[7月22日22:15.天候:曇 東京都港区海岸 竹芝客船ターミナル→東海汽船 橘丸船内]
改札が始まり、私達乗客は係員の案内でタラップへ向かった。
途中で係員が乗船券の改札をしている。
半券をちぎって、残りの券を渡してくる。
いわゆる、『モギリ』である。
斉藤:「荷物を載せてるのね」
タラップからはコンテナを積み込むシーンを見られる。
愛原:「これは貨客船だからね。乗客も貨物も一緒に運ぶ船なんだよ」
貨物船であっても、12名以下なら乗客を乗せても良いことになっているが、今の時代はあまり一般的ではない。
但し、2017年、アメリカのルイジアナ州の片田舎で起きたバイオハザード事件は、貨物船でBOWエヴリンの運搬中にそれが暴走したのが発端らしい。
バイオテロ組織は、貨物船に便乗した乗客を装っていたという。
リサもそうだがエヴリンもまた、完全に人間の少女に化けたBOW。
私達がこうしてリサを貨客船に乗せようとしているのと同様、彼らも貨物船に便乗したというわけだ。
リサ:「うっ……!」
その時だった。
クレーンがコンテナを船に積み込むところを見ていたリサが、突然呻いて頭を抱え、ふらついた。
愛原:「リサ!?」
リサ:「うぅう……」
どうやら何かフラッシュバックが起き、それで激しい頭痛を起こしたらしい。
リサはエヴリンと違い、元人間。
非人道的な改造実験を受けた際、人間だった頃の記憶の殆どを失ってしまった。
だが、失われたはずの記憶とリンクするような所があると、こうしてフラッシュバックを起こすのである。
愛原:「大丈夫か、リサ?」
リサ:「……大丈夫……問題無い……」
斉藤:「リサさん?」
リサ:「早く乗ろう」
私達は係員に乗船券を渡し、部屋番号の書かれた半券を返された。
係員:「船内の案内所で鍵をもらってください」
愛原:「あ、はい」
タラップを渡って船の中に入る。
船内は明るくてきれいだ。
愛原:「えーと……案内所はあそこか。ちょっと待ってて」
斉藤:「はい」
私が案内所に行くと、他にも特1等の乗客や特等の乗客が鍵を受け取っていた。
特等の乗客は老夫婦で、もしかしたらこの人達が先に予約してしまった為、斉藤社長は特等を押さえることができなかったのかもしれない。
だけど、それで結構。
本来なら2等か特2等で十分なくらいなのに、特1等とは……。
船員:「お客様のお部屋は5階になります」
愛原:「分かりました」
このフロアは4階になる。
なので、ワンフロア上だ。
愛原:「お待たせ。それじゃ、上に行こう」
リサ:「はーい!」
さっきまでのフラッシュバックはどこへやら。
リサと斉藤さんはバタバタと階段を上って行った。
愛原:「こらこら!鍵が無いと入れないぞ!」
私は先に上に上がったリサ達をたしなめる。
リサ:「先生!早く、早くぅ!」
リサは階段の手すりに掴まりながら、階段の途中でしゃがみこんだ。
その際、裾の短いスカートの中が見えてしまう。
薄いピンク色のショーツが見えた。
リサのヤツ、オーバーパンツ穿いてないのか?
