[12月12日14:00.天候:晴 東京都台東区上野 JR上野駅(低いホーム)→宇都宮線543M列車5号車2階席]
〔本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。15番線に停車中の列車は、14時8分発、普通、小金井行きです。……〕
上野駅始発の宇都宮線、高崎線電車は、基本的に低いホーム13番線から15番線のいずれかから出発する。
低いホームは頭端式ホームになっており、上野東京ラインを走る電車はここには来ない。
私達が乗る電車は既に入線していた。
グリーン車は4号車と5号車にある。
リサ:「売店閉まってる」
愛原:「そうだな」
ホームにあるNEWDAYSは閉店していた。
どうやら平日のみのオープンらしい。
リサ:「おやつ買おうと思ってたのに……」
愛原:「おいおい。まだ食べる気かよ」
絵恋:「リサさん、家に着いたらお菓子出るわよ?」
リサ:「それまでの腹持たせ」
高橋:「どんだけ食うつもりだ」
しかし2階建てグリーン車のある場所まで来ると、リサの目が獲物を見つけたかのように光る。
元々飲み物の自動販売機くらいなら、そこかしこにあった。
リサが見つけたのは、お菓子の自動販売機だった。
アルフォートを2つ買っている。
リサ:「はい、サイトー」
絵恋:「えっ?私にくれるの?」
リサ:「ん」
絵恋:「も、萌えぇぇぇぇっ!い、一生大事にしますっ!!」
リサ:「いや、一緒に食べようよ」
かつてはリサの方が天然ボケで、絵恋さんがツッコミ役だったようだが、今では絵恋さんの百合ぶりが加速したこともあり、リサの方がツッコミ役になっている。
リサ自身も、研究所の外の世界について随分慣れたというのもあるだろう。
リサ:「ついでにジュース」
絵恋:「チョコレートには紅茶が合うわよ」
リサ:「よし。午後の紅茶ミルクティーにしよう」
高橋:「ジュースじゃねーじゃん。先生は何か飲みますか?」
愛原:「いや、いいよ。別に喉乾いてないし。それより早く乗ろう」
リサ:「2階席~、2階席~」
愛原:「言うと思った。行こうか」
私達は5号車に乗り込むと、2階席への階段を登った。
休日の上野始発で中途半端な時間ということもあり、車内は空いていた。
〔この電車は宇都宮線、普通電車、小金井行きです。4号車と5号車はグリーン車です。車内でグリーン券をお買い求めの場合、駅での発売額と異なりますので、ご了承ください〕
座席は向かい合わせにはしなかった。
どうせ明日は普通車に乗るし、そこのボックスシートなんて、元々向かい合わせになっているわけだしな。
私と高橋が進行方向左側に座り、その後ろにリサと絵恋さんが乗った。
2人はテーブルを出して、その上にアルフォートとペットボトルを置いている。
〔「14時8分発、宇都宮線、普通列車の小金井行き、まもなく発車致します」〕
ホームの外から発車ベルが聞こえてくる。
前は発車メロディだったような気がするが、ベルに戻されたようだ。
まあ、ベルの方が旅情はあるような気がする。
〔15番線、ドアが閉まります。ご注意ください。次の列車を、ご利用ください〕
ドアが閉まる音がする。
通勤電車タイプと同じ形式ながら、こちらは何故かドアの閉まる音が大きい。
前者は『バン』と閉まるのに対し、後者は『ガチャン』と、まるで連結するかのような音だ。
そして、列車は定刻通りに発車した。
これとて通勤電車のようにスーッと走り出すわけではなく、まるで機関車が客車をけん引する時のような出し方だ。
もっともそれは上野駅のような始発駅だけで、途中駅でもそのような出し方をするわけではない。
〔JR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。この電車は宇都宮線、普通電車、小金井行きです。【中略】次は、尾久です〕
高橋:「明日もこの電車で?」
愛原:「ああ。宇都宮線には、朝一本だけ大宮始発の電車がある。それで栃木を目指そう」
