報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“大魔道師の弟子” 「魔の者撃退、そして……」

2015-05-05 16:09:11 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[4月24日13:00.北海道・新千歳空港温泉 イリーナ・レヴィア・ブリジッド、稲生ユウタ、マリアンナ・スカーレット]


 マリアの目論見通り、イリーナはリラクゼーションコーナーで、ボディケアを受けていた。
「全く。何がテーマパーク見学よ。とんだハリウッド映画だよ……」
 ヤノフ城での災難をセラピストに愚痴るイリーナ。
 もちろん、詳細は話さない。
 ニュースでは、城が集中豪雨による地盤の軟弱化と震度5強の地震のせいで崩壊したことになっていて、たまたま夜間作業の見学に来ていた見学者数名が辛くも脱出したことになっている。
「大変でしたねぇ……」
「あぅッ!そこ、もっと!」
「この辺ですか?……右の腰辺りが凝ってらっしゃいますねぇ」
「寄る年波には勝てないってことよ」
「えー?」
「先生!先生!先生ーっ!」
 と、そこへユタが慌てて駆け寄ってきた。
「んー?どおしたの?」
「でっ、出た……出た出た出た……!」
「ロト6で一等が!?」
「そうなんです。今夜は皆でパーッと……じゃなくて!ケンショーレンジャーが!」
「ええっ?あいつら警察に逮捕されたんじゃ?」
「それがまた来たんですよ!」
「で、誰がいたの?」
「いつものブルーとグリーン、あと何か、紫のお婆さんがいましたが……」
「フムフム。ピンクが死んだのは本当なのね。じゃあ、マリアを呼んできて」
「女湯まで探しに行けませんって!」
「それもそうか。うーん……困ったな」
 うつ伏せでマッサージを受けながら、そんなに困った顔をしていないイリーナ。
 と、そこへ後ろからユタの肩をトントンと叩く者がいた。
「はい?」
 振り向くとそこには、
「クフフフフフフフ……。お困りのようですね。ですが、御心配要りません。ご依頼頂ければ、ケンショーレンジャーの意地に掛けて、この私が大切な彼女さんをお連れ致しましょう。クフフフフフフ……」
 眼鏡がキラーンと光るグリーン。
 頭のヘッドセットにはカメラ、それだけではなく、首からもデジカメがぶら下がっている。
「ハァ……ハァ……!金髪に白い肌……ガタイのデカいロシア人とは違い、イギリス人のお人形さんみたいなかわいらしさ……!嗚呼……!」

 ガシッ!(グリーン、後ろから肩を掴まれる)

「キミっ!ここで何をしてるの!?」
 警備員ではなく、もはや警察官が出動していた。
「お巡りさん、その人で間違いありません!」
 件の警備員が捕捉を振り解かれてしまったので、警察に通報していたのだった。
「い、いえ。わ、私は何も……」
「じゃあ、この牛乳とカメラは何?それとさっきこの店の監視カメラを確認したら、キミによく似た人物が女湯を盗撮しているのがあったんだけどね?」
「そ、それは誤解です!……あ、ここは4階ですがw」
「いいから、ちょっと来てもらおうか!」
「あーれー……」
 ズールズールと連行されるグリーンだった。
「な、何だったんだ……?あ、それよりマリアさん!マリアさーん!どこですかー!」
 ユタはマリアを捜しにリラクセーションコーナーを飛び出して行った。
「……むー……ねぇ?アタシってガタイ、デカい?」
 イリーナが顔を再び穴の開いた枕に付け、むくれた感じで言った。
「いいえ。モデルのような素晴らしい体型だと思います」
 セラピストは笑顔を崩さずに答えた。

[同日同時刻 温泉施設内・女子トイレ マリアンナ・スカーレット]

