ大丈夫だろう。実際、マンションでも、たまにわたし、単独で部屋から出て、郵便物取りに行くから」
凛:「行動が制限されてる割には、学校へは単独で行っていいんですね」
リサ:「制限されてるわけじゃないよ。ただ、監視されてるだけ。学校の行き帰りは、多分、サイトーが一緒にいることで『監視』ってことにしてるんだろう。あと、スマホのアプリがある」
スマホには元々GPSが付いているが、デイライトが開発したGPSは更にBOWの変化を読み取る優れ物だ。
もしもリサが無断で第3形態以降に変化したら、デイライトとBSAAに緊急信号が発信されるというもの。
リサ:「ホテルから出たら警報が鳴ると思うけど、今は鳴ってないから大丈夫」
アプリを立ち上げると、『リサ・トレヴァー(2番)は、安全に制御されています』『現在の状態:第0形態』『現在地:東京都八王子市三崎町……』という表示が出て来た。
凛:「なるほど。……私も、こういうスマホを持たされるんでしょうか?」
リサ:「と、思うよ。ただ、リンはわたしと違うから、そこまで監視しないかもしれない」
またエレベーターに乗る。
凛:「違いますか?」
リサ:「リンは半分人間だから。そこまで厳しく監視はしないかもしれない」
凛:「そういうものですか」
部屋に戻ってテレビを点ける。
凛:「さすが東京はチャンネル多いですね」
リサ:「テレ東くらい、栃木でも見れるでしょ?」
那須塩原市にもテレ東の送信所がある。
凛:「でも、Tokyo MXは観れないです」
リサ:「そうなのか」
凛はライティングデスクの椅子に座って、テレビを観ている。
リサはベッドに寝転がって、スマホをイジっていた。
リサ:「このホテル、Wi-Fi入る」
凛:「パケット制限されてるんですか?」
リサ:「高校生のプランじゃね……」
凛:「ああ、そうですね」
なので、ギガ数を節約しながら使わないと、すぐに上限に達してしまうのだ。
先ほどの“京王ライナー”もそうだが、このホテルのようにWi-Fiが入る所は有り難いと思っている。
因みにマンションでも、愛原はWi-Fiのルーターを導入して、Wi-Fiでネットができるようにしていた。
なので、マンションではギガを気にしないで使用できる。
リサ:「あと、意外なのが、藤野の研修センター。あそこもWi-Fi使える」
凛:「そうなんですね」
表向きは国家公務員の研修センターとして使用されているからだろう。
リサ:「サイトーからLINEがガンガン来て大変だ」
凛:「斉藤……先輩は、普通の人間なんですね?」
リサ:「うん、今はね」
凛:「今は?」
リサ:「一時期、BOWになりかけた」
凛:「ホントですか!?」
リサ:「うん。あれにはわたしもビックリした」
凛:「普通に人間の匂いしかしなかったので、意外でした」
リサ:「うん、だろうな」
リサは窓側のベッドに横になっている。
今はカーテンを閉めているが、少し開けてその隙間から外を覗いて見た。
上階の部屋にいるので、八王子市の夜景がよく見える。
だが、どうも雪が強くなってきたようだ。
リサ:「マズいな。あまり雪が強いと、電車が止まるかもしれない」
凛:「ええっ!?」
リサは自分のスマホで、天気予報を見た。
リサ:「『山沿いは積雪、交通機関の乱れに注意』だって」
凛:「八王子とか、藤野とかって山沿いですよね?」
リサ:「うん。藤野とか、普通に山に囲まれた場所」
一応、鉄道運行情報とか見たが、中央本線については何も無かった。
上越線とか、もっと雪深い所を走る路線は、さすがに雪で遅れているようだが……。
リサ:「まあ、何とかなるだろう」
凛:「で、ですよね」
リサ:(それよりも……)
リサはカーテンを閉め直しながら思った。
リサ:(近くのビルの屋上に、スナイパーみたいなのがいたぞ。本当に監視してるみたいだな……)
カーテンを閉めていれば、外から見えないはずだが、それでも狙い撃ちできる何かがあるのだろう。
リサ:(まさか試しに外に出て、本当に警報を鳴らしたら、撃ってきた?)
そう思うと、リサはヘタな悪戯はできないと思うのである。
まさか,ここまではならないだろうけど。
https://www.youtube.com/watch?v=_dfM4JVzz38
住んでる人には申し訳ないけど,
ぬくぬくの部屋で観てる分には綺麗で良いなと思う。
さすがに北海道のようにはならないかとw
そう、映像で観る分にはいいんですよね。