あれほど高野君に穿くよう言われてたのに……。
愛原:「リサ、立って!見えてる」
リサ:「はーい……。サイトーも先生にパンツ見せてあげて」
斉藤:「うん。……って、ええっ?!」
愛原:「こらっ!」
斉藤:「『見せパン』穿いてますけど、いいですか?」
愛原:「斉藤さんも真に受けない!」
斉藤さんはちゃんとオーバーパンツ穿いてるんだな。
今日日の女の子はそれが普通なんだろう。
穿いておらず、パンチラ上等なのはAVとかエロコンテンツ限定なのが現実と思われる。
愛原:「リサ、高野君に怒られるぞ」
リサ:「高野さん、今日いないし」
愛原:「そういう問題じゃない!」
学校に行く時はちゃんと穿いていくのに……。
といっても、体操着として穿くスパッツであるが。
私が中学生の頃まで、女子はブルマーだったが、今は全廃されてスパッツになっている。
体育の時とかは、その方が着替えも楽だろう。
しかしリサのヤツ、あまり重ね穿きは好きではないのか、学校から帰って来ると、制服より先にスパッツを先に脱いでしまうのだ。
……と思ったら、斉藤さんちに遊びに行く時は、私服用のオーバーパンツを穿いて行くんだよなぁ。
まあ、BOWになって感覚が人間とは違うようになってしまったから、何かあるんだろうな。
愛原:「えーと……ここか」
気を取り直して船室に向かう。
途中で1等船客以上の者しか入ることを許されないエリアに入る為の自動ドアを通り抜けた。
1等以上を上級船客、特2等以下を下級船客と分けているらしい。
私達はもちろん前者だ。
愛原:「ここが今宵の牙城だよ」
リサ:「わぁ!」
斉藤:「リサさん、どこで寝る!?」
リサ:「先生はどこで寝る!?」
愛原:「そうだなぁ……」
そこで私はふと気づいた。
要はここ、4人用個室じゃないか。
男の私が一緒に寝泊まりしていい場所か?
この前の研修センターだって、男女別だったというのに。
愛原:「やっぱ俺、2等で寝るわ。多分、まだ席空いてる」
霧崎:「は?」
リサ:「えーっ!?何で何でー!?」
愛原:「いや、キミ達はここでいいよ。しかし、男の俺がキミ達と同じ部屋で寝るのは……」
一応、ベッドにカーテンは付いている。
この前の研修センターの2段ベッドもそうだったが。
愛原:「ねぇ、霧崎さん?こんなオッサンが同じ部屋なんて気持ち悪いよな?」
霧崎:「私は一介のメイドです。御嬢様の御意向に従います」
斉藤:「わ、私はリサさんの御意向に従います」
リサ:「私は先生と一緒の部屋がいい。だから問題無い。サイトーもいいよね?」
斉藤:「り、リサさんの御意向に従います」
霧崎:「私は御嬢様の御意向に従います」
リサ:「じゃ、決まりってことで」
リサはニヤリと笑った。
完全に人間の姿をした第0形態のはずだが、何故か口元に牙が覗いたように見えた。
お、おかしいな?
引率者は私のはずなのに、いつの間にかリサに主導権を奪われた感がしてしょうがない。
さすがは大ボスも張った上級BOWリサ・トレヴァーの日本モデル改良版。
愛原:「お、俺は上段でいいよ」
リサ:「じゃ、私も上段」
斉藤:「わ、私も!」
愛原:「狭い狭い!」
霧崎:「御嬢様方は下段へどうぞ」
愛原:「ほら!メイドさんもそう言ってるぞ!」
リサ:「私、下で寝る。先生の下」
斉藤:「わ、私もリサさんと同じ……」
霧崎:「御嬢様はそちらのベッドでお休みください。後々、旦那様への報告が大変なことになりますので」
斉藤:Σ(゚Д゚) 「わ、分かったわよ。そっちで寝るわよ……」
父親の存在が出ると、斉藤さんはおとなしく従った。
私には柔和な斉藤社長だが、会社や家庭ではとても厳格な人物として振る舞っているらしい。
そうこうしているうちに、船が揺れ始めた。
どうやら出港したようである。
改札が始まり、私達乗客は係員の案内でタラップへ向かった。
途中で係員が乗船券の改札をしている。
半券をちぎって、残りの券を渡してくる。
いわゆる、『モギリ』である。
斉藤:「荷物を載せてるのね」
タラップからはコンテナを積み込むシーンを見られる。
愛原:「これは貨客船だからね。乗客も貨物も一緒に運ぶ船なんだよ」
貨物船であっても、12名以下なら乗客を乗せても良いことになっているが、今の時代はあまり一般的ではない。