絵恋:「愛原先生、父に頼めば新幹線代くらい出しますよ?何でしたら、私から父に言っても……」
愛原:「いや、いいんだ。何の確証も無く行くんだから、そんな贅沢はできない」
私はそう固辞した。
グリーンアテンダント:「失礼します。グリーン券はお持ちでないでしょうか?」
そこへグリーンアテンダントの女性がやってきた。
紙のグリーン券で乗車すると、座席上の端末と連動させることができないので、グリーンアテンダントが確認に来るのである。
愛原:「あ、はい。あります。大宮まで」
グリーンアテンダント:「ありがとうございます」
これまた美人で爽やかなアテンダントだ。
愛原:「車内販売もあるの?」
グリーンアテンダント:「はい、ございます」
愛原:「缶コーヒーとフィナンシェにしようかな」
グリーンアテンダント:「ありがとうございます。お支払いは如何なさいますか?」
愛原:「ボクはニコニコ現金払いで」😉
グリーンアテンダント:「ありがとうございます」
私が鼻の下を伸ばしていると……。
高橋:「先生、後ろに注意してください」
愛原:「ん?」
リサ:👹
斉藤:「ふ、不潔だわ。エロオヤジだわ」
愛原:「ハッ!ち、違うんだ、リサ!これは……!」
リサ:「サイトー、今からこの電車に私のウィルスばら撒いていい?」
絵恋:「り、リサさん、それはダメ!」
リサ:「『1番』にできることは、私にもできるんだからね?」
愛原:「そ、そうだ!リサ、おやつのお代わりはどうだ!?何でも買ってやるぞ!」
リサ:「! それじゃあ、私はバームクーヘンと……」
危ない危ない!
ようやくリサの機嫌を修正することができた!
危うくこの電車が惨劇に見舞われるところだった。
斉藤:「せめて明日はこのグリーン車でと思いましたけど、この分じゃ、やめた方がいいですね」
絵恋さんは呆れた様子で言った。
高橋:「先生、明日は各駅停車の普通車で行きましょう。その方が安全です」
愛原:「す、すまん……」
〔本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。15番線に停車中の列車は、14時8分発、普通、小金井行きです。……〕
上野駅始発の宇都宮線、高崎線電車は、基本的に低いホーム13番線から15番線のいずれかから出発する。
低いホームは頭端式ホームになっており、上野東京ラインを走る電車はここには来ない。
私達が乗る電車は既に入線していた。
グリーン車は4号車と5号車にある。
リサ:「売店閉まってる」
愛原:「そうだな」
ホームにあるNEWDAYSは閉店していた。
どうやら平日のみのオープンらしい。
リサ:「おやつ買おうと思ってたのに……」
愛原:「おいおい。まだ食べる気かよ」
絵恋:「リサさん、家に着いたらお菓子出るわよ?」
リサ:「それまでの腹持たせ」
高橋:「どんだけ食うつもりだ」
しかし2階建てグリーン車のある場所まで来ると、リサの目が獲物を見つけたかのように光る。
元々飲み物の自動販売機くらいなら、そこかしこにあった。
リサが見つけたのは、お菓子の自動販売機だった。
アルフォートを2つ買っている。
リサ:「はい、サイトー」
絵恋:「えっ?私にくれるの?」
リサ:「ん」
絵恋:「も、萌えぇぇぇぇっ!い、一生大事にしますっ!!」
リサ:「いや、一緒に食べようよ」
かつてはリサの方が天然ボケで、絵恋さんがツッコミ役だったようだが、今では絵恋さんの百合ぶりが加速したこともあり、リサの方がツッコミ役になっている。
リサ自身も、研究所の外の世界について随分慣れたというのもあるだろう。
リサ:「ついでにジュース」
絵恋:「チョコレートには紅茶が合うわよ」
リサ:「よし。午後の紅茶ミルクティーにしよう」
高橋:「ジュースじゃねーじゃん。先生は何か飲みますか?」
愛原:「いや、いいよ。別に喉乾いてないし。それより早く乗ろう」
リサ:「2階席~、2階席~」
愛原:「言うと思った。行こうか」