 マリアが腹を抱えて女子トイレに行くと、入口には『只今、故障中』の看板が立ててあった。
「ま、マジか……!」
 だが、個室の向こうから人の気配がする。
 それどころか、“音姫”の音まで。
 鋭意、修理中なのだろうか。
 マリアが中に入って個室に近づくと、
(! 魔の者の気配が……!)
 マリアが気づいたのを見計らったかのように、個室の中からは、
「オーッホッホッホッホッホッ!捨て駒ババァの策略にまんまと引っ掛かったようじゃのー!?」
「やはり、魔の者か!?」
「ワシは魔の者ではない!イエローセンセーの仏弟子にして懐刀のケンショーピンクぢゃ!」
「オマエは死んだって聞いたぞ!?」
「オーッホッホッホッホッホッ!大聖人様が、『お前はまだ成仏するには早過ぎる』と仰せになってのー!再び今生に返り咲いたのぢゃ!」
「それって、そっちの宗教的に地獄行きってことじゃ……?」
「黙れ!ケンショーに仇なす者は、この世の生き地獄を味わうのぢゃ!ほれ!」
「うっ……!」
 マリアの腹がゴロゴロ鳴る。
「あの捨て駒ババァと存在空気グリーンのアイディアも、たまにはいいものぢゃ!お前はこれから好きなオトコの前で養豚場のブタのようにはしたなく大便を漏らし、一生『脱糞した女』のレッテルを貼りながら生き続けるのぢゃ!」
「こ、このっ……!!」
「マリアさーん!どこですかー!?」
 廊下からユタの声が聞こえた。
「くっ……!?」
「どうやらグリーンとブルーの役立たず共は、あの男には特製牛乳を飲ませることに失敗したようじゃが、ま、それも想定内、さあ、どうする?今からケンショーへの入信を約束するなら、この便器を空けてやっても良いぞ?オーッホッホッホッホッホッ!」
「あ……!あ……あ……!」
 マリアの足がガクガクと震えた。

 その頃、トイレの外では、
「お客さん、困ります!男性の方が女性トイレに入られるのは……!」
「でも、女湯以外で捜していないのはここだけなんです!」
 ユタと温泉施設従業員が押し問答をしていた。
 実はケンショーレンジャーの捜査で、女性警備員や婦警(今は女警という)らが女湯を捜索していた。
 ユタが聞いたのだが、その時、金髪に白い肌の女性客、つまりマリアらしき人物は見当たらなかったという。
「今、女性従業員を呼んでまして、その者に確認させますから、もう少しお待ちください」
 男性マネージャーがユタを制止しながら言った。
「でも、のんびりしては……ん?」
 ユタはその時、女子トイレの入口に、何かメモ書きが落ちているのが見えた。
 入口に落ちているのを拾うだけなら問題無いだろう。
「あれ、これは……!?」
 それは日本語で書かれていたが、明らかにイリーナがマリアに宛てて書いたものだった。
 それがここに落ちているということは……。
「マリアさん!マリアさん!いたら返事してください!」
「ユ……タ……!も……ダメ……!」
「オーッホッホッホッホッホッ!はしたなくオトコの見ている前で漏らすのぢゃ!」
「マリアさん!ロッカーの中に入っていた薬を飲んでください!イリーナさんが予知した『下痢止め』です!」
「な……に?」
「何じゃと!?させるかーっ!」
 女子トイレの入口からは中の様子が分からない。
 だが、ユタには聞いたことのある老婆の声と、何やらドアが思いっ切り開く音、そして何やら争う音や怒号が聞こえたという。
「ちょっと退くのぢゃ!」
「えっ?あっ!?」
 そこへケンショーパープルが女子トイレに飛び込む。
「しまった!マリアさん!1人、そっちに行きました!気をつけてください!」
 パープル、ピンクのピンチに駆けつけたか!?
 だが……。
「こりゃっ!ピンク!わらわを『捨て駒ババァ』とは何じゃ!?この、死に損ない使用済み婆やが!」
「パープル!捨て駒は捨て駒らしく消えい!それにワシを『使用済み婆や』とは何じゃ!?」
「黙れ!事実を言ってるまでぢゃ!」
 再びドシン!バタン!と賑やかなBBAキャットファイトの音が外まで聞こえた。
「お、お巡りさん!こっちです!」
 ユタは駆け付けた警察官達を手招きした。
 こうしてパープルは再び捕まったのだが、ピンクだけはマリアの魔法の杖でブン殴られ、消えたとのことだ。

「く、くっそ……!ここに捨てておこう」
 尚、ユタの一言で飲んだ魔法の下痢止めのおかげで、腹痛はたちどころに収まったものの、それまでの便意は押さえることができず、外が騒がしい中、ようやくトイレに入った時は、多少フライングしてしまっていたとのこと。
 現実は厳しい。
 汚れたショーツは女子トイレならではの個室内の設備、使用済みの生理用品などを捨てる汚物入れに捨てた。
 もちろん、ユタやイリーナには内緒である。
 当たり前だ。

