[8月12日09:52.宮城県仙台市青葉区中央 JR仙台駅→仙山線825M列車最後尾車内]
〔本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。今度の8番線の列車は、10時8分発、普通、山形行きです。この列車は、4両です。……〕
ホームに降りて、電車を待つ。
愛子止まりの普通列車が多く、そこから先へ行く列車はおよそ1時間に1本と少ない。
仙台市西部も実際、愛子駅を過ぎると、急に寂しくなって行くという。
作並温泉の最寄りである作並駅はあるが、電車でアクセスする温泉客は少ないらしい。
〔まもなく8番線に、当駅止まりの列車が参ります。危ないですから、黄色い線までお下がりください。折り返し、10時8分発、普通、山形行きとなります。この列車は、4両です。……〕
仙台駅では、もっとも東側にあるホームに電車がやってくる。
市内近郊区間は比較的本数も多く、乗客数も多い。
〔せんだい~、仙台~。本日も、JR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございました。お忘れ物の無いよう、ご注意ください〕
さっきからホームにATOSの自動放送が流れているが、首都圏対象の輸送管理システムが、飛び地で仙台駅にも導入されているというわけではない。
あくまでも、放送だけを流用しているに過ぎない。
ここまでの乗客がぞろぞろと降りてくる。
本来なら仙台駅発着の列車は、特急車両などを除いて、半自動ドア扱いである。
つまり、ドア横のボタンを押して、乗客がドアを開け閉めする方式だ。
しかし、コロナ対策としての換気促進の為、仙山線でも半自動方式はやめにして、自動方式に切り替えられている。
愛原:「ここにしよう」
空席となったボックスシートを確保する。
リサは進行方向窓側に座らせ、私がその向かい、高橋がリサの隣に座るといった感じだ。
高橋:「先生、逆向きは酔いませんか?」
愛原:「それも座る位置だよ。ここでは、後ろ展望が臨めるからね」
最後尾車両の1番後ろのボックスシート。
混んでいなければ、乗務員室の窓越しに後ろが見える。
つまり、車掌と同じ向きというわけだな。
仙山線ではワンマン運転は行われていない為、このように4両で1編成という車両も運用に当たっている。
〔この電車は、仙山線、普通、山形行きです〕
天井からは冷房がフル稼働する音が聞こえてくる。
本当ならドアを閉めて、冷房の効果を高めたいところだろうが、そうはいかない御時世だ。
よく見ると、窓も少し開いている。
〔「ご案内致します。この電車は10時8分発、仙山線、普通列車の山形行きです。東照宮、北仙台、北山、東北福祉大前、国見の順に、終点の山形まで各駅に止まります。……」〕
高橋:「先生、何か飲み物買ってきましょうか?」
愛原:「そうだな。奥新川駅には何も無いから、今のうちに買っておくか」
高橋:「本当に何も無いんですか?自販機も?」
愛原:「無い。マジで何も無い」
高橋:「……その駅、存在価値あるんスか?」
愛原:「あれでも周辺には数世帯の家が建っているのと、一応ハイキングコースの入口みたいな感じになってるから、それで残してるんだろう」
あの辺りの他の駅は廃止されている。
奥新川駅よりも更に秘境駅とされた八ツ森駅、そして遊園地の廃園と共に廃止された西仙台ハイランド駅がそうだ。
噂では奥新川駅へは、一応市道(というか林道?)があるが、八ツ森駅はそもそもアクセス路が無いとか聞いたことがある。
西仙台ハイランド駅は、まあ、そもそも遊園地が廃業したのだから、そのアクセス駅としての役割を終えたのだからしょうがない。
ん?行川アイランド駅?知らんよ。
[同日10:08.天候:晴 JR仙山線825M列車最後尾車内]
発車の時間が迫り、ホームに発車メロディが鳴り響いた。
仙台駅の発車メロディは、新幹線も在来線も、それぞれオリジナルのものが流れる。
仙石線のホームだけはベル(隣のあおば通駅で発車メロディを使用しているからか)。
