[5月19日22:30.天候:晴 宮城県仙台市宮城野区福室 ホテルキャッスルイン仙台]
ホテルに到着した稲生達は、まずイリーナとベイカーのチェックインの手続きをした。
外国人は宿泊する際にパスポートの提示を求められることがあるが、稲生がチラッと見た限りでは、やはりイリーナはキリル文字のパスポートを持っていたことから、やはりロシアの物であるらしい。
もっとも、あのパスポートでさえ、世を忍ぶ為の単なるツールの1つに過ぎないのだろう。
ベイカーは英語で書いてあるが、まあイギリスだろう。
部屋に入った後、早速師匠2人もまた温泉に入ることにした。
酔い潰れ掛かっている弟子3人は、さすがに再び入るのを躊躇ったくらいだ。
ルーシーだけベイカーの付き人として、一緒に入った。
ルーシー:(早く戻らなきゃ……)
イリーナとベイカーは温泉施設内のリラクゼーションでマッサージを受けており、ルーシーは先に部屋に戻ることにした。
静かな客室フロアでエレベーターを降り、奥まった所にある部屋に向かう。
ルーシー:「ん?」
すると部屋ではなく、非常階段の入口辺りの所に気配を感じた。
そっとルーシーが覗いてみると……。
ルーシー:(……!)
2人で抱き合って、互いに何度もキスを交わす稲生とマリアの姿があった。
ルーシー:(なるほど。この2人、やっぱりそういう関係だったか)
2人とも積極的になっているのは、酒が入った勢いもあるのだろう。
ルーシー:(邪魔しちゃ悪いね……)
ルーシーは先に自分の部屋に戻った。
自分のベッドの上に寝転がると、英語で書かれた手帳を開いた。
ルーシー:(『体に刻み込まれた呪痕を消すには、女の悦びを味わうことが1番』か……。恐らくマリアンナはこれで……)
すると、部屋のドアが開いた。
マリア:「ああ、ルーシー。先に戻ってたの」
ルーシー:「ええ」
マリア:「ちょっと……出掛けてくるから。先に寝てて」
ルーシー:「勇太の所に行くんでしょ?」
マリア:「そ、それは……」
ルーシー:「隠さなくてもいいよ。だからこの部屋、2人で使えばって言ったのに。勇太のヤツ、ソルマック買う時、ついでにコンドームも買ってたからね。それで多分……とは思っていたけど」
マリア:「う、うん……」
ルーシー:「ちゃんと避妊してくれるんだ。ロザリーもゼルダも、レイプされた時はそんなの無かったみたいだからね。マリアンナの時も」
マリア:「そう……だね」
ルーシー:「まあ、行っといで。私は適当に寝てるから」
マリア:「うん。ありがとう」
マリアはバスルームに行くと少しだけ準備をして、それから部屋を出て行った。
そして、ベッドの上に横になる。
と、また起き上がってライティングデスクの椅子に座った。
手帳を取り出して、そこに英語でスラスラと何かを書く。
日本語訳すると、こんな感じ。
『恐らく勇太は日本人男性の中でも、冴えないどころか、むしろダサイ方に分類されるだろう。しかしマリアンナにとっては、人間時代に1度も会わなかったタイプだと思われる。事実、ダンテ一門内でも数少ない男性魔道士にもいないタイプである。日本人だからなのかもしれないが、そうでないかもしれない。とにかく色々と複合的な原因と結果により、マリアンナは門内でも数少ないラッキーな魔道士になれたようだ』
レポートでも書くつもりなのだろうか。
恐らくタダで日本旅行はさせてもらえないだろうから、させてもらうからには何か課題を出されたのかもしれない。
[5月20日06:00.天候:晴 同ホテル・ルーシーとマリアの部屋]
ルーシー:「……ん?」
部屋に誰かが入って来る気配を感じた。
しかしルーシーには、それがすぐマリアだと分かった。
ルーシー:「お帰り、マリアンナ」
マリア:「ただいま……」
ルーシー:「どうだった?」
マリア:「う、うん……」
ルーシー:「気持ち良かった?」
マリア:「気持ち良かった……」
ルーシー:「そう。それは良かったね。少し寝たら?さすがの先生達もまだ寝てるみたいだし」