[同日13:30.同温泉施設内・リラクゼーションコーナー]

 弟子達が死闘(?)を展開していた中、当の師匠は……。
「お客様?イリーナ様?終わりましたよ。起きてください」
「クカー……」
「ご予約のお客様方で、後がおしてますので……」
「うーん……あと5分……」
 寝ていたw

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14 コメント

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ANPさんへ (作者)
2015-05-06 06:18:42
おはようございます。

おお~、ただじろうさんでしたか。
確かに件の場所でお見かけしまたよ。
あれが無くなって消えてしまった御仁もいますが、どこかで元気にやっておられるものですなぁ!
返信する
Unknown (ANP)
2015-05-05 22:32:32
よっぴんさんとは別次元の多田次郎(ただじろう)なる輩ですねw

転生前は多田次郎某(諱不詳)という武士であったが「日蓮の馬鹿野郎!」と言ったために鎌倉の騒動にて戦死したという・・・・・

という妄想を俺はしています(^o^)
返信する
本堂さんへ (作者)
2015-05-05 22:00:19
 こんばんは。

 確かに横浜会館氏は、B氏に似てますね。
 あの人も横浜市在住でしたっけ?
 ただまあ、厳虎さんも横浜在住なんですが、厳虎さんではないですかね。

 ANPさんの言う通り、元は宮内庁の幹部だったけれども、王制廃止でその職を失い、ただの人となってから入信したというのが真相かもしれませんね。
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山門入り口さんへ (作者)
2015-05-05 21:54:23
 こんばんは。

>バスターミナルから登山事務所て遠いし

 そうなんです。
 高速バスの場合、せっかくターミナルを新しくしても大して意味が無いんですよ。
 絶対、総坊前のバスターミナルの方がまだ便利なのに……。
 なるべく学会寄進の施設は使いたくないという心意気なのでしょうが、でもねぇ……。

>「ひま」と言うように、「魔」は、ひ魔なんですよ。(笑)

 はい。従いまして、新千歳空港ではヒマ人集団に登場して頂きました。
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ANPさんへ (作者)
2015-05-05 21:50:16
 おお〜!あのドンチャンさんが!
 このブログのタイトルの元となった嘘新聞、冨士参詣深夜便のネタにしてしまって、申し訳無い気持ちでいっぱいです。
 てか、西成のドヤって狭っ!
 いや……それでも、ネカフェとかよりはマシなのでしょうか。
 で、

>前橋から伊勢崎に左遷

 これってもしかして、某茜オバハンがネタにしていたよっ◯んさんのこと?
 あのオバハン、あの掲示板見てるのかなぁ???

 でもサトー様の絵を見て、ワロわせて頂きましたw
 現在の老け顔とは似ても似つきませんw
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Unknown (ANP)
2015-05-05 20:52:50
まぁ今では情勢が変わってますけどねぇ・・・あながち言えませんが・・・

(現在ネパールは王制ではなく共和制)
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Unknown (本堂)
2015-05-05 20:47:25
管理人さん、権兵衛さん、山門さん、今日は。

あっつぁブログだと、あのB氏の痕跡?も残ってるので
しょうか?

因みにこのような掲示板を見つけましたが、ネパールの宮内庁長官が入信とは確信あっての発言ですかね?
間違ってたらマジ国際問題ですよ??
しかもその発言者「横浜会館」氏は何となくB氏っぽいような??↓


http://ifs.nog.cc/kenshokai-2ch.hp.infoseek.co.jp/mondou2.html

474 名前:横浜会館  ◆xi1GGopu8M :03/04/03 00:34 >>454
ほとんど嘘ですね。
ネパール国王はまだ入信しておりません。ネパールの宮内庁長官にあたる人は入信しましたが。
ひょっとしたら、今ごろもう入信されたかも知れませんが、まだ伝わっていていません。
>会館同一人物説を提唱すると会館諸氏が慌てて否定するってのは本当ですか
これはどういった事ですか?どこの箇所について言われているのですか?
返信する
Unknown (山門入り口)
2015-05-05 20:30:45
「ひま」と言うように、「魔」は、ひ魔なんですよ。(笑)

しかし、布教講演の会場か変わるのって、確かに不便ですよね。
塔中から総房に行くのも大変だして思ったのですが、添書登山とかは、登山事務所に必ず行かないといけないから、場所的には同じですよね。
だけど、バスターミナルから登山事務所て遠いし、そう言う利便性を絶対考えてないだろうなと、今頃、気がつきました。

