報恩坊の怪しい偽作家!

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“私立探偵 愛原学” 「最終電車」 埼京線編(バッドエンド)

2017-07-18 19:28:34 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[JR埼京線用205系3号車→1号車]

 愛原:「……っ!やっぱり1号車に引き返すか」
 高橋:「先生!」
 山根:「何か、僕もそうした方がいいと思うんです。電車が走り続けている以上、きっとどこかに到着すると思うので……」
 高橋:「バカか、テメェ!外を見ろ!今どこ走ってるか分かんねーんだぞ!?」
 愛原:「まあ、待て待て。よく考えたら、最後尾だって先頭じゃないか」
 高橋:「どういうことですか?」
 愛原:「機関車牽引の列車と違い、電車というのは簡単に折り返しができるんだよ。たまたま俺達はブクロ行きだと思ってこの電車に乗ったが、本来それは終点に着いたら折り返すわけだろ?つまり大宮行きとか川越行きになれば、さっき俺達が乗った車両が先頭になるわけだ」
 高橋:「ですが先生、車掌がいないから俺達は今度は運転士を捕まえようとしているわけですよね?」
 愛原:「だが、この先には得体の知れない化け物だ。多分形状的に、霧生市のバイオハザードと違って、銃すら効かないと思うぞ。そんなヤツに向かって行けると思うか?」
 高橋:「それは……」
 愛原:「それに、こういう方法がある。乗務員室に入って、俺達で非常ブレーキのスイッチを押そう。それか、無線だな。電車には必ず無線が積んである。それで助けを呼べるかもしれない」
 高橋:「そうか。それだったら何も、運転室に行く必要が無いわけですね」
 愛原:「そういうことだ。そうと決まったら戻るぞ」
 高橋:「はいっ!」

 私達は3号車から2号車に戻り、そして1号車へと引き返した。

 愛原:「恐らく乗務員室には鍵が掛かっていると思うが、高橋君、こじ開けに協力してくれ」
 高橋:「もちろんです!」

 私達が速足で1号車の真ん中辺りまで来た時だった。

 愛原:「!!!」

 突然、私は水の中に放り投げられた。
 いや、放り投げられたというか……。
 上から水が覆い被さってきたのだ!
 それって、つまり……!

 愛原:「ゴボゴボガバベボ.。o○」

 私が最期に見たものは、3号車にいた水の化け物がようやっと獲物にありつけて満足そうに笑う姿だった。
 酸素の供給を断たれた私の意識が遠のくのと同時に、化け物の牙が私の前に迫って来た。

 くそぅ……やっぱり……前に進めば……良かった……。


 「そして、すべてが終わった……」 終

コメント (3)    この記事についてブログを書く
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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
いおなずんさんへ (雲羽百三)
2017-07-18 19:50:44
 はい、ブッブー!残念でした。
 やはり、「虎穴に入らずんば虎子を得ず」でしたね。

 稲生勇太:「僕達、前の車両にいるのに……」
 敷島孝夫:「出番無しかよ、くそっ……」

 どうしましょうか?

 ①コンティニューして選択し直す。
 ➁“大魔道師の弟子”版を見る。
 ③“Gynoid Multitype Sisters”版を見る。
返信する
もちろん・・・ (いおなずん)
2017-07-18 21:27:21
決まってるではないですか。
コンティニューしまーす。

迷ったもう一つの選択肢1番にしてみます。
これでだめならどうなるの?
返信する
いおなずんさんへ (雲羽百三)
2017-07-18 21:50:30
 コンティニューありがとうございます。

 まあ、もしダメならまた最後の一択を選んで頂くか、“私立探偵 愛原学”はゲームオーバーということになりますが……。
返信する

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