[12月24日18:00.天候:曇 長野県北部某所 マリアの屋敷]
稲生:「そろそろ開始だな……」
稲生が受付を閉めようとした時だった。
サンモンド:「いやあ、ギリギリ間に合った!」
稲生:「サンモンド船長!?」
サンモンド:「長野県には海が無いからねぇ、船をどこに着けるかで迷ってしまったよ。はっはっはっ!」
稲生:「で、どこに着けたんですか?」
サンモンド:「素直に糸魚川の岸壁に。そこから列車で来たよ。ANPさんがそこのキハ120系とやらがおススメだということなんだが、キミは乗ったことがあるかね?」
稲生:「いえ、無いです。てか、糸魚川って……大火の直後ですよ?」
サンモンド:「うむ。海から随分と明るい漁火が見えるなぁと思っていたんだが、火が消えるまで待ってたよ」
稲生:「別のアクセス路は考えなかったんですね」
サンモンド:「もしかしたら、私の船の乗客が出るかもしれないと思っていたのだが、そんなことは無かったよ」
稲生:「そうでしょうねぇ……」
サンモンド・ゲートウェイズは他門の魔道師であると同時に、冥界鉄道公社船舶事業部(通称、冥鉄汽船)に所属する船長でもある。
冥鉄の鉄道事業本部が幽霊列車を運行させるのに対し、冥鉄汽船は幽霊船を運航させている。
稲生:「外部の方は招待状を確認しています。招待状はお持ちですか?」
サンモンド:「もちろんだとも」
サンモンドは被っていた船長の白い帽子を取ると、中から招待状の入った封筒を出した。
稲生:「どうして帽子の中から?」
サンモンド:「はっはっはー!白い鳩も出せるよ?」
稲生:「はあ……」
サンモンド:「ところで、もう始まっているのかね?」
稲生:「あ、そうですね。……?誰が司会やってるんだろう?」
ケンショーブラック:「只今より、第383回、ダンテ門流クリスマス大会を開催致します。活動報告!ケンショーグリーン!」
横田:「先般の総幹部会における大感動は、未だ冷めやらぬものであります。先般で恐縮ではありますが、私は作品の垣根を越え、“私立探偵 愛原学”への出演を果たすことができました。役割は大山寺ステージにおけるゾンビの役という、非常に重大なものであり、私は無二の師匠、浅井先生の……」
ケンショーブラック:「続きまして、体験発表!ケンショーブルー!」
サトー:「新潟から来たサトーだぜぇ!あ?」
アナスタシア:「……ねえ?司会と挨拶ってこんなんだったっけ?」
アンナ:「絶対に違いますよね?」
そこへ急いで大食堂に入って来た稲生。
稲生:「うわっ、やっぱり!?何やってんだ、お前ら!!」
マリア:「ブッ殺す!!」
ケンショーブラック:「それでは、以上を持ちまして飛び入りを終了致します。ご苦労様でした!」
マリア:「逃げるなぁぁぁぁっ!!」
稲生:「待てーっ!」
だが、稲生だけ後ろから掴まれる。
エレーナ:「本当の司会のあんたまで出て行ってどうするの?あとはマリアンナと……」
魔女A:「あいつら、性犯罪者の臭いがする!」
魔女B:「性犯罪者は殺せ!!」
魔女C:「逃がすな!!」
エレーナ:「ダンテ門内『性犯罪被害者の会』が始末してくれるから」
稲生:「エレーナなどの一部を除いて、全員が被害経験あるんだよね?」
エレーナはウクライナでストリートチルドレンをしており、薬物中毒者ではあったが、性犯罪の被害にまでは遭っていない。
自称だが処女である。
稲生はマイクスタンドの前に立った。
稲生:「えー、大変失礼致しました。それでは改めまして、クリスマスパーティを開催致します。えー、では最初の挨拶と致しまして、ケンショーグリーン……もとい、当作品の作者の雲羽百三より挨拶を賜りたいと思います」
エレーナ:「何故、作者?」
リリィ:「フフ……」
登壇する雲羽。
コホンと咳払いをし……。
雲羽:「みんなぁーっ!ニューヨークへ行きたいかぁーっ!!」
直後、一発の銃声が響いて雲羽の頭が撃ち抜かれる。
稲生:「えー、尚、フザけた挨拶をした場合は、ダンテ門内規則により、僕の専属メイド人形でありますダニエラより、狙撃銃の洗礼がありますので、ご注意ください」
アンナ:「先生、そんな規則ありましたか?」
アナスタシア:「規則自体はあるわよ。でも、実際はただ単に『何らかの制裁を課すものとす』としか無いので、人形の狙撃はイリーナ組の勝手な規則だね」
アンナ:「なるほど……」
稲生:「それでは最後に我らが大師匠、ダンテ・アリギエーリ先生に御挨拶を賜りたいと思います。先生、お願いします!」
ケンショーブラックを追い出した稲生だが、自分のノリがそれに似ていることに気づいていない。
さすがは元顕正会員である。
ダンテ:「アメリカ横断ウルトラクイズ、実に懐かしいものですね。実は私がそのネタを使おうとしたのに、作者に取られてしまいました」
会場内から笑いが起きる。
ここでもダンテはローブを着用し、フードは深く被ったままだった。
しかしやはり、一部に見える素肌は浅黒いものだ。
ダンテは黒人であるという噂は本当のようである。
ダンテ:「難しい話は抜きにして、今日と明日2日間に渡って楽しみましょう」
稲生:(2日?……あれ?)
稲生は手元にある資料を見た。
すると、今日は『クリスマス・イブの部』と明日の『クリスマスの部』と書かれていた。
今日参加していない魔道師も存在する為、2日に分けて行われているのである。
稲生:(マジですか……)
ダンテ:「おう。どうやら、孫弟子達が不浄なる者を追い払ってくれたようです」
稲生:「マリアさん」
マリア:「雪に埋めておいた。春になれば見つかるだろう」
稲生:「いっそのこと、沖浦ジムの前に放置しておくという方が良かったのでは?」
ダンテ:「さあさあ。せっかくのワインと料理だ。ケーキもあるようだ。早速、頂くとしましょうか」
稲生:「あ、はい。えー、ダンテ先生の御挨拶でした。それでは皆様、グラスを手にしてください」
こうして、ようやくクリスマスパーティが始まった。
稲生:「マリアさん、本当に雪の中に?」
マリア:「私はな。だけど、他の魔女達は気が収まらなかったようなので、その後は知らん」
稲生:「知らんって……w」
エレーナ:「ま、深くまで付き合い切れないってことだよね」
稲生:「……だね。ところでエレーナ、ワイン飲まないの?」
エレーナ:「未成年なの、アタシw」
マリア:「ウソつけぇっ!」
リリィ:「フフ……」(←ガチで未成年なのに、ワインを口に運んでいることに誰も気づいていない)
稲生:「そろそろ開始だな……」
稲生が受付を閉めようとした時だった。
サンモンド:「いやあ、ギリギリ間に合った!」
稲生:「サンモンド船長!?」
サンモンド:「長野県には海が無いからねぇ、船をどこに着けるかで迷ってしまったよ。はっはっはっ!」
稲生:「で、どこに着けたんですか?」
サンモンド:「素直に糸魚川の岸壁に。そこから列車で来たよ。ANPさんがそこのキハ120系とやらがおススメだということなんだが、キミは乗ったことがあるかね?」
稲生:「いえ、無いです。てか、糸魚川って……大火の直後ですよ?」
サンモンド:「うむ。海から随分と明るい漁火が見えるなぁと思っていたんだが、火が消えるまで待ってたよ」
稲生:「別のアクセス路は考えなかったんですね」
サンモンド:「もしかしたら、私の船の乗客が出るかもしれないと思っていたのだが、そんなことは無かったよ」
稲生:「そうでしょうねぇ……」
サンモンド・ゲートウェイズは他門の魔道師であると同時に、冥界鉄道公社船舶事業部(通称、冥鉄汽船)に所属する船長でもある。
冥鉄の鉄道事業本部が幽霊列車を運行させるのに対し、冥鉄汽船は幽霊船を運航させている。
稲生:「外部の方は招待状を確認しています。招待状はお持ちですか?」
サンモンド:「もちろんだとも」
サンモンドは被っていた船長の白い帽子を取ると、中から招待状の入った封筒を出した。
稲生:「どうして帽子の中から?」
サンモンド:「はっはっはー!白い鳩も出せるよ?」
稲生:「はあ……」
サンモンド:「ところで、もう始まっているのかね?」
稲生:「あ、そうですね。……?誰が司会やってるんだろう?」
ケンショーブラック:「只今より、第383回、ダンテ門流クリスマス大会を開催致します。活動報告!ケンショーグリーン!」
横田:「先般の総幹部会における大感動は、未だ冷めやらぬものであります。先般で恐縮ではありますが、私は作品の垣根を越え、“私立探偵 愛原学”への出演を果たすことができました。役割は大山寺ステージにおけるゾンビの役という、非常に重大なものであり、私は無二の師匠、浅井先生の……」
ケンショーブラック:「続きまして、体験発表!ケンショーブルー!」
サトー:「新潟から来たサトーだぜぇ!あ?」
アナスタシア:「……ねえ?司会と挨拶ってこんなんだったっけ?」
アンナ:「絶対に違いますよね?」
そこへ急いで大食堂に入って来た稲生。
稲生:「うわっ、やっぱり!?何やってんだ、お前ら!!」
マリア:「ブッ殺す!!」
ケンショーブラック:「それでは、以上を持ちまして飛び入りを終了致します。ご苦労様でした!」
マリア:「逃げるなぁぁぁぁっ!!」
稲生:「待てーっ!」
だが、稲生だけ後ろから掴まれる。
エレーナ:「本当の司会のあんたまで出て行ってどうするの?あとはマリアンナと……」
魔女A:「あいつら、性犯罪者の臭いがする!」
魔女B:「性犯罪者は殺せ!!」
魔女C:「逃がすな!!」
エレーナ:「ダンテ門内『性犯罪被害者の会』が始末してくれるから」
稲生:「エレーナなどの一部を除いて、全員が被害経験あるんだよね?」
エレーナはウクライナでストリートチルドレンをしており、薬物中毒者ではあったが、性犯罪の被害にまでは遭っていない。
自称だが処女である。
稲生はマイクスタンドの前に立った。
稲生:「えー、大変失礼致しました。それでは改めまして、クリスマスパーティを開催致します。えー、では最初の挨拶と致しまして、ケンショーグリーン……もとい、当作品の作者の雲羽百三より挨拶を賜りたいと思います」
エレーナ:「何故、作者?」
リリィ:「フフ……」
登壇する雲羽。
コホンと咳払いをし……。
雲羽:「みんなぁーっ!ニューヨークへ行きたいかぁーっ!!」
直後、一発の銃声が響いて雲羽の頭が撃ち抜かれる。
稲生:「えー、尚、フザけた挨拶をした場合は、ダンテ門内規則により、僕の専属メイド人形でありますダニエラより、狙撃銃の洗礼がありますので、ご注意ください」
アンナ:「先生、そんな規則ありましたか?」
アナスタシア:「規則自体はあるわよ。でも、実際はただ単に『何らかの制裁を課すものとす』としか無いので、人形の狙撃はイリーナ組の勝手な規則だね」
アンナ:「なるほど……」
稲生:「それでは最後に我らが大師匠、ダンテ・アリギエーリ先生に御挨拶を賜りたいと思います。先生、お願いします!」
ケンショーブラックを追い出した稲生だが、自分のノリがそれに似ていることに気づいていない。
さすがは元顕正会員である。
ダンテ:「アメリカ横断ウルトラクイズ、実に懐かしいものですね。実は私がそのネタを使おうとしたのに、作者に取られてしまいました」
会場内から笑いが起きる。
ここでもダンテはローブを着用し、フードは深く被ったままだった。
しかしやはり、一部に見える素肌は浅黒いものだ。
ダンテは黒人であるという噂は本当のようである。
ダンテ:「難しい話は抜きにして、今日と明日2日間に渡って楽しみましょう」
稲生:(2日?……あれ?)
稲生は手元にある資料を見た。
すると、今日は『クリスマス・イブの部』と明日の『クリスマスの部』と書かれていた。
今日参加していない魔道師も存在する為、2日に分けて行われているのである。
稲生:(マジですか……)
ダンテ:「おう。どうやら、孫弟子達が不浄なる者を追い払ってくれたようです」
稲生:「マリアさん」
マリア:「雪に埋めておいた。春になれば見つかるだろう」
稲生:「いっそのこと、沖浦ジムの前に放置しておくという方が良かったのでは?」
ダンテ:「さあさあ。せっかくのワインと料理だ。ケーキもあるようだ。早速、頂くとしましょうか」
稲生:「あ、はい。えー、ダンテ先生の御挨拶でした。それでは皆様、グラスを手にしてください」
こうして、ようやくクリスマスパーティが始まった。
稲生:「マリアさん、本当に雪の中に?」
マリア:「私はな。だけど、他の魔女達は気が収まらなかったようなので、その後は知らん」
稲生:「知らんって……w」
エレーナ:「ま、深くまで付き合い切れないってことだよね」
稲生:「……だね。ところでエレーナ、ワイン飲まないの?」
エレーナ:「未成年なの、アタシw」
マリア:「ウソつけぇっ!」
リリィ:「フフ……」(←ガチで未成年なのに、ワインを口に運んでいることに誰も気づいていない)
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