返信する
Unknown (ANP)
2015-05-05 20:10:44
あっつぁブログのメンバーのうち長岡の野郎は新潟から大阪の西成に栄転となりドブを飲んだり残飯を食べて生活しているみたいです(^o^)

そしてもう一人はプリキュアオタクとなり前橋から伊勢崎に左遷されたそうです(^o^)

http://8253.teacup.com/donsu/bbs
さぁ!ユタさんもテキトーワールドに行きませう!
返信する
権兵衛さんへ追加。 (作者)
2015-05-05 19:45:27
 あっつぁブログはあのザマですが、ポリ銀さんだけは謝罪しに来てくれましたね。
 それだけが救いです。

 私があの漂流船の関係者を捜索しているのは、あのブログの中に、未だにポリ銀さんを仏敵として非難している記事が残されているからというのも理由の1つです。
 本来なら御受誡が分かった時点で、そういった記事は削除しなければなりません。
 “慧妙”に『同志の徒を謗るは重罪』とありましたが、素晴らしいブーメランだなと思います。
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権兵衛さんへ (作者)
2015-05-05 19:41:16
 こんばんは。

 多摩準急先生は私が学生時代に所属していた、有志の同人小説グループのリーダーさんです。
 東日本大震災を機に完全引退され、今は宮城県の実家で親の介護をしています。
 “あっつぁの顕正会体験記”で私の立場を危うんだ先生がクレームを入れに来てくれましたが、無宗教でも容赦無く攻撃対象とする武闘派の皆さんに追い出され、それ以来、今現在も含めてアンチ日蓮正宗です。
 御受誡者を減らした責任を誰も取ろうとしないし、謝罪にも来ない。
 宗教ってそんなもんですよ。
 仏敵は叩き潰して、地獄に落とす。
 もはや笑えるレベルです。

 あの大型船が漂流船になって久しいですが、航海士達の捜索は今でも続けています。
返信する
Unknown (権兵衛)
2015-05-05 19:13:29
その・・こちらのブログによく出てくる多摩準急先生というのは、作者さんの先輩というか先生ですか?
小説ブログとかされているんですか?

実は私も短編をちょい昔まで青空文庫でアップしてました。摂津大寒というペンネームですが、多分まだ残っていると思います。
返信する
権兵衛さんへ (作者)
2015-05-05 18:17:13
 こんばんは。

 早速の感想、ありがとうございます。

>メーデーに合わせた要求に衆目を惹きつけといて

 いやいや、そういうつもりは無いんですがね。
 たまにはお色気も入れておかないと、読み手の方々が退屈されますので。
 あ、一応これでも全年齢対象の内容にしてますよ、ハイ。
 多摩準急先生の官能小説なんか、ケンショーグリーンも唸るでしょう。
 当然、ここに掲載しようものなら、即通報されるレベルです。
 多分、多摩準急先生に権兵衛さん注目のシーンを書かせたら、もっと生々しいと思いますよ。

>サラッとマリアさん脱●ですね。
ということは、いまはノー下着。・・・、((((;゜Д゜))))

 少年・少女漫画とかだとギリギリ間に合ってセーフというつまらない……あ、もとい、有り得ない内容になっていますので、ここは青年漫画のような展開にしました。
 多分、ヤングマガジンやイブニング辺りだったら、普通に漏らしていたと思います。
 ヤングジャンプは最近、少年漫画みたいになっちゃってるので……多分無いでしょう。
 お色気マンガもあることはありますが。
 一応私は間を取って、間に合ったとは言い難いけれども、まあ汚れたショーツは処分して、お尻はウォシュレットで洗えば、まあ何とか……程度にしておきました。

 最初の案ではたまたま遭遇したエレーナが下剤飲まされていたんですが、多摩準急先生より、
「メインキャラクターをイジった方がいいよ」
 というアドバイスを受けたので。
 そんな先生は、恐らく2人とも手玉に取っていると思いますw
 官能小説でも、複数の女性がヤられている作品を書かれているので。
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Unknown (権兵衛)
2015-05-05 17:10:34
メーデーに合わせた要求に衆目を惹きつけといて、サラッとマリアさん脱●ですね。
ということは、いまはノー下着。・・・、((((;゜Д゜))))
ちょっと次回注目ですね、頭越しジャーンプとか、けっこう仮面のような展開有るのかしら?
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