〔8番線から、普通、山形行きが発車致します。ドアが閉まります。ご注意ください。駆け込み乗車は、おやめください〕
尚、在来線ホームでは、発車メロディに被せるようにして、発車の放送が流れる。
録り鉄(撮り鉄ではない)泣かせである。
車掌が笛を吹いて、ドアスイッチを『閉』にする。
首都圏のものと違い、軽い感じのドアチャイムが2回鳴ってからドアが閉まる。
で、閉まり切る前に一旦止まって、それからドアが閉まる。
呼吸を整えてから、第2障害を駆け登るばんえい競馬のようである。
そして、電車は定刻通り発車した。
乗客は多く、座席の殆どが埋まり、近距離客はあえて座席に座らず、ドア付近や乗務員室前に立っているほど。
〔今日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。この電車は、仙山線、普通、山形行きです。【中略】次は、東照宮です〕
首都圏の在来線電車で流れる自動放送と同じ声優さんなので、何となく既視感がある。
ただ、首都圏の放送よりも、随分と詳しく喋る。
愛原:「おっと。一応、善場主任に報告しとかなくちゃな」
私はスマホを取り出して、善場主任にLINEを送った。
すぐに返信は来なかったが、恐らく昨日の事で忙しいのだろう。
昨日、家の金庫の底から回収した鍵は2本。
1つはこれから行く、家の鍵。
もう1つは筒に入っていた、恐らく金庫の鍵と思わしき鍵。
そして、メモ用紙が入っており、そこにはこれから行く家の住所が書いてあった。
愛原:「アンブレラの手に渡った家だから、変に改築されてるかもしれない。一応、リサはカード持ってきたな?」
リサ:「うん、大丈夫」
日本アンブレラの研究施設において、カードキーで解錠するタイプの鍵なら、殆ど開けることができるカードキー。
リサはそれを持っている。
もしかしたら、これから行く家にも、それが導入されているかもしれないので、持って行った方が良いだろう。
〔本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。今度の8番線の列車は、10時8分発、普通、山形行きです。この列車は、4両です。……〕
ホームに降りて、電車を待つ。
愛子止まりの普通列車が多く、そこから先へ行く列車はおよそ1時間に1本と少ない。
仙台市西部も実際、愛子駅を過ぎると、急に寂しくなって行くという。
作並温泉の最寄りである作並駅はあるが、電車でアクセスする温泉客は少ないらしい。
〔まもなく8番線に、当駅止まりの列車が参ります。危ないですから、黄色い線までお下がりください。折り返し、10時8分発、普通、山形行きとなります。この列車は、4両です。……〕
仙台駅では、もっとも東側にあるホームに電車がやってくる。
市内近郊区間は比較的本数も多く、乗客数も多い。
〔せんだい~、仙台~。本日も、JR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございました。お忘れ物の無いよう、ご注意ください〕
さっきからホームにATOSの自動放送が流れているが、首都圏対象の輸送管理システムが、飛び地で仙台駅にも導入されているというわけではない。
あくまでも、放送だけを流用しているに過ぎない。
ここまでの乗客がぞろぞろと降りてくる。
本来なら仙台駅発着の列車は、特急車両などを除いて、半自動ドア扱いである。
つまり、ドア横のボタンを押して、乗客がドアを開け閉めする方式だ。
しかし、コロナ対策としての換気促進の為、仙山線でも半自動方式はやめにして、自動方式に切り替えられている。
愛原:「ここにしよう」
空席となったボックスシートを確保する。
リサは進行方向窓側に座らせ、私がその向かい、高橋がリサの隣に座るといった感じだ。
高橋:「先生、逆向きは酔いませんか?」
愛原:「それも座る位置だよ。ここでは、後ろ展望が臨めるからね」
最後尾車両の1番後ろのボックスシート。
