報恩坊の怪しい偽作家!

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 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「八王子の朝」

2023-06-10 14:58:40 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[12月27日07時00分 天候:晴 東京都八王子市明神町 R&Bホテル八王子]

 リサ「うう……」

 リサは悪夢に魘されて目が覚めた。
 と、同時にベッド脇に仕掛けられたタイマーがアラームを鳴らす。

 絵恋「うーん……」

 絵恋が目を覚まして、アラームを止めた。

 絵恋「リサさん、おはよう……」
 リサ「はぁっ!……はぁ……はぁ……」

 リサは第1形態に戻っており、汗をかいていた。

 絵恋「どうしたの、リサさん?大丈夫?」
 リサ「ああ……大丈夫……。変な夢見た……」
 絵恋「そうなの?どんな夢?」
 リサ「地獄に堕ちた白井やサナエに、『早くオマエもこっちに来い』って引きずり込まれる夢……」
 絵恋「まあ、怖い!やっぱり悪い人は地獄に堕ちるのね!」
 リサ「わたしもそっちに行くんだろうか……」
 絵恋「リサさんは人を食べたり殺したりしてないから大丈夫よ!」
 リサ「どうかな……」

 地獄の底から恨みの声を上げていたのは、白井と早苗だけではなかった。
 東京中央学園ブルマ復活運動の最中、最も反対派であった当時の生徒会長(女子)を自殺に追いやったことで、そこからも恨み節を受けた。

 リサ「ん?」

 その時、リサはふと思った。

 リサ(生徒会長は別に悪人ではないのに、どうして地獄に???)
 絵恋「リサさん、先にシャワー浴びたら?汗流さないと風邪轢いちゃうよ?」
 リサ「鬼は風邪など引かないんだけど……。まあ、ベタベタして気持ち悪いからそうする」
 絵恋「その方がいいよ。私は後ででいいから」
 リサ「うん、分かった。ありがとう」

 リサはこの場で、ホテル備え付けのナイトウェアを脱いだ。

 絵恋「も、萌えぇぇぇぇっ!」
 リサ「なに、悶絶してんだよ」

 ついでに換えの下着を用意する。

 絵恋「はぁぁぁっ!リサさんの汗の匂い……
 リサ「オ○ニーなら、わたしがシャワーから出る前に済ませておきなよ?」

 リサはそう言うと、バスルームに入った。

 リサ「それにしても……」

 リサは汗で濡れたスポプラとショーツを脱いだ。
 換えの下着は、普通の4/3カップの白ブラと黒いアウトゴムの付いた白いショーツである。
 シャワーで汗を流す間、考え事をする。

 リサ(もしも白井がサナエだったとして、もうサナエは死んだんだから、わたしが寝てる間にラスボス戦終了してない?それとも、『あれは偽者でしたw』とか、エキストラボスが発生するなんて展開でもある?)

[同日7時45分 天候:晴 同ホテル・朝食会場]

 リサ「パンのいい匂い……」

 朝食会場に行くと、焼き立てパンの香ばしい匂いがした。
 それはいいのだが……。

 リサ「……あれ?おかずは?」
 愛原「ああ。ここのホテルは、パンとゆで卵が食べ放題、ドリンクとスープが飲み放題だ」
 リサ「マジか……」

 リサはトレイに全種類のパンと、ゆで卵を数個、そしてスープを全種類コンプするモードに入った。

 愛原「他の客の分まで、食い尽くすなよ?」
 リサ「分かってる」

 焼き立てなのでまだ温かいのと、カリカリとした触感があったりする。
 リサはゆで卵については、殻ごと食べ……るわけでもなく、さすがにそれは殻を向いて食べる。

 愛原「相変わらず、凄ェ食いっぷりだなぁ……」
 高橋「マジっスねぇ……」
 愛原「今日の夜からは、食材を大量に用意しておいた方がいいな」
 高橋「うっス」
 パール「御嬢様には何をお持ち致しましょうか?」
 絵恋「い、いいのよ。もうあなたは、斉藤家のメイドじゃないんだから……」
 パール「御主人様との契約は、まだ切れておりません」
 絵恋「そ、そうだったわ」
 愛原「どういうことだ?」
 絵恋「私の父、うちのメイド達とは年俸制で契約してるんです」
 愛原「そうなのか。てことは、1年契約だな」
 絵恋「基本的には年単位の契約なんですが、パールの場合、10年契約なんです」
 愛原「そ、そうなのか?で、あと契約は何年残ってるんだ?」
 パール「あと5年になります」
 絵恋「ちょうど私が、大学を卒業する頃ですね。大学生になって、私が1人暮らしをしても、私の面倒が看れるようにって……」
 愛原「随分先を見据えている割には、斉藤社長も短絡的なことをしたな……」

 愛原は首を傾げた。
 本当に斉藤社長は悪人なのか?と。
 日本アンブレラに手を貸していたことがバレて、警察から追われる身となり、現在はロシアに逃亡しているが……。
 最終的には中東辺りに逃走すると見られている。

 愛原「その斉藤社長は、国外逃亡中だぞ?報酬は?」
 パール「既に前金で払って頂いております」
 愛原「そうなの!?」

 10年分の報酬を前金で!?

 パール「少年院を出た後で、私も色々とお金が必要だったので、御主人様には感謝しております」

 パールの場合は殺人罪。
 敵対組織の暴走族幹部を殺した罪。
 但し、当時未成年であった為、少年法が適用されて死刑を免れている。
 さすがに色々と金を使って、足りなくなったか、今は生活費稼ぎの為に昼間はS系メイドカフェ、夜はメイドSM風俗店で働いているというわけだ。
 住居については明らかにされていないが、風俗店の寮に住んでいるとされる。

 愛原「そ、そう……」
 高橋「先生は電車で帰られるんでしたね?」
 愛原「そうだ。まさかオマエ達が来るとは思わなかったから、ライナー券は用意してないよ?」
 パール「大丈夫です。私とマサは、バイクで行きますので」
 愛原「そ、そうか」
 リサ(メイドさんは、お兄ちゃんをバイクで送るだけだよね???)

 ベリーショートに切った髪を金髪に染めているのは相変わらず。
 そこは同じく金髪に染めている高橋と何ら変わりない。
 耳に数個ものピアスを着けている様は、とてもメイドとは思えない。
 だが、それが客に喜ばれる店があるのだから驚きだ。

 絵恋「リサさん、もっとパン持って来ましょうか?」
 リサ「うん。また、全種類持ってきて」
 絵恋「はーい!」
 パール「では私は、御嬢様のパンをお持ちします」
 リサ「先生はメイド服に興味ある?」
 愛原「いやあ、そんなに無いな……」
 リサ「やっぱり学校の制服と体操服、スク水が鉄板?」
 愛原「そうだな。……って、おい!」
 リサ「うははは!分かったよ。エレンにも着させるね」

 楽しい朝食会であったようだ。

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