マリア:「勇太の部屋で少し寝たからいいよ」
ルーシー:「ま、いいけど。ちょっと体見せて」
マリア:「?」
ルーシーはマリアの上半身を脱がした。
ルーシー:「フム……。やっぱり傷痕が消えている」
マリア:「そうなの。師匠も目を見開いて驚いてたくらい」
ルーシー:「『愛のあるセックス』を重ねると、トラウマは消える……か。なるほど」
ルーシーは机の上に置いていた手帳に書き込んだ。
ルーシー:「マリアンナとかはレイプによるトラウマの克服の為に、むしろ『愛のあるセックス』が1番ということかもしれないけど、そうでない私はどうしたらいいんだろう?」
マリア:「共通しているのは『女の悦びを知る』ということらしいけど……」
ルーシー:「私の方が難しそうねぇ……」
マリア:「それより、一緒に温泉入りにいかない?傷痕に効くのは本当らしいから、何か効果があるかもよ?」
ルーシー:「1回、2回入ったくらいじゃ変わらないと思うけど……」
マリア:「いいから」
2人の魔女は再び温泉に入りに行った。
[同日08:00.天候:晴 同ホテル・朝食会場]
イリーナ:「いやあ、昨夜は飲み過ぎたねぇ……」
ベイカー:「本当に日本は食事が美味しいというのは本当ねぇ」
朝食は御多聞に漏れず、バイキング方式である。
皿に山盛りにして食べるのはイリーナ。
稲生は和食がメインだった。
マリアはパンを千切って食べており、ルーシーは意外にもカレーだった。
因みにカレーというとインドをイメージするだろうが、それをライスに掛けて食べるという発想はイギリスが最初なのである。
なのでぶっちゃけ、『カレーライス』はイギリス料理と見なす場合もある。
発祥の地インドを植民地にしていたイギリスに、そのカレーが輸入され、当時のイギリス海軍がそれをライスに掛けて食べるようになったという。
それが日本に伝わり、日本には最初から『カレーライス』として入ってきたわけである。
イリーナ:「勇太君達、今日の予定はどうするの?」
勇太:「予てよりマリアさんの希望だった動物園に行こうと思います」
イリーナ:「ほおほお。そう言えば前、そんなこと言ってたねぇ……」
勇太:「幸い、地下鉄で終点まで乗って行けば自動的に動物園の前ですから」
イリーナ:「そりゃあいい。帰りの新幹線に間に合うように帰って来てね」
勇太:「分かりました。……先生方は別行動で?」
イリーナ:「うん。市街地のデパートでショッピングの後、カフェでスイーツでも食べながらベイカーさんと語ろうかなぁと」
勇太:(地元のお婆ちゃん!?)
雲羽:「うちの死んだ祖母ちゃんの週末の過ごし方w 出没スポットは仙台三越とか、スイーツはクリームあんみつで決まり」
多摩:「どうでもええわい!」
さいたま市大宮区のお婆ちゃんは、高島屋派とそごう派で別れるのだろうか?
ホテルに到着した稲生達は、まずイリーナとベイカーのチェックインの手続きをした。
外国人は宿泊する際にパスポートの提示を求められることがあるが、稲生がチラッと見た限りでは、やはりイリーナはキリル文字のパスポートを持っていたことから、やはりロシアの物であるらしい。
もっとも、あのパスポートでさえ、世を忍ぶ為の単なるツールの1つに過ぎないのだろう。
ベイカーは英語で書いてあるが、まあイギリスだろう。
部屋に入った後、早速師匠2人もまた温泉に入ることにした。
酔い潰れ掛かっている弟子3人は、さすがに再び入るのを躊躇ったくらいだ。
ルーシーだけベイカーの付き人として、一緒に入った。
ルーシー:(早く戻らなきゃ……)
イリーナとベイカーは温泉施設内のリラクゼーションでマッサージを受けており、ルーシーは先に部屋に戻ることにした。
静かな客室フロアでエレベーターを降り、奥まった所にある部屋に向かう。
ルーシー:「ん?」
すると部屋ではなく、非常階段の入口辺りの所に気配を感じた。
そっとルーシーが覗いてみると……。
ルーシー:(……!)