混んでいなければ、乗務員室の窓越しに後ろが見える。
つまり、車掌と同じ向きというわけだな。
仙山線ではワンマン運転は行われていない為、このように4両で1編成という車両も運用に当たっている。
〔この電車は、仙山線、普通、山形行きです〕
天井からは冷房がフル稼働する音が聞こえてくる。
本当ならドアを閉めて、冷房の効果を高めたいところだろうが、そうはいかない御時世だ。
よく見ると、窓も少し開いている。
〔「ご案内致します。この電車は10時8分発、仙山線、普通列車の山形行きです。東照宮、北仙台、北山、東北福祉大前、国見の順に、終点の山形まで各駅に止まります。……」〕
高橋:「先生、何か飲み物買ってきましょうか?」
愛原:「そうだな。奥新川駅には何も無いから、今のうちに買っておくか」
高橋:「本当に何も無いんですか?自販機も?」
愛原:「無い。マジで何も無い」
高橋:「……その駅、存在価値あるんスか?」
愛原:「あれでも周辺には数世帯の家が建っているのと、一応ハイキングコースの入口みたいな感じになってるから、それで残してるんだろう」
あの辺りの他の駅は廃止されている。
奥新川駅よりも更に秘境駅とされた八ツ森駅、そして遊園地の廃園と共に廃止された西仙台ハイランド駅がそうだ。
噂では奥新川駅へは、一応市道(というか林道?)があるが、八ツ森駅はそもそもアクセス路が無いとか聞いたことがある。
西仙台ハイランド駅は、まあ、そもそも遊園地が廃業したのだから、そのアクセス駅としての役割を終えたのだからしょうがない。
ん?行川アイランド駅?知らんよ。
[同日10:08.天候:晴 JR仙山線825M列車最後尾車内]
発車の時間が迫り、ホームに発車メロディが鳴り響いた。
仙台駅の発車メロディは、新幹線も在来線も、それぞれオリジナルのものが流れる。
仙石線のホームだけはベル(隣のあおば通駅で発車メロディを使用しているからか)。
〔8番線から、普通、山形行きが発車致します。ドアが閉まります。ご注意ください。駆け込み乗車は、おやめください〕
尚、在来線ホームでは、発車メロディに被せるようにして、発車の放送が流れる。
録り鉄(撮り鉄ではない)泣かせである。
車掌が笛を吹いて、ドアスイッチを『閉』にする。
首都圏のものと違い、軽い感じのドアチャイムが2回鳴ってからドアが閉まる。
で、閉まり切る前に一旦止まって、それからドアが閉まる。
呼吸を整えてから、第2障害を駆け登るばんえい競馬のようである。
そして、電車は定刻通り発車した。
乗客は多く、座席の殆どが埋まり、近距離客はあえて座席に座らず、ドア付近や乗務員室前に立っているほど。
〔今日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。この電車は、仙山線、普通、山形行きです。【中略】次は、東照宮です〕
首都圏の在来線電車で流れる自動放送と同じ声優さんなので、何となく既視感がある。
ただ、首都圏の放送よりも、随分と詳しく喋る。
愛原:「おっと。一応、善場主任に報告しとかなくちゃな」
私はスマホを取り出して、善場主任にLINEを送った。
すぐに返信は来なかったが、恐らく昨日の事で忙しいのだろう。
昨日、家の金庫の底から回収した鍵は2本。
1つはこれから行く、家の鍵。
もう1つは筒に入っていた、恐らく金庫の鍵と思わしき鍵。
そして、メモ用紙が入っており、そこにはこれから行く家の住所が書いてあった。
愛原:「アンブレラの手に渡った家だから、変に改築されてるかもしれない。一応、リサはカード持ってきたな?」
リサ:「うん、大丈夫」
日本アンブレラの研究施設において、カードキーで解錠するタイプの鍵なら、殆ど開けることができるカードキー。
リサはそれを持っている。
もしかしたら、これから行く家にも、それが導入されているかもしれないので、持って行った方が良いだろう。
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