私達は5号車に乗り込むと、2階席への階段を登った。
休日の上野始発で中途半端な時間ということもあり、車内は空いていた。
〔この電車は宇都宮線、普通電車、小金井行きです。4号車と5号車はグリーン車です。車内でグリーン券をお買い求めの場合、駅での発売額と異なりますので、ご了承ください〕
座席は向かい合わせにはしなかった。
どうせ明日は普通車に乗るし、そこのボックスシートなんて、元々向かい合わせになっているわけだしな。
私と高橋が進行方向左側に座り、その後ろにリサと絵恋さんが乗った。
2人はテーブルを出して、その上にアルフォートとペットボトルを置いている。
〔「14時8分発、宇都宮線、普通列車の小金井行き、まもなく発車致します」〕
ホームの外から発車ベルが聞こえてくる。
前は発車メロディだったような気がするが、ベルに戻されたようだ。
まあ、ベルの方が旅情はあるような気がする。
〔15番線、ドアが閉まります。ご注意ください。次の列車を、ご利用ください〕
ドアが閉まる音がする。
通勤電車タイプと同じ形式ながら、こちらは何故かドアの閉まる音が大きい。
前者は『バン』と閉まるのに対し、後者は『ガチャン』と、まるで連結するかのような音だ。
そして、列車は定刻通りに発車した。
これとて通勤電車のようにスーッと走り出すわけではなく、まるで機関車が客車をけん引する時のような出し方だ。
もっともそれは上野駅のような始発駅だけで、途中駅でもそのような出し方をするわけではない。
〔JR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。この電車は宇都宮線、普通電車、小金井行きです。【中略】次は、尾久です〕
高橋:「明日もこの電車で?」
愛原:「ああ。宇都宮線には、朝一本だけ大宮始発の電車がある。それで栃木を目指そう」
絵恋:「愛原先生、父に頼めば新幹線代くらい出しますよ?何でしたら、私から父に言っても……」
愛原:「いや、いいんだ。何の確証も無く行くんだから、そんな贅沢はできない」
私はそう固辞した。
グリーンアテンダント:「失礼します。グリーン券はお持ちでないでしょうか?」
そこへグリーンアテンダントの女性がやってきた。
紙のグリーン券で乗車すると、座席上の端末と連動させることができないので、グリーンアテンダントが確認に来るのである。
愛原:「あ、はい。あります。大宮まで」
グリーンアテンダント:「ありがとうございます」
これまた美人で爽やかなアテンダントだ。
愛原:「車内販売もあるの?」
グリーンアテンダント:「はい、ございます」
愛原:「缶コーヒーとフィナンシェにしようかな」
グリーンアテンダント:「ありがとうございます。お支払いは如何なさいますか?」
愛原:「ボクはニコニコ現金払いで」😉
グリーンアテンダント:「ありがとうございます」
私が鼻の下を伸ばしていると……。
高橋:「先生、後ろに注意してください」
愛原:「ん?」
リサ:👹
斉藤:「ふ、不潔だわ。エロオヤジだわ」
愛原:「ハッ!ち、違うんだ、リサ!これは……!」
リサ:「サイトー、今からこの電車に私のウィルスばら撒いていい?」
絵恋:「り、リサさん、それはダメ!」
リサ:「『1番』にできることは、私にもできるんだからね?」
愛原:「そ、そうだ!リサ、おやつのお代わりはどうだ!?何でも買ってやるぞ!」
リサ:「! それじゃあ、私はバームクーヘンと……」
危ない危ない!
ようやくリサの機嫌を修正することができた!
危うくこの電車が惨劇に見舞われるところだった。
斉藤:「せめて明日はこのグリーン車でと思いましたけど、この分じゃ、やめた方がいいですね」
絵恋さんは呆れた様子で言った。
高橋:「先生、明日は各駅停車の普通車で行きましょう。その方が安全です」
愛原:「す、すまん……」
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