但し、2017年、アメリカのルイジアナ州の片田舎で起きたバイオハザード事件は、貨物船でBOWエヴリンの運搬中にそれが暴走したのが発端らしい。
バイオテロ組織は、貨物船に便乗した乗客を装っていたという。
リサもそうだがエヴリンもまた、完全に人間の少女に化けたBOW。
私達がこうしてリサを貨客船に乗せようとしているのと同様、彼らも貨物船に便乗したというわけだ。
リサ:「うっ……!」
その時だった。
クレーンがコンテナを船に積み込むところを見ていたリサが、突然呻いて頭を抱え、ふらついた。
愛原:「リサ!?」
リサ:「うぅう……」
どうやら何かフラッシュバックが起き、それで激しい頭痛を起こしたらしい。
リサはエヴリンと違い、元人間。
非人道的な改造実験を受けた際、人間だった頃の記憶の殆どを失ってしまった。
だが、失われたはずの記憶とリンクするような所があると、こうしてフラッシュバックを起こすのである。
愛原:「大丈夫か、リサ?」
リサ:「……大丈夫……問題無い……」
斉藤:「リサさん?」
リサ:「早く乗ろう」
私達は係員に乗船券を渡し、部屋番号の書かれた半券を返された。
係員:「船内の案内所で鍵をもらってください」
愛原:「あ、はい」
タラップを渡って船の中に入る。
船内は明るくてきれいだ。
愛原:「えーと……案内所はあそこか。ちょっと待ってて」
斉藤:「はい」
私が案内所に行くと、他にも特1等の乗客や特等の乗客が鍵を受け取っていた。
特等の乗客は老夫婦で、もしかしたらこの人達が先に予約してしまった為、斉藤社長は特等を押さえることができなかったのかもしれない。
だけど、それで結構。
本来なら2等か特2等で十分なくらいなのに、特1等とは……。
船員:「お客様のお部屋は5階になります」
愛原:「分かりました」
このフロアは4階になる。
なので、ワンフロア上だ。
愛原:「お待たせ。それじゃ、上に行こう」
リサ:「はーい!」
さっきまでのフラッシュバックはどこへやら。
リサと斉藤さんはバタバタと階段を上って行った。
愛原:「こらこら!鍵が無いと入れないぞ!」
私は先に上に上がったリサ達をたしなめる。
リサ:「先生!早く、早くぅ!」
リサは階段の手すりに掴まりながら、階段の途中でしゃがみこんだ。
その際、裾の短いスカートの中が見えてしまう。
薄いピンク色のショーツが見えた。
リサのヤツ、オーバーパンツ穿いてないのか?
あれほど高野君に穿くよう言われてたのに……。
愛原:「リサ、立って!見えてる」
リサ:「はーい……。サイトーも先生にパンツ見せてあげて」
斉藤:「うん。……って、ええっ?!」
愛原:「こらっ!」
斉藤:「『見せパン』穿いてますけど、いいですか?」
愛原:「斉藤さんも真に受けない!」
斉藤さんはちゃんとオーバーパンツ穿いてるんだな。
今日日の女の子はそれが普通なんだろう。
穿いておらず、パンチラ上等なのはAVとかエロコンテンツ限定なのが現実と思われる。
愛原:「リサ、高野君に怒られるぞ」
リサ:「高野さん、今日いないし」
愛原:「そういう問題じゃない!」
学校に行く時はちゃんと穿いていくのに……。
といっても、体操着として穿くスパッツであるが。
私が中学生の頃まで、女子はブルマーだったが、今は全廃されてスパッツになっている。
体育の時とかは、その方が着替えも楽だろう。
しかしリサのヤツ、あまり重ね穿きは好きではないのか、学校から帰って来ると、制服より先にスパッツを先に脱いでしまうのだ。
……と思ったら、斉藤さんちに遊びに行く時は、私服用のオーバーパンツを穿いて行くんだよなぁ。
まあ、BOWになって感覚が人間とは違うようになってしまったから、何かあるんだろうな。
愛原:「えーと……ここか」
気を取り直して船室に向かう。
途中で1等船客以上の者しか入ることを許されないエリアに入る為の自動ドアを通り抜けた。
1等以上を上級船客、特2等以下を下級船客と分けているらしい。
私達はもちろん前者だ。
愛原:「ここが今宵の牙城だよ」
リサ:「わぁ!」
斉藤:「リサさん、どこで寝る!?」
リサ:「先生はどこで寝る!?」
愛原:「そうだなぁ……」
そこで私はふと気づいた。
要はここ、4人用個室じゃないか。
男の私が一緒に寝泊まりしていい場所か?
この前の研修センターだって、男女別だったというのに。
愛原:「やっぱ俺、2等で寝るわ。多分、まだ席空いてる」
霧崎:「は?」
リサ:「えーっ!?何で何でー!?」
愛原:「いや、キミ達はここでいいよ。しかし、男の俺がキミ達と同じ部屋で寝るのは……」
一応、ベッドにカーテンは付いている。
この前の研修センターの2段ベッドもそうだったが。
愛原:「ねぇ、霧崎さん?こんなオッサンが同じ部屋なんて気持ち悪いよな?」
霧崎:「私は一介のメイドです。御嬢様の御意向に従います」
斉藤:「わ、私はリサさんの御意向に従います」
リサ:「私は先生と一緒の部屋がいい。だから問題無い。サイトーもいいよね?」
斉藤:「り、リサさんの御意向に従います」
霧崎:「私は御嬢様の御意向に従います」
リサ:「じゃ、決まりってことで」
リサはニヤリと笑った。
完全に人間の姿をした第0形態のはずだが、何故か口元に牙が覗いたように見えた。
お、おかしいな?
引率者は私のはずなのに、いつの間にかリサに主導権を奪われた感がしてしょうがない。
さすがは大ボスも張った上級BOWリサ・トレヴァーの日本モデル改良版。
愛原:「お、俺は上段でいいよ」
リサ:「じゃ、私も上段」
斉藤:「わ、私も!」
愛原:「狭い狭い!」
霧崎:「御嬢様方は下段へどうぞ」
愛原:「ほら!メイドさんもそう言ってるぞ!」
リサ:「私、下で寝る。先生の下」
斉藤:「わ、私もリサさんと同じ……」
霧崎:「御嬢様はそちらのベッドでお休みください。後々、旦那様への報告が大変なことになりますので」
斉藤:Σ(゚Д゚) 「わ、分かったわよ。そっちで寝るわよ……」
父親の存在が出ると、斉藤さんはおとなしく従った。
私には柔和な斉藤社長だが、会社や家庭ではとても厳格な人物として振る舞っているらしい。
そうこうしているうちに、船が揺れ始めた。
どうやら出港したようである。
教祖:「神聖なる祈りの場において、コロナを発症した者は魔女。魔女は狩るべき存在。魔女は火あぶり。クククク……」
というネタをネタ帳に記入させて頂きましたw
キリスト教は本当にネタに尽きませんな。
“ユタと愉快な仲間たち”シリーズで使わせて頂きましょうw
“バイオハザード”シリーズでも、“バイオハザード4”や“バイオハザードリベレーションズ”は宗教テロがテーマだったな。
そういった意味では“私立探偵 愛原学”でも使えるかも。
https://news.goo.ne.jp/article/jiji/world/jiji-200801X893.html
安楽死もそうだが、医者が“バイオハザード”小説を投稿していたら、それはそれで怖い。
その暁には二次創作として、私が「突入したBSAAに射殺される、バイオハザードを引き起こした医者」のシーンを執筆させて頂きましょう。