2人で抱き合って、互いに何度もキスを交わす稲生とマリアの姿があった。
ルーシー:(なるほど。この2人、やっぱりそういう関係だったか)
2人とも積極的になっているのは、酒が入った勢いもあるのだろう。
ルーシー:(邪魔しちゃ悪いね……)
ルーシーは先に自分の部屋に戻った。
自分のベッドの上に寝転がると、英語で書かれた手帳を開いた。
ルーシー:(『体に刻み込まれた呪痕を消すには、女の悦びを味わうことが1番』か……。恐らくマリアンナはこれで……)
すると、部屋のドアが開いた。
マリア:「ああ、ルーシー。先に戻ってたの」
ルーシー:「ええ」
マリア:「ちょっと……出掛けてくるから。先に寝てて」
ルーシー:「勇太の所に行くんでしょ?」
マリア:「そ、それは……」
ルーシー:「隠さなくてもいいよ。だからこの部屋、2人で使えばって言ったのに。勇太のヤツ、ソルマック買う時、ついでにコンドームも買ってたからね。それで多分……とは思っていたけど」
マリア:「う、うん……」
ルーシー:「ちゃんと避妊してくれるんだ。ロザリーもゼルダも、レイプされた時はそんなの無かったみたいだからね。マリアンナの時も」
マリア:「そう……だね」
ルーシー:「まあ、行っといで。私は適当に寝てるから」
マリア:「うん。ありがとう」
マリアはバスルームに行くと少しだけ準備をして、それから部屋を出て行った。
そして、ベッドの上に横になる。
と、また起き上がってライティングデスクの椅子に座った。
手帳を取り出して、そこに英語でスラスラと何かを書く。
日本語訳すると、こんな感じ。
『恐らく勇太は日本人男性の中でも、冴えないどころか、むしろダサイ方に分類されるだろう。しかしマリアンナにとっては、人間時代に1度も会わなかったタイプだと思われる。事実、ダンテ一門内でも数少ない男性魔道士にもいないタイプである。日本人だからなのかもしれないが、そうでないかもしれない。とにかく色々と複合的な原因と結果により、マリアンナは門内でも数少ないラッキーな魔道士になれたようだ』
レポートでも書くつもりなのだろうか。
恐らくタダで日本旅行はさせてもらえないだろうから、させてもらうからには何か課題を出されたのかもしれない。
[5月20日06:00.天候:晴 同ホテル・ルーシーとマリアの部屋]
ルーシー:「……ん?」
部屋に誰かが入って来る気配を感じた。
しかしルーシーには、それがすぐマリアだと分かった。
ルーシー:「お帰り、マリアンナ」
マリア:「ただいま……」
ルーシー:「どうだった?」
マリア:「う、うん……」
ルーシー:「気持ち良かった?」
マリア:「気持ち良かった……」
ルーシー:「そう。それは良かったね。少し寝たら?さすがの先生達もまだ寝てるみたいだし」
マリア:「勇太の部屋で少し寝たからいいよ」
ルーシー:「ま、いいけど。ちょっと体見せて」
マリア:「?」
ルーシーはマリアの上半身を脱がした。
ルーシー:「フム……。やっぱり傷痕が消えている」
マリア:「そうなの。師匠も目を見開いて驚いてたくらい」
ルーシー:「『愛のあるセックス』を重ねると、トラウマは消える……か。なるほど」
ルーシーは机の上に置いていた手帳に書き込んだ。
ルーシー:「マリアンナとかはレイプによるトラウマの克服の為に、むしろ『愛のあるセックス』が1番ということかもしれないけど、そうでない私はどうしたらいいんだろう?」
マリア:「共通しているのは『女の悦びを知る』ということらしいけど……」
ルーシー:「私の方が難しそうねぇ……」
マリア:「それより、一緒に温泉入りにいかない?傷痕に効くのは本当らしいから、何か効果があるかもよ?」
ルーシー:「1回、2回入ったくらいじゃ変わらないと思うけど……」
マリア:「いいから」
2人の魔女は再び温泉に入りに行った。
[同日08:00.天候:晴 同ホテル・朝食会場]
イリーナ:「いやあ、昨夜は飲み過ぎたねぇ……」
ベイカー:「本当に日本は食事が美味しいというのは本当ねぇ」
朝食は御多聞に漏れず、バイキング方式である。
皿に山盛りにして食べるのはイリーナ。
稲生は和食がメインだった。
マリアはパンを千切って食べており、ルーシーは意外にもカレーだった。
因みにカレーというとインドをイメージするだろうが、それをライスに掛けて食べるという発想はイギリスが最初なのである。
なのでぶっちゃけ、『カレーライス』はイギリス料理と見なす場合もある。
発祥の地インドを植民地にしていたイギリスに、そのカレーが輸入され、当時のイギリス海軍がそれをライスに掛けて食べるようになったという。
それが日本に伝わり、日本には最初から『カレーライス』として入ってきたわけである。
イリーナ:「勇太君達、今日の予定はどうするの?」
勇太:「予てよりマリアさんの希望だった動物園に行こうと思います」
イリーナ:「ほおほお。そう言えば前、そんなこと言ってたねぇ……」
勇太:「幸い、地下鉄で終点まで乗って行けば自動的に動物園の前ですから」
イリーナ:「そりゃあいい。帰りの新幹線に間に合うように帰って来てね」
勇太:「分かりました。……先生方は別行動で?」
イリーナ:「うん。市街地のデパートでショッピングの後、カフェでスイーツでも食べながらベイカーさんと語ろうかなぁと」
勇太:(地元のお婆ちゃん!?)
雲羽:「うちの死んだ祖母ちゃんの週末の過ごし方w 出没スポットは仙台三越とか、スイーツはクリームあんみつで決まり」
多摩:「どうでもええわい!」
さいたま市大宮区のお婆ちゃんは、高島屋派とそごう派で別れるのだろうか?
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます