[6月24日10:42.天候:曇 JR大宮駅]
日本全国にあるDCJの関係施設が爆弾テロされた事件を受け、敷島は都内の事務所に向かうことにした。
DCJの施設の次は、その関係先が狙われると踏んだからである。
アリスはシンディを伴って、科学館の方へ向かった。
〔14番線に、“なすの”270号、東京行きが10両編成で参ります。この電車は、各駅に止まります。グランクラスは10号車、グリーン車は9号車、自由席は1号車から7号車です。まもなく14番線に、“なすの”270号、東京行きが参ります。黄色い線まで、お下がりください〕
敷島は列車が来るまでの間、事務所に連絡を入れていた。
敷島:「一海か?お前もニュースを見て知ってると思うけど、DCJの関係施設がテロられた。もしかしたら、次はうちかもしれない。今日のボーカロイドの仕事は全部キャンセルして、事務所に引き上げさせろ。そして、認証できない来訪者は全て断れ。……そうだ。俺からの命令だとマネージャー達に全員伝えておけ」
ボーカロイド達は日曜日であっても、イベントの仕事などに出ている。
バックグラウンドである事務員は月金の仕事になる為、ここはメイドロイドを用途変更した一海が活躍していた。
〔「14番線、ご注意ください。“なすの”270号、東京行きの到着です」〕
敷島:「とにかく、俺も今からそっちに行くから。よろしく頼むぞ」
敷島が電話を切ると同時に、HIDの眩しいヘッドライトが敷島の前を通過した。
エミリー:「本日はお休み返上ですか?」
敷島:「しょうがないだろ。犯行声明が出ていない以上、うちも危ないんだ」
敷島とエミリーは中間車の自由席に乗り込んだ。
“やまびこ”は混んでいるが、“なすの”は空いている。
元々は“やまびこ”の混雑緩和の為に運転されているガス抜き列車である。
グランクラスはあるが、アテンダントは乗務していないので、単なる席代しか取られない。
エミリー:「社長、仙台の七海とロイにも連絡を取りました。平賀博士と村上博士は無事です」
敷島:「それは良かった。東京決戦を戦い抜いた七海なら、上手く平賀先生を守ってくれるだろう。ロイは大丈夫かな?」
エミリー:「……だと思いますが」
列車は定刻通りに発車した。
さっきまで曇っていたのだが、まるでもうすぐ梅雨が明けるかのような強い日差しが車内に入り込んで来た。
日曜日ということもあって、車内は家族連れで賑わっている。
敷島:「お気楽なもんだ。全国で11ヶ所も爆弾が爆発したというのに」
エミリー:「DCJの関係施設に近づかなければ大丈夫と思っているみたいですね」
敷島:「そういう問題じゃないってのに……」
これが日本人の平和ボケというものだろう。
尚、人的被害が出なかったのは科学館と成田営業所のみである。
但し、成田営業所とは連絡が繋がらなかった。
電話回線がやられたのか、或いはわざと切っているかのどちらかだろう。
鳥柴の安否が心配だが、マスコミは成田営業所は無人だったと報じている。
爆弾テロで被害が出たのは、高層ビルの警備室や防災センターなど、24時間人間が警備をしている所だけだった。
他にも研究所や工場もあるのだが、そこは科学館と同様、夜間はセキュリティロボットが前面に出て警備に当たっている。
敷島:「デイジーと通信は?」
エミリー:「いえ、できません」
敷島:「くそ!絶対ヤツは動ているはずなんだ」
エミリー:「お役に立てず、申し訳ありません。ただ……」
敷島:「ただ?」
エミリー:「時折、未確認のものがキャッチされます」
敷島:「それがデイジーじゃないのか?」
エミリー:「いいえ。以前に登録したデイジーのものではありません」
敷島:「いやいや、あの後で改造された可能性もあるだろうが。きっとそれがデイジーの反応だ」
エミリー:「その可能性は低いです」
敷島:「だから、何で?」
エミリー:「その反応が出始めたのは、今朝からなのです。もしデイジーの状態が社長の仰る通りでしたら、もっと前からキャッチしているはずです」
敷島:「今朝から?どういうことなんだ?」
エミリー:「それも、場所はDCJ成田営業所付近です」
敷島:「もしかしてデイジーの奴、今は成田営業所にいるのか?」
エミリー:「……かもしれません」
敷島:「行き先変更だ。すぐに成田に向かうぞ」
エミリー:「かしこまりました。すぐに一海に通信を送ります」
[同日11:02.天候:晴 JR上野駅→京成上野駅]
敷島達を乗せた新幹線が地下ホームへと降りて行く。
新幹線でも珍しい地下ホームである。
〔♪♪(車内チャイム)♪♪。まもなく、上野です。山手線、京浜東北線、常磐線はお乗り換えです。お降りの際はお忘れ物の無いよう、お支度ください。上野の次は終点、東京です〕
敷島:「何度も成田営業所に掛けているが、やっぱり繋がらない。鳥柴主任のケータイもダメだ。本当にデイジーはそこにいるのか?」
エミリー:「断言はできません。あくまでも、僅かに反応があっただけです」
敷島:「それはマルタイプの反応だったのか?」
エミリー:「とても近いものです」
敷島:「今稼働していて、未確認状態のものと言ったらデイジーくらいしかいないだろうが」
エミリー:「でも断言はできません。敵の陽動である可能性もあります」
敷島:「シンディには確認取れるか?」
エミリー:「申し訳ありません。今は地下深くですので、通信が途絶えています」
敷島:「シンディも同じ反応をキャッチしていればガチなんだが……」
エミリー:「如何致しますか?成田に向かいますか?それとも予定通り、会社に向かいますか?」
敷島:「うーむ……」
もちろん、深く考えているヒマは無かった。
もう車窓には、地下ホームに煌々と輝くホームの明かりが見えてきたからだ。
敷島は……。
1:成田に向かうことにした。
2:会社に向かうことにした。
日本全国にあるDCJの関係施設が爆弾テロされた事件を受け、敷島は都内の事務所に向かうことにした。
DCJの施設の次は、その関係先が狙われると踏んだからである。
アリスはシンディを伴って、科学館の方へ向かった。
〔14番線に、“なすの”270号、東京行きが10両編成で参ります。この電車は、各駅に止まります。グランクラスは10号車、グリーン車は9号車、自由席は1号車から7号車です。まもなく14番線に、“なすの”270号、東京行きが参ります。黄色い線まで、お下がりください〕
敷島は列車が来るまでの間、事務所に連絡を入れていた。
敷島:「一海か?お前もニュースを見て知ってると思うけど、DCJの関係施設がテロられた。もしかしたら、次はうちかもしれない。今日のボーカロイドの仕事は全部キャンセルして、事務所に引き上げさせろ。そして、認証できない来訪者は全て断れ。……そうだ。俺からの命令だとマネージャー達に全員伝えておけ」
ボーカロイド達は日曜日であっても、イベントの仕事などに出ている。
バックグラウンドである事務員は月金の仕事になる為、ここはメイドロイドを用途変更した一海が活躍していた。
〔「14番線、ご注意ください。“なすの”270号、東京行きの到着です」〕
敷島:「とにかく、俺も今からそっちに行くから。よろしく頼むぞ」
敷島が電話を切ると同時に、HIDの眩しいヘッドライトが敷島の前を通過した。
エミリー:「本日はお休み返上ですか?」
敷島:「しょうがないだろ。犯行声明が出ていない以上、うちも危ないんだ」
敷島とエミリーは中間車の自由席に乗り込んだ。
“やまびこ”は混んでいるが、“なすの”は空いている。
元々は“やまびこ”の混雑緩和の為に運転されているガス抜き列車である。
グランクラスはあるが、アテンダントは乗務していないので、単なる席代しか取られない。
エミリー:「社長、仙台の七海とロイにも連絡を取りました。平賀博士と村上博士は無事です」
敷島:「それは良かった。東京決戦を戦い抜いた七海なら、上手く平賀先生を守ってくれるだろう。ロイは大丈夫かな?」
エミリー:「……だと思いますが」
列車は定刻通りに発車した。
さっきまで曇っていたのだが、まるでもうすぐ梅雨が明けるかのような強い日差しが車内に入り込んで来た。
日曜日ということもあって、車内は家族連れで賑わっている。
敷島:「お気楽なもんだ。全国で11ヶ所も爆弾が爆発したというのに」
エミリー:「DCJの関係施設に近づかなければ大丈夫と思っているみたいですね」
敷島:「そういう問題じゃないってのに……」
これが日本人の平和ボケというものだろう。
尚、人的被害が出なかったのは科学館と成田営業所のみである。
但し、成田営業所とは連絡が繋がらなかった。
電話回線がやられたのか、或いはわざと切っているかのどちらかだろう。
鳥柴の安否が心配だが、マスコミは成田営業所は無人だったと報じている。
爆弾テロで被害が出たのは、高層ビルの警備室や防災センターなど、24時間人間が警備をしている所だけだった。
他にも研究所や工場もあるのだが、そこは科学館と同様、夜間はセキュリティロボットが前面に出て警備に当たっている。
敷島:「デイジーと通信は?」
エミリー:「いえ、できません」
敷島:「くそ!絶対ヤツは動ているはずなんだ」
エミリー:「お役に立てず、申し訳ありません。ただ……」
敷島:「ただ?」
エミリー:「時折、未確認のものがキャッチされます」
敷島:「それがデイジーじゃないのか?」
エミリー:「いいえ。以前に登録したデイジーのものではありません」
敷島:「いやいや、あの後で改造された可能性もあるだろうが。きっとそれがデイジーの反応だ」
エミリー:「その可能性は低いです」
敷島:「だから、何で?」
エミリー:「その反応が出始めたのは、今朝からなのです。もしデイジーの状態が社長の仰る通りでしたら、もっと前からキャッチしているはずです」
敷島:「今朝から?どういうことなんだ?」
エミリー:「それも、場所はDCJ成田営業所付近です」
敷島:「もしかしてデイジーの奴、今は成田営業所にいるのか?」
エミリー:「……かもしれません」
敷島:「行き先変更だ。すぐに成田に向かうぞ」
エミリー:「かしこまりました。すぐに一海に通信を送ります」
[同日11:02.天候:晴 JR上野駅→京成上野駅]
敷島達を乗せた新幹線が地下ホームへと降りて行く。
新幹線でも珍しい地下ホームである。
〔♪♪(車内チャイム)♪♪。まもなく、上野です。山手線、京浜東北線、常磐線はお乗り換えです。お降りの際はお忘れ物の無いよう、お支度ください。上野の次は終点、東京です〕
敷島:「何度も成田営業所に掛けているが、やっぱり繋がらない。鳥柴主任のケータイもダメだ。本当にデイジーはそこにいるのか?」
エミリー:「断言はできません。あくまでも、僅かに反応があっただけです」
敷島:「それはマルタイプの反応だったのか?」
エミリー:「とても近いものです」
敷島:「今稼働していて、未確認状態のものと言ったらデイジーくらいしかいないだろうが」
エミリー:「でも断言はできません。敵の陽動である可能性もあります」
敷島:「シンディには確認取れるか?」
エミリー:「申し訳ありません。今は地下深くですので、通信が途絶えています」
敷島:「シンディも同じ反応をキャッチしていればガチなんだが……」
エミリー:「如何致しますか?成田に向かいますか?それとも予定通り、会社に向かいますか?」
敷島:「うーむ……」
もちろん、深く考えているヒマは無かった。
もう車窓には、地下ホームに煌々と輝くホームの明かりが見えてきたからだ。
敷島は……。
1:成田に向かうことにした。
2:会社に向かうことにした。
さすが、洗脳信者は惹かれ合うんですね。
なんなのぉ〜!
やっと死刑執行されたか。
法華講ガチ勢の皆さん、アレフの道場に集団折伏に行くチャンスですよ!
特に、人の死を布教活動に結びつけているF屋さん?